【完全版】人妻肛虐全書Ⅰ 暴走編 4
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冷二は二度にわたって真樹子の身体を楽しんだ。いやがる真樹子をどなりつけ、張り飛ばして、たっぷりと精を注ぎこんだのである。
真樹子はフラフラと起きあがると、素肌の上にワンピースをまとった。ハンドバッグを引き寄せ、ポケットティッシュで身体をぬぐう。冷二のはおびただしい量で、とても五枚や六枚ではぬぐいきれなかった。
絶望の底に沈んだ顔が哀しげだ。それでも、うなじや耳たぶに火照りが残り、瞳が妖しくうるんでいる。
「冷二さん……もう帰してください」
真樹子は眼を伏せたまま、消え入るような声で言った。犯された女の風情がにじみでている。
フフフッと冷二は、くわえタバコで笑った。化粧を直す真樹子を、意地悪く見つめる。ルージュを引く真樹子の手がふるえているのがわかった。
「奥さんの味、最高だったぜ」
「そ、そんなこと、言わないでください」
真樹子は羞じらって、横を向いた。その顔を追って、冷二はのぞきこんだ。ふうッとタバコの煙を吐きかける。真樹子はむせて、せきこんだ。すると冷二はもう一度、クククッと笑って、
「奥さん、金持ってきたか」
「ないわ……」
真樹子は小さく答えた。
このところ、二度三度と金をせびられている。三、四万ならともかく、今日は五十万円を要求されているのだ。生活に困ることはないが、素直に出す気にはなれなかった。
冷二のニヤけた顔が、急にきびしさを増した。
「金を出せよ」
「ないのよ……そんな大金」
「ふざけるな。俺は五十万円用意しろと言ったはずだぜ」
いきなり冷二の手が、真樹子の頬に飛んだ。真樹子は悲鳴をあげて顔をおおった。強烈な平手打ちで、眼から火花が飛ぶほどだった。冷二は再度真樹子に平手をくわせようとする。
「ああ、待ってッ、私が悪かったわ」
真樹子はおびえて、ハンドバッグから銀行の封筒を出した。なかに五十万円が入っている。
「持ってきてたんじゃねえか、じらしやがって。フフフ、いい女だ、奥さん」
冷二は無雑作に札束をポケットにねじこんだ。
「か、身体だけじゃなくて、お金まで奪うなんて……まるでダニね」
「そうさ。俺は奥さんのヒモになったのよ、フフフ」
冷二に腕を取られて、真樹子は車に乗せられた。赤のブルーバードは真樹子の愛用車だが、今では取られたも同然に冷二が使っている。
「ねえ、どこへ行くの……もう帰して」
荒々しく車を発進させる冷二に向かって言ったが、返事はなかった。
真樹子も黙り、うつろでものさびしい瞳で、夕暮れの海を見つめた。イカ漁の船団が沖へ出ていくのが見えた。
海辺沿いの国道を三十分も走ると、車は温泉町へ入った。潮の匂いに混じって、硫黄臭が鼻をつく。その一角にあるマンションの前で車は停まった。
「おもしろいものを見せてやるぜ、奥さん」
いかがわしいショーを見せられると知って、真樹子は身体を硬張らせた。
「いやよ、そんなもの見たくないわ」
「俺の言う通りにしてりゃいいんだよ」
冷二はまた、真樹子の頬を張った。真樹子の手をつかまえて、マンションの一室に入る。
ヤクザがやっている秘密ショーだ。薄暗い部屋の中央には小さな舞台がつくられ、それを取り囲んで二十人ほどの客が集まっていた。
冷二は真樹子の腰に手をまわして、いちばん後ろに座った。
ショーはすでにはじまっていた。舞台の上では、江美子という人妻が後ろ手に縛られた全裸をさらし、巨大な張形で責められている最中だった。張形が出入りするたびに、江美子は苦悶している。
固く眼をつぶり、すすり泣く顔が、いやがっていることを物語った。上品な美貌で、とてもこんないかがわしいショーに出る女性とは思えない。
「いい女だろ、フフフ。奥さんと同じ上品な人妻も、ヤクザに狙われりゃあのザマだ。その点、俺のようないい男に可愛がられる奥さんは、幸せもんだぜ」
冷二が真樹子の耳もとでささやいた。
真樹子はとても見ていられず、顔を真っ赤にして頭を垂れた。こんないかがわしいショーが開かれているなど、信じられない思いだ。膝の上でハンドバッグをかかえた手が、小刻みにふるえた。
「こ、こんなのいやだわ……出ましょう、冷二さん」
「いいから見ろよ」
「いや……」
真樹子がうなだれたままでいると、冷二の手がスカートのなかへもぐりこんできた。内腿をこじ開けるように指先が這ってくる。
「やめて、こんなところで」
真樹子はワンピースの下に下着をつけていない。必死にハンドバッグで冷二の手を拒んだ。
それでも眼の前でくりひろげられる淫らなショーのおぞましさと、まわりの男たちを意識して、真樹子は思うような声もあげられず、抵抗もできなかった。それをいいことに、冷二の指は容赦なく内腿の奥へもぐりこんできた。
媚肉がまさぐられ、分け入った指が真樹子の女芯をつまむ。
「あ……やめて、見るわ……見ますから、やめて」
真樹子がそう言ったと同時に、舞台の上でも江美子という人妻が、ひきつるような悲鳴をあげた。
「もうかんにんしてッ……あ、あううッ、そんなに深く入れないでッ」
ヤクザが巨大な張形を、むごくあやつって、深々とえぐっているのだ。江美子は泣き叫び、のたうっている。芝居ではなかった。
「すげえだろ、奥さん。俺はこのショーは三度目だが、何度見ても興奮するぜ、フフフ。奥さんも、あんなふうにされてえんじゃねえのかい、フフフ……」
冷二は指先で真樹子の媚肉をまさぐりながら、ささやいた。すさまじい張形責めだ。深々とえぐり、こねくりまわして、激しく抽送する。
「…………」
あまりの痛々しい光景に、真樹子はしばし、声も出なかった。もし自分があんなふうに責められたら、死んでしまう……真樹子はゾッとした。
「もうやめてッ……あ、あうッ、ううッ、死んじゃう……江美子、こわれちゃうわ」
そう泣き叫ぶ声が、真樹子の頭のなかにガンガン響いた。真樹子は両手で耳をおおい、眼をつぶりたくなった。
「も、もう、いやだわ……」
こんなところから出たいと、真樹子は冷二の顔を見たが、冷二はあざ笑うだけだった。
「見てみろよ、奥さん。そのうち、あの女のように気持ちよくなってくるからよ」
冷二は執拗にモゾモゾと、真樹子のスカートのなかで手を動かしつづけた。真樹子の身体は硬張ったまま、小さくふるえるばかりだった。こんなショーを眼のあたりにしたことが、よほど衝撃なのだろう。
舞台の上では、美しい人妻が断末魔の瞬間を迎えようとしていた。江美子は泣き、わめき、のたうって、やがてグッタリと気を失った。
「これで五分の休憩です、へへへ」
ヤクザが言った。死んだような江美子を肩にかついで、ヤクザは奥へ消えていった。
休憩を利用して、ヤクザは江美子の写真を売りはじめた。十枚一組で三万円だという。それでも客たちは、先を争って買いあさった。
「どうだ、奥さん。興奮したかい」
冷二がニンマリとした。
真樹子は頬を真っ赤に火照らせ、うなだれたままだ。額にうっすらと汗をにじませている。
「……もういや。出ましょう、冷二さん……帰りたいの」
「フフフ、おもしろくなるのはこれからだぜ。なんとしても奥さんに見せてやりてえんだよ」
立ちあがろうとする真樹子の腰を、冷二は抱いて押さえた。汗ばんでいる真樹子の首筋に軽く唇を這わせる。
真樹子はいやがって、身をよじった。
「いやよ……いじめたいなら、浜辺ですればいいじゃないの」
「フフフ、俺はいじめたい時にいじめるのさ。いつでも、どこでもよ。こういうショーを見ながらいじめられるのもいいもんだろ、奥さん」
冷二はせせら笑った。真樹子の首筋に唇を這わせながら、またスカートのなかへ手をもぐりこませる。
「ああ、もういやよッ」
そう叫びかけて、真樹子は思わず声をかみ殺した。
ヤクザがヌーッと顔をのぞかせたのだ。
「冷二、おめえ来てたのか」
ヤクザは冷二の肩をたたいた。冷二は、ギョッとしたように顔をあげた。ニヤけた笑いが消え、緊張が走った。
「ふ、舟山さん……」
「笹島の兄貴がさがしてたぜ、冷二。わかってんだろうな、フフフ」
「こ、今夜にでも行こうと思ってたんですよ。本当ですよ。金もちゃんと……ほら、ここに用意して」
冷二はポケットから札束を取りだした。真樹子が渡した五十万円だ。ヤクザの舟山は、その札束をもぎ取ると、数えだした。五十万あるとわかって、ニヤッと笑う。
「感心だぜ、冷二、フフフ。こいつは俺が笹島の兄貴に渡しといてやるからよ」
ヤクザが立ち去ると、冷二はホッとしたような顔をした。
バクチか何かのツケでも払ったのだろう。真樹子は二人のやりとりから、およその察しはついた。そんなことに自分の大金を使われると思うと、真樹子はやりきれない気持ちだった。
(次回更新は9月12日です)