麗しい肢体と美貌をあわせもつ
若妻・眉子に潜む魔性、秘密……
夜は貞淑な妻……しかし昼下がりは、
男の汗と精の匂いを追って、
夫とでは味わえない恍惚を求める……
若妻の背後に刻一刻と迫る悲劇の時!
まゆこ 人妻
みなこ(45歳)実母
かおり その他
はるみ(21歳)その他
本編の一部を立読み
「許してぇ、ねえ、許してぇ」
眉子はカバーをかきむしってかすれた声で哀願した。しかし、男の動きは止まらない。眉子は男の肩を掴んで自分の上に引き上げようとしたが、噴き出している汗のために指先が滑った。
眉子は男の肩の肉に爪を立てた。眉子の紅潮した裸身にも汗の粒が光っていたが、暑さを感じる余裕を失っていた。
「おねがい! 早くきて。入れて、これを!」
眉子は声を震わせながら、飢えた人間のように身をよじって男の股間ににじり寄った。
先端の割れ目に露が含んで隆々とそびえる肉の尖塔を手にした眉子は、男にのしかかり、ためらいもなくそれを口に咥えた。
眉子と男は、互いに頭を相手の股間に押しこんで絡み合う。健吾に対しては、眉子がこれほど積極的になったことなど今まで一度もなかった。眉子は口いっぱいに、極度に硬直して脈動する男の肉棒を頬張って舐めまわし、しゃぶりつくす。男はしかし、巧妙に舌を働かせて、とめどなく泉を溢れさせている眉子の淫裂に絶え間ない刺激を送りこんでくる。眉子は呼吸もできないほどに息苦しさに、男の肉柱を口から吐き出して激しく喘いだ。
その瞬間を待っていたように、男は自分の体の上から眉子の裸身を払いのけて押し倒した。勢いあまって眉子の上半身がベットからずり落ちそうになり、眉子は思わず目を開いた。霞がかったような定かでないその視線のなかに、能面の目の奥が光ったように見えた。
誰かが見ている!
恥ずかしい姿を見られてしまったんだわ!……そう思った瞬間だった。のしかかった男の怪奇なマスクが眉子の視界にひろがった。同時に男の体に噴き出した汗の匂いが、鋭く眉子の鼻孔を衝く。
男のかぶったマスクと体臭のこもったすえた汗の匂いは、眉子に衝撃のような記憶を蘇らせた。それは一年前の夜、街灯の光に照らされながら顔を歪めて眉子にのしかかってきた、あの男の匂いだった。その記憶のなかに恐怖はなかった。
その男に犯されて初めて味わった、戦慄するような陶酔だけが生々しく眉子の全身をゆさぶり、あの夜の記憶と、今、男に組み敷かれている現実とが、眉子の中でひとつになった。