自分では気づかない、心の奥に潜む人間の感情を掘りおこすことで心理を追求し、説得力のある解説で、現在テレビや雑誌などで注目を集めている精神科医、名越康文。職業柄、常日頃からに傍観者としての意識が強いという彼。果たして恋愛や性愛に関してはいかがなものなのだろう。人気カウンセラーの深層心理に迫ってみた。
一般的に“女性”というよりも“女性性”の快感というものの方が、ファジーだと思うんです。解剖学的に見ても女性の性器は快感を感じる部分の稜線がはっきりとしていないですよね。逆に男の場合は、ペニスとか、解剖学的な差異が明らかなところがあるんです。感覚の世界においても、どこまでがセックスの快楽かとなると、男の場合、射精という部分に終着点を置き、そこへ向かって快感が定点移動していくっていうのかな。例えばキス→愛撫→挿入→射精というように、いわゆるプロセスの形になるんです。
そういう意味でもやっぱり女性の快感の方がより境界線のない、いわば”海原”に近いと思うんです。快感に入っていきやすいですし、深く入ってもまたもとの意識に戻れます。快感の触れ幅が大きいから、ものすごい快感を得ても次の日にはシャキッとしていられるんです。逆に男がもし今までにはないような体験をし、えも言われぬ快感を得てしまったら二度と戻ってこれなくなると思うんですよ。男の自我の方が脆いっていうことが臨床的にはいえると思いますね。
セックスの過程で相手に対して嫌悪感を抱かないことって、実はすごいことだと思うんです。男って射精を済ませると、とたんに自分の世界にこもりたくなるものじゃないですか。そういう時に隣で寝ている女性の息づかいが微妙に気が合わなかったり、触れ合っている肌がじとっとしていて不快感を憶えたりすることって、実は意外に小さなストレスを溜め込んでゆくことになっているわけです。
今は別に痩せていない女性でも、たとえば運動神経がよさそうというか、体にキレのある人であれば全然OKです。肌がはじけてて弾力がある、または皮下組織が張ってる人という方が素敵ですね。年齢に関係なく肌に艶と張りがある人がいいです。最近は適度な運動をして新陳代謝が良ければ、40代の女性でもプルンッとしてる人はいますよ。逆にたるみがある感じはダメですね。
あとフェチとは言わないまでも、何かに集中している女性の横顔っていうのはドキッとしますね。ええ、正面でなく横顔なんです。ベタで申し訳ないですが髪型はポニーテールが好きで(笑)。でも意外とショートカットも好きなんですよ。ほら、あれって頸部のラインがキレイに出るでしょう。これはポニーテールとも共通するんですが、僕は首の線が出ないとダメなんです。だから女性と最初に会ったときにまず見ちゃうのは、首から肩のラインですね。好みの顔じゃなくても、このラインがきれいな人はハッとしちゃいます。