【特別秘蔵版】禁母 1
第一章 最高の夏休み おばさまの太もも
それは夏休みだった。
吉沢洋介は友人ふたりを伴い、近所に住む松岡高明の家に遊びに行った。
「部屋を片づけるから、ここでちょっと待ってろよ。静かにな」
高明は、洋介たちをいったんリビングルームに通すと、ひそひそとした小声で囁いた。声を抑える理由に洋介たちはすぐに気づいた。高明の母、松岡千佳がお腹にタオルケットを掛け、ソファーで横になっていた。
「毎日仕事大変みたいでさ、たまの休みもあんな感じ。起こすなよ」
高明は洋介たちに釘をさしてから、二階の自室へと向かった。
残された洋介たち三人は、エアコンの効いた部屋ですやすやと眠る友人の母を、チラチラと見る。
千佳はベージュの半袖ニットに水色のロングスカートの姿だった。ニットは身体にぴったりと貼り付くタイトなもので、ボリュームのあるバストが丸わかりだった。ゆっくりとした呼吸の度に、そのゆたかな膨らみが上下していた。
「きれいだよなあ。高明のママ」
隣りで友人の一人がぽつりとつぶやいた。
「うん。だよね」
洋介がうなずいて応じる。
千佳は仲間内でも美人の母親と有名だった。グラマラスな体つきと、凛とした美貌の優雅さは、父兄の集まる授業参観でも群を抜いて目立っていた。会社を経営しており、夫と離婚した後、女手一つで一人息子の高明を育てている。
「おばさんの会社ってけっこう有名らしいよ。この前父さんの読んでる経済の雑誌に記事が載ってて、見せてもらったもん。プランニングの会社だとかなんとか……」
「へえ。なんなの? プランニングって?」
「ショッピングセンターの設計をしたり、図書館みたいな施設のデザインを考えたり……って書いてあったような気がする」
友人ふたりの会話を聞きながら、洋介は寝入っている千佳を見つめた。家が近いため、千佳が出勤するときの姿はよく見かけた。スーツ姿だと洗練された大人の雰囲気が強いが、こうして自宅にいるときの千佳は、やさしいお母さんという印象が強い。
(おばさんみたいなひとが、新しいお母さんだといいな……)
洋介の父が今度再婚し、来週にも新しい母親が家にやってくる予定だった。
洋介が子どものときに、父と母は離婚した。母が家を出て行き、それ以来父と二人暮らしだった。
(仲良くできたらいいんだけど)
新しく加わる家族のことを考えると、洋介の気持ちは落ち着かない。
友人ふたりが、寝ている千佳の足元にそろりと近寄っていくのに洋介は気づいた。一人の手が、千佳のスカートの裾に伸びるのを見て、洋介は我に返った。
「おい、なにをやって――」
洋介は急いで近寄り、悪戯しようとする友人の肩をつかんだ。
「ちょっと覗いてみようかと思ってさ」
緊張のにじんだにやけ顔がふり向き、洋介にささやいた。
「なに言ってるんだよ。高明は親友だぞ。その母親にいたずらするなんて」
「高明には黙ってればわからないって」
もう一人が、止め立てする洋介を遮るように肘で押してくる。
「そうそう。いい子ぶるなよ。洋介だって興味あるだろ。こんなきれいなおばさんのスカートのなか、どんな風になってるか」
そっとスカートが持ちあげられた。洋介の目に形のいい膝、そしてむちっとした白い太ももが見えた。
「よ、よせってば」
洋介は低めた声で諫め、肩をさっきより強くつかんでゆすった。しかしスカートはさらにめくられていく。剥きだしの下半身が少年たちの目にさらされた。
「い、色っぽいな……」
ふるえ声がもれる。なめらかな肌の白い脚は、なんともいえない肉感があった。薄暗がりの奥に、淡いピンク色がわずかに見えた。洋介はハッとし目を凝らす。
(おばさんの下着……)
レースで装飾されたパンティはシルクだろうか、ツヤツヤとかがやいて見えた。洋介は瞬きを止めて見入った。
「なんか、いい匂いしないか?」
一人が、かすれた声で誰ともなく問いかける。洋介もスカートの内から流れてくるほのかな甘い匂いを嗅いだ気がした。
(すごい……)
成熟した女性の悩ましいほどの色っぽさが、ほの白い脚と、むっちりとした腰つきに宿っていた。ゴクッとつばを呑む音が聞こえた。友人二人はわずかに前屈みになり、股間を手で押さえつけていた。
(僕も……)
洋介自身も股間が硬くなっていた。羞恥の感情がカッとわき上がり、洋介はスカートを持つ手を上から叩いた。布地がぱさりと落ちて、魅惑の光景が消える。
「なんだよ」
「うるさい、いい加減にやめろ――」
「うん……」
千佳が寝返りを打つのを見て、洋介は口を閉じた。緊張が走る。みな身動きを止め、友人の母を見つめていた。千佳のまぶたは開かない。静かな寝息がつづいていた。少年たちはほっと息をついた。
そのとき、トントンと階段を降りてくる音が聞こえた。三人は素早くソファーから離れた。すぐにリビングに高明が顔を出した。
「お待たせ。掃除終わったぜ。おれの部屋でゲームでもやろうか」
洋介たち三人は引きつった笑顔で、高明にうなずきを返した。
洋介はトイレに行くといって高明の部屋から出た。覗きをした二人と一緒の空間に居るのが耐え難かった。言い付けるつもりはなかったが、二人は牽制するようにちらちらと視線を飛ばしてくる。ゆっくりテレビゲームを楽しむ気分ではなかった。
トイレで用を足した後、洋介はリビングに立ち寄ってみた。ソファーの上で、千佳はまだ夢の世界を漂っていた。
(あいつら、あんなことをするなんて。ごめんなさい、おばさん……)
すやすやと心地よさそうに眠る千佳に、洋介は二人を止められなかったことを謝罪する。眠っている無防備な女性のスカートのなかを覗き込むなど、卑劣だと思う。洋介は自分の母親を汚されたような怒りを感じていた。
離婚以来、母と会う機会はなかった。母が家を出ると同時に、写真などは全部父が捨ててしまい、生母のやわらかな手、甘い香水の匂い、やさしい笑み、記憶は日々薄れていく。周囲からスッと消えてしまった母の面影を、自分は親友の母のなかに見ているのだろうと、洋介は思う。
(でも僕もさっきは……)
胸が妖しく高鳴ったのも事実だった。厳しいビジネスの世界で生きているだけに千佳には人目を惹く華やかさがある。友人たちもふらふらと吸い寄せられるように行為に及んだ。洋介も、千佳に気づかれないように、ゆたかな胸やむっちりとした腰の辺りを盗み見ることが多くなった。親友の母を性的な目で見るなど、よくないことだと思うが、青い性を煽る千佳の魅力には勝てなかった。
(ピンクだったよね、おばさんのパンティ……)
いつの間にか洋介は千佳の足元側に、まわり込んでいた。ロングスカートから伸び出ている白い素足はほっそりとしている。先ほどはその奥の秘められた場所まで丸見えになっていた。
(僕は何をやって……)
洋介の手が勝手に伸びる。スカートの端を指先でそっとつまんだ。指先がふるえていた。自分の身体が、誰かに操られているようだった。
喉がカラカラだった。母のいない洋介に、千佳はやさしかった。父子家庭となり、洋介は一人で夜を過ごすことが多くなった。千佳はそんな洋介を何かと気遣ってくれ、夕ご飯もよくご馳走してもらっている。
(それなのに僕は……)
この夏も、夏祭りや海水浴に連れて行ってもらった。千佳への感謝の気持ちは言い表せないほど洋介の内に詰まっている。それなのに洋介は最低と罵られるような行動に突き進んでしまう。そろそろとスカートを持ちあげていった。
(ああ、おばさんの脚……)
細い足首、つやつやとした脛、ぷるんとした太もも、透き通るような白が洋介の目に眩しく飛び込んでくる。同時にスカートの内からはふわっと甘い匂いが漂ってきた。体がカアッと熱くなっていくのを感じた。
(この匂い……さっきのは錯覚じゃなかったんだ)
劣情を刺激する芳香だった。股間でペニスが急速に充血していく。
(パンティだ……)
太ももの向こうに、ピンク色が見えた。洋介は身体を前に伸ばし、顔をスカートのなかにそろそろと突っ込んだ。甘い匂いはムンと濃くなり、洋介は鼻先をパンティへと近づけていく。乗り出した身を支えるため、脚と脚の隙間に手をついた。指に軽く千佳の太ももがふれた。あたたかく、すべすべとしていた。指をそっと動かした。きめこまかな肌は、指が吸いつくようだった。
(ぷるぷるしてる。ああ、いい香り……)
鼻を鳴らして馥郁とした香を嗅ぐ。甘酸っぱい匂いが肺を埋め尽くし、それに反応してペニスは痛いほど勃起する。穿いている綿ズボンの生地を押し上げて、激しく脈動していた。呼吸をする度、尿道を先走りの興奮液がトロトロと通って下着の内に垂れこぼれていく。
(ああ、すごい……)
こんもりとした恥丘が見えた。明らかに男とは異なる丸みを見ているだけで、ヒリヒリとした高揚が内から立ち昇る。匂いを嗅ぎながらパンティを眺めた。花を模したレースの装飾が前面にあり、黒い繊毛がかすかに透けて見えていた。
「こらっ」
突然、千佳の声が頭の上の方から聞こえた。洋介の身が一瞬で強張る。頭のなかが真っ白になり、血の気がサアッと引いていくのがわかった。
次の瞬間、スカートがパッとまくり上げられ、日の光が洋介を照らした。
「ダメでしょ。めっよ」
身体を起こした千佳が洋介をにらんでいた。にぎった拳で洋介の頭を軽くコンと叩く。
「ご、ごめんなさい」
かがみ込んだままの姿勢で、洋介はふるえ声で謝った。経営者だけあって、まっすぐ見据える眼差しには力がある。洋介は千佳の視線から逃れるようにうなだれた。
(僕、なんて真似を……)
己のしでかした行為の醜悪さが、混乱した頭のなかを駆けめぐった。恥ずかしさで相貌が真っ赤に火照っていくのがわかった。消え入ってしまいたかった。洋介はこの場から去ろうと、そろそろと後退りした。
「どこへ行くの?」
洋介の腕に、千佳の手がかかった。洋介はビクッとする。逃げることはもはや叶わなくなり、洋介はソファーの上でうなだれるしかない。
「顔を上げて」
千佳の声に促され、洋介はゆっくりと面を上げた。
「ご、ごめんなさい」
もう一度絞り出すように詫びの言葉を吐いた。千佳はそんな洋介を見つめてくすっと笑い声をもらす。
「もう、そんな表情しなくたっていいのよ。おばさん、怒ってないからね。さあ、こっちへいらっしゃい」
手を引かれた。やわらかな身体としなやかな両腕が、無様な真似をした少年をくるみ込む。久しく忘れていたぬくもりだった。ポンポンと千佳が洋介の背を撫でる。
(あたたかいな。ああ、胸が……)
少年の頬や鼻に、親友の母のふっくらとした弾力が当たっていた。ニットの開いた胸元からは、肉丘の豊満な膨らみとくっきりとした谷間が見えた。
「ありがとう。さっきあの子たちを洋介くん、止めてくれたでしょ」
「き、気づいてたんですか?」
千佳の胸に顔を埋めたまま、洋介は驚きの声を発した。
「ええ。途中でね。だって変な風がすうっと足元の方から入ってくるんですもの。だけどあそこで叱ったりしたらあの子たちとうちの高明の仲がね、まずくなっちゃうでしょう。しょうがないわよね。女のひとの下着だとか身体だとかに興味がわいちゃってどうしようもない時期ですものね」
おだやかなしゃべり方だった。洋介が腕のなかで小さくうなずくと、千佳はぎゅっと抱き締めてきた。
「だからおばさん、きみがあの子たちを制止しようとしてくれたこと、ちゃんと知ってるのよ.ありがとうね、洋介くん。こんなおばさんでも必死になって守ってくれようとするなんて。とってもうれしかったわ」
千佳の髪が垂れて、額や頬にかかる。おおらかな厚みに包まれている感じだった。はりつめていく一方だった洋介の心はようやく安堵の息をつく。
「お勉強が忙しいと思うけど、これまで通り高明と遊んであげてね。洋介くんのお宅はお母さんいないんだもの。何かと大変でしょうけど……。もし困ったことがあったら、おばさんに何でも言ってね。ご近所さんですもの。遠慮はいらないのよ」
千佳からやさしい言葉を投げかけられるほど、いたたまれない気持ちが強くなる。少年たちを注意しながら、その数分後に洋介もそっくりなぞった行動をした。甚だしい偽善だと洋介は思う。一番の卑劣漢は自分ではないかと後悔の念がわきあがり、胸がチクチクと痛んだ。
「おばさん、ごめんなさい」
「もういいのよ。謝らなくたって」
千佳が洋介の頭を撫でてきた。おだやかな声が身体に染み入るようだった。洋介は幼い日に、母に抱かれた遠い記憶をたどりながら両目を閉じた。
「今度、お父さん再婚なさるのよね」
洋介は上を向き、首を縦にした。
「洋介くんの新しいママは、いつ引っ越してくるの?」
「来週です」
「そう。ドキドキして落ち着かないでしょ。新しいママとうまくやっていけるか不安だものね……。洋介くんがおばさんにヘンなことしちゃったのも、そのせいかもね」
庇う言い方だった。今日の出来事が心の負担にならぬよう、気遣ってくれているのが洋介にもわかった。
(おばさん、やさしいよ……)
良心が苛まれる。父の再婚など言い訳にもならない。悪いのはスカートにもぐり込んだ自分だと洋介も充分にわかっている。
「おばさん、僕を怒らないんですか」
「あら、怒って欲しいの?」
千佳が面白そうな表情をつくった。少し茶色がかった髪をかきあげ、洋介の顔を覗き込む。
「もしかして洋介くん、ママの代わりに叱りとばしてくれるひとが欲しかったから、あんな真似をしたの」
「いや、ち、違います……そうじゃなくて」
「うふふ、じゃあ、なんでわたしのスカートのなかに入ったのかしら。洋介くん、学校でもクラスメイトの女の子のスカート、まくったりしているの?」
「そんなことしません」
「だけど、どうせ見るなら若い子の方がいいと思うのだけど。こんなおばさんのパンティなんか、眺めたって何も楽しくないでしょ」
「あ、いえ、そんなことは」
洋介は返答に詰まり、千佳の二重の瞳はいたずらっぽくかがやきを放つ。
「ということは洋介くん、楽しかったのね。興奮した? そう言えばハアハア言って、生あたたかな息が微妙な部分にかかってきてた感じがするのよね」
洋介の困ったさまを楽しむように、千佳が執拗に追及してくる。やぶ蛇だった。窮境の汗がどっと噴き出し、洋介は千佳から視線を外した。すると千佳の指が伸びてきて鼻をつままれた。
「都合悪くなると、そっぽを向かないの」
洋介は、むぐむぐとうめいた。
「わかってる? あんな場所の匂い、嗅いだらいけないのよ。くすぐったいし恥ずかしいし……じっとしているのも大変だったんだから。第一、真面目なきみがあんなことをしてくるなんて思わなかったもの。おばさんもどうしていいかわからなかったんだから」
困った感情が千佳の声ににじんでいた。顔もほんのりと赤くなっていた。
(そうだよね。おばさんだって恥ずかしかったよね)
洋介はコクコクとうなずいた。
「よろしい」
鼻をつまんでいた千佳の指が放れる。
「もうあんなことしちゃダメよ」
千佳が洋介の頭をきゅっと抱いてきた。
(ああ、やわらかい)
ゆたかな胸元が、たぷんと洋介の頬にすりついていた。ため息の出るような弾力と肉感だった。目の前にある紅い唇からは、甘い息がふわっと吐き出されて洋介の鼻腔に届く。
(ああ、おばさんの息が……。そういえば、スカートのなかもいい匂いだったな)
思い返した瞬間、先ほど嗅いだ甘酸っぱい香が鼻腔の奥に甦った。
(いけない。また……)
腰の辺りがムズムズとした。ピンク色のパンティや、むちっとした腰つき、悩ましい太もものラインまでもが、くっきりとした映像となって頭に浮かんだ。先ほどの行動を恥じながらも、性の欲望はしぶとく身体にとどまっていた。注意を受けたばかりだというのに、陰茎は激しく充血してしまう。
(まずいよ、こんな状況で……)
洋介は焦った。この期に及んでまだ興奮状態にあると知ったら、千佳は洋介がまったく反省してないものと受け取るに違いなかった。
「あら?」
千佳が首を傾げた。視線が洋介の腰の辺りへと向かう。薄い綿ズボンはテントのような隆起を浮かび上がらせていた。欲情していることはごまかしようもない。千佳の眉間に険しい筋がつくられるのを見た洋介は、心のなかで悲鳴を上げた。
(最悪だっ……)
「もう」
千佳が、洋介を呆れた感じに睨みつける。洋介は叱られた飼い犬のようにうなだれた。
「一応、あなたは叱られている立場なのよ。これはなんなのかしら」
咎めの言葉が肌に突き刺さってくる。
「あ、あの、よくわからないんです」
洋介は身を縮こまらせた。じっとりとした汗が額を濡らす。わからないというのは半分ウソだった。上手く説明できない部分があるのは事実だが、己のなかにある美しい親友の母への想いに、洋介自身気づいている。だからこそこんな状況でもペニスは硬くなってしまうのだ。
「小さくできないの、これ」
千佳が耳元で尋ねる。洋介はコクンとうなずいた。一度硬く膨らんでしまった以上、やわらかくしたくとも意思の力ではどうにもできない。
「しょうがないわね……」
ため息とともに千佳の右手が洋介の腰に向かって伸ばされた。手の平が、情けなく盛り上がった部分にすすっと覆い被さる。
(え?……)
洋介は驚きの目で千佳を見た。
「こんなに腫れちゃって。これじゃあ、みんなの所に戻れないでしょう?」
千佳が、ズボン越しに勃起にふれてつぶやいた。
「あ、あの」
「なあに?」
艶やかな微笑みがつくられる。ジーッと音がした。千佳がズボンのファスナーを引き下ろしていく。
「い、いいの?」
洋介は信じられない思いで千佳の横顔を見つめ、問いかける。千佳は相貌を傾げると、探るような眼差しで洋介を見た。
「おっきなままじゃ困らない? それともこんなおばさん相手じゃイヤかしら?」
「嫌なんて、そんなわけ」
洋介は間髪いれずにかぶりをふる。
「よかった。じゃあ小さくするのを手伝ってあげるわね」
千佳は目尻を下げた。右手はズボンの内にもぐり込み、ブリーフの下着を引き下ろしはじめた。
(ああ、うそみたい、千佳さんが僕のモノを……あっ、指が――)
千佳の指が直に肉茎にさわった。充血した男性器に、他人の手がふれる初めての感覚に、少年は身を打ちふるわせた。
「あ、ああ……」
形と大きさを測るように、指先が微妙に動いていた。予想もしていなかった展開に洋介の呼吸は乱れていく。
(エッチなことしてもらってる。高明のお母さんに……)
心の一部が麻痺したようだった。何も考えられず、ただ目の前の白く豊満な女体にしがみつき、洋介はハアハアと喘ぎをこぼす。
「とってもヌルヌルになってるわ。ずっとこんなだったの? パンツのなか、気持ち悪かったでしょ」
「うん……」
洋介は含羞の相でうつむく。千佳のスカートに指をかけたときから、先走りの液がだらだらともれていた。
「んっ」
洋介はぴくっと首をゆすった。憧れと淡い恋心を抱いていた親友の母が、己のふるえる勃起に指をしっかりと絡めてにぎり込んでいた。
「ああん、洋介くん、おおきいのね」
千佳の艶っぽい嘆声がもれた。膨張時のサイズに感心したのか、瞳が丸くなっていた。
「ぼ、僕、大きいの?」
「そうよ。少年とは思えないわ。立派よ……」
ぷるんとした唇が、薄く開いて悩ましい吐息がもれる。二重の瞳も心なしか潤んでいるように見えた。
「でも僕、皮が被ってるから」
勃起状態でも陰茎には包皮が被り、完全に大人の形にはなっていない。クラスメイトのなかには完全に亀頭部が露出している者もいた。洋介は不安そうに千佳を見る。
「まだ少年だもの、何もおかしくないわよ。うちの高明もまだ被ってるのよ」
「そ、そうなの?」
洋介が問いかけると、千佳はうふふと笑った。
「母親はね、息子のことなんでも知っているものよ。あの子ね、携帯電話のカメラで盗み撮りした先輩の女の子の写真を大切に持っているの。勉強の合間に、よく眺めてるわ。彼女の目指す高校にあの子も行きたいみたい。洋介くん、高明より頭いいものね。よかったら高明に勉強教えてあげてね」
下では尿道口に指先をあてがい、円を描いていた。あふれるカウパー液をヌルヌルと亀頭部分に塗り込んでいく。くすぐったさを伴った快感が、先端部から腰に向かって走り、洋介は首をゆらして喘いだ。
「感じるの? この膨らんだ状態で剥いてみたことあるのかしら」
「うん。最初は痛かったけど」
「そう。じゃあ剥いてあげるわね。痛かったら教えてね」
洋介の表情を見ながら、千佳は肉棹に添えた指をそろそろと根元に向け沈ませていく。垂れこぼれた透明なカウパー液が潤滑剤の役目を果たしているため、引きつる感じはいつもより弱かった。余り皮がくるんとまくられて、ピンク色がかった亀頭が露出する。
「うふふ、ピンッて出てきたわね。仮性みたいね。もう少し成長したら、ちゃんとしたおちん×んになるわよ」
包皮に覆われていた部分が外気にふれたため、たまった汗や分泌液の汚れ、そして恥垢の入り混じった独特の酸っぱい匂いがふわっと広がった。暑い季節、いつも以上に臭気が鼻をついた。
「あ、あの、臭いよね。ごめんなさい」
己の匂いを感じ取った洋介は、恥ずかしさで首筋まで真っ赤になった。
「だいじょうぶ。おばさん臭いなんて思ってないから、そんな何回も謝らなくたっていいのよ」
千佳は形のいい眉をハの字にし、うれいの相をつくる。
「ちょっと皮が被っているけど、これはもっと成長したら自然に伸びるからね。何も心配いらないのよ。お風呂に入ったときは、この部分を剥いてよく洗えばいいから。それともおばさんが洗ってあげましょうか? どうせ洋介くんのお父さんは毎日お仕事が忙しくて深夜の帰宅なんでしょ? 毎日うちでお風呂に入ってもいいのよ」
慈愛の表情は、からかっているのか、本気の提案なのか判断がつきにくい。洋介はどぎまぎとした感情を隠せず、おどおどとした瞳で親友の母を見つめた。
「そ、そんなこと……あん」
匂いのきついペニスに細指がしっかりと絡みつき、上下に摩擦をはじめた。とろける愉悦が一こすりごとに甘くこみあげた。
「お世話をしてくれるお母さんがいないんだもの。洋介くん、わたしのことママみたいに思ってくれているんでしょ? もっと甘えてもいいのよ」
(おばさんは、ママじゃなくてもっと……)
母への思慕とは異なっていた。千佳にこすられ、ギンと反り返って悦ぶペニスがそれをよくあらわしている。性的なモノが多分に含まれた愛欲の想いだった。
「また海に一緒に行きましょうね。でも、こんなおばさんとじゃ、つまんないかしら。高明だって年々わたしと出かけるの、乗り気じゃなくなってきたし」
千佳の相が曇る。保護者同伴、母親を伴っての旅行や海水浴を高明は嫌がっていた。
(だけど僕は……)
夏の海で見た千佳の水着姿は今でも目に焼き付いていた。落ち着いたデザインのワンピースだったが、こぼれ落ちそうなバスト、きゅっと括れたウエスト、そして丸みを帯びたヒップは、周囲の男性たちの劣情の視線を一身に集めていた。
(僕だって、周囲の若い女のひとの水着姿じゃなくて、おばさんを一番眺めていたもの。しょっちゅう見てたから、勃起を抑えるのが大変だった……)
「おばさんの水着姿、ステキだったよ」
洋介は勇気を出し、か細い声で告げた。三十四歳の美貌に、こぼれるような笑みが浮かんだ。
「あらあ、お上手ねえ。じゃあ今度、洋介くんにだけ、こっそりビキニ姿を披露してあげちゃおうかしら」
右手が根元の部分をきゅっと強くにぎり、左手が洋介の腰にまわされ引き寄せられる。洋介も千佳の脇から背へと手をまわした。少年と親友の母は、リビングのソファーの上でぴたりと密着を深める。
「洋介くんはほんとうにいい子ね。おばさんの子どもだったらよかったのに。こっちはつらそうね。こんなに熱くなっちゃって。おばさんの指も火傷しちゃいそうだわ」
洋介は顎を引き、互いの身体の隙間を覗いた。
(ああ、おばさんの手が……)
不潔なペニスだというのに、千佳の手の動かし方に躊躇いはない。ペニスの先からは透明な涎れもたらたらと垂れていく。白い手が、先走り液にまみれ、透明マニキュアの塗られた爪と同じように、ツヤツヤとかがやいていた。
「痛くない? にぎりの強さはこれくらいでいい」
「うん。ちょうどいいよ。ああ、おばさん……出ちゃいそうだよ」
強張った肉茎をやわらかな女性の手でマッサージしてもらう快感は極上だった。洋介は唸りをこぼして、こみあげてくる射精感を千佳に伝える。
「そんな切なそうな顔して……シコシコされて、気持ちいいのね? いいわよ。いつでも好きなときにお出しなさい」
千佳の甘い息が、洋介の悶え顔に吐きかかる。洋介は首をガクガクさせてうなずいた。友人の母の白い美貌も汗できらめき、頬はピンク色に染まっていた。呼吸は速く、時折、コクッとつばを呑んでいるのが音と喉の動きでわかった。
(おばさんも興奮してる?……)
「エアコンのタイマー、切れちゃったわね。つけないと」
千佳に言われて、洋介はエアコンが止まっていることに気づいた。レースカーテンの引かれたリビングの大きな窓から、真夏の日射しがさんさんと差し込んでいた。冷気の循環が止まった室内は、急速にむしむしとしてくる。
「洋介くん。お顔真っ赤よ」
「おばさんも、汗が……」
抱き合う二人の肌は流れる汗で濡れ、洋介の着ているTシャツもぐっしょり染みていた。ふたりの身体の間に汗が溜まっていくようだった。
ソファーの前にあるテーブルに、エアコンのリモコンが置いてあった。しかしどちらも手を伸ばそうとはしない。
「ごめんなさい……わたしも汗くさいでしょ」
「そんなことないです。とってもいい香りがする」
「おばさんの匂い、好きなの?」
勃起をきゅきゅっとこすりながら、千佳の息吹が近づいてくる。
「うん。いい匂い」
洋介も自然に顔を前に差し伸ばした。千佳にチュッと頬にキスされ、洋介も千佳の頬に口づけをする。
(おばさんの汗の味……)
ペロッと舐められ、洋介も舐め返す。互いの舌が相手の顔をやさしく愛撫していた。顎を舐め、耳たぶを噛む。汗と唾液で濡れたふたりの唇は、やがて惹かれあうように重なり合っていった。
「洋介くん……ん、んふ」
「おばさ、ん……」
(僕、キスしてる)
洋介は目を閉じ、ふっくらとした女性の唇の感触に酔った。股間では相変わらずねっとりとしたマッサージがつづいていた。絶え間なくこすり、肉エラの括れを指先でくすぐってくる。口づけしながらの手扱きは、少年を恍惚の世界へと誘っていく。
(もれちゃいそう……)
「このこと息子には内緒にね」
どれくらい口を吸い合っていたのだろう。千佳のささやき声が聞こえ、洋介はまぶたをひらいた。
「はい……」
濡れかがやく紅い唇を見つめて、洋介は返事をする。
(高明、ごめん……)
ペニスを甘くしごいてもらいながらの口づけ。夢のような現実に酔い、親友のことなどすっかり頭から消えていた。親友を裏切っているという自責の念と背徳感が、少年の胸をきりきりと締め付ける。
「洋介くん、もしかしてファーストキスだったの?」
洋介が再度首肯すると、千佳の顔に春の花のような微笑みが浮かんだ。
「わたしみたいな年取った女がそんな大事なモノもらってもいいのかしら。純真な少年の夢を壊しちゃったわね。こういうシチュエーションでしたいとか、洋介くんにも理想の形があったでしょ。ごめんなさい。おばさん、大切なファーストキスの責任取らないといけないわね」
洋介はぼうっとした目で千佳を見る。指の動きが粘っこかった。ペニスをこすられる度に、千佳のやわらかな乳房が洋介の胸や二の腕にたぷたぷと当たってくる。我慢の汁がたらたらと垂れ、ヌチャヌチャという卑猥な音が大きくなっていく。
(いつまでもこの時間がつづけばいいのに……)
断続的に腰に力を込めて、こみあげる射精感を懸命に抑え込む。いつまでも千佳にやさしく抱かれていたかった。
「ああ、どんどん、硬くなってるわね……責任か。ねえ、洋介くん、わたしのお婿さんになってくれるかしら?」
反り返った肉刀の裏側を指先で撫でながら、千佳が問いかけてくる。
(おばさんは、他愛のない冗談のつもりだろうけど……)
「うん」
洋介は力強く同意した。顎を差し出し千佳と唇を重ね合わせた。舌を伸ばし、上唇を舐めた。千佳が口に薄く隙間をつくった。洋介はすぐさま舌を差し入れ、あたたかな口内をまさぐった。本気の気持ちを口元の動きに込めた。
「ん、んふ……」
二人の舌がそろりとふれあい、すべってもつれあう。唾液を混ぜ合いながら巻き付けあった。
(おばさんと、ディープキスしている……)
初めて体験する濃厚なキスは、甘くとろける味だった。ひと吸いごとに、居心地の良い日常が愉悦と興奮の波間に呑み込まれていく。千佳の口からもれるピチャピチャという音、そしてふたりの荒い呼気が静かな室内に木霊した。
やがて千佳が洋介の胸を押し、口を離した。下唇からツーッと透明な糸が引いて切れる。
「垂れこぼしちゃって。こんな熱心なキスは、おばさん相手にいらないのよ。好きな女の子のために、こういう激しい口づけは取っておきなさい」
千佳は吐息をつくと、人差し指を伸ばして洋介の顎先を拭った。
「洋介くんはかっこよくてもてるんだから。同級生の女の子から今年もバレンタインのチョコレートいっぱいもらったんでしょ? 高明から聞いてるわよ」
(おばさん、指でいじくりながら……)
親友の母は気遣うセリフを口にしつつ、股間では勃起を執拗にこねくりまわしつづけていた。限りなくやさしい相と、淫らな手技の落差に、洋介の心と身体はふるえる。
「僕、おばさんからもらったチョコレートが一番うれしかったよ」
洋介の返事を聞くと、千佳の相貌の朱色は瞬時にあざやかさを増し、ぱっとそっぽを向く。
「もうっ、そんなこと言われたら……」
その横顔は、かわいらしい含羞の表情だった。ペニスからいったん指を放す。着ているニットの裾をつかんだかと思うと、一気に引き上げた。
「お、おばさん……」
洋介は驚嘆の声を上げる。
「サービスよ。これで少しは時間が短くなるはずよね? 急がないといけないでしょう。洋介くんが戻ってこないのをおかしく思って、高明たちが探しに来ると困るもの」
千佳は恥ずかしそうな小声で告げる。ニットを畳んでテーブルに置くと、照れをごまかすように乱れた髪を撫でつけた。
(すごい……)
下着だけを身につけた裸の上半身が目の前にあった。熟れた双乳を包むのは、パンティとお揃いの薄いピンクのブラジャーだった。夏の海で何度も欲望の目で見たなめらかな肌と艶めかしいボディ。むんむんと匂い立つ色香に、洋介は生唾を呑む。
「ね、おっぱい好きなんでしょ。洋介くんはいつもわたしの胸元ばかり見ていた気がするんだけど……」
千佳はもじもじと肩をゆらし、伏し目になって洋介に問いかける。
(おばさんでも、こんな表情するんだ……)
雑誌で紹介される有能な女社長の顔でもなく、息子や友人たちを前にしたときのやさしい母の顔とも違い、少女のように初々しくはにかんでいた。羞恥のにじむ瞳、たわんだ柳眉、汗ばんだ困惑の美人顔を洋介はなんともかわいらしいと思う。
「だらしないおっぱいでしょ、恥ずかしいわ。やっぱり大きいと垂れちゃうの。年を取ると、プロポーションはね」
「そんなことないですよ」
「いいのよ、お世辞は。自分が一番わかってるんだから。なんで脱いじゃったのかしら」
「ほ、ほんとうです。あの、ほら、僕だってこんなになって」
洋介は勇気を出し、千佳の左手をつかんだ。己の性器に千佳の指をふれさせる。
「あら。今日一番ね、元気な子」
千佳はパッと朗らかな笑みをつくると、にぎり込んだ。
「ありがとう。おばさんちょっと自信ついたわ」
とても恥ずかしそうな、しかしうれしさのにじんだ声で礼を口にし、ガチガチに昂った肉棒をやわやわとマッサージしはじめた。指扱きの愉悦に、少年は相を歪めた。
「あん、自信は、ちょっとだけなんですか?」
「ふふ、そうね。年頃の男の子がこんなに硬くしてくれるんだものね。かなり自信がつきました」
千佳は左手を背にまわすと、ブラジャーのホックを外した。下着が胸から落ち、形良く垂れた白い双乳があらわれた。
「ああ……」
洋介はだらしなく口を開き、豊満な膨らみに視線を這わした。紅い乳頭は屹立し、肉丘全体は、細かな汗粒でかがやいていた。
(これを高明が吸って……ごめん、高明)
二階でゲームに興じる親友への申し訳なさを感じながらも、洋介はふたつの乳房へと手を伸ばす。丸い下乳の部分を持ちあげた。ぷるんとした手触りと重みに、洋介はため息をついた。
(おっきくて、持ちきれない……)
「ふふ、今度来るママのおっぱいも、大きいといいわね。幾つなのかしら?」
「二十六歳だって父さん、言ってました」
双乳を見つめたまま洋介は答える。指を移動させ、みずみずしく色づいた乳首に指先でふれた。乳輪の部分をなぞるように円を描いてから、先端部を軽くつまんだ。そこは硬くしこっていた。今度は千佳の唇から吐息がもれる。
「あ、んふ……かなりお若いのね。じゃあ三十路のおばさんなんかよりずっと張りがあるわよ。おっぱいの先だってツンと上を向いてるわ」
千佳はにぎり込む力を強めると、上下にこする指の動きも速めた。根元の下辺りが熱くなってくる。
「ああ、イッちゃうよ、おばさん」
洋介は顎を反らして、女の子のように喘ぎをこぼした。溜まった欲望の塊が、噴き出す瞬間をジリジリと待っている。
「あん、敏感ねえ。こんな素直なおちん×んだと、おばさんうれしくなっちゃうわ。……じゃあ洋介くんが高校生になる頃にはママは二十八歳ね。危ないわねえ。洋介くん、かっこいいから新しいママさんも大変ね。お父さんの結婚相手なんですからね。色目を使ったりしたらダメよ」
「そ、そんなこと……」
「うふふ、冗談よ」
ぐいと頭を引き寄せられる。すべすべの乳房、果てしなくやわらかい肉丘に洋介の顔は埋まった。
「ああ、やわらかいよぅ……」
口からもれたのは自分でも驚くほどの甘えた感じの幼い声だった。洋介は真っ赤になる。千佳の反応を窺うように上目遣いで見た。
「照れなくてもいいのよ。おっぱい好きなんでしょ。吸っていいの。我慢しないでね」
千佳が下から持ち上げるように、ふわんと双乳を当ててきた。洋介はうなずき、口を開く。乳房の狭間に汗が溜まっていた。その上をペロッと舐めた。横から両手で双乳をつかみ、夢中になって揉んだ。
「あ、んふ……んむ」
紅い先端部をぱくっと頬張った。チュウチュウと吸い、舌先で乳首をはじいた。
「おっぱい、おいしい?」
千佳の方も、うっとりとしたかすれ声で問いかけてきた。
「ん、んん……」
口を大きく広げた少年は、丸い肉丘にしゃぶりつきながら喉だけで返事をした。
「ヘンな感じね。こんな大きな男の子におっぱい吸われていると……あん」
洋介は乳首に軽く歯を立てた。千佳が両目をぎゅっと閉じ、くふんと鼻から息を抜く。
「もっと気持ちよく、撫でなでしてあげるわね」
千佳が一度手をペニスから引き上げると、口元へ持っていく。口のなかから白い唾液を絞りだし、手の平の上に垂らし落とした。
(なにを?)
洋介は乳房から口を離して、千佳の行動を目で追った。千佳はにこっと笑うと唾液まみれの手を下へと戻した。肉幹の付け根近くをつかむと、唾液をなすりつけるように回転させて引き上げていく。
「あ、ああっ、うう……」
洋介は千佳にもたれかかり喘いだ。あたたかな唾液がぬめって、心地よく千佳の手がすべっていった。千佳は鈴口までたどり着くと、人差し指と親指で輪をつくり、亀頭の括れに引っかけてクイクイとまわし込んだ。唾液と先走りの透明粘液が混じり合って、淫靡に泡立っていく。
「どう? ヌルヌルでいい感じでしょ」
「ああ、こんなのっ」
千佳の手の動きとともに、グチョグチョという汁音が奏でられる。洋介は、左手で千佳の乳房をつかみ、右手を太ももの上に置いてぶるぶるとふるわせた。射精前のジリジリとした快感が身体全体に広がっていた。
「おっぱいだけじゃなく、下の方もさわってみる?……」
千佳が妖しい眼差しで尋ねてくる。昂揚の朱色に美貌が染まっていた。スカートの裾をたくして持ちあげると、太ももの上にある洋介の右手をつかんで、内へとくぐらせた。
「こんなことは今日だけだからね……」
大胆な行為を許す言い訳のように千佳はささやき、膝の間隔を大胆に開いていった。洋介の手は脚の付け根へと進んでいく。奥で指がふわっとした布地に当たった。
(ここがおばさんのアソコ……)
あたたかな湿りを指先に感じた。洋介は形を確かめるようにパンティの表面を探った。
「ん、そこよ」
千佳がか細くささやいた。洋介の指先がじっとりとした縦溝をなぞる。
(やわらかくてしっとりしている……)
パンティの股布を押し込むようにして指を上下させると、ヌルッとした手応えとともに、沈んでいく。
「ん、それがね、濡れるってことなの。おばさんも嫌な気分だけじゃなかったから」
さすがに恥ずかしいのだろう、千佳が躊躇いがちに説明する。
「きみたちに覗き込まれているとき、おばさんもドキドキしちゃったの。電車のなかで痴漢されているときより、緊張したわ。だから……あ、そこよ、そのちょっと膨らんだ場所、あんっ」
(ここがクリトリスだっけ?)
友人からまわってくるエッチな雑誌に書かれていた女性の仕組みを思い出しながら、洋介は指先に引っかかる上べりの部分をそっとこすった。
「ん、上手よ。いじりっこしましょうね」
汗ばんだ顔で千佳が告げた。硬直する勃起を巧みな指さばきでなめらかにこすってくる。洋介はスカートのなかで生地越しに秘部を撫でた。
背徳の愛撫に熟母と少年は耽った。夏の日射しが差し込むリビングルームのなか、男女のせわしない呼気が交叉し、抱き合う身体からは熱気がムンと立ち昇った。
(おばさんのアソコ、どんどんヌルヌルになっていく)
内奥から湿潤にあふれ出てくるのを感じた。シルクの布地から染みた粘液が、洋介の指も濡らしていた。
「洋介くん……」
したたるような声音で千佳が洋介の名を呼んだ。洋介は顎を持ちあげ、口を差し出した。千佳がすぐさま唇を重ね、舌をもぐり込ませてきた。洋介も舌を伸ばし、ヌチュリと音を立ててやわらかな舌同士がこすれ合った。
「んふんっ」
千佳が鼻を鳴らしてちゅうっと洋介の口を吸ってきた。洋介は口内に分泌する唾液を舌にのせて、送り込んだ。千佳のコクンという嚥下の音が聞こえる。
(僕のつばをおばさんが……)
年上の女性が体液を啜り呑んでくれる幸福感に少年は酔った。すると千佳はお返しのように、洋介の口に唾液を流し込んでくる。
(おばさんのつば、甘い……)
洋介は陶酔の心地で千佳の唾液を呑み下した。あたたかな喉ごしがうれしかった。チュッと音を立てて、唇同士が離れる。
「涎れの交換しちゃったわね」
ふっくらとした唇をヌラつかせて、千佳が艶美に微笑む。
「うん、おいしかった」
「そう、よかった。洋介くんのつばもとっても甘かったわ」
千佳は微笑みを浮かべると、新たな唾液を唇から吐き出し、手の平で受けとめる。ピクピクとわななくペニスにまたヌチャリヌチャリと塗りたくった。棹から垂れこぼれた唾液はそのまま下へと引き伸ばして、陰嚢にもまぶしていく。
「あ、ああ、上手いんですね」
そのまま指で包み込み、陰嚢をさすってきた。力加減をよく知った手つきだと、洋介はゾクゾクとした恍惚のなかで思う。灼けつく射精感が限界までせり上がってきていた。
「そうよ。だって人妻だったんですもの」
美貌を傾げて千佳が色っぽくささやいた。流れ落ちた髪が、洋介の鼻をくすぐった。粘液でかがやく手が反り返った肉刀へと戻り、甘くあやすように摩擦する。
(僕もパンティの上からじゃなく)
洋介はパンティの股布の端っこを、指で引っかけて脇に寄せた。
(ここが女性の……)
やわらかな繊毛が手にこすれ、ヌルヌルのヒダが指先に当たる。秘裂は熱く濡れそぼっていた。洋介は肉唇を掻き分けるようにして人差し指を間に差し込んだ。
(うわ、すごい。なかに指が引きずり込まれていく……)
小穴を探り当てた指が、力を入れてもいないのに勝手に沈んでいった。内部はあたたかく、別の生き物がいるかのようにねっとりとうごめいていた。
「ん、この子は、直接いじってきて……あん」
千佳が息を詰まらせて、両目を閉じる。洋介はたぷたぷとゆれる乳房にふたたび口を寄せ、吸いついた。ピクンと裸の上半身がふるえた。
「ああん、上も下も責めて……いけない子」
親友の母のまぶたが開き、乳房に吸いつく息子と同じ年の少年を、潤んだ瞳で見つめた。
「そういう子にはお仕置きね……」
少年の股間では、中身を絞り出すように女の指が素早く繰られた。
(でちゃうよ……)
すぐそこまでこみあげていた。洋介は快感のもどかしさをぶつけるように、左手で乳房を揉み込み、紅い先端を強く吸った。太ももの間にもぐった右手を奥にグッと差し入れ、人差し指を根元まで埋めた。
「ああっ……わたしのこと、ママって呼んでいいのよ」
美母のやさしい声が少年をつつみ、悦楽の波が一気に盛り上がった。黄色い花が洋介の眼前を飛んだ。
「マ、ママっ……イ、イクよっ」
洋介は乳房から口を外して叫んだ。硬化した肉茎が跳ね、白い樹液が勃起から勢いよく噴き上がった。少年はか細い喘ぎを発して、身をふるわせた。
「ああっ、あ、ああっ……」
「おいで」
首を抱かれ、喘ぐ口元を朱唇でふさがれる。
「ん、ママぁ……」
射精の発作のなか、年の離れた男女は激しく口を吸い合った。千佳がきゅきゅっと痙攣するペニスをしごき、放出の悦楽を高めてくれる。白濁液が大量に飛び出て、千佳の指と少年の股間を汚した。
(ヒクヒクしてる……)
千佳の内部がヌルヌルとうごめき、差し込んだ洋介の指を締め上げていた。女体の神秘を指先に感じながら、悦楽の時間に洋介は浸る。蒸し暑ささえも心地良かった。千佳の顎から汗粒がしたたり、洋介の頬をあたたかく濡らした。千佳の呼吸も速い。
しばらくして射精の痙攣がおさまる。
「気持ちよかった?」
千佳が唇を引いてささやく。千佳の指が陰茎からそっとほどかれた。少年はぼうっとした瞳でうなずいた。洋介も千佳の女壺から、静かに指を引き抜いた。
「んっ」
千佳の眉間に皺が寄り、そしていつものやさしい笑みがつくられた。
「よかった。いっぱい出したわね」
洋介の精液で白く汚れた指を、千佳が自分の口元に持っていく。ごく自然な感じに舌を伸ばし、舐めた。
(おばさんが、僕の精液を……)
洋介の胸は感動でふるえる。
「これが洋介くんの……ふふ、濃い味ね」
千佳はマニキュアの塗られた指先を紅唇でちゅぷっと含み、白い粘液を丁寧にぬぐい取っていく。
「こっちも後始末しないといけないわね」
自分の指がきれいになると、千佳はいきなり上体を前に倒し込んできた。洋介の股間に美貌が被さっていく。
「お、おばさんっ」
射精したばかりの過敏になったペニスに、千佳の舌がやわらかに這っていた。
(こんなのウソみたい……)
洋介は首を傾け、千佳の口元の動きを観察する。心のゆさぶられる魅惑の情景だった。紅い舌が這いまわり、白い粘液をすくい取っていく。舌の上にのった精汁はふっくらとした唇のなかに消え、コクンと喉が鳴る。身体から吐き出された欲望液を、女性が呑み下してくれるという至福は大きかった。
棹全体を清めるように、千佳が先端から根元へと含んでいく。
「ああっ……」
口のなかにすっぽり呑んでもらう喜悦に、洋介は大きく息を吐いた。
(オナニーした後は、なんか落ち込んじゃうのに……)
射精後に生じる自己嫌悪の気持ちが、あたたかな口内粘膜にくるまれていると、甘く薄れてとけていくようだった。
「おばさん、ありがとう」
洋介は感謝の気持ちを千佳に伝える。やわらかな双乳が、わき腹の辺りにこすりつくのも心地よかった。洋介が手を伸ばして垂れる乳房をやわやわと揉むと、くふんくふん、と千佳が喉でかわいらしくうめいた。
「もう、いたずらっ子ね」
口で清め終わり、千佳が身体を戻す。指で口元を拭いながら、洋介を睨みつけた。
「はい。きれいになったわよ。もう少し待ってね。わたしのつばも拭いてあげるからね」
千佳が、ソファーの背もたれの側に落ちていたピンクのブラジャーを手に取る。カップの裏地部分でペニスを包み、根元から先端へと磨くようにすべらせた。
「あ、ああ……」
ソフトな感触に、洋介は声を上ずらせた。表面を覆っていた水気はすぐに消え、少し硬さを失ったペニスはつるんとしたかがやきを放つ。
「はい、元通り。さ、部屋に戻りなさいね」
少年のブリーフを引き上げ、綿ズボンも元に戻しながら、千佳が微笑んだ。
「おばさん」
洋介は千佳に抱きついた。好きです、という言葉の代わりに、初めて少年から年上の女にキスをする。
「ん、もう……このおくちはあなたのアソコを舐めたばかりなのよ……」
困ったようにつぶやきながら、千佳が洋介の口をやさしく吸い返してくる。洋介はこのしあわせな時間がもう少しだけつづいて欲しいとねがいつつ、熟れた乳房を揉み込み、親友の母の甘い唇を吸った。
【次回更新:2024年12月28日(土)】