妻は実母

著者: 露樹満

本販売日:1985/10/23

本定価:535円(税込)

ISBN:978-4-8296-0029-0

シチュエーション

今あたしを貫いている男が実の息子だなんて……
レイプ事件をきっかけに結ばれた由布子と一之。
年上の女に憧れ、初心な若者を愛でる関係。
二人は全てを投げだし、互いにのめりこんでいった。
しかし、一枚の写真が由布子の心を引き裂いた。
一之が母と言った写真の女は、由布子自身だった!

登場人物

ゆうこ(35歳)実母

まりこ(20歳)年上女(若)

本編の一部を立読み

「そう……そうよ。ああ、いい」
由布子は快感におののきながら、一之の背に爪を立てた。小さな閃光が躯の深奥で閃き、熱い泉が沸騰する。それはやがてくる大きな爆発の前触れだった。
由布子の期待に応えようと、力んで顔を赤くして動いている一之は、花芯からまるで掌で握り締めるような生々しい収縮力を肉柱に受け取ると、一度放出しているのにまたたちまち頂点に押しあげられそうになる。一之は奥歯を噛みしめてその快感に耐え、自分の下で固く目を閉じ、眉をしかめて喘いでいる由布子を見つめながら動いた。
一之の動きにつれて、由布子の口から全身の息を押しだされるような息遣いがもれ、それは喘ぎというよりは叫びに近くなっていった。
由布子はめくるめく官能の波に翻弄されはじめ、淫裂は手で握り締めるような動きから、律動的な収縮に変わっていた。意識してそうしたのではない。頂点がそこまで迫っている証拠だった。
由布子は身をのけぞらして、恥骨を一之の恥骨に押しつけた。淫裂に受けている刺激に、恥骨から牝芯にかけての圧迫感が慄えるような陶酔を呼び、小さな爆発がつづけざまに起きた。 とめどなく溢れる甘い露が一之の肉幹に降り注ぎ、小鳥が餌をついばむように子宮口が尖塔に吸いつく。
その優美な刺激に一之のほうがもろくも負けた。一之はくぐもった呻きをもらすと腰の動きを速め、ついに二度目の噴出をはじめた。
樹液の熱い飛沫に子宮口を灼かれながら、由布子は一之にしがみつき、声を振り絞って身を揉んだ。
「いや! 待って……まだいかないでッ……もう少し……」
最後の爆発を迎えるために、なんとかして一之の尖塔を引きとめておこうとしたが、その時はもう遅かった。あれほど熱くそそり立っていた尖塔はみるみる力を失い、由布子の火のついた性感はそのままくすぶりとなって取り残された。
二度の放出で完全に力つきた肉柱が、ずるりと淫裂から抜け落ちる。由布子は絶望的に身を震わせて一之の背に爪を立てた。
「まただめだったんですね、俺……」
一之が泣きだしそうな顔で言った。由布子は一之の頭を腕の中にそっと抱きこんで、かぶりを振った。
「ううん、そうでもなかったわ。さっきより、ずっとよかった」
「ほんとですか?」
一之は目を輝かして由布子を見た。由布子がまだ発散しきれない欲情で、頭の芯を軽い痛みで疼かせているのを、一之は気づかない。だが、その頭の疼きさえ、井川やこれまでのどの男とも味わえなかった新鮮で深い味わいとなって、由布子を包んだ。

続きを読む

本の購入

定価:535円(税込)

以下の書店でもお買い求めいただけます

電子版の購入

定価:660円(税込)

以下の書店でもお買い求めいただけます

本の購入

定価:535円(税込)

以下の書店でもお買い求めいただけます