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今月の放言

活字じゃなきゃダメなんだ 岡田斗司夫

直筆短冊

元祖オタクである岡田斗司夫の功績は大きい。従来サブカルチャー領域の個別分野のマニアでしかなかったオタクを膨大な情報集積回路を持つトータルな文化として認識させた。そんな元祖オタクが、セックスを語ると…。

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プロフィール 岡田斗司夫

1958年生まれ。大阪府出身。アニメゲーム会社ガイナックスを設立、多くのアニメ映画、コンピューターゲームを手がける。その後、東京大学オタク文化論のゼミ講師を務め、現在は『株式会社オタキング』代表取締役。新しい文化の担い手として活躍中。

第4章 エロはディテール

ポルノ小説を読んでて一番興奮するのは“擬音”です。僕ってやっぱりベタですねぇ(笑)。擬音をたくさん使うんじゃなくて、ポイントポイントで、ためてためて、それで使われると結構キますね。海外の作品って、とにかく早くやっちゃうっていう感じがあるでしょ。ポルノ映画と一緒でいきなりあけっぴろげになっちゃう。あれがダメなんですよ。やはり、ためて、ためて、ためてくれないと。

僕が好きなジャンル、そうですね…、やっぱり処女ものには弱いですね。ここにある本だと『処女教壇 女教師の放課後』(天乃渉著 '03刊)とか『処女妹』(管野響著 '04刊)にそそられますね。でも、処女ものって難しいんですよね。俺に編集させろっていう気になっちゃう。逆にダメなのは母もの。監禁ものもダメですね。精神的に責めるのはいいんだけど、肉体的な痛みが伝わるのは好きじゃないんです。

風俗とかキャバクラとかは行きません。そういう場所には一円も使いたくない。そんなお金があるならエロ本買いますよ。だってそんな所に僕好みに設定された女っていないでしょ? もしいたとしても、そういう人とプライベートのセックスにはならないじゃないですか? プライベートでセックスしたいならそういう場所に行っちゃダメでしょ? だからひたすら自分の中の妄想をかきたてる。頭でするセックスがいいんですね。

性的な体験をした時でも、「ああ、これは後でオナニーにつかえるな」って考えてしまう。例えば、ラブホテルに入るカップルの後ろ姿とか、オッパイが見えそうなセーターとか。そういう光景を小説を読みながら当てはめるんです。ある意味、高等な遊びですよね。オナニーは男のりっぱな趣味ですから。

最近、よく思うんですが、二十歳ぐらいの女性とは、僕、あんまりセックスしたくないかなって。勿論興味としてのセックスはあるだろうし、気持ちもいいんだろうけどまだ本当の良さを分かってないというか…、あまり魅かれない。一番いいのは22歳ぐらいまでセックスしないで性的な妄想が高まってきて性体験がない女の人。そうなると女子大でも3年、4年、大学院生ですよね。処女なのに妄想だけはある。そういうエロのイメージが好きなんです。そこが僕のピンポイント。エロはディテールですから、自分がひっかかるかどうかがポイントなんですよ。

活字じゃなきゃダメなんだ 岡田斗司夫07
活字じゃなきゃダメなんだ 岡田斗司夫08