華と贄【供物編】

著者: 夢野乱月

本販売日:2021/12/10

電子版配信日:2021/12/17

本定価:1,273円(税込)

電子版定価:1,273円(税込)

ISBN:978-4-8296-7690-5

シチュエーション

闇の巨魁に献上される人妻

「熱く蕩けた肉が儂の魔羅を食い締めておるわい」
足を肩に担がれ、深々と埋め込まれた巨大な肉塊。
令夫人、美人キャスター、秘書が次々に生贄に。
夢野乱月の最高傑作、完全版となって堂々刊行!

●もくじ

プロローグ

第一章 魔王
1 献上された人妻
2 初啼きの儀

第二章 洗礼
1 お披露目の儀
2 破瓜の儀  

第三章 反乱
1 美しき拒絶
2 決起する女神たち
3 鬼屋敷の掟

第四章 制裁
1 訣別の刻
2 囚われの秘書
3 魔王の烙印

第五章 標的
1 挑む花形キャスター
2 恥辱のステージ

登場人物

ようこ(35歳)人妻

たきこ(28歳)キャスター

あさみ(27歳)秘書

ゆき(37歳)キャリアウーマン

本編の一部を立読み

 純白の夜具にX字にさらされた熟れざかりの裸身をせつなく慄わせ、アクメに洗われた顔を新たな涙で濡らして嗚咽をこぼす美しい令夫人──その姿は嗜虐者にとってまさに至福の眺めだった。たぎるような欲望に怒張が痛いほど疼いた。
「ふふふ、これからが本番じゃ。腰が立たなくなるまで儂の魔羅で犯しぬいてやる」
 宗臣は嗜虐の悦びに眼を炯々と光らせながら帯を解き、着物を脱ぎ捨てた。老人とは思えぬ筋肉を隆々と浮きたたせた裸身が露わになる。女を屠り、屈服させるためだけに鍛えぬかれ刃物のように研ぎ澄まされた肉体からは殺気を帯びた邪悪な精気が放たれていた。
「見るがいい。これがおまえが仕えることになる儂の魔羅じゃ」
 褌がかなぐり捨てられ、虚空を圧するばかりに屹立した怒張がヌーッとその異形を剥きだしにした。
「ひっ……いやっ……」
 遥子夫人が鋭い声をあげ、嗚咽を呑み込んだ。泣き濡れた瞳が恐怖の色を帯び、ゾクリと背筋におぞけが走る。数えきれぬほどの女たちを屠りあげ、有無を言わせず屈服を強いてきたその男根は、まさに兇器と呼ぶにふさわしい逸物だった。
 密生したジャングルさながらの剛毛からヌッと突きだした怒張は女たちから絞りとった淫水に灼かれて不気味なまでにどす黒い光沢を見せていた。拳を重ねて捻じ曲げたかのように異様なほど節くれだった肉茎はゴツゴツと不気味な血脈を浮きたたせ、その先端には毒蛇さながらに鋭くエラを張った雁首が禍々しいまでに隆々と膨れあがっている。
 夫人が唯一知る夫のものとは較ぶべくもない。いや、それどころか血の通う肉でできているとはにわかに信じがたい化け物じみた代物だった。
(……こ……怖い……)
 邪悪な精気を放つ宗臣の正体そのものの禍々しさに、遥子夫人の女の本能が警鐘を鳴らした。こんなもので犯されるのかと思うと、生きた心地がしない。
「……ああ……ゆ、ゆるして……」
 蛇に睨まれた蛙のようにすくみあがり、血の気を失った夫人の口をついたのは、かぼそく慄える哀訴の声だった。
「ふふふ、正直な女じゃ」
 夫人の怯えと恐怖を愉しむように宗臣が嗤った。凌辱への欲望が獰猛なまでに身内を駆けめぐり、大蛇が鎌首をもたげるように異形の逸物がユラリと不気味に揺れる。
 最も結合感が深く、まさに犯されたという実感を身体にも心にも刻み込む格好で犯してやる──この瞬間、宗臣は遥子夫人の女を最初に刺し貫く体位を決めた。
「ふふふ、初啼きの儀を始めるぞ、遥子。覚悟はいいな」
 猛禽類のような眼を炯々と光らせた宗臣は残忍な嗤いを浮かべると、夫人の腰枕を抜きとり、二肢を縛りあげていた縄を解いた。
「……お、お願い……やめて……」
 夫人が自由になった足を身を守るように腰に引きつける。だが、それもつかの間与えられた自由に過ぎなかった。華奢な足首をグイと掴まれたかと思うと、二肢が軽々と掬いとられ、たちまち肩に担ぎあげられてしまう。
「い、いやあっ……」
 懸命にずりあがろうとする腰をグイと引きつけられ、夫人の身体がふたつに折り込まれた。捧げだすように宙に浮いた腰の狭間に岩塊さながらの亀頭が押しあてられる。
「ひいいっ、いやですっ、や、やめてっ……」
 女の亀裂をズルリと擦りあげられ、グッショリと濡れそぼつ花口に熱く硬い肉塊をグッとあてがわれると、遥子夫人は恐ろしさのあまり、奥歯をガチガチ噛み鳴らして引きつった悲鳴を噴きこぼした。
「いま、まさに犯されようとする女の顔ほどたまらぬものはないわい」
 近々と夫人の顔を覗き込んだ宗臣が舌なめずりせんばかりに淫猥な嗤いを浮かべた。
「……ゆ、ゆるして……お願いです……し、しないで……ください……」
 夫人はかぼそい哀訴の声を恐怖に慄わせ、宗臣の慈悲にすがる以外に術はなかった。
「聞こえぬな。おまえの身体に儂の味をいやというほど教え込んでやる。──ふふふ、遥子、儂の女になるんじゃ」
 ズブッ──禍々しい亀頭が花弁を押しひしゃげるようにして夫人の女に没した。
「ひいいいっ、いやああああっ……」
 白い喉をさらし、細い顎を突きあげた夫人が魂消えんばかりの悲鳴を噴きこぼした。女の源泉に焼印を押されたかのような悲鳴だった。
 ズブズブッ、野太い怒張が蕩けんばかりに熟れた柔肉を押し広げ、深々と女芯の最奥まで花芯を縫いあげていく。
「……ああっ、いやあっ……」
 硬く焼け爛れた巨大な異物で女体の芯を押し開かれる──まさに犯されているという感覚そのものの挿入感と拡張感に遥子夫人は唇をわななかせて啼いた。
「熟れた女の肉は淫らじゃな。ふふふ、どこがいやなものか。熱く蕩けた肉が儂の魔羅にキュウキュウ吸いついて、千切らんばかりに食い締めておるわい」
「……ああ……そ、そんなこと……あ、ありません……」
 遥子夫人は自分に言い聞かせるように声を慄わせた。だが、最奥まで怒張を埋め込まれた腰の芯がジーンと灼け痺れ、身じろぎもできないほどの拡張感にハアハアッと熱い息が乱れてしまう。
(……ああっ……こ、こんなっ……)
 夫である藤田しか男を知らない夫人は、その男根の個体差とも言うべき違いに慄然とした。大きさと硬さと形状が異なるだけでこれほどまでに感覚が違うものなのだろうか──宗臣の男根から与えられる挿入感と拡張感はまさに女体の芯に野太いクサビを埋め込まれたような圧倒的な被支配感があった。
 初めての凌辱にさらされた美しい贄のおののきと葛藤を味わうように、夫人の顔を淫猥な視線で舐めていた宗臣がニタリと嗤った。
「ふふふ、強がるのをやめろとはもう言わぬ。儂の魔羅の味を知れば、いやでも素直な女そのものになる」
 こうやってな、とばかりに宗臣が腰を使い始めた。絡みついた柔肉を引きずりだすように亀頭をズズッと花口まで引き抜き、ジュブウッと子宮口まで深々と縫いあげる──肉棒の長大さと咥え心地を花芯に教え込むような悠々とした抽送だった。
「……ああっ、いやっ……あああっ……」
 こんな卑劣な鬼に屈してはならない、羞ずかしい声をあげて啼いてはいけない──そう思う端から熱くせつない啼き声が噴きこぼれてしまう。息苦しさに唇を引き結ぶことすらままならず、すでに一度アクメを極めた女体は確信をもって送り込まれる刺激をこらえようがなかった。
「……あああっ……い、いやっ、ひいいっ、あうううんっ……」
 怒張をズズッと引かれ、硬く張ったエラで柔肉を掻きたてられると尾を引くようにせつなく声が慄えた。ジュブウッと花芯を抉られると、背筋を駆け抜け脳天まで痺れる快美感に熱い啼き声を放たずにはいられない。
「……ああっ……あああっ……」
 女肉を練りこむような怒張の間断のない動きに応えるように、羞ずかしい声が次々と噴きこぼれてしまう。
「ふふふ、艶っぽい声をあげて啼きおって。わかるか、遥子、おまえは儂に犯され、儂の意のままにヨガリ啼かされておるのじゃ。──さあ、別の啼き声を聴かせてみせろ」
 煽るように言った宗臣は、怒張を根元まで埋め込んだ腰を夫人の恥骨にググッと押しつけ、小さな円を描くように小刻みに揺り動かした。鋼さながらに硬い剛毛が夫人のクリトリスをズリズリ擦りあげ、花芯の最奥までみっちりと貫いた野太い男根が熱く濡れそぼつ柔肉を練りあげるように捏ねまわす。電撃のような快美感が四肢にほとばしった。
「あひっ、いやっ……ひっ、ああっ……あっ、あっ、あああっ……」
 夫人は高く澄んだ声をヴィブラートをきかせたように慄わせ、宗臣の腰の動きに合わせて間欠的に短い啼き声を噴きこぼした。
「ああっ、こ、こんなっ……あひっ、く、口惜しいっ……あああっ……」
 鬼畜そのものの老人に凌辱されているにもかかわらず、思うがままに羞ずかしい啼き声を絞りとられ、なす術もなく官能に絡めとられてしまう女体の脆さを遥子夫人は呪った。
「口惜しいじゃと? この程度ではまだ儂の魔羅の味がわからぬということじゃな」
 夫人のたわわな乳房を宗臣の大きな掌がグイと掴みあげた。と同時に抽送が再開された。ビシッビシッと肉音も高く腰が叩きつけられ、ズンッズシンッと腰骨に響く衝撃とともに花芯が抉り抜かれ、子宮が突きあげられる。これまでの媾わいはウォーミングアップに過ぎないとでも言うかのような怒濤の腰使いだった。
「あひいっ、いやっ……ああっ、や、やめてっ、あああっ……」
 腰の芯が燃えたつように灼け痺れた。火柱のような快美感が背骨を貫き、脳天を突き抜ける。揉みしだかれる乳房が熱を帯び、絞りだされた乳首を指のあいだでギュッと潰されると痛みにも似た快美な痺れが電撃のように四肢にほとばしった。
「ひいいっ、や、やめてっ……ああっ、だ、だめっ、ああああっ……」
 波濤のように次から次へと押し寄せる快美感に遥子夫人は激しく顔を振りたて、息つく暇もなくきざしきった声をあげて啼き悶えた。すでにアクメへの水路が開かれている夫人の身体はひとたまりもなかった。たちまち官能の大波に押しあげられ、一気に絶頂へと駆けのぼってしまう。
「あああっ、いやああああっ……」
 ふたつ折りにされた裸身を揉みしぼるようにガクガク揺すりたて、のけぞり返った顔を慄わせ、夫人は末期の悲鳴をほとばしらせた。
「ふふふ、脆いの。もう昇り詰めおったか。じゃが、一度や二度、気をやってみせたくらいで許されると思うなよ。女の御し方も知らぬ藤田如きとは儂は男としての格が違う。──女はこうやって躾けるんじゃ」
 そううそぶいた宗臣は、熱い樹液を噴きこぼしキリキリ食い千切らんほどに締めつける柔肉を捲り返すように怒張を引きだすと、ふたたび女体を抉りぬかんばかりの激しい腰使いで責め始めた。
「ひいっ、そ、そんなっ、いやっ、あああっ……」
 両手を縛りつけられ、二肢を肩に担がれて宗臣の巨躯にのしかかられた夫人はその怒濤の責めから逃れようがない。捧げるように掲げた腰の芯をジュブッジュブッジュブウッと淫らな水音とともに抉りぬかれ、腰骨も砕けろとばかりに子宮を突きあげられると、こらえようもなく「ひいいいっ……」と喉を絞ってたちまち三度目の絶頂を極めてしまう。
 だが、その絶頂感に総身を洗われる余裕さえ、宗臣は与えようとはしなかった。わななくように啼き悶える夫人の顔に淫猥な視線を注ぎながら、容赦なく腰を使い、きざしきった花芯をさらに抉り続ける。
「あひいっ、や、やめてっ、狂ってしまうっ……も、もういやっ、いやですっ、ああああっ……」
 総身の血が沸きたち、肉が蕩け、脳髄が灼け痺れた。噴きだした生汗で夫人の裸身はテラテラとぬめ光り、剥きだしの腋窩からは汗が尾を引いて滴り落ちる。抉りぬかれる花芯からあふれる樹液と生汗の入り混じった濃厚な女の匂いを立ち昇らせながら夫人は狂おしく顔を振りたて、喉を絞ってヨガリ啼いた。
(……ああっ、こ、怖いっ……)
 視界さえ定まらぬ、めくるめく官能の渦に翻弄されながら切れぎれの意識の中で夫人が覚えたものは恐怖だった。間断なく責め続けても息さえ乱さない宗臣の老人とはとても思えない悪魔のように強靭な精力──、そして極めても極めてもさらにその先に奈落のように待ち受けている底なしの官能──。
「ひいいいいっ……」
 自分がどこに連れていかれるのかわからない未知の恐怖におののきながら、夫人は折れんばかりに顔をのけぞらせて、もう何度目かすらもわからない絶頂を告げる悲鳴を噴きこぼした。
「……ああ……お、お願いです……も、もう……ゆ、ゆるして……」
 遥子夫人はアクメの痙攣にビクッビクンッと裸身を引き攣らせ、ハヒイハヒイッと喉を鳴らして哀訴の声を慄わせた。すがらんばかりに宗臣を見あげる泣き濡れた瞳は畏怖の色を帯び、怯えたように見開かれている。
「ふふふ、すこしは儂の力が骨身に染みたか。高名な政治学者の娘であろうと、世間から令夫人、賢夫人ともてはやされていようと、儂の前ではただの女に過ぎぬ。──遥子、儂への屈服を認めるのじゃな」
 ギロリと夫人を睨みつけた眼光はすでに支配者のものだった。
 意のままに啼かされアクメに灼かれ続けた夫人はその眼光にあらがう気力を根こそぎ奪われていた。涙と汗にまみれ、桜色に上気した顔が消え入りそうに縦に振られた。
「言葉にして認めろ。遥子は御前様にお仕えする女になります──儂の魔羅をオマ×コに咥えたまま、こう言って誓うのじゃ」
「……そ……そんな……」
「言えぬのか──」
 宗臣の分厚い唇が爆ぜんばかりに尖りきった夫人の乳首を咥え込み、キュウッと吸いあげた。
「あひいっ、いやっ……あああっ……」
 ビクンッと夫人の裸身が跳ね踊り、きざしきった啼き声がほとばしる。
 アクメを極め続けた夫人の女体は一種のトランス状態に陥っていた。乳首を襲う快美な刺激に連動して、花芯がグジュウッと収縮し硬い怒張を食い締める。そこに狙い澄ましたようにクリトリスを磨り潰すヴァイブレーションが加えられた。たちまち腰の芯が灼け痺れ、吸いあげられた乳首を甘噛みされると総身に閃光のような快美感がほとばしった。
「ああっ、だ、だめっ……あひっ、ゆるしてっ……あああっ、い、言いますっ……ひいっ、誓いますから、も、もうゆるしてっ……」
 またしても絶頂に追い込まれてしまいそうな快美な恐怖に、夫人はビクビクッ総身を引き攣らせながら官能に染まった声を慄わせて哀訴した。
「よし。誓ってみせろ」
 気が狂ってしまいそうな官能の脅迫に遥子夫人は屈した。
「……ああ……よ、遥子は……ご、御前様に……お仕えする……ああ、お、女に……なります……」
 息を乱しながらかぼそい声で切れぎれに強制された言葉を口にする。私はという主語を使わずに自分のことを名前で呼ぶと、主体を奪われて奴隷に堕ちたような屈辱感が胸に迫った。
「その言葉に嘘がないか、確かめてやる」
 宗臣は深々と花芯を刺し貫いたまま身を乗りだすようにして手を伸ばすと、夫人の左右の手首をそれぞれ縛りあげていた縄を解いた。担ぎあげていた二肢を肩からはずし、汗みずくの夫人の裸身に覆いかぶさるように巨躯を重ねる。
「……ああ……」
 続けざまのアクメに体力と気力を絞りとられた夫人は、手足の自由を取り戻してもすぐには動かすこともできない。
「こんなものはもう必要あるまい」
 しどけなく投げだされた左手を宗臣が掴みとり、夫人の眼前にかざした。細い指に嵌められた結婚指輪を抜き取ると、無造作に床に放り捨てる。
「……ああ……そんな……」
「ふふふ、愛人を囲い、おまえを供物として儂に差しだした亭主でもまだ未練があるか」
 その意地悪い言葉に、信じていた夫に裏切られ、棄てられたという思いが夫人の胸を重く締めつける。せつなくかぼそい喘ぎを洩らした夫人は、勝ち誇ったように覗きこむ宗臣の視線から顔をそむけた。
「逃げるな」
 宗臣が夫人の顔を両手で挟みこむようにしてグイと引き戻した。
「おまえはもう身ひとつじゃ。さあ、儂に仕える女となった誓いを立ててもらおうか」
「……そ、それは……もう……」
「ふふふ、服従は態度で示させる──それが儂の主義でもあり、女の躾け方じゃ」
 宗臣の親指が夫人のふくよかな唇を嬲るようにズルリと擦りあげた。
「口を開けて、舌を差しだせ。固めの盃がわりの口づけじゃ。三々九度のお神酒は儂の唾──ふふふ、たっぷりと飲ませてやる」
「……そ、そんなこと……」
 いやです──そう言おうとした夫人の顔がグンッとのけぞり、言葉のかわりに「ひいいっ……」という啼き声がほとばしり出た。有無を言わせぬとばかりに宗臣が怒張でジュブウッと花芯を抉りぬいたのだ。
「儂に仕える女の心得を教えてやる。儂は女に同じことを二度言わない。儂の言葉は常に絶対で、いやもノーもない。従う以外に選択肢は微塵もない。ためらいや反抗には必ずきつい罰を与える」
 宗臣がふたたびズンッと大きく腰を突きあげた。さあ従えとばかりに、宗臣は夫人の顔を見おろしながら、ゆったりと間隔をおいて、ジュブッ、ジュブウッと野太い怒張で花芯を深々と抉り続ける。
「……あひいいっ……ああああっ……」
 突きあげられるたびに遥子夫人は総身を揺すりたて、啼き声を噴きこぼした。子宮口を抉りぬかれるたびに腰骨が快美に灼け痺れ、脳髄が蕩けていく。次第に夫人の啼き声は長くわななくような慄えを帯び、より深い官能の色に染まっていった。
 肉の愉悦に混濁する夫人の意識の中で、これ以上底なしの官能の深みに落ちていきたくないという思いと、宗臣への畏怖が交錯する。
(……ああ……こ、こんなことを……)
 恥辱に慄えながら遥子夫人はわななく唇のはざまから桜色の舌をおずおずと覗かせた。
「もっと出すんじゃ」
 宗臣が野太い声で恫喝するように命じる。
(……ああ……)
 夫人はきつく眼を閉じるとおぞけを振りきり、グッと舌を差しだした。ヌメッとした気色の悪い感触とともに舌が分厚い唇に咥え込まれた。
(ひっ、いやっ……)
 思わず舌を引いた夫人だったが、逃れることはできなかった。追いかけるように分厚いヒルのような舌がヌルッと挿し入れられ、怯える舌を絡めとるようにしてヌプウッと吸いあげる。酒臭く瘴気のように禍々しい男の匂いがムッと口腔を満たした。
「……ううっ……」
 みずから差しだした舌をざらついた舌で吸いあげられる恥辱に夫人が苦鳴を洩らし、宗臣の巨躯に押しひしがれた裸身をせつなく慄わせる。
(ふふふ、思いのほか被虐の素地がある──)
 夫人の柔らかな舌をきつく吸いあげ、粘つく唾液を口腔深く流し込みながら宗臣はほくそ笑んだ。舌を吸いあげた途端にグジュウッと怒張を食い締める柔肉の蠢きを見逃さなかったのだ。
(儂なしではおられぬ身体に仕込んでやる)
 薄皮を一枚一枚剥ぎとるように女の堅固な防壁を崩し、ジワジワと肉の愉悦の奈落へと引きずり込んでいく──宗臣にとって初物の女を屠りあげる愉しみはまさにこの過程の中にこそあった。夫人の意志を裏切って吸いついてくる柔肉の感触を確かめるように、宗臣はゆったりと腰を使った。トロトロに蕩け、吸着力を増した女肉が怒張を最奥へと導くように蠢く──その味わいがたまらない。
「あああっ、いやあっ……ああああっ……」
 遥子夫人がたまらずに宗臣の口を振りもぎ、唾液にまみれた唇をわななかせて艶やかな声をあげて啼いた。
「……ああっ……ど、どうしてっ、お、終わりにすると……ああっ、や、約束が……んんっ、あああっ……」
「ふふふ、約束とはなんのことだ? 儂に仕えると誓って固めの口づけまで交わしたからには、この熟れた身体で儂を愉しませるのがおまえの務めじゃ」
「……そ、そんなっ……あああっ……」
 抗議の声をせつない啼き声が裏切り、夫人はクナクナと首を振った。
「ふふふ、初啼きにふさわしいいい声じゃ。下の口にも固めのお神酒を飲ませてやろう。儂の精をたっぷりとな」
「ひっ……そ、そんなっ……」
 女体の芯に精を射込まれる──身を穢されるおぞましさと妊娠の恐怖が夫人を襲った。
「い、いやですっ……そ、それだけは、絶対にいやっ……」
 夫人は裸身を激しくよじりたて、両手を宗臣の肩に押しあてて懸命に身を引き離そうとする。
「そうじゃ、本当にいやじゃったら儂の身体を突き放して逃れてみろ」
 身も世もない夫人の抵抗ぶりが宗臣にはこのうえなく愉しい。ひとしきりあらがいを引きだしておいて、腰の芯を抉りぬくような激しい抽送を加える。
「ひいっ、いやっ……ああっ、や、やめてっ、あああっ……」
 花芯から脳天に閃光が貫き、総身が灼け痺れるような快美感に夫人が啼き声を噴きこぼした。宗臣の肩を押しのけようとしていた手が夜具に落ち、ギュッとシーツを握りしめる。
「ああっ、だ、だめっ……お願いっ、や、やめてっ、んんっ、あああっ……」
 たちまち、めくるめく官能の火柱が総身にほとばしり、夫人を肉の愉悦の頂点へと押しあげていく。
「いくなよ、遥子。いまひとたび女の恥じを極めたら最後、儂の精をおまえの子壺に注ぎ込むぞ」
 言葉とは裏腹に、宗臣がここを先途とばかりにジュブ、ジュブッ、ジュブウッと怒張で花芯を抉りぬいた。
「あひいっ……ゆ、ゆるしてっ、ああっ……い、いやっ、あああっ……」
 もちろん遥子夫人はこれ以上、羞恥の極まりへと昇りつめたくはなかったし、おぞましい精の汚濁を女の源泉に射込まれることなど受け入れられるはずもなかった。
 しかし、きざしきった女肉は夫人の意志を裏切って、みずから求めるように官能の奈落へと向かって突き進んでいく。いや、ゆるして、お願いです──哀訴する声さえもが官能の色に染まり、愉悦に慄えた。
「あひいっ、だめっ、だめですっ……ひいいっ、いやあっ……」
 いやっいやっ──アクメを拒もうとするかのように遥子夫人は、しとどに崩れた黒髪を振り乱して顔を左右に激しく振りたくった。
 だが、絶頂を拒むことはできない。ズンッと突きあげられた子宮が爆ぜたかのような熱く快美な閃光が一気に脳天までを刺し貫く。泣き濡れた夫人の顔が顎を突きあげ、白い喉をさらしてグンッと折れんばかりにそり返り、末期の悲鳴を噴きこぼした。
「あひいいいいっ……」
 白い足が寝具を蹴り、汗みずくの裸身が弓なりにのけぞり返った。捧げだすように突きあげられた腰がブルブル慄え、怒張をより深く花芯の最奥へと呼び込むように宗臣の腰にググッと女の丘が押しつけられる。灼け蕩ける花芯がグジュウッと収縮し、熱くたぎる樹液を浴びせながら亀頭を捻じ切らんばかりに肉茎をキリキリ絞りたてた。
「淫らに精をねだりおって、さあ、味わえ」
 宗臣の低い唸り声とともに亀頭がググッと膨らみ、一気に爆ぜた。灼熱の精の飛沫が花芯を灼き、ドクッドクンッと脈打つように濃厚な精の汚濁が子宮に射込まれる。
「あうううううっ……」
 女肉の芯を精で灼かれるえも言われぬ愉悦に、遥子夫人は宗臣の太い腕をギュッと握り締めると、そり返っていた顔を内に折り込むように引き起こしてググッと総身を硬直させる。キリキリ奥歯が噛み締められ、息むような生臭い呻きが噴きこぼれた。突きあげた腰がビクンッビクンッと痙攣し、精の残滓を絞りとるように柔肉が淫らに蠢き蠕動する。
「……ああああああっ……」
 長く尾を引くあえかな喘ぎとともに夫人の裸身がアクメの硬直を解いていく。白く華奢な手が宗臣の腕からずり落ち、泣き濡れた顔がしなだれるようにシーツの上にガクリと落ちた。
「虚飾がすっかり剥げ落ちて、女らしいいい顔になったな、遥子」
 宗臣が夫人の顔を覗き込んでニタリと嗤った。
 その声が果たして聞こえたかどうか、夫人はトロンと潤んだ瞳をぼうっと見開き、ハアハアッと荒い息を噴きこぼすばかりだった。汗と涙に濡れた桜色の頬に数条のほつれ毛をまとわりつかせて、しどけなく開いた唇を微かに慄わせるその顔は、男に蹂躙されたはかなさとともに肉の愉悦に洗われた女の恍惚とした美しさをにじませて、神々しいばかりに照り輝いていた──。

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