そして様々な苦労をしながら「クレイジーナース」が生んだ最初のヒット作は、なんとチャイナドレス。ただこれには裏話がついてくる。「もちろんその時も服作りの右も左もわからない状態だったので、周りから言われるままに中国で作ったらしいんです、しかも大量に（笑）。ただ当時、チャイナドレスはすでに下火になりかけていた頃なので自分達で思っていたほど売れなかったらしいんです」

これだけ成長著しく変化もめまぐるしいコスプレ業界、確かにチャイナドレスは最近では“流行”というよりも“定番”というイメージが強いような気もする。では現在、最も人気の高い衣装とはいったい何なのか。「メイドやナースが大人気ですね。といってもスタンダードなデザインでなく、同じメイドでも多少デザインがセクシーにアレンジされているものとかは、やっぱり女性の方は好きみたいですね。普通のデザインや人と同じものっていうのは、今はあまり支持されないんです」

さらにもう一つ、ロングセラーと呼ぶべき意外な衣装があるという。「ほんとにスタンダードなエプロンなんですが、ここ数年売れ続けています。たぶんメイドブームの影響だと思うんですけどね。これだと何でも合わせられるんです。例えば私服に合わせたらメイド風な着こなしになります。ちなみにデザインは二種類ご用意しています」

前述の通り、客層はやはり女性の方が多いように思われるが、意外にも男女比は半々くらいなんだとか。「まあ、ものによって結構変わりますけどね。メイドやナースでフリルやリボンが付いていたり、セクシーに改良されていたりと、変わったデザインのものだと女性が自分で着るために買われることが多いです。逆に同じナース服でも、わりとわかりやすくてスタンダードなものであったり、またエプロンなどベーシックな小物系になると男性が多く買っていかれます。これは女性に着たり付けてもらうために買っていかれるんでしょうね。すごくわかりやすいですよ（笑）」

コスプレ好きな殿方、ご心配なく。もちろん最近では男性の中にも自分で着るために買うのも、もはや当たり前の時代。ちなみにそういう人達もわりとスタンダードなデザインの衣装を好んで買っていくらしいです、はい。

なお、「クレイジーナース」ではほとんどサイズフリーで展開している。ワンサイズだが、その中でサイズの融通がきくように、ゴムを使ったりアジャスターを使ったりして工夫しているのだ。