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今月の放言

セックスは野獣であれ 大仁田厚

直筆短冊

大仁田厚。“ファイヤー!”でお馴染みの男である。レスラーであることに加え、学生や議員、役者……。キャリアは変われどその都度、自らの人生を独自のカラーで塗りつぶしてきた御仁だ。マニュアルという言葉など存在しないこの男は、果たしてどんな性愛感を抱いてこれまで生きてきたのであろうか。電流爆破じゃ見られない、衝撃の告白に刮目すべし。

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プロフィール 大仁田厚

長崎県出身。'73年、ジャイアント馬場に憧れ、全日本プロレスに新弟子第一号として入門し、翌年デビュー。'80年代以降はレスラーでありながら、タレントや俳優活動も開始。さらに'01年には参院戦に比例区で出馬して当選するが、'07年6月に突如引退。最近は50キロのダイエットに成功し話題に。著書『やせたい人は運動するな!―1日5分タッチダウンダイエット』(ダイヤモンド社)が絶賛発売中。

第2章 秒殺で終わった初体験

女性に目覚めたのは、プロレスラーになってからだから、おそらく16~17歳からかな。それまではマジで興味がなかったからなあ。さっきも言った通り、俺はめちゃめちゃ硬派だったから、今の若い連中みたいにガツガツしてなかったんだよね。どっちかっていうと、学ラン着て鉄ゲタを履いてっていう、わかりやすい感じでさ。だから、自分から女性をつっぱねてたというよりも、本当に興味がなかったんだよ。

童貞を失ったのは、レスラーになって沖縄に行った、その16~17歳のときだったんだけど、先輩に「遊びに行くぞ」って言われて、俺は飲み屋に行くのかと思ったら風俗に連れて行かれて。で、店の中に入って、ズボン下げたらハイ終わりっていう感じでね。もうとにかく早すぎて、挿入したのかどうかもわからない感じだったよ(笑)。あれがセックスだったのか、どうなんだろうって思いながら店の外に出たら、一緒に入った同い年のやつが俺より先に出てたっていうね(笑)。

中学の頃までは、エロ本とかを見た経験はあったけど、特に何も感じなかった。何度も言うけど、とにかく硬派で、女性の裸をナマで見たことなんてなかった。何よりも自分の中では母親というものが絶対的な存在で、なんだかエロの世界観そのものがアンタッチャブルなものというか、触れたら汚れるみたいなイメージがあって、踏み込めない部分があったんだと思う。ただ、その初体験のときは、かなりアッという間だったけど、何となく自分の中で、「包み込まれるような感覚」っていうのがあったんだ。

それからはもう、ドツボにハマっていったよね(笑)。とにかく女性を見つけては「ヤリたい」みたいな(笑)。ただ、20代後半くらいからは、誰でもいいってわけじゃなくて、相手の女性に魅力を感じなければやらないっていう風になっていったかなあ。

俺の周りに、何人の女とやったって自慢する金持ちのやつとかいるけど、そいつが羨ましいかって考えたら、俺は全然羨ましいとは思わないんだ。だって、金でモテてるだけだからそいつは。正直、確かにちょっとは羨ましいって思ってる部分もあるとは思うけど、それに対して否定的な感情の方がまさっているんだよね。わかるだろ? 俺は、俺という人間そのものに魅力を感じて、付いて来てくれる女性じゃないとダメなんだよ。まあ、これがあと5年、10年って時間が経つと、俺の中でまた変わってくるのかもしれないけどね、意外と。

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