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オトナのお仕事

一般ユーザーから支持を獲得し、売り上げ倍増

第2章 一般ユーザーから支持を獲得し、売り上げ倍増

会社の営業努力とビデ倫系メジャーメーカー参入の影響などにより、'02年のDMMは、前年比の約1.5~2.0倍にまで売り上げを伸ばした。「当時、ウチでは定額制のダウンロードと単品のペーパービュー、あとセルビデオの物販があったと思うんですが、売り上げの割合で最も大きかったのは、やっぱりダウンロード販売です。全体の売り上げの50%は占めていたと思いますね」

ちなみに当時の月額料金は今と同じ2,000円。会員数は10万人を越えていた。この時点で画像配信サイトとしては、業界2~3番手に位置していた。「ただ売り上げ自体は、1位のサイトさんと同じくらいだったと思いますよ。ウチは会員になるだけなら登録は無料です。実際にダウンロードを行なう場合に、月額2,000円支払ってもらっています。10万人の会員の中で2,000円払っていた人たち(有料登録会員)は、当時2万人くらいですね。確か1位のサイトさんは、その数がもう少し多かったと聞いていますが、売り上げ金額はほぼ並んでいました」

DMMの売り上げの急成長の裏には、他社作品の販売という理由以外に、アダルトマニアでない一般ユーザーをサイトに取り込んだことがあげられる。この辺はいかに工夫したのだろう。「重視したのは、サイトのデザイン作りです。アダルトのサイトって、だいたい黒ベースが多いじゃないですか。ウチではあえて白をベースにすることで清潔感を重視しました。色気はないかもしれませんが、ダークな雰囲気がないので、一般の方からしたら入りやすいと思うんですよ」

2006年10月現在、一日の訪問者数は、ユニークユーザーで20万人、一日のページビューが1,300万。さらに現在扱っている作品数および商品数は、デジタルだけで約5万点に達するという。そんな中で今、売り上げの多くを占めているのは何なのだろうか。DVDの物販や定額制のダウンロードかと思いきや、答えは意外なものだった。

「定額制ではない、単品のペーパービューが以前よりも伸びてきました。月に2,000円払ってでもたくさんのAVを見たいという人よりも、見たい作品に300円だけ払って見られれば満足という人は意外に多いようです。定額制のユーザーと単品のユーザーが被っているのでれば、ユーザー気質の変化と言えるのでしょうが、それはないですね。コアなユーザーは定額制、ライトなユーザーは単品で購入と棲み分けがされているようです」

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