本販売日:2026/10/23
電子版配信日:2026/11/06
本定価:935円(税込)
電子版定価:935円(税込)
ISBN:978-4-8296-4903-9
「夫には内緒だよ……昔みたいにお姉さんに甘えて」
吐息交じりに微笑んで、久也を優しく包み込む夏海。
ずっと好きだった初恋のお姉さんと奇跡の再会。
寂しがる彼女を慰めるうち、越えてはいけない一線を。
欲求不満な隣の妖艶シンママも色香で迫ってきて……
26歳と30歳、美しき隣人と送る夢のハーレム生活!
第一章 お隣の人妻は昔、憧れていたお姉さん
第二章 壁越しに聞こえてくる妖しい物音
第三章 隣のシンママの挑発と嫉妬する人妻
第四章 色香漂う隣人からの淫らなおねだり
第五章 お姉さんと心も身体も完全に結ばれた日
第六章 両隣の美女たちと乱れる極上の休日
エピローグ ダブルマタニティのお出迎え
本編の一部を立読み
第一章 お隣の人妻は昔、憧れていたお姉さん
大学三年生になる前の春休み、ベッドに寝転んで友人たちと新学期からの講義についての情報交換をしていた相川久也は、ぬるくなってきた風とともに窓から入ってきた音に顔を上げた。
(引っ越しか。この時期だから最近トラックを見かけることも多いけど、今度はこのマンションらしいな。もしかしてうちの隣か?)
トラックの重い走行音が自分の部屋のすぐ下あたりで止まり、すぐに作業の指揮を執る声が聞こえ始める。引っ越してくるのが可愛い女子大生だったらいいなと淡い期待を抱きながら、久也は何となく興味を引かれて外を見た。
(なんだ、夫婦か……。ちょうど隣が空き部屋になってたからちょっと期待してたのに。おっ、よく見えないけど奥さんは綺麗そうな人だな)
スタッフに挨拶をしているのは新生活を夢見る女子大生やOLではなく、久也よりも年上のカップルだった。久也は軽く落胆し、再びメッセージアプリの画面に興味を移す。
(どうせたいして接点はないんだろうしな。まあ隣だし、もし今度出くわすようなことがあれば一応挨拶くらいはしないとな)
その夜、ちょうどトラックが帰っていったタイミングで、久也の部屋のインターホンが鳴った。もしやと思って出ると、そこには先程二階の久也の部屋から覗き見た二人が揃って立っている。
「はじめまして。隣に引っ越してきました、樋山と申します。ご挨拶させていただきたくて」
「ああ、どうもご丁寧に……相川です」
仲良さそうに肩を並べた二人に丁寧に頭を下げられて、久也は却って恐縮しながら自分も名乗る。久也は自分の引越しのとき、わざわざ隣近所に挨拶などしなかったことを思い出した。
(それにしても……一瞬だったけど、なんかすごいものを見たぞ)
久也は女性が頭を下げた瞬間に見えた彼女の胸元に目が行ってしまったのだ。引越しの作業があったからか、シンプルなカットソーで特に襟が大きく開いているわけではないのだが、俯いた瞬間、深い谷間が顔を覗かせたのだ。
「ごめんなさい、こんな格好で」
無造作に一つに束ねた髪を軽く撫でて、女性が恥ずかしそうに言う。久也が上から見て抱いた感想に違わず、女性は綺麗な顔立ちをしていた。まだ若く、恐らく二十代後半くらいだろう。細面に大きな瞳が印象的な美人だ。
「学生さん? さっきはうるさくしてしまってごめんなさいね……あら?」
女性がふと、久也の顔を見て固まる。
「もしかして、久也くん?」
「えっ……はい」
名字しか名乗っていないのに唐突に下の名前で呼ばれ、久也はまじまじと女性を見つめ返した。
女性は驚いたように目を見張っている。
「夏海、知り合いなのか?」
彼女の夫が言う。その名前を聞いて、久也の記憶もよみがえる。
「夏海って……えっ、まさかあの夏海姉さん?」
思わず目の前の女性をまじまじと見つめてしまう。初対面だとすれば不躾としか言いようのない視線だが、彼女は動じない。
夏海は久也の言葉に顔を輝かせた。
「やっぱり、近所に住んでた久也くんなのね。やだ、嘘みたい」
そう言って弾けるような笑みを見せた夏海の顔に、久也は懐かしさを覚えた。綺麗に化粧を施し、夫の隣で澄ましていると別人かと思ってしまうが、白い頬に浮かぶえくぼが印象的なこの笑顔はやはり昔から変わっていない。
(ああ、随分大人っぽくなっててわからなかったな……そうか、夏海姉さん、結婚してたのか)
五歳年上の夏海は、久也が高校生のときまで隣の家で暮らしていて、当時は家庭教師もしてくれていた。面倒見がよく、小さいときから両親が共働きの久也を気にかけて、家に来て料理を作ってくれたこともあった。
(あのときの俺は、いつも姉さんのことばっかり考えてたんだよな。子供だったときは親代わりになってくれて懐いてただけなんだろうけど、中学に入るくらいには俺も姉さんもいろいろ変わってきて……いや、今思い出すのはやめよう)
結局、夏海は大学卒業とともに就職で久也よりも先に地元を離れることになった。あのときの取り残されたような喪失感は今でも覚えている。思春期に一番近くにいたのだから無理もないことだが、久也は夏海に片想いをしていたのだ。
(うん、でも一度そうとわかれば、言われるまで気付かなかったのが信じられないくらいだ)
この稀に見るサイズの巨乳は、久也の記憶の中にしっかりと刻み込まれている。お互い思春期だった当時、自分のすぐ近くで会うたびに女の身体になっていく夏海にはドキドキさせられっぱなしだった。
「覚えててくれて嬉しいわ。また隣で暮らすことになるなんて、すごい偶然じゃない?」
夏海ははしゃいだように言いながら、久也の手を取った。柔らかくてしっとりとした手に触れられて、久也は無表情をとりつくろいながらも内心で激しく狼狽えた。
「夏海姉さん……」
夏海の体温に意識を奪われながらも、隣に立つ夏海の夫の視線が気になり、久也は硬直する。
「夏海、昔からの知り合いに会えてうれしいのはわかるけど、久也くんが困ってるよ」
「ごめんなさい、再会できたのが嬉しくてつい」
夏海の夫が後ろから夏海の肩を抱き、やんわりと久也から引き離す。
「久也くん、夏海もこう言ってるし、これからも仲良くしてやってください」
そう言って久也に笑みを向ける。
「はい、もちろんです」
助け舟を出されたのか牽制されたのか、久也にはわからない。ただ、所帯を持つ大人の余裕を見せつけられたような気がして何となく面白くなかった。
「それじゃあ、長居したら悪いしそろそろ帰ろう」
夏海の肩に手を回しながら、夫が言う。夏海ははにかむように微笑んで頷いている。
「ええ、そうね。まだ片付けがいっぱい残ってて嫌になっちゃう。悪いけど、今日の夕食は簡単にしちゃってもいいかしら」
「もちろん。夏海に負担がないようにしてくれ」
夫婦間での会話が始まると、久也はたちまちはじき出されたかのような疎外感を味わった。
「じゃあね、久也くん。今度ゆっくり、お茶でもしましょうね」
久也に手土産の菓子折りを持たせると、夏海たち夫婦は隣の部屋へと帰っていった。久也は玄関のドアを閉めると、壁にもたれかかって長いため息をついた。
(なんか……疲れたな。夏海姉さんに再会できて嬉しいはずなんだけど、さすがに旦那さんの隣に立っているのを見せられると微妙な気分だ。あのときは俺も思春期だったし、さすがに未練はないつもりだったけど……)
今のたった数分間で、久也の情緒は目まぐるしいほどに振り回された。
(しかもこれから隣で暮らすことになるのか……)
これからの生活に思いを馳せるとため息が出てくる。他人同士であれば隣に住んでいるからと言っても接点はたいしてないのだろうが、夏海は幼馴染で、さっきの会話の中ですでにお茶に誘われてしまった。
(結婚してるんだし、俺とも昔と同じ関係とはいかないだろうから社交辞令かもしれないけど、昔からかなり俺のことを気にかけてくれていたからな……)
思い出の中の夏海と同じ笑顔を見せられて、久也は嬉しさよりもむしろ気が滅入ってしまうのだった。
(まあどうせ、俺の方が一方的に気まずい思いをしてるだけなんだろうけど)
久也の頭の中で、あまり思い出したくない記憶がよみがえる。
「姉さん、俺と付き合ってください」
高校受験が終わり、家庭教師であった夏海から合格祝いの腕時計を贈られたときのこと。長かった勉強漬けの日々が報われた達成感と夏海からの祝福によって浮かれていた久也は、勢いに乗って募らせていた夏海への想いを告白した。
「絶対もっと勉強して、将来はいい会社に入って姉さんを幸せにするから」
もう自分も高校生で子供ではないのだし、身長だって抜かした。そもそも幼いころから構ってくれて、自分にいつも優しくしてくれている夏海が自分からの好意を断るわけがない。
(きっと親身になって勉強を見てくれたのも俺が特別だからだ)
合格がわかって気が大きくなり、そのときは本気でそう思っていたのだ。
「ごめんなさい。今は久也くんの気持ちに応えることはできないの」
困惑した顔でそう言われて、頭の中が真っ白になった。
浮かれ気分が一気に萎んでいき、その後で夏海に何を言われたのかすらあまり覚えてはいない。
(恥ずかしすぎる……姉さんは忘れてくれてるといいけど)
今考えれば、親切にしてくれる異性が自分と同じ気持ちを抱いているだろうと勘違いするのはよくあることだろう。十代にとって、五歳の差は大きい。夏海から、久也は男として見られていなかったのだ。
(あれ以来、家庭教師も断って、俺は夏海姉さんを避けてたんだ。姉さんは普通に接してくれたから俺も釣られてだんだん立ち直ってはきたけど、家に行き来するようなことはなくなった)
ただ、距離が開いていく間にも夏海は成長し、見るたびに女らしさを増して綺麗になっていった。特にその身体つきは大人顔負けの女っぷりで色香を増していき、久也は振られてもなお夏海を目で追うのを止められなかったのだ。
(まあそんなだから、突然就職が決まって引っ越すって言われたときは驚いたんだよな)
毎日のように顔を合わせてはいたのに、自分には相談してくれなかった。そのことにショックを受けたのだが、考えてみれば自分の方が夏海との会話を避けていたのだから仕方のないことだった。
(そうしたら今度は人妻になって再会って……なんか俺、恋愛に関しては空回りしてばっかりだな)
思い出すと情けなくなってきて、久也はため息をつく。気持ちを切り替えるために、昼間に情報交換をしていた友人とのやり取りをスマホに表示させて新学期から履修する授業を考え始めた。