【完全版】大いなる肛姦 1
第一章 美肛の感触
1
久々の極上の獲物である。ハッとするほどの美しさの中に漂う知的な雰囲気。ファッションモデルみたいなセンスのよさ。スカートの上からそれとわかる成熟した双臀の量感。ふくらはぎからキュッとくびれた足首のあたり。黒川竜也は電車に乗る前から、血が高ぶるのをどうにも抑えきれないでいた。
これまでに大学への通学途中で、かなりの女に眼をつけてきたが、こんなに胸がときめいたことはなかった。
夕方のラッシュアワーで、ホームは架線事故による電車の遅れも重なって、ものすごい混雑だった。
竜也に狙われているとも知らないその美しい女は、三歳ぐらいの子供を腕に抱きあげながら、むし暑いホームの上で、苛々したように電車を待っている。ショッピングの帰りであることは、手にしているデパートの包み紙からもわかる。勝気そうな女の横顔がなんとも美しい。
とてもガキがいるとは思えねえ。なんていい女なんだ。こいつはたっぷりと楽しまなくちゃな。へへへ……。
竜也は女の後ろにぴったりくっつき、双臀のあたりを舐めるように見つめながら、ニヤリとした。痴漢のベテランを自負している竜也の、自信に満ちた笑いだった。
その美しい女は、他に三人の女性とグループであったが、他の女は眼に入らない。
やがて、大幅に遅れた電車が、はちきれんばかりの人を乗せて入ってきた。冷房車ということもあって、すさまじい混雑である。いっせいに人波がドアに殺到した。女は、子供をかかえているせいか、乗るかどうか迷っているようだったが、他の三人が乗ろうとしたので、その後につづいた。
竜也が、この絶好のチャンスを逃すはずはない。人波にまぎれて女の腰に手をまわして抱くと、一気に車内へ押しこむ。押しこみながら、もう一方の手で絹のようなスカートに手をかけ、一気にたくしあげた。パンティストッキングはつけていなかった。素早くてのひらをパンティに吸いつかせる。
「ああ、あッ」
女の口が開いた。だが、すさまじい勢いで押しこんでくる人波にどうすることもできない。
女を車内に押しこみながら、一気にスカートの中に手を入れる。長年の経験で得たテクニックである。この方法は、この女のように、気の強そうなタイプに有効だった。とりわけ、女がグループの時は、ほとんどと言っていいくらい成功した。人波に押され、気づいた時にはスカートの中に男の手が入っている。そうなるともうどうしようもない状態になる場合が多かった。ましてや、子供を抱いているうえにグループである。子供を人波からかばうことと、グループに気づかれまいとすることから、男のいたずらに無抵抗になることが多かった。
竜也の予想通り、車内の奥でようやく立ちどまった女は、ビクッと体を震わせて、キッと竜也のほうを振りかえっただけである。だがすぐにギュウギュウと押しこんでくる人に、あわてて子供をかばおうと前を向く。
「奥様、大丈夫?」
少し離れたところから、グループの一人が声をかけた。
「ええ、なんでもないわ」
女はあわてて答える。やはり、連れに気づかれまいとしている。
「奥さん、混んでるね」
ほとんど身動きできない車内で、竜也は、女の耳もとに囁いた。女の双臀の形のよさと、パンティを破らんばかりにムッチリと張った肉感が、指先に心地よく伝わってくる。まるで指先を弾かんばかりの肉の張り具合に、竜也は満足した。
「奥さん、たまらねえ尻してるじゃねえか」
竜也は、また囁いた。ゆっくりパンティの上から双臀を撫でまわしていく。
やはり、竜也の狙いに狂いはなかった。気丈で、自尊心が強いのであろう、時折りキッと竜也を睨むだけで、何気ない顔をしている。必死に腰をずらし、竜也の指から逃れようとするが、それも混雑で無理とわかると、ハイヒールで竜也の足を踏みつけてくる。ゆっくり電車が動きだすと、女は子供をかばうように腰を後ろへ突きだすが、竜也の指が肉にくいこむのを感じて、あわてて腰を引いた。
竜也は、何気ない顔でグループと話をする女の横顔を見ながら、たっぷりと双臀を楽しんだ。もう完全に竜也のペースである。まずてのひら全体で女の双臀の形、肉づきを味わうように撫でまわす。次に、パンティと太腿の境目に指を這わせ、パンティラインに沿って指をすすめた。もちろん、パンティストッキングをつけない太腿の後ろ側にも指を這わせた。汗ばんだ太腿が、なんともたまらない。
ただ、がむしゃらに触るだけではだめである。一定のリズムに乗って、腰から双臀の谷間へ、太腿から双臀の頂きへと、まわりから女の中心へ向かって撫であげるのがコツである。いきなりパンティの中へ手を入れると、悲鳴をあげられるのがオチである。それよりもじっくりとまわりから愛撫していき、女が反応を示しはじめてから、パンティの中へ指をすすませるのだ。
「奥さん、たっぷり楽しもうじゃねえか。いい思いをさせてやるぜ」
耳もとで囁きながら、竜也は驚くほど大胆に、双臀から太腿へとまさぐっていった。
そうされても、女は時折りキッと睨むだけで、つとめて冷静を装っている。竜也の手を振り払おうともせず、下唇を固く噛みしめるだけである。もっとも、子供を抱いているために、竜也の手を振り払いたくとも、両手は自由にはならなかった。
「奥さん、感じてきたんじゃねえのかい。尻が震えてるぜ」
竜也は、調子に乗って囁きつづける。そのたびに女の顔がピクッと痙攣する。
「へへへ、声をあげたきゃ、あげてもいいんだぜ。恥をかくのは奥さんだからな。それにしてもいい尻してやがる」
その間も、竜也の手は休む暇なく動きつづけた。竜也は、女の顔が次第にピンクに染まり、下唇を噛みながらうつむきがちになるのをじっくり観察しながら、耳たぶに息を吹きかける。竜也は、女の扱いには自信があった。女の小鼻がピクピクふくらみ、グループの女との会話も妙にぎごちなくなっているのがわかった。
へへへ、必死に耐えてやがる。ぼちぼちパンティを脱がせてもらうぜ。それにしても、これほどの獲物とはな……。
電車が駅につくと、反対側のドアから、さらに乗りきれないほどの人が乗りこんでくる。竜也はその力を利用しながら、女をさらに自分のほうへ引き寄せると、一気にパンティを双臀からクルッと剥きおろした。
「ああッ、いやッ」
さすがに、女は小さな悲鳴をあげたが、他の者には押されて声を出したとしか映らなかった。
電車が動きだすと、その振動に合わせて、竜也は裸の双臀を撫でまわした。ムンムンと匂うような肉の感触がたまらなかった。まるで指先がとろけるような柔らかさである。竜也は、もうそれだけで達しそうになった。
2
指先をグイッとくいこませると、プリンプリンと弾けるような双臀の感触である。これまでに、これほどの双臀をした女はいなかった。双臀の下から、肉を持ちあげるように上へ押しあげると、ビクッと女の尻たぶが震えて固くなった。
チクショウ、たまらねえ……。
竜也は、電車の中であることも忘れて、女の太腿から尻たぶの谷間に息づくアヌスに指をねじこみたい衝動に身震いした。だが、竜也の指が少しでも尻たぶの谷間へと忍びこもうとすると、女は狂ったように双臀を振って抵抗する。悩ましい唇も、悲鳴を噴きあげんばかりに開く。竜也の経験から言って、よほどおとなしい女でない限り、ここまでが限度だった。ましてやアヌスである。これ以上、指をすすめると、間違いなく悲鳴をあげられた。
しかし、今の竜也は冷静な判断を失っていた。あまりに悩ましい双臀に、もはや自分を抑えきれなくなっていた。竜也は、スッと指先を尻たぶの谷間に沿ってすべりおろした。ピクッと痙攣するアヌスに指先が触れたと思った瞬間、
「いやッ、やめて!」
たまらず女の口から悲鳴が噴きあがった。
「どうしたの、奥様?……大丈夫?」
グループの女たちがいっせいに声を出す。まわりの乗客たちも、不審げに振りかえった。
まずい……。竜也はあわてて指先を引いた。
女の真っ赤な顔に、グループの他の女たちは、
「気分でも悪いの、それとも何かいたずらでもされたの」
心配そうに言う。どうやら、女の本能で、美しい仲間が痴漢にいたずらされている気配を嗅ぎとったらしい。
だが、美しい人妻は、いたずらという言葉にビクッとしたように、
「もうなんでもないわ……本当になんでもないの」
あわてて頭を振る。やはり、痴漢に触られているのを知られることのほうが恥ずかしかったようである。かなりプライドが高い。
美しい人妻の言葉に、まわりの乗客はニヤニヤと竜也を見るだけで、すぐに顔をもとに戻した。
フー、ヤバかった。やはり無理か……。
女の太腿に手を移していきながら、竜也はホッとしたように息を吐く。
だが、女がいたずらの事実を打ち消したことは、指先をすすめない限り、女が許容したことを意味する。竜也は、あらためて双臀全体を撫でまわした。しつこい竜也の手に、女は耐えきれなくなったように、さかんに足を踏みつけてくる。
やがて、電車の速度が落ちると、美しい人妻は、グループに別れを告げて、出口に向かおうとした。どうやらおりるらしい。
電車がとまり、女は出口に向かって動きはじめた。竜也は、電車からおりようとする人波にまぎれて女を押しながら、素早く尻たぶの谷間に指先をすべりこませた。はやる心を抑えてアヌスをさぐりあてると、猛烈にまさぐり、揉みこむ。
「あッ……いやッ……ああッ」
女の悲鳴とともに、竜也たちはホームに吐きだされた。
わずかの間とはいえ、キュッとすぼまった女の菊座が、強烈な感触となって指先に残った。
ホームの上で女は、竜也をキッと睨みつけたかと思うと、いきなりてのひらが竜也の頬に飛んだ。あまりに突然だった。そしてフンとばかり軽蔑した眼で竜也を見て、足早に改札口に向かって行った。竜也はいきなりビンタをくらわされ、かえす言葉もなかった。
「クソッ、なんて気の強い女だ。ますます気に入ったぜ」
竜也は、若いわりにはジャジャ馬女が好きだった。犯す時に抵抗があるとひどく興奮する。
竜也はニヤニヤしながら、少し間をおいて女の後を追う。駅前は、新興住宅地らしく静まりかえり、薄暗い道が四方へのびていた。
女は、ずりさげられたパンティを直しに行ったのであろう、しばらくトイレに入っていたが、出てきた時には、駅前にもう人影はほとんどなかった。
女は、後ろを振りかえったが、竜也の姿がないのに気づくと、暗い夜道を歩きはじめた。物陰に隠れていた竜也は、すぐに女の後を追う。女の肩から見える子供の顔は、その寝顔がなんとも無邪気で、成熟した女の腰とアンバランスである。
二百メートルも行ったところで、竜也は急速に女に近づき、後ろからスッと双臀を撫であげた。
「ヒィッ」
鋭い悲鳴をあげて女が振りかえった。
「へへへ、奥さん。いい尻してるね」
「な、何をするんですッ」
いかにも気の強そうな顔が、少しばかり蒼ざめながら、竜也を睨みつける。
「電車の中での奥さんの尻が忘れられなくてね。どうだい、俺と付き合わねえか? もう濡れてんだろ。さっきのつづきをしてやるぜ……へへへ」
竜也が、そう言い終わらないうちに、
「よ、よくもあんないやらしい真似を……最低よ、最低の男だわ」
女が叫んだかと思うと、女のてのひらが再び竜也の頬に飛んだ。
バシッ……思わず竜也がひるんだ隙に、女は駆けだした。
「チキショウ、このまま逃がしてたまるか」
竜也は、女の後を追おうとした。
「坊ちゃん、待ちなさい」
その時、がっしりとした体格の中年男が、竜也の腕をつかんだ。女で頭がいっぱいになっていた竜也は、突然の男の出現にびっくりして振りかえった。
「坂部、どうしてここに?」
男は、竜也の父の経営する黒川海運の幹部の坂部である。
「電車の中からずっと見てましたぜ。ずいぶんムチャをやりなさる。もしパクられでもしたら、どうするつもりです」
「ちょっと待て、話は後だ。それよりあの女を……」
竜也は、女の後を追おうと身を乗りだした。女は、もうかなり先へ行ってしまっていた。
「だめですよ、あの女は」
「えッ、坂部。あの女を知ってるのか」
竜也は、女を知っているような坂部の口ぶりに眼を光らせた。
「坊ちゃんの女好きにも参りますよ。今、黒川社長は大事な時でしてね。坊ちゃんもヤバいことしちゃまずいことは知ってるでしょうが」
坂部は低い声で呟いた。暴力団を改編した船会社に対して、世間の目は厳しく、経営は思わしくなかった。そこで再び、麻薬と女に手をのばしはじめたばかりなのだ。東南アジアからの麻薬と女の密輸を一手に引き受けようという大仕事である。
「わかってるよ。それよりあの女は誰なんだ。教えろよ」
竜也は、身を乗りだした。
これまでに、竜也がちょっかいを出した女の後始末を何度もしてきているが、今回はそうはいかない。仕事が軌道に乗りかけている時、シロウトの女に、まして人妻に手を出すのは危険が大きすぎる。
坂部は、少し考えこんでいたが、竜也には逆らえない。竜也は、社長の一人息子であり、ゆくゆくは坂部らのボスにもなる人物である。
「あの女は、例の上里の女房で、江美子という女ですよ」
「なに、上里って、あのブン屋のか」
「そうです。社長がまだ組長と呼ばれていたころ、新聞で大々的にうちの組を攻撃した野郎ですよ、偽装解散をあばくとか言いやがってね」
まだ高校のころ、暴走族のリーダーとして暴れていた竜也の前に取材にきて、「カエルの子はカエルか」とか言って、こっぴどく紙面で叩かれたことがあった。少なくとも、上里のおかげで、組は偽装解散せざるを得なくなったのである。
「そうか、へへへ……上里の女房か、いい女を女房にしやがったな」
「坊ちゃん、今はやめたほうがいい。それでなくても気の強い女ですからね。買収しに行った社長をひっぱたいて追いかえしたくらいです。いつものように犯して写真を撮るくらいじゃ、言いなりにはなりませんよ」
「江美子か……江美子……」
竜也は、よほど江美子が気に入ったらしい。坂部の言葉も耳に入らないように、眼をギラギラとさせている。そんな竜也を見ながら、坂部はひとつの思いが、渦を巻きながら、次第にはっきりとしてくるのを感じていた。
江美子をうまく使えば、俺もひとつの組をまかされるかもしれない……。邪悪な野望が、次第にふくれあがってきた。
竜也は、江美子に相当参っている。となると、江美子は竜也にとり入る絶好のエサ。それに社長も江美子を気に入るに違いない……。
ここまで考えた時、坂部の野望は、固い決意に変わっていた。坂部自身、江美子に眼をつけていた。一石二鳥である。しかし、江美子は並みたいていの方法では落ちないだろう。失敗は許されない。よほど入念に計画を練らなくては、大変なことになる。
坂部は、計画を思いめぐらしながら口もとに不気味な笑みをたたえた。
3
坂部は今日も、プールサイドの木陰で煙草に火をつけながら、水中に泳ぐ女子大生に熱い視線を投げかけている。その視線を女子大生の美しい顔から、水着に包まれた健康な肢体へと移していきながら、「こんな妹がいたとはな」と、ニヤリとするのだった。
江美子の妹の雅子を大学のシンクロナイズクラブに探しあてて、すでに五日がたっている。
初めて雅子を眼にした時、姉の江美子の時と同様に、ショックを受けた。雅子は、姉の江美子に似て知的な面立ちが美しい。しかも女子大生らしい健康美あふれる肢体は、まだ熟しきらない果実を思わせ、なんともさわやかである。姉の江美子が、開ききった強烈なハイビスカスの花ならば、雅子は清純な白百合を思わせる。
雅子は、よほど水泳が好きなのであろう。クラブの練習が終わっても、暗くなるまで一人で練習するのが日課のようだ。夏休みのせいか、あたりに人影はなく、セミの音だけが響いていた。
坂部は、あたりが薄暗くなると、パンツひとつの姿になり、いきなりプールに飛びこんだ。
「誰?……誰なの」
雅子は、驚いて叫んだ。水面に浮かびあがった見知らぬ中年男の顔に、
「あなたは誰? 勝手にプールに入っては困ります」
あわてながら雅子は言った。
坂部の肩には、昇り竜のイレズミが見事で、ただ者ではないことは誰の眼にも一目瞭然である。そのただならぬ中年男とプールに二人っきり。雅子は本能的に自分が危険な状態に置かれた気配を嗅ぎとった。
「お嬢さんは雅子さんだね」
ニヤニヤ笑いながら、坂部は素早く雅子をプールの端に追いつめた。
「来ないで! プールから出ていってください! このプールは部員以外は入れないんです」
蒼ざめた雅子が、声を震わせながら言う。
「フフフ、雅子さん。いい体をしているね。男泣かせだ」
卑猥な意味がこもった坂部の言葉に、雅子は震えあがった。
「こんな、美人の女子大生を一度泣かせてみたいと思ってたんだ」
雅子は、逃げようとしたところを、いきなり腰に手をまわされて、グイッと坂部のほうに引き寄せられた。
「離して、離して……声をあげるわよ」
「そうあせって声を出すことはない。今にいやでも泣き声をあげさせてやる」
「あ、あ……」
雅子は、水中で恐怖にのけ反った。
青く不気味に光るナイフが、雅子の首筋を軽くすべった。さすがに坂部は、手馴れたものだった。
「いい尻してやがる。女子大生はいいね」
雅子の双臀に手をまわしながら、坂部はうそぶいた。
「ヒィッ! やめて……」
双臀を這うおぞましい感触に、思わず雅子の体が震えた。だが、水中では体が思うようにならない。そのうえ抵抗すれば殺されるという恐怖もあって、雅子は坂部の思いのままである。
水着の上から、坂部は指先で雅子の胸のふくらみを突ついた。
「いや、やめて! 助けて!」
恥ずかしい感触に、雅子は金切り声をあげる。雅子を黙らせるには、ナイフを胸のふくらみに沿って這わせるだけで充分だった。何ひとつ不自由なく育った雅子にナイフは効果的である。
もうすっかりおびえきって、シクシク泣きはじめた雅子は、姉の江美子とは対照的である。
「死にたくなかったら言う通りにするんだな。私も若い女を殺すのは気がすすまないしね」
ナイフの先で、乳房のふくらみを軽く突つきながら、坂部はすごんでみせた。
「あ、あ、殺さないで……」
思わず泣き声が出る。
「それじゃ、両手を頭の上で組みな。もし少しでもおろしたら、この可愛いおっぱいの先を、ナイフで切り取ってやるからな」
坂部のドスのきいた声に、雅子の両手があわてて頭上にあがった。
「フフフ、手をおろすなよ」
水の中でゆらゆらと揺れるナイフが、雅子のワンピース型の水着の肩ひもを無残に切り落としていく。
「あ、あ……やめて」
雅子は、恐怖にひきつった顔を左右に振った。だが、ナイフを恐れて両手は動かない。ナイフは、雅子の肩をすべって水着に包まれた乳房の谷間へすべりこむ。
「いや、やめてッ、何をするの」
「何をするかって?……フフフ、裸にするのさ」
「は、裸はいや! 裸にしないで」
雅子は、激しく頭を振って叫んだ。
「静かにしねえか」
坂部は、鋭いビンタを雅子の頬に張り飛ばす。バシッ、バシッ……と雅子の頬が鳴る。雅子の抵抗は、それで終わりだった。坂部は、雅子のおののきを楽しむように、ゆっくりナイフを下へすべらせた。恐ろしいほどの切れ味である。音もなく水着が胸もとから二つに切り裂かれていく。
「あ、そ、そんな……」
雅子が真っ赤に灼けた顔を振った。
「おっぱいが見えてきたぜ。フフフ、思ったより大きいな」
坂部は、ニヤニヤ笑った。
ナイフがすすむに従って、水着は昆虫の殻のように、水の中で美しい肢体から剥がれていく。ふくよかな乳房が剥きだしになり、雅子の美しい顔が涙に濡れた。
「もうすぐ素っ裸だぜ、雅子さんよ。フフフ、生まれたままの姿だ」
「いや、いや……」
雅子は、嗚咽にくぐもった声をかなでて、中腰に裸身をかがめようとする。
「じっとしてろ!」
「は、はい……」
坂部の鋭い声に、雅子の裸身がまっすぐになる。
「とうとう素っ裸だな、雅子」
切り裂いた水着を手に、坂部はニヤニヤ笑った。
雅子の両眼から、めくるめく羞恥と屈辱の思いに大粒の涙がこぼれる。頭上で小刻みに震える両手が、雅子の羞恥の深さを物語っている。
「いい体をしてるな。フフフ」
健康美あふれる肢体が、まだ固さを残して水中にゆらゆら揺れている。
「いや、いや、見ないで」
卑猥な男の視線に、雅子は泣き濡れた顔を振った。太腿を固く閉じ合わせようとすると、顔が水の中に沈みそうになる。爪先立ちでやっと底に足がつくプールの深さでは、常に両脚を動かしていないと沈んでしまうのだ。
雅子の脚が動くたびに、漆黒の茂みが水中にゆらめき、悩ましい。
「たっぷり可愛がってやるぜ。こっちへ来な」
坂部がにじり寄った。くびれた腰に手をまわすと、グイッと抱き寄せる。
「いや、いやです……許して」
体が密着した。
「両手を俺の肩にまわして、抱きつきな」
「は、恥ずかしい……許してッ」
坂部の返答はナイフだった。刃先でスッと首筋をなぞられると、もう抗えない。雅子に残された抵抗は、泣くことだけである。
「早く抱きつくんだ」
「許して、もうかんにんしてッ」
「だめだ。これからオーラルセックスというのを味わわせてやる。たっぷりとな」
「ああ……」
グイグイと引き寄せ、水中に浮いた双臀に坂部の手がかかる。雅子は、恐ろしいまでの羞辱に、体が火のように熱くなるのを感じた。
「フフフ、やればできるじゃねえか。もっときつくしがみつきな」
「ひ、ひどい……」
絶望感に泣き声を高める雅子。太腿を割られる恥ずかしさに雅子は、頭を激しく振る。
左右に押しわけられた太腿の間に、坂部の手が侵入した。まだ青く固さを残したような女の花園をさぐりあてる。
「フフフ、初めてじゃねえんだろ。男がいるのかい?」
意地悪く坂部が聞いた。
「う、う……許して……」
むせび泣きながら、雅子がうなずく。
「それじゃ、何回ぐらい抱かれたんだ」
「そ、そんなこと……あ、ああ……」
坂部は、指先を巧妙に動かしながら言った。すぐには犯さないらしい。美しい女子大生を嬲るつもりであろう。
「俺は、何回やったかと聞いてるんだ。ナイフを使ってほしいのか」
「さ、三回……」
消え入るような声で雅子は答える。
「三回か。それじゃまだ男をよく知らねえわけだな。フフフ、こいつは教えがいがあるというもんだぜ」
坂部はニヤニヤ笑った。
「それにしても最近の女子大生は好きなんだな。フフフ」
「そ、そんなんじゃありません。私たち、愛し合ってるんです……」
「そうかい。それじゃ雅子もこれから俺と愛し合うことになるってわけだ」
坂部のいやらしい囁きが、雅子の真っ赤に灼けた耳もとに響いた。
「いや、いやッ、助けて……」
雅子は、めくるめく羞恥に体中が熱くなる。
「フフフ、たっぷり男を教えてやるぜ」
大きく割られた太腿を強く抱きこみながら坂部は笑った。もう逃れることはできない。
「ヒ、ヒィッ……」
坂部の灼熱が、驚くほどの逞しさで、体の奥深く突きあげてきた。
「雅子、とうとう俺とひとつになったな」
坂部は、荒々しく雅子を揺さぶりながら、計画が順調にスタートしたことに満足していた。
【次回更新:2024年12月31日(火)】
※
Web連載ページには挿絵を載せていません
本編には挿絵が付いています