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剣道女子、完全敗北 2

第2話

 

 恥丘の下から伸びた少女の陰裂は、一切の毛に覆われていなかった。産毛が生えている様子もなくつるりと剥けており、不良たちがからかうのも忘れるほどに、無毛の秘所は可憐で慎ましい様相を呈していた。
 穢れのない桃色の花弁は薄く咲いて、奥にある媚肉を僅かに覗かせていた。愛液で艶を帯びた割れ目は一日の活動で酷く蒸れており、発情した牝の匂いと混ざりあって、濃厚な性臭を周囲に散らしている。
「素直に感心するよ麻比奈。そして親に感謝するんだな。牡様に喜んでいただけるま×こに産んでくれてありがとうございます、ってよ。――おい、ロープを下ろせ」
 少女の美しい裸身に見惚れていた男たちが、権藤の声を受けて身を動かした。天井のフックから伸びたロープが滑車で緩められ、朱美は上半身を伏せる恰好になる。下半身の状態は変わらないが、先よりも尻房が強調される恰好と言えるだろう。権藤は実った臀丘を左手でゆるゆると撫でながら、右手をポニーテールに這わせる。
「綺麗な髪だな。やっぱり髪は黒が一番だ。なあ麻比奈、どうしてか判るだろ?」
「知るか……この、下衆が……」
「精液をぶっかけたら、綺麗に染まるからだよ。このやたらに色っぽい身体と一緒に、俺たちがザーメンで化粧してやるよ。なあに、もう勿体ぶったりはしねえから安心しな。ハメてやる」
 権藤は低い声で言い放ち、金属音を鳴らしてベルトを外す。校則に違反する派手なベルトを投げ捨てると、権藤は躊躇なく下着姿へと変わった。俯いたままの朱美は横目で男を見遣る。そして高いテントを張ったボクサーパンツを見て、ぎょっと目を見開いた。
「さぁて麻比奈。俺のち×ぽを見せてやるからな。最初に俺のを突っ込んでおけば、これからの人生、どんなち×ぽを入れられても痛くなくなるぜ」
「ふ、ふん……随分な自信だな……粗末な物を出して、わ、笑わせないでくれよ」
「へへっ、まだ減らず口が利けるじゃねえかよ。その調子で頼むぜ――っと」
「ひッ……」
 権藤が下着をずり下ろした瞬間、朱美は堪らず悲鳴を零した。やたらに筋肉質な脚の中央、股間から赤黒い剛棒がビクビクと脈打って屹立している。男の一物など、幼少時代に父と弟の物を見て以来である。それも勃起した肉棒など初めて目に映した。
(こ、こんなにも、グロテスクなものなのか……これが、女の身体に……?)
 生々しい外見だった。青黒い蛇のような血管が巻き付き、脈動を繰り返している。皮がずるりと剥け、先端からは透明な汁が迸っていた。汗と小便の蒸れた臭気が鼻孔を刺し、鼻の奥がツンと痛む。頬の筋肉が引き攣り、恐怖で顔が蒼白になってしまう。
「こいつを今からお前のま×こにぶち込んでやる――と言いたいところだが、ここは順序良くいこうじゃないか。犬は犬らしく、ご主人様のち×ぽをペロペロと舐めてもらおう」
 凶悪な風貌の男根を前にして、狼狽を拭い去ることは叶わない。アレを口に挿入されれば顎が外れるかもしれない。だが好都合だ。今唯一抵抗できるとすれば、口しかないのだから。
「ふん……挿れられるものなら挿れてみろ。ほら、牝犬とやらの口はここにあるぞ?」
 朱美は不敵に笑い、白い歯を「あーん」と覗かせる。喉奥まで晒す恥辱など今はどうでも良かった。このまま噛んでやる――決意を秘めた切れ長の瞳に光が宿る。
「よぉし、それじゃ――っと。その前に。おい、アレを寄越せ」
 権藤が背後の男から何かを受け取り、瞬く間に朱美の口にソレを突っ込んだ。「んぐっ」と少女は鈍い声を漏らす。ソレが何かは瞬時に理解できた。同時、朱美の顔から血の気が失せる。
(く、口が閉じられない……これじゃあ、何も――)
「へへ、開口器ってやつだ。医療用のやつでな。大の男でも口を閉じるのは無理だぜ。それじゃあ、お言葉に甘えて使わせてもらうとするよ。じっとしてろよ、麻比奈」
「むぐっ……んごっ、んむぅうッ……!」
 権藤が場所を移動し、朱美の眼前に肉茎を構える。大きく開き切った少女の口はあまりにも無防備で、呻き声と一緒に唇の端から透明な唾液が垂れていた。
(だ、だめだッ……このままじゃ、こいつのペニスが……こ、こんなもの、入るわけないッ)
 朱美は唸り、顔を背ける。だが権藤の手が側頭部をガッチリと捉え、無理矢理に前を向けさせられる。毒キノコを思わせる怒張が唇の隙間に差し込まれた。先端から迸る熱波が口腔へむわっと広がり、生理的嫌悪を掻き立てる生殖臭が、喉奥から鼻孔までを埋め尽くす。
(い、嫌だ……こんなもの咥えたくないッ……嫌ッ、嫌だぁ……!)
 だが胸裏の叫びも虚しく――権藤はゆっくりと、朱美の口腔へとペニスを進めていった。
「んぅうッ、んぐぅう、んむぅううッ……!」
 悲痛な呻き声が、根元まで埋まった陰茎に掻き消されていく。灼熱の剛直は唾液に塗れた舌腹を滑り、口裏を撫であげ、少女の小さな口を満たしていった。もはや首を左右に振り乱すことさえできない。顎が外れそうなほど肉棒に圧迫され、酸素が全く吸えなくなっていた。
(く、苦しい、臭いッ……硬くて、そのくせ弾力があって……ああ、き、気持ち悪い!)
「へへ、良いねえ。お前の呻き声がち×ぽに響いて気持ち良いぜ。唾塗れで、舌がうねうね絡みついて堪らねえよ。こりゃ、極上の口ま×こだな。どれ、もっと奥に挿れてやる」
「んぅっ、んぎゅっ、おごごっ……」
 間違いなく二十センチを超える剛直が、ずぶずぶと奥深くへ差し込まれていく。喉を抉られる苦痛に涙が浮かび、陰毛が鼻先を撫でる心地に吐き気を催して、少女は苦悶に脚をばたつかせる。外からではなく内側――それも男性器による喉の突き刺しともなれば、流石の朱美も苦痛に悶えるしかなかった。
「へへへ、麻比奈のフェラ顔たまんねー! 涙と鼻水と涎でぐしょぐしょだぜ!」
「おーい朱美ちゃーん。ほらほら、カメラ回ってるよー。こっち見てこっち!」
「いやいや、朱美ちゃんはこっちだよなあ。ほらほら、俺のち×ぽにも目配せちょうだーい」
(こいつら、好き勝手に言って……絶対に許さない……絶対に殺してやるッ!)
 下品な言葉を掛けてくる男たちを睥睨するも、すぐに朱美の瞳は驚愕に見開かれる。男たちは皆下半身を露出し、各々の男性器を扱いていたのだ。
「はは、ち×ぽ突っ込まれながら睨んできやがるぞ。怖ぇ怖ぇ」
「おいおい麻比奈、睨んじゃだめだろう。こいつらもお前のご主人様なんだからな。やっぱり、俺が責任を持って躾けてやる必要がありそうだなぁ」
「んぐっ、んむぅう、んぅううッ!」
 権藤は頭を掴み、ゆっくりと腰を揺すり始める。太く硬く長い肉杭が口内を蹂躙し、朱美の口から下品な水音が響く。異物感に涎が溢れ、懸命に酸素を吸おうとした鼻がヒクついて、男の股間から漂う悪臭を全て吸い込んでしまう。
 縄がギシギシと軋む音の中に、ぐっびゅぐっびゅと淫靡な音が混じる。男の先走り汁と朱美の唾液が混交し、泡立った液体が唇から溢れて止まらなかった。
「んぎゅっ、おぎゅっ、んぶうぅッ……おぐっ、んぐうッ!」
「はは、汚ぇ音。こっちはもう少し綺麗な音が出るんじゃねえのか――なっと!」
「んぐうぅっ!」
 尻を叩かれ、朱美はくぐもった悲鳴を上げた。バチンとゴムの弾けるような音がする。白い柔肌が容赦ない平手打ちに赤く染まっていく。衝撃は肺から酸素を奪って、より朱美の状況を悪化させていった。
「へへっ、良いねぇ。帰る頃には、お前の下品な尻が倍くらいに膨れてるかもなァ」
「ふーっ……ふぐぅッ!」
「お、なんだ? また反抗的な目つきをしやがって。なら、こうしてやる――よっと!」
 権藤は肉茎を根元まで挿入した後、朱美の鼻を抓む。目を見開いた少女は言葉にならぬ悲鳴をあげ、吊るされた全身をじたばたと暴れさせた。息苦しさで顔が真っ赤に染まり、酸素を求めた喉がヒクヒクと蠢く。すると真空状態になるように喉粘膜が肉棒に吸い付いて、より粘膜同士の密着が強まりってしまう。
「んぐぅっ、んぶッ……んびゅっ、んぐうううッ……」
 呻く朱美の口から、泡の浮いた唾液がぶびゅっと噴き出す。酷く情けない顔を晒しているが、堪えることなどできなかった。
「ははは、情けねえ顔してら。おい麻比奈、今からお前の口に出してやる。早く出して欲しかったら舌を絡ませてくるんだな。判ったか? ええ?」
(誰が……お前の命令に従うくらいなら、窒息死する方がマシだ……!)
「その表情はノーって返事だな? この期に及んで強情なやつだ。だが、そういう女を堕とすのが最高なんだ。そういう女の口を性処理に使うのが、最高に興奮すんのさ」
 権藤は朱美の鼻から指を離し、悠々と腰を前後させる。ピストン運動は苛烈さを増して、唾液のプールを作った少女の口腔を容赦なく嬲っていく。ぐじゅぐじゅと粘液の音が響いて、男の股間と唇から唾液の糸が幾重にも伸びていた。
「よおし、そろそろ出そうだ……お前の口ま×こに、ご主人様のミルクを注いでやる」
 男が言うや否や、肉棒が膨張を始めるのが判った。何が起きるのか――経験のない朱美にも流石に理解できる。射精するのだ。その予兆を感じ取るも、もはや何もできることはなかった。
「うくっ……出るぞ、麻比奈……喉の奥に出すからなッ……おぉお、ぉおおおッ!」
「んぐぅうっ、んむッ、むぐぅんッ……んぐっ、んんぅうう!」
 男の唸り声と少女の呻きが重なる。ビクッと跳ね上がる肉棒から逃れようと、咄嗟に首を引いた。だが権藤は朱美の後頭部をぐっと股間に寄せる。そして亀頭が再び喉奥を貫いた瞬間――肉矛は、朱美の中へと汚液を吐き出していた。
(う、あッ……で、出て、る……私の中に、コイツの精液が……!)
 ビクビクと跳ねる肉棒から、何度も何度も白濁汁が放出され、少女の中に白濁液が溜まっていく。熱く、ねっとりとした体液が、食堂から胃まで一瞬で犯し尽くすようだった。
「んぐっ、んんッ……んぎゅっ、んぅうッ……!」
 その凄まじい吐精の衝撃に、朱美は赤く染まった尻をぷるぷると揺らした。少しでも精液を拒絶しようと腰をくねらせるのだが、それは周囲にいる男の情欲をくすぐるだけだった。
「ふぅう……ふふっ、良い口ま×この使い心地だったぜ。全部飲め――って言っても、お前はどうせ飲まないだろうから……コイツを噛ませてやるよ」
 権藤は肉棒を抜き、朱美が精液を吐き出す前に、すぐに口に薄布を突っ込んだ。それは朱美自身の下着であり、鋏で裁断された布が男根の代わりに口へ栓をする。朱美は当然口から出そうとはするのだが、上手く口の筋肉を動かせず、否応なしに粘っこい精液を飲み下していく。
「あの麻比奈朱美が、涎をだらだら垂らして、裸で俺の精液を飲んでやがる……ふふ、この光景は一生忘れないぜ」
「んぐっ……んぅ……ふーっ、ふっ……んうッ……」
 喉に引っ掛かりを覚えながら、青臭い液体をなんとか嚥下する。機を見計らっていたかのように、権藤が下着と開口器を朱美の口から引き抜いた。
(く、そッ……ほとんど、飲んでしまった……いくら出しても、精液が残っていない……)
 だらだらと唾液を垂らすも、白濁液は大半を飲んでしまったらしい。意識すると、胃の辺りがムカムカしてくる。だが朱美を襲う苦痛はまだ始まったばかりだ。その事実を示すように、権藤の肉棒は再び勃起を果たしていた。
(なんで……男は、一度射精したら……当分は勃起しないんじゃ……)
 萎えるどころか、唾液と精液を纏って凶悪な風貌を増した生殖器に、朱美は愕然とする。口周りの唾液や、鼻に逆流した精液に構う余裕もなく、濡れ光る怒張に息を詰めていた。権藤は見せつけるようにペニスを揺らし、朱美の背後へと回る。
「も、もう、いいだろう。これ以上私を辱めても……な、何にもならないぞ。女の口を犯したんだ……しゃ、射精もした。それで充分じゃないか……」
 声を上擦らせて言う朱美を無視して、権藤は肉棒を尻に擦り付ける。亀頭の弾力も竿部分の硬さも最悪の一言に尽きた。汁塗れのペニスが汗濡れの肌を滑ると身震いが止まらない。全身の毛が逆立ち、怖気で背筋がビクリと跳ねた。
「震えているな、麻比奈。さっきまでの威勢はどうした? 犯すなら犯せと言ったのはお前だろう。ふふ、俺が今からお前の夢を叶えてやろう。麻比奈が欲しがっているち×ぽ様で、お前のま×こを掻き回してやるぞ。光栄に思うんだな」
「だ、誰が……お前のち――ペニスなんぞ欲しくない! 卑怯な真似はやめて堂々と戦え! お前たち全員と同時に戦ってやる! だから縄を解――ひッ、お、おい、そんなところに擦りつけるな! は、話を聞いているのか! やめっ、あぁっ、あ……ッ!」
 権藤は聞く耳など持たず、熱棒を恥裂へと擦りつけてくる。虚しくも湿り気を帯びた割れ目は男根の前後運動に合わせてくちゅくちゅと音を鳴らしていた。
「素直になれよ麻比奈。お前のま×こはぐしょ濡れだぞ? 口にち×ぽを突っ込まれるのが良かったのか? それとも尻を叩かれるのが良かったのか? まあ、何にしたって構わないさ。お前が変態のマゾ牝であるのは好都合だからな」
「だ、誰がマゾだ……わ、私はっ、あっ、あくっ、う、動かさないで……うぅッ」
(ああ、なんで……私はこんな、惚けたような声を出しているんだ……)
 女の花弁を亀頭で掻き分けられると、どうにも甘い痺れが腰に広がり、瞼が重くなる心地に囚われる。それは浮遊感や酩酊感という表現が適切だろう。
 そのくせ少しでも肉棒が膣穴や陰核に触れると、今度は目の覚めるような鋭い歓悦が込み上げる。自分で肉豆や膣を触ったことはあるが、これほどの性悦を覚えたことはなかった。
「はは、ま×この入り口を突いてやるだけで、奥からま×汁が溢れてきやがる。縛られ叩かれ口を犯されて悦ぶなんざ、筋金入りの変態だなあ、お前は」
「うっ、うあっ……ち、違うっ、こ、こんなの、生理現象で……ひゃうッ!」
 亀頭が数ミリほど奥に沈み、膣穴が大きく拡張される。恐怖と焦燥が押し迫ると同時、脊髄をゾクゾクとした痺れが駆け抜けた。女の花弁は蜜液を垂らして、凌辱者の怒張を包む。
(私の身体……どうなって……これではまるで、本当に悦んでいるみたいじゃないか)
 どれほど反論しようとも、肉穴は明らかに嬉々とした反応を示している。これでは男の言う通り、嬲られて悦ぶマゾではないか。自分に被虐体質があると想像するだけで恐ろしくて堪らない。もしそれが事実なら、今から起きる事態は最悪の結末を生むからだ。
「もう少しま×こを解してやろうと思ったが、ここまでぐしょ濡れなら大丈夫だな」
「き、貴様、本気で挿れる気じゃないだろうな……も、もう、充分だろう……」
「充分? それはつまり、お前がペットになるってことか? 麻比奈朱美が不良に飼われる牝犬ちゃんになって初めて、俺たちは充分だって思えるんだよ。それが嫌なら言えよ。私は牝犬として、皆様のペットになります――ってな」
「誰が、そんなッ……やッ、嫌っ、は、入って……ひぐッ……!」
 肉茎が更に深く埋まり、圧迫感で息が詰まる。浮いた脂汗が典麗な曲線で構成された裸身を滑り、ポタポタと滴り落ちていた。亀頭は明らかに護り抜いて来た膜へと接している。鋭い目つきで男たちを睥睨し、縛られようが毅然と振舞っていた少女も――己の純潔が散らされるとなれば、その焦燥は極限にまで達していた。
「ま、待て! い、言うから! 言う! だから待ってくれ、頼む!」
 それがどれほど情けなく、信念に反する行為だと判っていても、朱美は堪らず叫んでいた。拳を震わせ、奥歯をギリギリと噛みしめる。
「へぇ? 何を言うんだ? ほれほれ、早くしないとち×ぽが入るぞ?」
「わ、私は……貴様らの……貴様らの、犬……ペット……牝の……牝犬に、な、な……」
 言い淀み、朱美は唇をきゅっと噛む。頭に浮かんだのは、祖父との厳しい稽古の毎日だった。思い出すのだ。あの頃の辛く苦しい毎日を。女扱いなど一切受けることなく、身体中に竹刀の痛みを教え込まれ、心身を鍛えあげられた。あの日々に比べれば、こんなもの――。
(どうってこと、ない……こいつらに私が服従することなど、ありえない……ッ!)
「……なんて、私が貴様らに従うとでも思ったか……さっさと犯せ、このクズが! 私の処女でもなんでもくれてやる! だが覚悟しろ! それ以上、その薄汚いブツを奥に進めるならば、私は貴様を二度と許すことはない! 閻魔に代わって私が着様を裁――」
「はいはい。長ぇよばーか」
 権藤がケタケタと笑いながら、何の前触れも遠慮もなく、腰を一気に押し込んだ。肉の矛が朱美の花芯を貫き、一瞬で最奥にまで到達する。何かがブチブチッと裂ける音がした。それが気のせいかどうかは判らない。
 だが確かなのは――凶暴な矛によって朱美の純潔は、簡単に散らされたということだ。
「ぁあっ、あがっ、ぁああッ……は、入っで……あ、あッ……」
 何もない宙を甘噛みするように口を開閉させ、朱美は首筋を仰け反らせる。身体を二つに裂かれるような痛みに、毛穴からぶわっと汗が噴き出していた。
(ば、馬鹿なっ……なんだ、この痛みは……内側が、灼けるみたいに……)
 痛苦には慣れているはずなのに、男根が処女膜を破った痛みは今までに感じた覚えのない強烈なものだった。接合部からは血液が滴り、白い太腿の上をどろりと伝う。
「ぅう……くそっ、ぁああ……はぁっ……あぐッ……ううッ、く……」
 呼吸をなんとか整える。窮屈な割れ目は無理矢理に押し広げられ、弓なりに反ったペニスが、膣の中で脈動を繰り返していた。朱美は今日ほど、己が女体であることを恨んだ試しがない。男の欲望を受け入れるこの構造が何とも腹立たしい。
「へへ……こいつはすげぇな……今まで抱いたどの女よりも、きゅうきゅうに締まりやがるぜ。お前、こうやってち×ぽを締めるために、今まで剣道してきたんだなァ」
「だ、黙れっ……だまぁっ、ぁっ、動くなぁっ、ぁあっ、うぐッ!」
「無理に決まってんだろうが。お前のま×こが、ザーメンくださいませってウネウネとねだってくるんだっての」
 少しずつ権藤は油送を始める。周囲の男たちは、もはや囃し立てることも忘れ、息を荒くして肉の交わりを見つめていた。
(う、うぅうっ、痛い……まるで、香辛料を擦り付けられているみたいだ……)
 砂粒が付着した太い鉄棒で削がれるような苦痛に、朱美の顔は苦悶で歪みきっていた。汗が止まらず、どうしても鈍い声が漏れてしまう。恍惚と腰を振る権藤と悲鳴をあげる朱美――あまりにも理不尽な男女の差に、涙が零れそうだった。
「うぐっ、ぁあっ……ぁっ……ああああッ!」
「ふふふっ、あの麻比奈も、処女を喪失した痛みには敵わないらしいな。一生で一度きりの痛みだ。しっかりと味わえ」
「い、いらなひっ、そんなの、いらなぁっ……あぁっ、ぐっ、抜けっ、早く、抜けぇ……」
 朱美は抗議するように声を漏らすが、その声音は掠れていた。エラの部分が擦れて苦しい。下腹部から突きあがってくる痛みに、眉間がピクピクと動いた。
 男は少しも容赦せず、豊かな尻房に打ち付けるように股間を往復させる。朱美の長い黒髪は汗で毛束を作り、激しく揺れ乱れていた。白い肌には赤味が滲み、暴力的な律動の辛苦に喘ぐさまは、意図せずして艶めかしく映る。男たちは我慢できなくなったのか、少女を囲むようにして並び、自らの性器を扱きたてていた。
(痛みは、薄れてきたが……さ、最悪、だ……こんな……ここは、地獄だ……)
 微妙に形や長さが違うモノがずらりと自分を取り囲んでいる。漂う匂いが部屋の熱気で濃くなり、鼻の粘膜を犯してくるようだ。自分の口腔から漂う精臭も奇妙な気分に拍車を掛ける。腹の底がむずむずするような――何か、下腹部が痺れるような――。
(ま、待て……だ、だめだ、そんなのッ……こ、こんな状況で、わ、私……!)
 自分の身体が発する反応に朱美は狼狽する。粘液によって肉棒の動きは緩やかになり、泡立った桃色の液体が股間から飛沫をあげていた。最初の真っ赤な色合いは失われている。それは男の先走り汁が混じった影響か、あるいは――。
「少しずつ馴染んできただろう。明らかにま×この感触が変わってきたぜ?」
 権藤の声が鼓膜を震わせ、朱美はビクリと肩を跳ねさせた。間違いなく、朱美の膣肉は痛みの段階を過ぎて、次のステージに進みつつあったのだ。
「隠しても無駄だぜ。気持ち良くなってきたんだろう。全く、処女で生ハメセックスで感じられるなんざ、どこまでも淫乱だなお前は。普通、最初は快感なんて得られないぞ?」
「そ、そんな馬鹿なことあるか! 気持ちが悪いだけだ! 貴様の薄汚いち×ぽぉひッ」
 張ったカリ首で肉襞を引っ掻かれた瞬間、朱美の語尾は惚けた声とともに萎びていった。自分が馬鹿みたいな声を漏らした事実に、朱美自身が驚き、唖然とする。
「俺の汚いち×ぽがなんだって? そのち×ぽに処女膜破られて感じてるのはどこのどいつだよ。にしても……今の声、中々股間にきたな。ほら、もう一回啼いてくれよ」
 朱美は汗ばんだ首を横に振り、懸命に奥歯を噛みしめた。この男の予定通りに事を進めて堪るものか。最後まで口を閉ざし続けてやる――そう覚悟を決めた直後、権藤が長いストロークで朱美の肉筒を擦りあげる。すると粘膜から信じがたい快美感が広がって、少女の朱唇は呆気なく開いていた。
「あひぃっ、はっ……あぅっ、んんッ……ああんッ……」
 明らかな嬌声にハッとするも、太い肉茎の摩擦悦に抵抗を削がれてしまう。痛みが全て快感に置き換わったかのようだった。
(く、くそっ、我慢、したいのに……エラの部分が擦れると、腰が蕩けるみたいに……)
 凶悪な亀頭冠に肉襞が引っ掛かるたび、筋肉が弛緩する。かと思えば亀頭が子宮口を叩くと、女肉はぎゅっと収縮して、男根の硬さや熱量、凹凸を感じ取れるほど密着してしまう。緊張と収縮が波のように訪れていた。
 タチが悪いのは、どちらも違う類の快感あることだ。差し込まれても引かれても快感が迸ってしまう。内側からの性悦は振り払いようがなかった。
「はぁっ、ぁあんっ、あッ……ち、違うっ、今のは喘ぎ声じゃ、あんッ、はぅん!」
「気にするなよ。気持ち良くなっちゃいけねえルールもねえ。ただお前がスケベだって事実が判るだけさ。ほうら、前後だけじゃなくて、左右の動きもつけてやるよ」
 宣言通り、男は円を描くように腰を遣い始める。ただの前後運動でさえ朱美には刺激が強すぎるのだ。そこに権藤の性技が加わると、もはや頭が追い付く暇もなく、肉悦が背中を駆け上がり、脳を灼け痺れさせていた。
(な、なんなんだッ……無理矢理されてるのに、こ、こんなの、絶対におかしい!)
 電流が神経に流されているかのようで、身体が勝手に引き攣りを起こし、喉からは声が零れてしまう。快楽物質が脳を侵し、朱美の思考を塗り潰していく。
「んぅッ、あっ、あんッ……うぅっ、んぐッ、んッ……ああんっ、あッ、はぅッ!」
「随分と可愛らしい声になってきたじゃねえか。感謝しろよ? 本当はもっと激しく犯しても良いところを、丁寧に馴染ませてやってんだ。ほら、言ってみろ。権藤様ぁ、優しくおちん×んズボズボしてくださって、ありがとうございますぅ! ってなぁ! はははっ!」
「誰がぁっ、ぁっ、誰が言うかッ、貴様ぁあんっ、あ、待て激ひっ、ひぃんッ!」
 反論しようと口を開き、声を発するたび、割れ目を強烈な摩擦運動が襲う。そして快感は腰から脳天まで一気に駆けあがり、その声に官能の色味が滲んだ。
(ど、どんどん酷くなっていく……感度が上がるのが、自分でも判る……あぁああ、悪夢だ……中から解されて、融けていくみたいに……うぅう、き、気持ち良い……ッ)
 痛みには強い朱美も、快楽だけはどう対処して良いか判らない。少女が戸惑い、苦しむ間にも行為は延々と続いていった。肉の打ち合う小気味好い音と粘ついた水鳴りが、夜の体育倉庫に反響する。薄桃色になった淫液は泡立ち、朱美の張り詰めた太腿をぬめぬめと伝う。
「はぁっ、はぁっ、あんっ、あっ、うぅう、んんッ、ぁんっ、あっ、あッ」
 むっとする臭気が立ち込める中、朱美は声を抑え込む気力も萎えつつあった。開いたままの口から精液混じりの唾液がだらだらと滴り、瞳は蕩けている。淫猥な匂いが頭に桃色の霧を漂わせ、思考が鈍って瞼が重かった。
「えらく口数が減ったじゃねえか、麻比奈。そんなに俺のち×ぽが気に入ったか? お前、牝犬の才能があるぜ。最初からこんなに感じられるなんざ、どれほどの淫乱でも普通はあり得ないからな。媚薬すら使ってねぇのに、ま×こが大洪水だ」
「んぐっ、んぅっ、ぁっ……くっ、うぅう……!」
「罵っても無反応とは、キャンキャン噛みつく犬が形無しだな。だが……ふふ、そうか。お前、もうイキそうなんだろう。イクときはイクって言えよ? それがセックスのマナーってもんだからな。……おい――おいッ! 何か喋れよ、牝犬!」
「あぁあんっ!」
 権藤が尻をペチンと叩く。赤く腫れた臀部が痛み、朱美の背筋がぐねりと曲がった。衝撃で括約筋が締まり、じゅくじゅくと濡れきった肉筒が怒張をぎゅっと絞り込む。
「やっぱりマゾだな、お前は。今、尻を叩かれて感じただろ」
「か、感じてなんてッ……あぁっ、ひんッ……た、叩くなっ、やめ、あぐっ、あんッ」
「ほらな。叩くたびにま×この締まりが良くなるぜ。だが、こいつぁ困ったな。ケツを叩かれて悦ぶようじゃ、躾にならねぇよ。マゾ相手じゃ、おしおきまでご褒美になっちまう」
「うっ、うぅ……違う……違うっ……私はマゾじゃ、あっ、んぁッ!」
 どれほど否定しても、尻臀を叩かれるたびに、朱美の感度は鋭くなるようだった。密着感は否応なく強まって、射精を請うように膣肉が蠕動してしまう。頭の裏が白くなる間隔は短くなって、視界の端々に鮮やかな火花が散り始めていた。
(ま、まずい、だめだっ……あ、あれがくるっ……下衆どもの前で、私、私……ッ)
 絶頂の予感を覚えるも、朱美に許された可動域は全くない。爪先立ちになっているために強張った筋肉は快感を逃すことはできず、剣道で鍛えられた太腿の付け根は痙攣を始めていた。悦楽の波が、朱美の理性を攫おうと押し迫ってくる。
 こんな男との性行為で昇り詰めるなどあり得ない。あってはならない。しかし、そんな朱美の気持ちを裏切るように、狂気のオーガズムが朱美を染めあげていく。
「ぁあっ、ぁっ、ぐぅっ、ぁんッ、ああっ、や、やめ、やめッ、ぁあんッ!」
「へへ、判ったよ。今すぐやめてやるぜ麻比奈……お前の中にたっぷりと精液を吐き出して、終わりにしてやるよ……!」
「なっ――き、貴様、正気なのかッ……な、中はだめだっ、中はやッ、あんっ、あっ、お、お願いだっ、待って、嫌、嫌だッ、嫌ぁああッ!」
 朱美は美貌を振り乱して懇願するも、権藤は嘲笑うように抽送を激しくする。肉の管は明らかに膨張し、射精の気配を見せていた。男は今や性技など用いてはこない。だが単純な往復運動で充分だった。膨らみきった男根が粘膜を掘削し、朱美は首を悶えさせて喘いでしまう。
「はぁっ、ひぅうんッ、やああっ、赤ちゃんできちゃうっ、嫌、嫌だッ、ぁあああッ!」
「赤ちゃんできちゃう、だってよ。可愛いこと言うじゃねえか! ほら、逃げてみせろよ!」
「ひぅうっ! だめっ、だめ……激しっ、ぁあああんッ!」
 権藤は朱美の乳房を背後から鷲掴みにし、貪るように腰を振りたくった。胸がぐにゃりと形を変える。先端の蕾を転がされ、少女の視界は激しい明滅を繰り返した。
(だ、だめだっ、我慢できないッ……きちゃうっ、ぅううッ、イクッ、イクぅ……ッ)
「さぁ出すぞ……ピルが効かないくらい濃いやつを出してやるっ……いくぞぉッ!」
「いやあぁっ、やめッ――ひうぅうんッ!」
 膣口まで引き抜いた肉茎を、権藤は一気に最奥まで打ち込んでくる。亀頭が子宮口を叩き、鈴口から白濁液が噴出した瞬間――朱美の裸身が、大きく跳ねあがった。
「はあ、ひぃッ……ほ、本当に、出してッ、あああっ、あぐっ、んぅ、んんッ……!」
 精液が放たれると同時、雷に撃たれたような衝撃が股間から脳天までを一瞬で焼き貫き、頭を焦がす。朱美の背筋は勝手に反り返り、男根の脈動に呼応するように、鍛え抜かれた裸身が痙攣を起こした。
(あ、あッ……う、嘘、だ……中に、出されて……イ、イク、なんて……)
 ドクドクと注ぎ込まれる灼熱のとろみが、子宮を瞬く間に埋め尽くしていく。人生最悪と言っても良い事態に違いない――それなのに、絶頂と共に味わう膣内射精に、黒々とした多幸感が湧きあがる。それは思わず溜息を零すような、あまりにも恍惚とした快美感だった。
「あぁあっ、はあっ……はあっ、はーっ……あぅ、んぅん……」
 甘い呼気を漏らす朱美から、権藤が肉棒を引き抜いていく。透明な筒でも挿入されているかのように膣穴は開き切って、奥から黄ばんだ精液がどろりと垂れた。
「へへ、最高だったぜ麻比奈。二回目だっつうのにすぐ出しちまった。――おっと、危ない危ない。お喋りに夢中で、メモを残すのを忘れるところだったぜ」
 権藤は下卑た笑みを浮かべ、朱美の太腿に油性ペンの先を奔らせる。男は一本の線を引いただけで、それが何を意味するのか朱美には判らなかった。漢数字の「一」なのか、記号の「ダッシュ」なのか、朦朧とした意識では糸を理解できない。
「さて、どうだ? これで少しは番犬ちゃんも大人しくなったんじゃねぇのか?」
 ペチペチと尻を叩かれ、絶頂の余韻を引き摺る身体がぶるりと震える。収縮した膣肉の隙間から精液が溢れ、ぶぴゅっ……と品のない音が鳴った。男たちが一斉に撮影し、ゲラゲラと笑って朱美の恥辱を煽る。今やその嘲りさえも敏感な媚肉を痺れさせていた。
「ゆっ……許さない、からな……絶対に……許さないぞ……貴様ら……」
「おー、怖い怖い。犯されてもそんな目ができるとは、恐れ入ったぜ。だがお前、これで終わりとは思わないよな。まだ一人目の一回目が終わっただけだってこと、判ってるよな?」
「なッ……ま、まさか、まだ……お、おいやめろッ、近づくな! む、無理に決まっているだろう! わ、私は今、処女を失ったばかりで……あ、う……あ、あああ……ッ」
 権藤が離れると同時、不良どもがにじり寄ってくる。既に準備を整えた肉凶器は反り返っていた。顔に三本のペニスが突き立てられる。
 噛みついて、食いちぎってやる――などと、今更もう思えなかった。そして同時、左右の尻臀に熱い感触を覚える。乳房に手を伸ばす者もいれば、肉棒に黒髪を巻き付けてくる者もいた。そして当然――肉穴に、陰茎を添える者も。
(だ、めだ……犯される……お、犯し尽くされて、しまう……あ、ああ、誰か……助け)
「んひぐぅうううッ!」
 何の前触れもなく、先とは形の違うペニスが朱美の膣穴に挿入されていく。そして同時、開いた口に向かって眼前の男が腰を突き出した。開口器などつけてはいないが、顎が外れるような圧迫感を与えられては、口の筋肉などうまく動かせはしなかった。
「ああ、最高の口ま×こじゃん! 涎塗れでたまんねー!」
「ま×この方もヤバイ! ち×ぽ挿れた瞬間吸い付いてきてマジ名器だぞ!」
「ふぅうっ、んぐぅうっ、んぎゅっ、んぶぅっ、んんッ、んうううッ……」
 朱美の意思など関係ないと言うように、男たちは二穴に向かって腰を前後させ始める。達した直後の身体はあまりにも無防備で――朱美は肉棒の埋め込まれた口腔から、どこか甘く上擦ったオンナの喘ぎを、淫欲の充満した部屋に響かせていた。

 

 

 

(第3話は4月17日配信予定)