電子版配信日:2026/10/09
電子版定価:880円(税込)
あらゆる欲望を叶える近未来型VRエロゲー『エクスドライブ』。
優雅で妖艶なグラマラス美女の園崎聖奈(人妻エルフのセイナ)は、
ゲーム内で出会った謎のエルフ少女・シロと「関係」をもってしまう。
そんな彼女の胸に湧いた疑惑──もしかしてシロは、私の娘・白江?
疑惑を追求するため動き出す聖奈だが、
その前に立ちはだかる楠夫とアーニャによって衝撃の事実を知ることに……
電脳空間と現実が交錯する超人気ハーレムファンタジー! 書き下ろしSS付き!
プロローグ メイドは見た
第一章 発覚
第二章 偽装工作
第三章 ハレルヤ
番外編 ご主人様エクスタシア復帰計画①
本編の一部を立読み
プロローグ メイドは見た
1
「……さて、今頃お屋敷の中はどうなっていることやら。|聖奈《せな》奥様が家事の才能に目覚めた……という可能性は、期待しない方がよさそうですし」
ここが日本かと疑わしくなるほどの大豪邸。園崎邸の門を一か月ぶりにくぐった|東雲《しののめ》アーニャは、屋敷内の惨状を懸念しつつ玄関までの石畳を歩いていた。
純白のワンピースで着飾った、成人済みとは思えない小柄な体躯。園崎家の専属メイドであるアーニャは、一年半前から続く長期休暇中。とはいえ屋敷の様子が気になり定期的に来訪しているため、今回もそこまでの感慨深さは感じていない。
(聖奈奥様にも困ったものです。家事を覚えたいという心意気は素晴らしいですが、この広いお屋敷を一人で管理するのは私でも大変なのに)
休暇中のアーニャが抱える不安。それは現在屋敷に一人で暮らす、園崎聖奈《そのざきせな》のワガママに起因する。
アーニャが世話係を務めるお嬢様、園崎白江《そのざきしろえ》の母親である聖奈は、言葉を選ばず言えば極度の世間知らずだ。
園崎財閥の末っ子、しかも一人娘として蝶よ花よと育てられた聖奈は、純粋培養された植物のように穢れがない。そのため性格こそ『男が理想とする大和撫子』だが、一般的な家事スキルは壊滅的である。
そしてそんな弱点を、聖奈自身も気にしていたのだろう。アーニャの長期休暇申請を切っ掛けに、聖奈は「屋敷の家事を自分でしてみたい」と言い出した。もちろんそれ自体は素晴らしいことで、アーニャも最初は反対していなかったのだが──
(まさか業者を雇わずに、自分だけでどうにかするつもりとは思っていませんでした。一か月前も酷い有様でしたが、果たして今回はどうなっていることやら)
聖奈の夫である婿養子の園崎誠《そのざきまこと》は、現在海外へ単身赴任中。つまりいま屋敷には聖奈しかおらず、アーニャに代わるお手伝いさんも雇われていない。この広い建物を家事初心者が管理できるはずもなく、アーニャは深い溜息を吐くばかりである。
(……それにしても。どうして聖奈奥様は、ここまで一人での生活にこだわるのでしょう。『家事を学びたい』や『一人暮らしに憧れていた』では、いまいち動機として弱いような)
屋敷の玄関に辿り着き、インターホンを押す直前。脳裏に過った当然の疑問が、伸びた指先を停止させる。
(まさか聖奈奥様にも、私や白江様のような秘密が? ……なんて、流石に考えすぎですね。非現実的な生活に慣れすぎて、感覚が麻痺しているようです)
自らの考えを一笑しチャイムを鳴らす。モニターの前で姿勢を正し、アーニャは自らが仕える若奥様からの反応を待ち侘びる。
「……おかしいですね。どこかへお出かけしているのでしょうか……?」
だがどれだけ待っても、屋敷内にいるはずの聖奈から反応はなかった。
現在時刻は午前十時。聖奈の外出する時間帯は大体が正午以降であり、朝型の聖奈が寝坊するとも思えない。ではなぜと首を傾げつつ、アーニャは玄関ドアに手を伸ばして──
「──鍵が開いてる。外出用の靴は……しっかりシューズクロークの中にあります、ね」
不用心さに苛立ったのも一瞬のこと。聖奈の在宅を確信した銀髪青眼メイドは、まず主人の寝室に向かって長い廊下を歩き始める。
(メイド服に着替える前に、まず聖奈奥様の様子を見に行きましょう。大丈夫だとは思いますが、万が一ということもありますし)
なぜインターホンに反応しなかったのか。その謎を解明するため、僅かな不安と共にアーニャは進む。
まさか純粋培養の穢れなき若奥様が、|自室で《・・・》|VRエロゲーを《・・・・・・・》|楽しんでいる《・・・・・・》とは露知らず。しかも自分が部屋に隠していた旧型エクスギアを、勝手に使われているとは思いもよらず。
幅広の階段を上り、二階右奥の目的地に辿り着くアーニャ。扉の向こうから嬌声が響き始めたのは、その手がドアノブを握る直前のことだった。
2
「はーっ、はーっ、はーっ♡ ん、くう……ふーっ、ふーっ、ふーっ……!♡」
ゲーミングPCのLEDだけに照らされた寝室にて。百回越えの連続絶頂を体感した園崎聖奈は、ベッドの上で荒い息を吐き出していた。
頭部のエクスギア以外、なにも纏っていない卑猥な姿。仰向けの肉体は汗だくで、ビクビクと激しい痙攣を繰り返している。
重力に逆らう豊満な乳房。
乱れてシーツに広がった黒髪。
ベッドを越えてカーペットにまで染み込んだ、盛大な潮噴きアクメの痕跡。
どれほど真面目な男でも、この場にいれば欲望を抑えきれない。そう断言できるほど、聖奈がベッド上で晒す痴態は蠱惑的だった。
(げ……現実に、帰ってきた……? なら私ほんとうに、シロちゃんに百回もイかされて……♡)
エクスギアを外しつつ、なんとか現状を認識する。今日経験した様々な記憶が、聖奈の中で走馬灯のようにフラッシュバックする。
VR世界限定で性奴隷契約を結んだご主人様、レックス。彼の性奴隷である『シロ』『サキ』と交友を深めるため、四人でVRエロゲー『エクスドライブ』を楽しんでいたこと。
|潜入任務《ミッション》を始める前に、プレイヤー拠点で4Pセックスに臨んだこと。夫とのセックスレスで溜まった性欲を、またレックスに解消してもらったこと。
突発イベント『百回絶頂するまで出られない部屋』に巻き込まれ、シロと二人きりになったこと。完全発情したシロのテクニックに抗えず、無様な連続絶頂を晒してしまったこと。
(わ、私はなんてことを……ただイかされるだけならまだしも、よりにもよってシロちゃんの手で……!?)
全てを思い出した聖奈を、気が狂うほどの羞恥が襲う。同時に未だ疼く体の奥が、正体不明の熱を帯びる。
ただVR世界でイかされただけなら、聖奈もここまで取り乱さない。真っ赤に染まった顔を覆って悶絶するのは、発覚したシロの正体が原因だ。
(ほ、本当に、シロちゃんの正体は白江なの……? 真面目なあの子がエクスドライブを……そんなはずないのに、あの言動はどう考えても……!)
自分を百回越えの連続絶頂に導いたエルフ少女。シロの正体が娘の白江であると、偶然にも聖奈は知ってしまった。
どれだけ否定しようとも、数々の状況証拠が聖奈に現実を突きつける。純粋無垢な娘の笑顔と、発情したエルフ少女の妖艶な笑みが、脳内でピタリと重なり合う。
「……確かめなくちゃ。白江ちゃんが本当にエクスドライブをやってるなら、なんとしても止めさせないと」
夫に内緒でエクスドライブを楽しんでいること。
シロの正体に気づきながらイかされまくったこと。
それらの事実を棚に上げて、聖奈は母親として考えを巡らせる。そうして自らの痴態から目を逸らさなければ、とてもではないが平静を保てなかった。
(……そうだ、まずアーニャちゃんに話を聞いてみよう。そもそも私がエクスドライブを始めたのは、アーニャちゃんの部屋でエクスギアを見つけたのが切っ掛けだもの。なにか事情を知っていてもおかしくない)
今からおよそ一か月前。長期休暇中の東雲アーニャの部屋で、聖奈は旧型のエクスギアを発見した。
今でこそ自分用のエクスギアを購入したものの、聖奈がエクスドライブにドハマリした切っ掛けは間違いなくアーニャだ。駄目だと思いつつ旧型エクスギアを自室に持ち込み、初めてその快楽を体験した際の衝撃は、聖奈の価値観を根本から変えてしまった。
(今まで意識しないようにしてたけど……エクスギアを持ってたってことは、真面目なアーニャちゃんもあの快楽を体験していた……? むしろ白江がエクスドライブを始めたのは、アーニャちゃんに誘われたから……?)
憶測が憶測を呼び、間違った認識が積み重なる。実際のところ、アーニャをVR快楽の沼に引きずり込んだのは楠夫と白江なのだが、現時点で聖奈が真実に至れるはずもない。
(うん、きっとそうだわ。信頼する誰かに誘われない限り、白江ちゃんがエッチなことに興味を持つはずないもの。そうと分かれば今度アーニャちゃんが来たときに……きた、ときに……?)
自分がなにか、とても大事なことを忘れているような気がして。聖奈の思考が途切れ、代わりに言いようのない不安が心を満たす。
生粋のお嬢様である聖奈は、これまで自身のスケジュール管理をメイドのアーニャに任せきりだった。そのため日付や曜日感覚に疎く、今日が何月何日なのかも咄嗟に出てこない有様である。
だから聖奈は失念していた。
前回アーニャが屋敷を訪れてから、今日で丁度一か月。『今度アーニャちゃんが来る日』が、今この瞬間であることを。
「──聖奈奥様、失礼します。夕食の準備ができましたので、お部屋までお伝えに参りました」
閉じられた扉の外から、ノックと落ち着いた声が響く。状況を飲み込めない、いや信じたくない聖奈の顔から、さあっと血の気が引いていく。
「あ、あああ、アーニャちゃん、一体いつから屋敷に……!?」
「事前にお伝えしていた通り、午前十時頃に参りました。奥様は部屋でお休みのようでしたので、その間に家事は済ませておきましたが……このような時間までお部屋に籠もりっぱなしなのは、些か感心しませんね」
ハッとして時計を見ると、時刻は既に午後七時。あの突発イベントに想像以上の時間を費やしていたことに、遅まきながら聖奈は気づく。
「ご、ごめんなさい。私最近、暇なときはずっと部屋で読書をしているの。家事をしなきゃと思ったんだけど、時間を忘れて集中しちゃって」
「……そうでしたか。いずれにせよ、在宅中でもお屋敷の鍵は掛けた方が宜しいかと。不用心なのは勿論ですが、『お楽しみ中』に邪魔が入るのは奥様もお嫌でしょう?」
「っ……そ、そうね、今度から気をつけるわ。あと一分もせずに読み終わるから、アーニャちゃんは先にリビングに降りていてくれる?」
かしこまりました、と。そう一言だけ告げたアーニャの気配が、扉の外から遠ざかっていく。ひとまず胸を撫で下ろす聖奈だが、その胸中に芽生えた疑念は一欠片も消えていなかった。
自らの嬌声を、ずっとアーニャに聞かれていたかもしれない。それどころか、こっそり部屋を覗かれていたかもしれない。
東雲アーニャこそが、白江をVRエロゲーに引き込んだ張本人かもしれない。いま聖奈が知りたい全てを、銀髪メイドは知っているかもしれない。
様々な思いがグチャグチャと混ざり合い、若奥様の心をかき乱す。人生で最も気まずい夕食が待ち受けているだろうことを、加速する聖奈の鼓動は告げていた。
第一章 発覚
1
「……結局なんだったんだ、あのイベント。こうして無事ログアウトできたから良かったものの……」
リアルハーレムの拠点、アパート『ガーデン東雲』の|203号室《じしつ》。整えたばかりのベッドに腰掛けながら、連理楠夫は謎の突発イベントについて思いを巡らせていた。
突発イベント『百回絶頂するまで出られない部屋』をクリアした楠夫が、無事ゲームからログアウトしたのが三十分前。後片付けと休憩を挟み落ち着いた今でも、脳内を満たす疑問は一つも解決できていない。
(本当にログアウトできなくなったこと、マザーAIのメタ的な発言、セイナとシロのボイスチェンジ機能強制解除。どれもこれも僕の常識を超えて、正直いまでも信じられない。『人格を得たAIの暴走』なんて、そんなことが本当に?)
|レックス《くすお》、シロ、セイナ、サキの四人をゲーム世界に閉じ込めたマザーAIラプラスは、『イベントの自動生成を開始する』と口にしていた。
AIによるイベント自動生成は、まだ開発途中であり未実装。にもかかわらずラプラスはそれを実行し、プレイヤーのログアウト権限やボイスチェンジ機能を奪ってみせた。AIが自我を得て暴走したと、そんな想像に楠夫が至るのも当然だろう。
「……そろそろ白江も落ち着いたかな。僕の予想では、自分からこの部屋に来ると思うんだけど」
現時点では情報が少なすぎる。そう判断した楠夫が次に思い浮かべたのは、隣室の204号室に住む|シロ《しろえ》について。
レックスはサキと、シロはセイナと。それぞれ別の空間に閉じ込められたため、正確な状況は分からない。しかしイベントをクリアした段階で、二組はメールによるやり取りを行えるようになっていた。
《私はもう少しだけ、セイナさん|で《・》遊んでからログアウトします。レックス様達は先にログアウトしていてください》
そんなシロの要望に従い、レックスとサキは一足先にエクスドライブから脱出。とはいえすでに三十分が経過しているため、流石にシロ達もログアウトしているはずなのだが──
「──遅いな。|性感固定《ロック》を解除しないままログアウトしたから、もう限界のはずなのに」
更に五分が経過しても、玄関チャイムが鳴る気配はない。白江の来訪を確信していた楠夫は、新たな疑問に首を傾げざるを得なかった。
突発イベント中、シロの肉体は|性感固定《ロック》によって絶頂を禁止されていた。性欲は一度も弾けることなく溜まったままで、これ以上の我慢などできるはずがない。
(そもそもイベント前から、シロは僕の焦らし責めで限界だったはず。だからすぐログアウトせず、セイナへの責めを続行した時点でおかしいんだけど──)
──ピンポーン
「と、ようやく来たか。まあシロ達の方でなにがあったかは、たっぷり可愛がってから聞くとしよう」
チャイムを押したのが白江だと確信しつつ、楠夫はベッドから立ち上がる。Tシャツとボクサーパンツのみのラフな格好から、警戒心は微塵も感じられない。
それもそのはず。なにしろこのガーデン東雲に住むのは、全員が楠夫によって堕とされた性奴隷。チャイムを鳴らしたのが別の住民でも問題なく、夜七時という時間帯を考えれば予期せぬ来訪者の可能性も低い。
(さて、白江はどのくらい発情してるかな。扉を開けた瞬間に抱きつかれたり、エッチなオネダリをされちゃうかも)
念のための声掛けも、ドアスコープから来訪者を確認することすらしない。卑猥な期待を膨らませながら、油断しきった楠夫は迷いなく扉を開け放って──
「はーっ、はーっ♡ くすお、さまあっ……♡♡♡」
──開け放って、来訪者を見た瞬間。予想を遥かに超える光景に、百戦錬磨のご主人様は言葉を失った。
限界を超えた焦らし責めと、女性からアクメ快楽を奪う|性感固定《ロック》。それによって完全発情した白江が、部屋を訪ねてくることは想定内。楠夫にとって想定外だったのは、目前に立つ白江の格好だ。
蕩けた瞳と上気した頬。
汗だくの肌に張り付く長い黒髪。
ピンと尖った桜色の乳首と、股間からトロトロと垂れ落ちる発情汁。
身に纏うのは羽織っただけの黒コートと、可愛らしいサンダルだけ。夜のアパート通路に立つ淫乱少女は、ほぼ全裸の状態でご主人様を見つめていた。
「ちょ……ちょっと待った、それは流石にマズいっ……! は、はやく部屋の中へ……!」
珍しく本気で慌てた楠夫が、白江の手を掴み部屋へと引きずり込む。扉を閉めた二人きりの空間に、荒い吐息だけが響いて満ちる。
(びっくりした、まさか白江がこんな無茶をするなんて……! もしアパートの外から誰かに見られたら、色々とヤバいことになってたぞ……!?)
住民全員が性奴隷といっても、道路や向かいの建物から淫行を目撃される可能性はある。そのため『調教は必ず部屋の中で』というのが、このハーレム生活における暗黙のルール。当然白江もそれを認識しており、自ら秩序を乱すような性格でもない。
つまりこの全裸訪問は、どれだけ白江が追い込まれているかを示すサイン。着衣すら忘れて楠夫の元を訪れてしまうほど、あの突発イベントは真面目な少女を暴走させていた。
「はっ、はっ、はっ♡♡♡ ち、ち×ぽ♡ くすおさまのち×ぽっ、ち×ぽっ、ち×ぽほしいっ♡♡♡」
「し、白江!? 一旦落ち着いて……我慢したご褒美ならちゃんとあげるから……!?」
もはやご主人様の言葉すら届いていない。楠夫を壁に押しつけながらしゃがみ込み、白江はボクサーパンツごと肉棒をしゃぶり始める。
「んっ、じゅるうっ♡♡♡ れろっ、じゅりゅっ、じゅりゅううううううっ……!♡♡♡」
パンツの下ろし方すら忘れた獣の舌が、薄い布地を這いずり回る。