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クラスで2番目に可愛いボーイッシュ幼馴染を、二泊三日の修学旅行で寝取って種付けセックス漬けにする話 2

 

第2話 幼馴染に無理やりキス責めした(一日目 金・夜)

 

 宿泊先は、京都のホテルだった。
 皆で夕飯を食べ、大浴場で汗を流す。
 そして俺は、女子の部屋にいた。
 ホテルは四人から八人くらいの部屋に分けられていて、和室タイプと洋室タイプがあった。
 俺の班は四人部屋の洋室タイプだ。部屋に戻ったところで、班の奴らが「女子部屋に行く」というのでついてきた。
「え、ぼーやんも行くの!?」と驚かれたが。

 見回りの教師に見つからないよう、こっそりと廊下を歩く。
「お、おい、ぼーやん! そんな堂々と歩いてったら先生に見つかんぞ!」
 班の奴らが焦った声で囁いてくる。
「いや、見つかんないよ」
 俺にはなぜか、その確信があった。

 集合場所は、女子の八人部屋だった。和室タイプの部屋で、すでに布団が敷かれている。別の班の男子もいるようで、その中には時田の姿もあった。
 そしてもちろん、女子の中にはアヤがいた。
 アヤは俺を見るなり目を丸くしていたが、すぐにニッコリと笑った。異性との交流に積極的になった俺を、微笑ましく思っているのだろう。
 アヤは、紺色の半袖パーカーに、黒いシャカシャカジャージという格好だった。彼女らしい、ラフな寝間着だ。パーカーはゆったりサイズなのに、アヤのこんもりした胸のふくらみが、布地を押し上げている。
 他の男子たちが、チラチラとその巨乳に視線を送っているのが分かった。時田も、その一人だった。

「たけのこたけのこニョッキッキ!」
 女子部屋でこっそり遊び始めて、二時間くらいが経った。トランプをしたり怪談話をしたりして一通り盛り上がった後、始まったのがこの謎のゲームだ。
 なぜか見回りの先生も来る気配がなく、消灯時間も過ぎて長居するうちに、皆が妙なハイテンションになってきていた。
「一ニョッキ!」
「二ニョッキ!」
「三ニョッキ!」
 皆がタイミングを見計らって、合わせた手を頭上に持ち上げて叫ぶ。別の人とタイミングが被ってしまったらそいつらの負け、というシンプルなゲームだ。敗者には、もちろん罰ゲームが用意されている。
「四ニョッキ!」
 アヤがそう叫んで、合わせた手を勢いよく持ち上げた。勢いでアヤのおっぱいが揺れ、一瞬、男たちの視線を引きつける。
 さすがのアヤもその視線に気づいたのか、顔を赤くして、ゆっくりその手を胸のあたりまで下げた。
「はい、アヤと、ぼーやんの負け~」
 俺もアヤと同じタイミングで手を上げていた。
「じゃあ、二人に罰ゲームね」
 進行役の女の子が、布団に置かれた紙切れから一枚を選ぶ。事前に全員から集めていた、罰ゲーム案だ。
「えーと……『三分間、二人っきりでにらめっこ』ってなにこれ?」
 やっぱり俺の書いた紙が読まれた。そんな予感がしていたんだ。
「とりあえず……じゃあ、してきたら?」
 進行役の子が、俺とアヤを順繰りに見ながら部屋の出口のほうを指差す。俺たちがいる寝室を出るとすぐ横に洗面所がある。そこで勝手にしてこい、ということだ。
 本来なら、男女が――それも一方は目の前に彼氏がいるのに二人っきりになるなんて、と異論が出てもおかしくない。
 しかし。
「まあ、ぼーやんだしなぁ」
「ヘンなことになるわけないか」
 と、皆つまらなそうに言うのみだ。
「んじゃ、行こっか」
 アヤも、「仕方ないなー」という表情を浮かべてはいるが、まったく警戒していない。いかに俺が、男として見られていないかが分かるというものだ。
 俺も立ち上がってアヤの後ろ姿を追う。
 寝室のふすまを開け、出入り口スペースに出る。アヤは壁のスイッチを押して洗面所の電気をつけると、ドアを開けた。「どうぞー」と目で促され、俺が先に中に入る。普通の洋式の洗面所だ。
「さてさて、じゃあしよっか、にらめっこ」
 振り返るとアヤがドアを後ろ手に閉めながら、いたずらっ子のような目で見てきた。
「するんだ、にらめっこ」
「罰ゲームだしね。言っとくけど、にらめっこは負けたことないから」
 アヤが真剣な表情で、俺の手が届くくらいの位置まで近づいてきた。
 こうして真っ正面に立つと、その身長差が分かる。二十センチメートルくらいはアヤのほうが低そうだ。くいっと顎を上げて見上げるアヤと、見つめ合う。
「――あっぷっぷ!」
 掛け声とともに、アヤがほっぺたを掴んで白目を剥いた。ベロも出している。いわゆる変顔というやつだ。まるで女子が男子にしていい顔じゃない。
 でも、そんな思いきりのいいところも、数多あるアヤの魅力の一つだ、と思う。それにすごい変顔を披露しているのに、そんな様子が無性に可愛らしい。
 たっぷり十秒ほど睨み合った後、アヤが変顔を解いた。
「ぼーやん、さすが……強いね。眉一つ動かさないなんて」
「じゃあ俺も、変顔するね」
 そう言って、俺は鼻をつまみ上げ、口をおちょぼ口にして、アヤにならって白目を剥いた。
 ちょっと前の俺なら、考えられないくらいの思いきった変顔だ。今ならもっと変な顔もできそうだ。俺はベロを出して、くいっと上に向けた。
「――ふぷっ」
 白目を剥いているので見えないが、アヤが笑いをこらえているのが分かる。
 十秒ほどして、俺も変顔を解く。
 見ればアヤは唇を必死に引き結び、吹き出しそうになっていた。
「ふぅ、はぁぁ……危なかった、まさかぼーやんからそんな変顔が飛び出るなんて」
 アヤは「あはは」と笑った。
 この時点でにらめっこは俺の勝ちなのではと思ったが、どうやら今は試合のインターバル中らしい。
「じゃあ、次は私の番だね……あっぷっぷ!」
 掛け声と同時に、アヤが頬をぷくっとふくらませた。俺もつられて頬に空気を入れてふくらませる。
 十秒ほど睨み合った後、アヤの口から空気が抜けていき、スッと無表情になった。
「ねぇ、ぼーやん」
 アヤが、俺の目と鼻の先まで、顔を近づけてくる。
「さっき、おっぱい見てたでしょ」
「ぶはっ! ちょ、なに言って……」
 思わず吹き出してしまった。動揺したからではなく、その可愛さに。
「うひひ、勝ちもらい」
 イタズラ大成功、と言わんばかりのドヤ顔でアヤはニマニマしている。
「あのな、なんてこと言うんだよアヤ」
「こんなのぼーやんにしか言わないし~」
 まるで俺のことを警戒していない顔だ。何があっても、俺とだけは変なことにはならない――そう信じきっているのが分かる。
 さてと、茶番はこのくらいでいいか。
「そうだよ、見てた」
「へ?」
 俺の言葉に、アヤが間抜けな声を上げた。
「アヤのこと、ずっと見てた」
 一歩近づく。
 それだけで、俺の体がアヤの柔らかい胸に当たる。
 間の抜けた顔でポカンと見上げたままのアヤに、俺はキスをした。
「んっ……」
 アヤの半開きの唇を、半開きの唇で包む。
 チュッという軽い吸着音がして、そのしっとりとした触感が伝わってくる。
 顔を密着させたせいか、アヤの体やうなじからは、大浴場のボディーソープやシャンプーの匂いがした。少し汗をかいているのか、ほんのり甘い体臭も漂ってくる。
 俺の大好きな匂いだ。
 三秒ほどして、アヤはやっと体を震わせた。
 ゆっくり、唇を解放してやる。
 アヤは、キスをする前の間の抜けた表情のまま、固まっていた。少しだけ、目が潤んでいる。
「ぼーやん、なんで……?」
 アヤの目には、色っぽさや恋心みたいなものは、一切宿っていない。ただただ戸惑い、信じていた人に裏切られてショック、といった感情が滲んでいる。
 見つめ合う中、廊下のほうから声が響いてきた。
『アヤー、ぼーやーん、あと一分ー!』
 ああ、二分しか経ってなかったのか。
 残り一分。気持ちを伝えるのは、後でいいか。今は、アヤをむさぼりたい。
 俺はアヤの腰に片手を回して拘束すると、もう片方の手で顎を掴んだ。
「ちょっ、ぼーやん……んむっ! んんっ、いやっ、ちょっとまっ……んむぅぅっ、ん……んちゅっ」
 無理やり唇を重ね、必死に離れようとするアヤの顔を引き寄せ、またキスをした。引き結んだ唇の隙間をこじ開け、温かいアヤの口内に舌を侵入させる。
 もぞもぞと俺の胸の中で暴れる体をぎゅうっと抱きしめれば、「あぅっ」と喉奥から悲鳴が漏れ、アヤの顎から力が抜けた。
「んちゅ、ぷぁっ……いやっ、ぼーやんやめて……冗談、きついよっ……」
 アヤの目には涙がたまっていた。ちょっとした拍子に、頬へとこぼれ落ちそうだ。
『あと三〇秒ー!』
 廊下からまた声が聞こえた。俺はまたアヤの唇に吸いつく。
「んやっ、んむ……んんっ――」
『二七ー、二六ー、二五ー……』
 ご丁寧に、皆でカウントダウンを始めたらしい。
「ぷはっ、や、やだっ、もう、なんで……んちゅうっ、んぐぅっ……ちゅろっ、ちゅぁっ……」
『一九ー、一八ー、一七ー……』
 強引にアヤの唇を押し開いて舌を滑り込ませるのを繰り返していたら、三度目からは、さしたる抵抗なく口内に到達できるようになった。
 アヤの吐息や微かな鼻息が、俺の顔を温める。口内で逃げ惑う舌に絡みつき、円を描くように舐める。
『一四ー、一三ー、一二ー……』
 漏れそうになるアヤの唾液を吸い上げ、ついでに口内に残る唾液も舐め取る。舌を上下左右に躍らせ、まだ舐めていない場所を探す。
 上顎の内側のザラザラしたところを舌でなぞると、アヤは「うっ」と苦しそうな声を漏らし、肩をビクンと震わせた。
『ラスト一〇秒ー! はーちっ、なーなっ、ろーくっ……』
 カウントダウンの声が大きくなり、妙に盛り上がりを見せる。
 
 この頃にはもう、アヤの体からは力が抜け、諦めたように目を閉じていた。
 俺は、口内の蹂躙を止め、ゆっくり唇を離す。無防備に開かれたアヤの口から、涎が一筋こぼれ落ちた。
『はい、しゅーりょーっ!』
 終わりの掛け声と同時に、アヤの体を解放する。
 アヤは濡れた睫毛をうっすら開けると、一歩、二歩、後ろに下がった。洗面所の扉を背に、息を整えている。その目は伏せられ、俺のほうを見ていない。
「アヤ、みんな不審がるから、戻ろう」
「ぼーやん、なんで……?」
 伏し目のまま、アヤが聞いてきた。その疑問には今は答えない。
「先に行くね」
 俺が一歩近づくと、アヤはあからさまに肩をビクッと震わせた。小動物のように怯えきったアヤを無視して、俺はドアを開けて廊下に出る。
 寝室に戻ると、「あれ、アヤは?」と進行役の子が聞いてきた。
 俺は、「ちょっとお手洗いだってさ」と答えた。

 しばらくして、アヤが「ごめんごめんトイレ行ってた~」と言いながら戻ってきた。
「ねぇアヤ、どうだった、にらめっこ?」
 進行役の子が、興味深そうに聞いていた。しかし、その表情には期待めいたものは浮かんでいない。どうせ何もなかったんだろう、と決めつけている顔だ。
「ああ、うん、したよ、にらめっこ……」
 なんとも言えない微妙な顔で、アヤは答えた。もちろんだが、さっきからアヤは一切俺を見ようとしない。
「あれ、アヤ泣いてる?」
 涙は拭き取られていたが、目が少し赤くなっている。時田を含め、皆の視線がアヤに集まった。
「いや、えと……ぼーやんが、笑かすから、それで……」
 涙が出るほど笑ってしまった、ということにしたらしい。
「え、ぼーやんってそんなにらめっこ強いの?」
「マジで、私もぼーやんとにらめっこしてみようかな」
 何やらアヤを除く女子たちが騒ぎ出した。
「え、あたしもしたい、ぼーやんと! 次あたしとしよーよ!」
「うわ、なんかそれエロくね?」
 男子も妙なところに食いついてきた。
「いやいや、ぼーやんは紳士なんで。そういうのやめてくれる?」
「なんでお前がフォローすんだよ」
「ぼーやんだったら狭いところで二人っきりでもいいなー。清潔感あるし、ぜっっったい、女子のイヤがることしなそうってか守ってくれそう。まさに『安心マン』!」
「俺らもしねーし!」
「どうだか~」
 アンパイマンに続き、安心マンか。つくづく女子たちから男として見られてないらしい。
「てかさ、アヤもむっちゃ強いよね、にらめっこ」
「え、アヤも強いの?」
 女子特有の話題の切り替えの矛先は、アヤだった。男子たちが、俺の話題以上の食いつきを見せる。
「変顔がすごいんだよ……ねー!」
「マジ? アヤの変顔!? 超見てぇ~」
「時田見たことあんの?」
「ねーけど」
 一瞬だけ、場の温度が下がる。すかさず女子が、話題を戻す。
「そうそう、あたし最初爆笑しすぎてさー」
「ね、想像以上に変顔なんだよねー」
 皆、やけに盛り上がっている。なんというか、深夜のテンションだ。
 まだまだ、この雰囲気は続きそうだな。
「ごめん、眠いから戻るわ」
 俺は、ゆっくりと立ち上がった。
「おー、ぼーやんにしては夜更かししたほうじゃん!」
「え、ぼーやんって早寝っ子なの?」
「いや知らんけど」
「俺ら、もうちょいいるわー」
「じゃねーおやすみ~」
「今度あたしらともしようね~」
 横目で見れば、アヤは気まずそうに横を向いている。
 俺は騒がしい和室を後にし、ホテルの廊下に出た。すでに消灯しており、薄暗くなっている。
 歩きながら、考える。
 アヤに、無理やりキスをした。恋人同士がするような、激しいやつだ。それも強引に、何度も何度も。
 死ぬほど、興奮した。あの柔らかい体と、湿った唇の感触を思い出す。
 以前の俺だったら、仮にキスがしたくて仕方なくても、密室に二人きりになっても、絶対にしなかっただろう。
 アヤを傷つけてしまうのが怖い、自分が傷つくのが怖い――そういう理性が働いて、行動には移さなかったはずだ。
 それが、今はなんの抵抗感もない。
 ずっと育んできたアヤとの関係性が、一気に崩れたかもしれないのに、微塵も動揺していない。
 なんでか、確信があるからだ。この行動は一つも間違っていないという確信が。
 多分、これは「神様」に授けられた力なのだろう。アヤ限定で発揮される力。アヤを最短ルートで手に入れる方法が、なんとなく分かる。
 俺は自分の部屋に戻ると、アヤにメールをした。
『さっきは突然ごめん。アヤに大事な話がある。俺の部屋に一人で来てほしい。三〇七号室』
 普通、無理やりキスした男の部屋に、一人で来るなんてあり得ないだろう。
 でも、必ずアヤは来る。なぜかそれが分かってしまう。
 アヤはキスをされているときも、された後も、「どうして?」と聞いてきた。
 どうして、ぼーやんが?
 どうして、いつも優しかった幼馴染が?
 どうして、こんな酷いことを?
 どうして、どうして――。
 そんな疑問に、俺は答えなかった。

 ――答えを、知りたい。
 このままだと、ぼーやんとの幼馴染としての関係が崩れてしまうかもしれない。
 それは嫌だ。ぼーやんとは、これまで通り心の許せる友達でいたい。
 きっと、あのキスには何か理由があったに違いない。
 もしかしたら……自分のことをずっと好きだったのかもしれない。
 大丈夫。
「大事な話がある」っていうくらいだから、部屋に行っても酷いことはしないはず。
 そう信じたい。
 人の嫌がることをする人じゃない。
 少しすれば、同じ部屋の男子たちも戻ってくるだろうし。
 大丈夫。
 大丈夫。
 だって、ぼーやんだから。

 そんなアヤの思考が、今の俺には手に取るように分かる。分かってしまう。
 アヤは、人に嫌われるのが大の苦手だ。
 誰にも嫌われたくなくて、ついついなんでも受け入れてしまうところがある。アヤの数多ある魅力の一つであり、数多ある弱点の一つだ。
 ピコンとスマホが光り、アヤからのメールを受信した。

『今から行くね』

 

(第3話は4月17日配信予定)