とにかく男たちのマナーの悪さや間違った性解釈が多すぎです。そもそもクリトリスというものがどういう性反応を起こすのかを知らない。知っているのは、女性のクリトリスとは男性の亀頭に相当するらしいっていうことぐらい。クリトリスというのは陰核包皮もあるわけですから、男性と同様に包茎だってあるわけです。

クリトリスの反応っていうのは面白くてですね、性的な興奮が高まってくると勃起します。しかし、その勃起にさらに性的な高まりが加わると”消える”んです。消えるというのはクリトリスそのものが後退していくということです。ところがそんな反応を知らない、勃起＝興奮の象徴と信じ込んでいるアホな男どもは探し回るわけですよ。さっきまでコリコリとしていたものがどっかに行ってしまった！　俺のテクが貧困だからなのか？　とね。そして探し回って伸びた爪で傷つけちゃう。

僕たちが本当の意味でセックスというものを謳歌したいと考えるなら、もう少し性の科学というものをきちっと学習することなしには、かなわぬことなんじゃないかなって思いますね。

もう少し勘違いの例をあげましょう。女性は、性的な興奮が高まってくると腟が大きくなるんです。生殖というものと女性の性器は深く関わっているものですから、腟がどうして変化するかというと、生殖に向けた準備が始まるわけですよ。性的興奮が高まると子宮は持ち上がってくるんです。ちょうど腟の奥深くの部分――後腟円蓋（こうちつえんがい）というんですが、その部分がふくらむのです。通常の腟の長さというのは7～8センチなんですが、それが9.5～10.5センチ、横幅2～3センチから5.75～6.25センチにまで膨れる。よく“ゆるい”と言いますが、そのゆるさこそ、二人の関係は極めてフィットした関係であるということなんです。“マイ・ペニス・イズ・ロスト（僕のペニスはどこへ行っちゃったの!?）”っていう状態になる。これを知る男は、ことのほか少ない。

よく卑猥な言い方で、“ミミズ1,000匹”や“カズノコ天井”なんてのを名器と言って喜んでいるわけですよ。締め付けが強いというのは、愛情のかけらもない営みであることを知らないんです。気持ちが昂揚して締め付けが強くなるなんていうのはウソです。締め付けが強くなったということは「おまえのことなんか好きでも何でもない」「早く射精して帰って」っていう女性からのサインだと思った方がいい（笑）。