「女医」。健康な成人男子であれば、この一語を見ただけで、妄想や幻想をいくらでも抱くことができるだろう。ゲストは、おおたわ史絵。そう女医である。メディアを通して垣間見られる持ち前の美貌と、歯に衣着せぬ小気味よいトークに、どれほどの男たちが魅せられていることであろうか。今回の取材を通し、普段のメディアからは伝わらない医師として、また女性としての内面を見ることができた。
一恋愛や性に関する取材にも関わらず、ホントに申し訳ないんですが、私ってそれほどモテなかったんです(笑)。特に幼少時代はけっこう肥満児で。当時のビジュアルはホントにひどいものでしてね。そんな体格であることに加え、超ド近眼で変な赤いメガネをかけていたんですよ! そんなコがモテるわけないじゃないですか(笑)!
当時の私は写真を撮られたくないっていう気持ちがあって、遠足とかでも先生がカメラを持っているのを見ると逃げ回ってて。今思うと、自分の女のコとしてのビジュアルが悪いっていうことをちゃんと自覚していたんだと思いますね。そのくらい自分の容姿が嫌いで、写真に残したくなかったんですね。だから卒業アルバムを作る時に先生が児童一人一人の写真をたくさん並べるわけなんですが、私の写真だけは見つからなかったっていう事態が起きてしまって(笑)。だからちょっと見切れてる程度の小さな写真を、間に合わせ程度に使ったっていう感じでしたね。あっ、一応言っておきますけど、その後、整形とかしてないですから(笑)。
もちろんどこかにモテたいっていう気持もあったと思います。でも一方では諦めに似た感情もあったと思います。だから明るく楽しく、バレンタインとかで盛り上がっている女のコたちのことは、羨ましかったんだと思いますね。自分には縁遠い世界なんだろうなあって。
だから初恋の経験とかも、実際よくわからないんです。何となくいいなあっていう男子はいたと思います。ただ『自分なんかお呼びじゃないんだ』っていう気持ちがあって、つねに自分の中で綱引きをしている感じで…。『あの男のコのことなんか好きじゃないんだ』って自分に言い聞かせていました。
ところが中学時代に10キロ近くダイエットをしたら、人生が変わりました。世の中の男っていうのはゲンキンなもので、痩せた途端に態度がコロッと豹変したんです。電車に乗っていても塾に行っても、お店に行っても、男子が明らかに違う目で見ていることがわかりました。そして世の中、外見ではなく中身だっていうのはウソであるということを身を持って知りました。もちろん、その後から現在まで人生を歩む中で、内面こそが最終的に身を助けるということもわかりましたけどね。でもとにかくその当時は、外見なんて関係ないっていうのは詭弁であって、人生って外見でものすごく左右されるものだと思いました。