恥虐の牝檻(下) 悪夢の若妻性隷誓約書

著者: 杉村春也

本販売日:1998/07/10

電子版配信日:2009/07/10

本定価:1,026円(税込)

電子版定価:1,210円(税込)

ISBN:978-4-8296-3145-4

まり子が凌辱鬼たちから調教されているのを目撃し、陰惨な恥虐の牝檻から救おうとした、同じマンションで暮らす石川百合恵までが凌辱魔の毒網に囚われてしまった。まり子にはない熟れた白い柔肉が魅力の若妻に悪魔たちの嗜虐欲はいやます。特設舞台で赤い恥肉を晒しきっての凌辱ショウ、張型を咥えての早朝全裸ジョギング……次々と用意される究極の羞恥責めに、百合恵は気品あふれる美貌を歪めて悶え泣きながらも、表情や肢体に被虐の悦びが生まれていた。

登場人物

ゆりえ(30歳)人妻

まりこ(23歳)人妻

本編の一部を立読み

同じマンションに住む顔見知りの男たちに囲まれながら、全裸に近い恰好で走っているのが、百合恵には、夢のなかの出来事としか思えない。夢は夢でも、昨夜や一昨夜のような悪夢ではなく、官能的で甘美な夢であった。露わな乳房や双臀、はみだした絹草に注がれる男たちの視線を意識すると、消え入りたい羞恥とともに、身も心もとろけるような妖しい快感がこみあげてくる。

その快感を、秘奥に埋めこまれた張型がさらに増幅させていた。跳躍運動の際には垂直に子宮口を直撃していた張型は、ジョギングをはじめた途端にあちこちと角度を変えて媚肉を突き嬲り、いやでも官能の炎を燃えあがらせずにはおかないのだ。思わず腰をフラつかせた百合恵がしゃがみそうになると、自転車を寄せてきた高子が、

「だらしがないわね。とまったりしたら、あそこに張型を咥えこんでいることをばらすわよ」

と囁くので、歯を喰いしばって走りつづけなければならなかった。

早朝の住宅街でも、人通りが皆無というわけではない。バイクに乗った新聞配達員や、同じようにジョギングを楽しんでいる者とすれちがうこともある。日曜日の早朝とはいえ、天下の公道上でこれ見よがしに乳房を晒し、ビキニの両脇から縮れ毛をはみださせて走っている美女を眼にした連中は、申し合わせたようにバイクやジョギングの足をとめて、白昼夢でも見るような思いで見送っていた。驚愕と好奇の交錯したそんな視線までが、百合恵の身内に燃えあがった官能の炎に油を注ぎ、めくるめく露出の快感で躯の芯を痺れさせてゆく。

どのくらい走ったろうか。高子は、ふと自転車をとめて後ろを振りかえった。途中までは良子も、遅れがちながら懸命についてきたのだが、今やはるか後方を見渡してもまったく姿が見えない。

「丸山さんが落伍しちゃったらしいわ。追いついてくるまで待ってあげましょうよ」

高子に声をかけられて、男たちも良子の存在を思いだしたようであった。ジョギングの提案者は良子だから、いくらお荷物でも無視するわけにはゆかない。

「しようがねえな。少し休憩するか」

「あのオバン、口は達者なくせに、走るほうはカラキシだな」

「もともと、ジョギングなんて無理なんだよ」

ボヤきながら足をとめた男たちは、首にかけたり、腰にぶらさげた手拭いで流れる汗を拭いはじめた。

百合恵もホッとしたように足を休めていたが、その百合恵を取り巻く男たちのトレパンや半ズボンの前は、それとわかるほど盛りあがっている。日頃から憧れている美しい人妻の煽情的な裸身をいやというほど見せつけられては、それも無理はなかった。

自転車を路上にとめた高子は、額の汗を手の甲で拭っている百合恵に、いたわるような口調で言った。

「ずいぶん汗をかいたわね。そのままじゃ気持が悪いでしょ。あいにく拭くものを持ってこなかったから、殿方に拭いてもらいなさいよ」

「そ、そんな……汗なんか拭いていただかなくても……」

狼狽する百合恵に、高子は押しかぶせるように言った。

「人の好意を無にするもんじゃないわよ。人目が気になるなら、そこの路地で拭いてもらえばいいわ。そこなら素っ裸になっても大丈夫よ」

遠まわしな言い方で高子は、言う通りにしなければ素っ裸にすると脅しているのだ。

観念した百合恵がおずおずと路地に足を踏み入れると、たちまちその裸身に男たちの手がのびて、露わな乳房や、ムッチリした太腿に滲む汗を手拭いで拭いはじめた。手拭いの薄い布地を通して掌に伝わってくる熟れきった肌の柔軟な感触が、男たちの欲情をいやがうえにもそそりたてる。長い睫毛を閉じた麗夫人がなすに任せているのに気をよくして、男たちの行動は次第に大胆になっていった。手拭いの上からふくよかな乳房をヤワヤワと揉みしだいてマシュマロのような弾力を楽しむ者もいれば、太腿や双臀の肉づきを確かめるように腿肉や臀肉を布地越しに掴んでこねまわす者もいる。

ああッ、いや……やめて、やめてください……。

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