一覧に戻る

オトナのお仕事

人はなぜコスプレをしたがるのか?

第4章 人はなぜコスプレをしたがるのか?

年間の売り上げ点数はいかほどなのか。また過去と比較して現在のコスプレ需要はどうなっているのだろうか。「個人のお客さんだけでなく、うちの場合はお店から「女のコ全員分の制服」とかっていう注文が入ったりすので、おかげさまで年間4,000点から5,000点いきます。ただ、一気に大量生産可能であれば注文が来次第ガンガンやるんですが、いかんせん国内生産なものですから。生産が追いつかないなんてこともたまにあったりします。

以前と比較して需要はどうなのか。実際アキバに行けば、メイド服を着てチラシを配っている人がたくさんいたり、たまに電車に乗ってると突然スカートにコルセットを装備した女性が乗ってきたりする機会がままある。そういうのを見るとコスプレは一般に浸透しているというのが伺えるわけだが、やはり需要も高まっているのか。「そうですね、昔よりも着る人の数が格段に増えたというか一般に浸透し、今では定番化した感すらありますね。昔はやっぱり特別な人たちが着るものっていうのがあったみたいだけど、今は例えばクラブイベントやハロウィンパーティにコスプレしていくとか、男女を問わず着るチャンスが増えていますね」

しかしいくらコスプレが市民権をいるとはいえ、それは若者を含めたごくごく一部の人。我々オジサンたちから言わせてもらえば正直、「何でそんな格好がしたいの?」「恥ずかしくないの?」という心理なわけだが…。「確かにまあ、恥ずかしいっていう人も何人かはいると思うんですが、最近は一般化されているので、着るまでのハードルが低くなっているっていうのはあります。あと「赤信号みんなで渡れば…」ではないですが、周りに着ている人がいれば「自分も着てもいいんだ」「おかしくないんだ」ってなるんだと思いますよ。あと変身願望は誰にでもあるものだと思いますね。特に女のコであれば「可愛く着飾りたい」っていう気持ちは強いんじゃないでしょうか」

確かにその変身願望の中には「自分を可愛くみせたい」「着飾りたい」という気持ちはあると思う。ただそれと同時に、コスプレの変身にはエロやセックスとの結び付きが強いというか、性的な欲望みたいなものも見られる気がするのは、果たして我々だけであろうか。「やっぱりあるんじゃないでしょうか。ブランドものなど、一般的な洋服を着飾るにも性的な欲望はあるんでしょうけど、それとはまた違った感じだと思います。コスプレの方がかなり強いですね。やはりコスプレにはブランドものにはない、非日常的な魔力が作用しているんでしょう(笑)」

(文:オオサワ系)Web版、終わり

人はなぜコスプレをしたがるのか?01
人はなぜコスプレをしたがるのか?02