役員秘書・涼子と美沙 5
第二章 【揺るぎなき矜持を抱く】役員秘書は責められるほどに濡れる
1
吉岡は涼子を強引にホテルの部屋に押しこんだ。
部屋に入ると涼子は持ち前の気丈さを見せて、
「さあどうぞ。好きにすればいいわ」
と、吐き捨てた。涼しげな眼に侮蔑の色が浮かんでいる。
「まあそんなにトンがるなよ。それよりこの部屋に見覚えがないかい?」
「あるわけないでしょう」
「おかしいな、昨夜君と来たのは確かこの部屋だったんだが」
吉岡はわざと昨日と同じホテルの同じ部屋を選んだ。罠に嵌められたその部屋で、涼子を犯し辱しめることによって、プライドの高い涼子の屈辱と羞恥をいっそう煽ることができると踏んだのだ。
「ひ、ひどいわ」
「相沢さんと俺にとっての思い出の部屋っていうわけだ。昨日はここまで運んでくるのに結構苦労したんだぜ」
言うなり、ソファにどっかと腰をおろした。
「じゃあ、さっそく着ているものを脱いでもらおうか。さあ、そこに立って」
「ここではいや。せめてシャワーを浴びさせてください」
「駄目だ。さあ早く脱ぐんだよ。いやなら帰って写真を送ってしまうぜ」
と、腰を浮かせてみせる。
「あ、お願いです、帰らないで。わかりました……脱ぎます……」
涼子はさっきの気丈さとはうって変わって、観念した表情で吉岡の目の前に立つと、深みのあるグレーのジャケットのボタンに手をかけた。
「よし、じゃあ次はそのブラウスだ」
涼子は言われるままに、シャツブラウスの前を開いてゆく。
はっきりと意識のある生身の涼子が放つセクシーさは昨夜とは較べものにならず、吉岡の股間はすでに熱く脈打ちはじめていた。
シャツを腕から抜き取った涼子は、その細い腕で懸命に胸を隠そうとするが、白いブラジャーに包まれたその豊かな隆起は、半分以上さらけだされたままだった。
見事にくびれたウエストに巻きついたスリットスカートのグレーが、その白い肌と鮮やかなコントラストを形成している。
「まさかこんな形で役員秘書の相沢涼子ちゃんのストリップを拝めるとはねえ」
「ああ、いや……そんなふうに言わないで」
涼子の表情からすでに勝ち気さは消えていた。
「じゃあ、お次は下のほうにいこうか」
「お願い……もう許して」
涼子は、吉岡に目でうながされると、羞恥に震える手でスカートのホックをはずし、パンティストッキングをくるりと形のいいヒップから押しさげて抜き取った。
「ふん、パンティストッキングというのはどうも色気がなくて好きになれない。俺に会う時にはガーターベルトにしてもらおうか」
すっかりつけあがった吉岡は勝手なことを言って、ブラジャーとパンティだけになった涼子のスレンダーな身体をまじまじと眺めた。
上品なブラジャーとハイレグパンティのラインが、涼子のセクシーさをひときわ引きたてている。吉岡のいやらしい視線から少しでも逃れようと、涼子はその抜群のプロポーションをくの字に折り曲げ、美脚をもじもじとすり合わせる。
「ああ……もうこれ以上は……恥ずかしいわ……お願い、シャワーを浴びさせて。その後で吉岡さんのものになりますから……」
「駄目だって言っただろう。じゃあベッドに寝てもらおうか」
高圧的な態度に気圧され、涼子はベッドの上にその見事な下着姿をおずおずと横たえていく。
吉岡はその濁った目をぎらつかせたかと思うと、傍らの鞄からロープを取りだし、涼子の折れそうに細い手首を掴みにかかった。
「あ、いやっ! なにするの。やめてっ!」
「どうしたんだ。俺のものになるって言ったんじゃないのか」
「でも、こんなのは……いや、変態っ」
涼子にしてみれば、この男に何度か抱かれるのを我慢すればいいというつもりだった。女を縛りあげて楽しむ趣味を持った男たちがいることは知ってはいた。しかし、まさか自分がそういうプレイの対象になるとは思ってもいないことだった。
「やめてっ、お願い、普通に……普通にしてください」
必死に抗ってみても所詮男の力にはかなうはずもなく、手首を縛りあげられベッドの上部に固定される形になってしまった。
「俺のものになるっていうのは、奴隷になるっていうことなんだよ」
「ど、奴隷?」
「そうさ、こうやって縛りあげられていたぶられ、俺の命令にはどんなことにも従う従順な奴隷にな」
見る間に吉岡は涼子の足首にもロープをかけ、ベッドの下を通して両方の足首を拘束していく。
「いやっ、そんなこと絶対にいやです。あなたは狂ってるわ」
縛られた身体を激しく捩って、涼子は泣き叫んだ。
(次回更新は10月12日です)