圧倒的な売り上げを誇るm'sだが、その要因として特に女性客の獲得というのが大きい。「『男性以外禁止』みたいなお店もありますが、ウチは“pop life department.”と謳っている以上、誰でも受け入れます。確かに女性も多いですが、だからって男性を上回るということはまだないですね。ただネットショッピングでは女性向けオリジナルブランド、シークレットガーデンの影響からか、女性客が多いです」
またIT化と並びグローバル化が進んでいる近年であるが、日本のアダルト業界は決して先進国ではないようだ。「まだまだですね。海外だと例えば、アメリカにはマドンナがプロデュースしているアダルトショップがあったりしますしね。向こうではファッション感覚で取り入れられていますが、日本は少なからずタブー視されているところがありますから」。また海外のアダルトグッズは日本製にない、優れたデザイン製が魅力なんだとか。特にイギリスやオランダといったヨーロッパ諸国からは学ぶべきことが多いという。
ここで海外の話になったので、m'sの海外進出計画について水を向けてみた。案の定、そういう話はないわけではなさそう。「香港とロスに出店しようという話はあります。でもまだ国内でもやることがたくさんありますから」と中田社長。では今後やりたいこととはいったい何だろうか。「今のシークレットガーデンのようにジャンルごとに細分化していきたいですね。もちろんアダルトにこだわらず、楽しいものであれば書籍なりゲームなり、とにかく何でも取り入れていきます。そしてアダルトの当面の目標はマニア性の強化。ウチはマニアックな層に弱いといわれているんです。確かにターゲットは一般の人だったので仕方ないんですが」
だが中田社長の野望とは反比例し、現実問題として秋葉原の営業に関する規制が厳しくなっていることがあげられる。もちろん、役所と仲良くするのが一番なのだが。如何せん、“いかがわしい”と思われるようなものを扱っている分、目も付けられやすい。ただ以前からストップエイズに力を入れているm'sでは、そういう意味でも他店と一線を画す。「今ではコンドームの販売推奨店として保健所のパンフレットにも掲載されているくらいですからね。ウチは単なるアダルトグッズ店ではなく、“pop life ”の“department.”。楽しい生活(人生)をサポートするのが仕事ですから
(文:オオサワ系) Web版、終わり