性に対して飽くなき探求を続ける、キム・ミョンガン。性を独学で習得した彼は大学で講師をする傍ら、[せい]という相談所で奥様の悩みを解決する救世主だ。今回は幅広い知識と体験によって社会と性について語ってくれた。
プロフィール キム・ミョンガン
'50年兵庫県生まれ。性人類学者、現代性教育・性科学者。和光大学講師。主な著書に『もっとたのしいセックス』『恋愛の基礎』など多数。自ら主催する性に関する教育・指導・相談所[せい]でアドバイスを行っている。 公式URL : http://www.office-sei.com/
私のところへ相談に来られる方は大体45歳から50代半ばの女性が多いですね。セックスレス15年、20年とかもう無茶苦茶ですよ。女の人は閉経と更年期の前にグッとホルモンが分泌されるらしく、この性欲の峠を越えられない方が多いですね。「このまま死ぬのは嫌だ。頼むから誰か紹介してほしい」って。
なので、今はもう募集していませんがこういう悩みを解決してあげられる男性を募集したんです。“ご奉仕隊”っていうんですけど、「俺を使ってくれ!」って全国から応募が殺到しましたね。採用した方の共通点は30~40代の男性。妻子があって、仕事があって、スケベで女好きで元気な方。皆さん、偉いんですよ。今でもちゃんと女房とヤってるんです。彼らはホテルに行って、例えば3時間のうち2時間はじっくり話を聞いてあげるんですね。ちゃんと心と体のカウンセリングをしてあげるんですよ。もちろん、完全ボランティアです。
セックスレスで困っている人、愛情はあるけど旦那に性を感じない人の共通点は、若くして結婚したから旦那以外にほとんど経験がない女性が多いということ。浮気をしようとさえ思わないしっかりした妻であり、母である人が「私はこのままではいられない。どうしたらいいかしら…」って悲しくなって相談に来るケースが多い。
では、そんな方が“ご奉仕隊”の男性といきなりヤレるのか?と思うでしょう。約4分の1ぐらいの方は「初めての人といきなりそんな…。あのー、お茶だけでもいいんですか…」「はい。全然いいんですよ」ってなるんですが、結局、全員ヤってますよ。一人も例外がないですね。
男性はみんなカウンセラーですから、悩みを聞いてくれるんです。すると女性はホッとするんでしょうね。そこで最後に男性はこう言うんですよ。「奥さん、できなかったらできないでいいから二人きりになりましょう」って。男は20年勃ってなかったらすぐにはできないけど、女性なら10分でできますよ。
精神的、肉体的に追いつめられ悩んでいた女性が一回ヤルだけで「なんで私、あんなことで悩んでたのかしら」って底が抜けたようになりますね。私はそれを便秘ではなく“性秘”って呼んでるんです。性秘は一回ヤってしまえば一気に解消しますね。
今まで旦那に対してストレスを感じていたのも、「もう済んだからいいわ」って全然感じなくなる。女の人は2、3回すれば満足します。「自分は世間で女としてまだ認められるんだ」と自信がつくみたいです。今後、女性用の風俗ができたら社会は変わるかもしれませんね。
(※現在、“ご奉仕隊”は募集しておりません。ご了承ください。)