昔からフィギュアが好きとか、そういうのじゃないんですよ。もともと家は材木屋だったんですが、バブルが崩壊して倒産しちゃったんです(笑)。その後、サラリーマンをやったんですがやはり自分で商売をやりたくてね。運送屋や看板屋、デザイン業など、とにかく色々なことを掛け持ちでやって。それでも生活が大変だから、趣味に近い商売で家にいながらにしてできる仕事はないかなあって考えてるときに、たまたま新聞を読んでいたら、広告でフィギュアのガレージキッドの原型師の通信講座っていうのを知ったんです。
もう3年くらい前かなあ。まあ、広告ですから美味しいことが書いてあるわけですよ、何千万円も稼げますよ、みたいな。まあ確かに、実際にそれくらい稼ぐような人もいるみたいですけど。でまあ、少しでも生活の足しになればいいなあって考えて、テキストを見ながら1年近くやってみたんです。そしたら上手くできちゃったみたいで、最初ヤフオクに出品したら、1週間に700件以上アクセスがきてね。1,000円からスタートして、6,000円くらいで落札されたかな。まあ金額的にはたいしたことないんですけどね。それから、とりあえず広告もかねて2~3回出品したんですが、出すたびに同じくらいの値段で落札されました。そしてある程度、認知されるようになったら、うちのホームページにお客さんを引っ張ってくるようにしたんです。
ということで、『濡壺』(青木信光著 'とにかくフィギュアのことを全く知らなかったので、最初は調査のつもりで、それ系のイベントを見に行ったりしました。そうしたらアニメオタクの人がいっぱいでね。でもアニメは全く興味がなかったし、太刀打ちできないってわかっていました。ただ、外人の女性フィギュアを作っている人がいて、その人がそこそこ儲かっていたんですよね。じゃあ俺は、独自で一般の男が好きそうなスケベなものでやっていこうって決めたんです。で、アダルトグッズやAV関係の人たちが集まる、『アダルトトレジャーエキスポ』っていうイベントに出店したら、取材が殺到しちゃった。当時は別に、熟女フィギュアっていう感じでは作ってなかったんだけど、見る人が「熟女だ熟女だ」って騒ぐもんでね(笑)。あとまあ、アダルト業界の人が「“熟女”っていう言葉を付ければ売り上げが2割上がる」っていうし、じゃあ、そう呼ばれてもいいか、と……。