「あ、あのぉ、お兄さん。ほ、ホ別三十万でどうですかねぇ?」
気がつけば【男女比1:1000】になった世界に俺はいた。
性格もボディも最高の加藤紫月さんから大金付きで逆ナンパ!
社畜な貧乳OLの上杉由香さん。金髪ギャルの藤宮綾さん&
ツインテギャルの西園寺麻衣さん――美女の望みは俺との子作り!
これぞホントの、夢の異世界転生! ノクターンノベル超人気作開幕。
(文庫換算310ページ)
もくじ
第一章 巨乳女子大生と初めてのセックス
《電子書籍特典おまけストーリー 紫月さんに授乳手コキしてもらう》
第二章 貧乳眼鏡OLといちゃいちゃセックス
《電子書籍特典おまけストーリー 由香さんにフェラしてもらう》
第三章 金持ちギャルと3Pセックス
《電子書籍特典おまけストーリー ギャル二人組再び》
紫月 OL
由香 OL
綾 女子学生
麻衣 女子学生
本編の一部を立読み
気がつくと世界がおかしくなっていた。
「あ、あのぉ、お兄さん。ほ、ホ別三十万でどうですかねぇ?」
ふんわりとした亜麻色の髪が肩下ほどの長さまで伸びたストレートボブに、処女雪のように白い肌。目はくりっと大きく鼻筋は通っていて、唇は艶っぽい綺麗な桜色。
身長は俺よりも頭一つだけ小さい、別に小柄でも大柄というわけでもない。
しかし何よりも目を引くのはハンドボールを服の中に入れたくらいのでっかいバスト。
年齢は同じくらいか少しだけ年上だろうか? 格好は肩が少しだけ露出した七分袖のTシャツにデニムのショートパンツとラフで、だからこそバストが大きい以外にも、ウエストが細くスタイルが物凄くいいのが見てわかる。
こんな美人なのに見た感じ化粧とかをしている雰囲気もない。まあでも必要がないのだろう。俺の十九年に及んだ人生で出会った女性の中で断トツの美人だった。
俺は確信した。これはパパ活の勧誘であると。
パパ活するような年齢でもないし、未だ自らで口説き落とした女の子で童貞を捨てる夢を捨てきれてない俺だけど、目の前の女性は三十万円払ってでも一晩過ごしたいと思えるほど綺麗である。
しかし問題がある。俺は十九歳。フリーターと無職を足して二で割ったような生き方をしている。つまり金がない。
借金するか? 目の前のお姉さんとの一晩にはそれだけの価値がある。でもどこが貸してくれるのだろうか? アテはない。まともな定職に就かず、ネカフェ難民をしながらその日のご飯を食べるのに精いっぱいの俺に、三十万という大金を準備することなんて不可能だ。 俺は血涙を流さんばかりに震える手で、バキバキに割れたスマートフォンを差し出した。
「そ、その。お姉さんはとても綺麗ですし、魅力的なのですが……三十万なんてとても払えないので、せめて連絡先だけでも交換してもらないでしょうか?」 運よく口説くことができれば無料である。 ここで連絡先の交換を断られ――きっと金輪際この女性と会うこともなくなったら俺は、数週間は悶々とし、一生後悔し続けるだろうけど、今の俺には逆立ちしたって三十万円は用意できない。 俺に金がないことを知りきっと失望しているであろうお姉さんの顔を恐る恐る見上げる。 お姉さんは少し顔を赤くしながらも、とても不思議そうな表情をしていた。
「……当たり前ですけど、私がお兄さんに三十万円払うんですよ?」
「……え?」
詐欺なのか? 美人局なのか? あるいは数多のバイトをクビになりフリーターと無職を繰り返し、貯金が尽きて飢えを誤魔化すために昼寝をしている最中に見ている夢なのか? あまりにも都合がよすぎる。貧乏で童貞な俺に、美女が俺とセックスさせてくれるだけでなくお金までくれるんだと言う。鴨が葱を背負ってやってきたどころの騒ぎじゃない。
「ど、どうしてですか?」
「どうしてって、その……。お兄さんとってもセクシーで魅力的ですし、そ、それにっ、こんな街中を堂々と歩く若い男の人なんて今後一生巡り合えないかもしれないじゃないですか!?」
いや、そんなことないだろ。
街中には俺よりも格好よくて金のある男なんていくらでもいる。お姉さんくらいの美人ならきっとその辺のイケメン相手に「三万でヤらせてあげる」って言えば余裕で快諾されると思う。そんなことを思いながら街を見渡して、俺は初めて違和感に気付いた。
男の人が、一人も見当たらない。
この辺には企業がいくつもあり、国立大学の理系学部のキャンパスも少し離れた丘の上にある。今の時刻は午後五時。場所は駅前。バイトの面接のために何度も来たことがあるこの街は、この時間、ホワイト企業の定時上がりのサラリーマンとサークルに入ってなさそうな男子大学生の帰宅によって駅は少し混雑する。
近くにある大学のキャンパスは国立理系なので女子大生なんて滅多に見かけないし、会社勤めのOLは見かけるけど割合的には男のサラリーマンの方が多い。
俺の知るこの駅前は大体男しかいない。ナンパに絶望的に向かない場所。 にもかかわらず街を歩くのは女の人ばかり。しかも街を歩くの女性たちは誰も化粧とかしていない。
おかしい。いつもなら女の人があんまりいない場所で女の人しかいないというだけ。それだけの違和感なのに、自分が異世界にでも迷い込んだような気分になった。
「ど、どうしたんですか? さ、三十万じゃ足りないなら、ご、五十万円払いますけど……」
衝撃の光景に驚いていると、反応がない俺に何を思ったのか値段を吊り上げてきた。
俺は思う。世界がおかしいとか違和感がどうとか、最早どうでもよくね? 俺みたいな社会の底辺では一生手が届かないほどの美人が、逆ナンしてきているのだ。おっぱいが大きくてスタイルのいい途轍もなく美人なこのお姉さんとセックスができるかもしれないのだ。 詐欺の可能性は捨てきれていない。 安易に彼女についていけば怖いお兄さんたちが待っているかもしれない。
だけど俺は無職とフリーターを足して二で割ったような社会の底辺。生憎失うものは何もない。仮に怖いお兄さんたちが待っていたとしても、その道中こんな綺麗な人と歩けるだけで元が取れるレベルだ。
「お、俺でよければ」
「ほ、本当ですか? やったぁっ!」
お姉さんは子供のように無邪気に飛び跳ねて喜ぶ。その時に大きなバストがポヨンと跳ねた。
「う、腕、組んでもいいですか」
「も、勿論」
荒ぶる巨乳に釘付けになって、条件反射的に許可するとお姉さんがその大きな胸で俺の腕をむぎゅーっと挟むように腕を組んでくる。お姉さんの心臓がバクバク言っているのが伝わってきた。お姉さんは赤面していて、その初心な反応と予想外の腕組みサービスに「もしかして詐欺じゃないかもしれない……」と期待させられる。
「お、お兄さんの腕、とっても硬い。筋肉質ですね。普段から鍛えているんですか?」
「い、いや。ちょっと前まで土方のバイトやってまして」
それ以外のバイトでも若い男だからってことで重い荷物を扱う作業はかなり押しつけられてきたし、わざわざ鍛えなくても勝手に筋肉質にもなっていく。
「土方!? お、男の人がそんなことを……」
「珍しいですか?」
「ええ、とても。男の人は子作りをするだけで生きていけますから。労働する人とか滅多に聞きません」
……なんだその夢のエロ漫画世界は。子作りするだけで生きていける!?