ネオン街。そこではあらゆる男女が酒に、そして雰囲気に酔いつつ、腹の中で丁々発止のかけひきを繰り広げる、さまざまな欲望が渦巻く戦場である。倉科遼は、そんな男女の“化かし合い”をつぶさに見続けている、まさに“夜の帝王”である。彼のその目に、男女は、そして夜の蝶たちは、果たしてどのようにうつっているのだろうか。
僕の場合、ヤリたくなる女っていうのは、官能的であるかどうかってことはあまり関係がないんですよね。とりあえず、すぐにヤルことはないです。とは言いつつも、飲み屋で盛り上がったらそのまま勢いで行っちゃったコとかもいますけど(笑)。でも基本的には、しばらく会話をしてみて、このコの性格はどうか、あとでモメないかとか、そういうことは最低限リサーチをしますよ。
自分はピンサロとか、ヌクための風俗には行ったことがなくて、どっちかっていうと「水系」が好きなんですよね。女の人と話しをしながら、距離を詰めていく楽しさっていうか。自分も物書きですから、ときめいた瞬間に見える世界があるんですよ。関係を築く間に、その女性のもう一つの違う側面みたいなものも垣間みれたりしたら、それがまた楽しいんですよ。ベッドインしたら、ぜんぜん違う女に豹変しちゃうコとかね(笑)。
妻以外の女性と、初めてセックスをしたときのことは憶えてますよ。ずっと同じ人としてて、別の女性とするわけですから、そりゃあ新鮮でしたよね。誰でもそうですし、セックスってそういうものでしょう。もちろんそのときは、さっきも言ったように、相手に対してカワイイとか愛おしいとか、そういう気持ちは芽生えますよね。そういうのがないとモチベーションにならないし、ただ単にヌクだけなら、オナニーや風俗と同じですから。
そういう関係になった女性とのセックスに溺れたかどうかっていうのはわかりませんが、相性のいい女性はいましたね。個人的に自分が一番ハマるのって、昼間はおとなしいのに、夜になると途端に激しくなるっていう女性ですね。つまり、ギャップのある女です。ものすごく積極的だったり、のたうち回ったりっていうのも悪くないですよね(笑)。僕自身、そういう女には、けっこう長いことのめり込んでしまうんですよね。
もちろん、人妻との不倫もあります。やっぱり知らない女を抱きたいと思うのは、男として本能的なものですよ。男はたとえ愛がなくてもヤリたいんですよね。不倫のいいところは、あと腐れがないところです。お互いに家庭を壊さないっていう前提があるわけですからね。それと不倫にともなう背徳も大事です。障害が多ければ多いほど燃えるのは、男女の常ですよね。