「女医」。健康な成人男子であれば、この一語を見ただけで、妄想や幻想をいくらでも抱くことができるだろう。ゲストは、おおたわ史絵。そう女医である。メディアを通して垣間見られる持ち前の美貌と、歯に衣着せぬ小気味よいトークに、どれほどの男たちが魅せられていることであろうか。今回の取材を通し、普段のメディアからは伝わらない医師として、また女性としての内面を見ることができた。
もちろん、これは単に個人的な問題ですから、性に対して貪欲なお医者さんだっていると思うし、看護婦さんでもいると思います。ただ、私の場合は動物としての生命力が弱い気がします。性に対する欲求があるということは、生き物として生命力が強いという証しじゃないですか。動物として生きているからには、そういった欲求があって当然なんだと思うんです。ある時、私は自分にはそれが欠落していることに気づいたんです。
あと人間を男は男、女は女としてどちらも特別視していないっていうのが正しいかもしれない。患者さんをたくさん見過ぎているっていうこともあるかもしれないですが、私にとっては、男であれ女であれ、人間は人間なんですよ。
最近の社会では、やれセックスレスだ、やれ少子化だって問題になっているみたいですけど、それって経済的なことに影響が出るからだと思うんです。だって、したくないものは仕方ないと思うんです。将来的にセックスレスになり、子供が生まれなくなり、人口が減っていくのであれば、それは自然の摂理として仕方ないのではないでしょうか? 人類の歴史が何万年だか知りませんが、原人から始まって二足歩行の人間になった時から、人類はピークを超えていたと思うんです。
恐竜がいなくなり、アンモナイトがいなくなり、三葉虫がいなくなり…って、色々な古代生物がいなくなっていったのと同じで、人類もいつかは消滅する種族です。この地球上ではつねに色々なものが生まれて、生きて、死んでを繰り返していているわけです。そう考えると、長期的なスパンでみたら恐らく人間は将来いなくなる種族だと思いますね。
現在の性交渉っていうのは快楽と種の保存、両方の側面をもって成り立ってきてるわけじゃないですか。これって人間ならではの感覚で、人間以外の動物には快楽っていう性はないんです。将来的には快楽と種の保存、この二つの要素がもっと乖離していって、快楽のみを求める人は、例えばバーチャルな、快楽だけを求めた性行為。一方、子供が欲しいという人は、例えば試験管ベイビーでやクローンといった、子供を作るためだけの性行為っていうシステムが、何らかの形で実現するのではないかと思います。
今まであったような、お互いにムラムラしたから思わずヤッちゃって、子供ができちゃったからハイ結婚、そんでもって家庭ができちゃった、みたいな原始的な図式がなくなっていって、快楽なら快楽、種の保存なら種の保存、セックスの二極化が始まると思います。