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今月の放言

女性の人格は足首にあらわれる 二宮清純

直筆短冊

スポーツに対する幅広い知識と膨大な経験に基づく冷静、かつ丁寧な解説は、素人でもわかりやすく、業界内外から評判が高い。もちろん、アスリートからの信頼も絶大である。私情を挟むことなく、つねに客観視しながらアスリートの心境やゲームの流れをうかがうことが生業である氏にとって、性愛や恋愛はどう映るのか。自身の経験も踏まえつつ、やや照れながらも、いつもの解説と同じように丁寧に語っていただいた。

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プロフィール 二宮清純

愛媛県出身。スポーツ紙や流通紙の記者を経てフリー。『プロ野球の一流たち』(講談社現代新書)、『勝者の思考法』(PHP新書)など、著書多数。

HP「Sports Communications」

http://www.ninomiyasports.com/

第1章 女性の美は「足首」にあり

(フランス書院文庫を前にして)読んだことがある本が、この中にあるかもしれないですね。結城彩雨さんの作品は読んだことがあります。あと、ここにはないようですが、高木七郎さんの作品も読んだことがありますね。以前はときどき駅の売店で買って、夜、移動中の新幹線の中でビール片手に読んだりしてましたから。まあ、お二人の作品はアトランダムにピックアップして、偶然手に取っただけなんですけど。ただ、高木さんの本はおもしろかったから、その後、意識して買っていた記憶があります。細かく内容までは憶えてないですが、秘書モノだったかな。ちなみにこの中では『狂夜 二人の母と叔母』(朝比奈海・著 '09年7月刊)のカバーの絵が、ぱっと見て気になります。カバーの女性がなんとなくタイプなんですよね。

私はどちらかというと、若い人よりは熟女系がいいんです。最近の本では、20代後半でも「熟女」って呼んだりするでしょう? でも、個人的にはもう少し上がいいですね。“酸いも甘いも嗅ぎ分けた女性”といいますか。人生の年輪を感じさせない女性がいいですね。

初対面の女性にお会いしたときに、最初に思わず目がいっちゃうのは足首ですね。ただ細けりゃいいってもんじゃないんです。なんていうか、細さとか形とかではなく、足首って、その人の“人格”を凝縮されているんじゃないかなと、勝手に思っているんです(笑)。その人のキャラクターに合った足首っていったら変ですけど。

'95年の世界陸上は、スウェーデンのイェーテボリという場所で行なわれたんですが、そこに出場していたペレクというフランスの短距離選手が、それは綺麗な人でしたね。アスリートなんですが、モデルもしているんです。顔はフランス人と黒人の混血で、目鼻立ちがはっきりしていて、そりゃもう、ぞくっとするような色気がありましたよ。もちろん、ものすごくスタイルがいい。アスリートですから、体型もただ細いだけじゃなくて、機能的な美しさがあるんです。スターティングブロックに脚をかけると、足首の筋がピッと立つんです。これが美しいんです。しかも彼女はモデルさんなだけあって、競技のときも香水をつけてきているんです。だから走ると香水がフワァッとそこら中に漂って、競技場を舞うわけですよ。『パフューム』という香水を題材にした映画がありますが、あんな感じでしたね。

女性の人格は足首にあらわれる 二宮清純01
女性の人格は足首にあらわれる 二宮清純02
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