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今月の放言

一生拭えぬ女性へのコンプレックス 深水元基

直筆短冊

身長190センチで端正なマスク。職業、俳優。今をときめく映画『クローズ ZEROⅡ』では、物語のキーマンとなる林田恵、通称“リンダマン”を演じるほどの男である。これでモテないわけがない。どれほどの武勇伝が聞けるかと思いきや、口をついて出てくる言葉はどれも穏やかなワードばかり。見た目とのギャップがある恋愛&性愛談義。聞き手として額面通り受けとることができないのは、男としての嫉妬がそうさせるのだろうか。

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プロフィール 深水元基

東京都出身。18歳よりモデルを始め、その後俳優へ転身。最近は映画を中心に活動している。4月11日より全国で公開される話題の映画『クローズ ZEROⅡ』(三池崇史監督作品)を筆頭に、『ガチバンⅡ』(元木隆史監督作品)、『非女子図鑑-混浴heaven』(オースミユーカ監督作品)など、今年は出演作品が目じろ押し。また俳優業のかたわら、人気アパレルブランド『CACTUS』のデザイナーとして、ファッション業界でも活躍している。

第2章 女のコと会話できない、むっつり中学生

興奮するところまではいかないまでも、まあ、水着は今でも好きですね。特に競泳用ですね。競泳用って、今でこそ繊維を利用したものになってますけど、僕が泳いでいた当時の水着って、股部分のカットがきわどくて、お尻も丸出しに近い状態で、何ていうか、より裸に近い状態が主流だったんですよ。“どれだけ小さい水着を着れるか”っていう流れがありましたから。その当時のAVで、女性に競泳用の水着を前後逆に着せてセックスするっていうのがあったんです。後ろがぱっくり開いてるタイプだから、前後逆に着るとおっぱいがプリンッてなってて。あれを見たときは衝撃でしたね。「これだっ!」て思いましたから(笑)。ちなみに初恋の彼女は、三年くらい好きだったんですが、どうにもなりませんでした。とにかく、ただ水着姿を見てるだけで終わりました。

中学時代は、男とは普通に話しができたんですが、女のコとはまったく話せなかったですね。女のコとどう話したり、接したりしていいのか、わからなくなってしまったんです。小学校の頃は普通に話せていたんですけど、中学に入ったら全くダメで。コミュニケーションといえばホント、挨拶をする程度でしたね。今思うと、中学に入った最初の頃に「かわいいなあ」っていうコを見つけたんですが、そのコと何をどう話していいのかわからなくなって、それが尾を引いて女性全般と話せなくなったのかなあって。だから、他の男友達が女のコと話しているところを見ると、すごく羨ましかったですね。

そんなんですから、全然モテませんでしたよ。っていうか、モテるモテないっていうレベルじゃなくて、周りから興味をもたれてなかったんじゃないかな。いくら背が高いからって、そりゃあ最初は注目されるかもしれないですが、3年間ずっと喋らなければ相手にされないですよ。当時は、つねにブスッとしてたんじゃないかな。休み時間になれば男同士でバスケをやって遊んだりしてたし、とにかく女っ気ゼロでした。でも内心、悶々としてましたけどね。

中学から高校一年まで僕はバスケ部に入ってたんですが、当時はJリーグが開幕して間もなかったせいもあって、サッカーが大人気だったんです。体育館の中で黙々と汗を流す僕らに対し、サッカー部のやつらはいつもキャーキャー言われてて、内心ムカついてましたね。それでサッカーが嫌いになりました。サッカー部からしたら良い迷惑ですよね。だからいまだに過去にサッカー部だったっていう人に会うと、無意識のうちに「ん!?」って警戒しちゃいます(笑)。

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