クラスで2番目に可愛いボーイッシュ幼馴染と、お泊まり溺愛セックスで蕩けあい二人だけの永遠のハッピーエンドをつかみ取る話

著者: 月見ハク

電子版配信日:2023/11/24

電子版定価:880円(税込)

シチュエーション

ボーイッシュ幼馴染・南鳥アヤと最高の未来を築きたい!
二人で決めた、合格発表までのつらすぎる禁欲生活の先に、
募る欲望をぶつけあうお泊まり種付けセックスが待っている!
どんな障壁が立ちはだかろうとも俺はアヤを守りつづける。
そして桜の舞い散る卒業式、俺たちはついに運命の決断を──
No.1超人気イチャラブラノベ、永遠不滅のグランドフィナーレ!

目次

第64話 幼馴染と一緒にバイトをした(六十五日目 土・午後)

第65話 幼馴染をロッカールームに連れ込んだ(六十五日目 土・夕方)

第66話 仕掛けてきた幼馴染とロッカールームで交わった(六十五日目 土・夜)

第67話 幼馴染のご奉仕に腰が抜けそうになった(六十五日目 土・夜)

第68話 月明かりの帰り道を二人で歩いた(六十五日目 土・夜)

第69話 【アヤ視点】大事な友だちと引っつき合った(七十二日目 土・午後)

第70話 【アヤ視点】水の中で大切な恋人に会いたくなった(七十二日目 土・午後)

第71話 幼馴染と懐かしい中学校を訪ねた(七十九日目 土・午後)

第72話 誰も来ない教室で幼馴染をわからせた(七十九日目 土・午後)

第73話 もう幼馴染の距離には戻れなくなった(七十九日目 土・午後)

第74話 妖艶な幼馴染に図書室で我慢をした(九十二日目 金)

第75話 幼馴染に図書室でイタズラをした(百二日目 月)

第76話 クリスマスイブに幼馴染のキスを浴びた(百十八日目 水・夜)

第77話 幼馴染からほろ苦いバレンタインチョコをもらった(百六十九日目 金・夕方)

第78話 幼馴染の家で心も体も深く繋がり合った(百六十九日目 金・夕方)

第79話 泣き虫な幼馴染の全部を受け止めた(百六十九日目 金・夜~朝)

第80話 卒業式で二人だけの未来をつかみ取った(百九十七日目 金・午後)

登場人物

あや

本編の一部を立読み

第64話 幼馴染と一緒にバイトをした(六十五日目・土 午後)

 路線バスの振動で、目を覚ます。
 眠気まなこでぼーっと外を眺める。朝の肌寒い空気で、過ぎていく街並みが透き通って見えた。
 今日は十一月初旬の土曜日。もう本格的な秋だ。
 バスの中には緩めの暖房がかかり、外よりもあたたかい。
 それが眠気を誘ったのだろう。ついうたた寝をしてしまい、アヤの夢を見ていたようだ。
 夢の中でも相変わらず可愛くて、俺は何度も心を射抜かれた。
 アヤの田舎に行き、婚約指輪を渡してから二週間が経つ。
 
 俺は、胸板にコテンと寄りかかっている茶色い頭を優しく撫でた。その左手の薬指にはめられている指輪にも、そっと触れてみる。
「んぅ」
 アヤが、可愛いうめき声が発した。
 俺の胸の中からゆっくりと起き上がり、その茶髪のショートカットがふわりと揺れる。
「アヤ、おはよう」
「う゛ぅ……おはよ。……私、寝ちゃってた?」
「幸せそうにね。もうちょっと寝てたら?」
「……起きる。そろそろバイト先、着いちゃうし」
 アヤがこちらの席に身を乗り出して、窓の外を睨みつける。
 その目線の先に、彼女がバイトをしている結婚式場の屋根が見えた。
 リョウジ叔父さんの中華レストランにストーカーが現れて以来、アヤはお店の手伝いに行っていない。リョウジさんが「繁忙期じゃないから」と手伝いをお願いしなくなったからだ。
 彼女にまた危険が及ばないようにという配慮だろう。
 多分アヤもそれに気づいていて、最近はリョウジさんの店の話題を出さなくなった。
 まあ、彼女としては以前「初恋はリョウジさん」と明かしているので、俺に話すのが少し気まずかったりもするのだろう。
 でも俺が平日はずっと姉貴の現場でバイトをしているのを知り、「私もバイトしたいな」とこぼすことがあった。
 そんな彼女から「結婚式場でバイトしたい」と言われたときは少し驚いた。アヤは中華レストランの白いコックコート姿が様になっていたし、もうちょっとこう……体育会系というか、チャキチャキした感じのバイト先を選ぶと思っていたからだ。
「ぼーやん、メイク取れてない?」
 窓の外を見ていたアヤが不意にこちらを向いた。
「うっ……」
 真っ正面から見る彼女の可愛さに、変な声が出てしまう。
 比較的童顔だったはずの顔は、うっすらナチュラルメイクが施されているせいで整った目鼻立ちが強調されていた。式場スタッフとしての身だしなみらしい。
 本当にアヤは化粧で様変わりする。
 うっすらとしたメイクなのに、もともとの「愛嬌のある可愛さ」に「美人」が上塗りされてしまっていた。
「ちょっとぼーやん、『うっ』て何よ、『うっ』て……」
 アヤが馴れ馴れしく俺の肩をポテっと叩く。むっとした表情も、これまた可愛いらしい。
 バイト先でもさぞかし多くの男を惑わせてしまっているのではないかと、いらぬ心配をしてしまう。
「……メイクは取れてないよ。まあアヤはすっぴんくらいがちょうどいいとは思うけど」
「なんじゃそりゃ」
 アヤが眉間にシワを寄せて不満げな顔を作る。
「化粧すると、アヤは美人になるから」
「うっ……」
 茶化すでもなく事実を淡々と伝えると、彼女の口から変な声が漏れた。

 バスを降りて、式場までの道を並んで歩く。高台への坂道を少し上ると、あたりの景色は閑静な住宅街から緑豊かな木々に移り変わる。
 ふと、前を歩くアヤが振り向いた。
「今日、お手伝い来てくれてありがとね」
「いいよ、ちょうど姉貴の現場も休みだったし」
 にっこり笑う彼女に、俺も笑みを返す。
 そしてつい、今日のアヤのコーディネートに見惚れてしまう。
 オーバーサイズの白い長袖のロングスウェットを膝上あたりまで伸びていて、その下に黒いタイトジーンズを穿いている、シンプルな装いだ。
俺が着てちょうどいいくらいに大きなスウェットは、肩の位置が落ちているのに首元は締まっているから多分こういうデザインなのだろう。確かドロップショルダーと言うのだっけか。
 姉貴の現場で見たことがあるから、もしかしたら姉貴がアヤに勧めたのかもしれない。
 だからだろうか、ボーイッシュな雰囲気なのにすごくオシャレな感じがする。白と黒のシンプルな色使いが、彼女の健康的な魅力や……そこはかとない色気を引き立てている。
 相変わらずオーバーサイズでダボッとしているのに、胸元はこんもりと膨らみアヤの巨乳を隠せていない。
「助かるよ~、今日は式が三本も入ってるのに休む人が多くてさ」
 彼女の妙に楽しげな声に、意識を引き戻される。
 俺を見つめたまま、坂道を器用に後ろ向きで歩いている。高低差で目線の高さが合う。彼女が合わせているのかもしれない。
「そういうアヤだって今日は休日出勤でしょ」
 眉を上げ、言外にお人好しだねというメッセージを込める。
「うんまあ、でもみんな困ってたし……」
 俺は基本的に土日のバイトは入れていない。週末は彼女と過ごすと決めているからだ。
 それはアヤも同じなのだが、人手不足で困っているバイト仲間を放っておけなかったらしい。
 誰彼構わずフレンドリーで、悪く言えば人目を気にする八方美人。
 頼まれると、つい笑顔で応じてしまう。
 そんな面倒な性格も、俺から見れば数多ある魅力の一つだ。
「みんなの助けになるよう、俺も頑張ろうかな」
 彼女が一番喜ぶだろう言葉を選ぶ。案の定、太陽のような笑顔が返ってきた。
「ありがとう」
「どういたしまして」
「分からないことあったら、なんでも聞いてね」
 得意げな笑みを浮かべるアヤが面白い。バイトを始めて一週間ちょっとなのに、もう先輩風を吹かせている。
「よろしく、アヤ先輩。新人としていろいろ教えてもらうよ」
「んふ、いいよ~新人ぼーやんくん……じゃなくて、シンボーくん」
 アヤが自分で命名したあだ名に「ふくくっ」と吹き出しそうになっている。相変わらず妙なところに笑いのツボがある子だ。
 でも、こんなに楽しそうに笑ってくれるなら、俺の名前なんていくらでもいじってもらっていい。
「じゃあそっちはアヤパイね」
「んなっ」
 小学生男子の下ネタのような命名にアヤがうろたえる。
「なにか変?」
「うっ……それ、あんまり人のいるところでは……」
「言わないよ」
 立ち止まり、彼女の頬にそっと手を添える。
 すると両眉を上げたアヤが、すぐにふんわりとした笑みを浮かべた。
「……知ってる」
 ――だって、ぼーやんだもんね。
 お陽さまのように温かい頬から、心の声が伝わる。
 丘を撫でるような風が吹き、彼女のショートカットの髪がさらさらと揺れた。
 どうしてこんなに心が温かくなるのだろう。
 ただ道端でくだらない、何の変哲もない会話をしているだけなのに。
 愛おしさと多幸感に体が満たされ、それなのに全然足りない。
「早く行こうか。このままだとアヤを押し倒したくなる」
「なっ、えぇっ……!?」
 スタスタと前を歩く俺に、アヤが慌てて付いてくる。
 どちらからともなく距離が近づき、肩や二の腕が当たってしまう。まるで互いの半身が磁石になったみたいだ。
 本来なら、今日は遊園地にでも行って、午後はいやというほど彼女を抱くつもりでいた。
 今こんなにアヤに欲情してしまって、果たして俺はバイト終わりまで我慢できるのだろうか。
 まあ、でも。
 アヤの働く姿をじっくり見られて、おまけに一緒に働ける機会なんてのもそうそうない。
 これはこれで、俺にとっては充実した一日になる気がする。
 結局は、そばにアヤがいればなんでもいい。

 ◇

 自然に囲まれた式場は、かなり大きかった。チャペルや披露宴会場、宴会場にレストラン、広い中庭までが併設された大規模な複合施設らしい。
 その一角、スタッフエリアに入るとすでに多くの従業員が忙しなく準備に追われていた。
「じゃ、また後でね」
 女性従業員用のロッカールームに消えていくアヤを見送っていると、バイトのリーダーっぽい人に速攻で男性用ロッカールームに連行される。
 ロッカールームにはクリーニング済みの制服が何着も並んでいた。バイトも全員これを着用するらしい。
「君は……一番大きなサイズだね」
 用意された長袖のワイシャツを着て、黒いベストに袖を通す。腰に黒いサロンを装着すれば着替え完了だ。鏡の前で黒い蝶ネクタイを付けていると、リーダーっぽい人と鏡越しに目が合った。
「君は南鳥さんの彼氏さん?」
「はい」
 端的に答えると、彼の目が見開いた。
 その顔がアヤの従兄――ハルくんのものと重なり、ほんの少し緊張する。
 だが、リーダーっぽい人はすぐに表情をゆるめた。
「そっか。休日に悪いね~、助かるよ」
「いえ、どうも」
 てっきりけん制でもされるのかと思っていたから拍子抜けした。
 アヤが世の男を誰彼構わず魅了してしまうなんて考え過ぎ、とは思わない。彼女の魅力を一番知っているのは俺なのだから。
 決して油断はしない。過剰なくらいに警戒するのがちょうどいいだろう。

「じゃあぼーやん君、みんなに簡単な挨拶よろしく」
 現場の責任者っぽいおじさんに、いきなりあだ名で呼ばれドキリとする。事前にアヤが俺のことを紹介してくれていたのだろう。
「えっと、今日一日ですが精一杯頑張りますので、よろしくお願いします」
 一礼してから集まった式場スタッフたちを見回せば、その中に一際笑顔のアヤがいた。
 思わず息を呑む。
 彼女は他のスタッフと同じ、白い長袖ブラウスの上に黒いベストを着て、腰に黒いサロンを付けている。まるで高級レストランのホールスタッフのようなキリッとした出で立ちだが、薄い化粧で整えた今のアヤにはよく似合っていた。
 ショートカットを後ろで結び耳とうなじを露出させているが、やはりメイクのせいか可愛さよりも綺麗さ、いや格好よさが際立っている。
 多分、下着か肌着かで胸元のボリュームを押さえ込んでいるから、より美人顔のほうに目が行ってしまうのだろう。それでもなお、豊満な膨らみを隠しきれてはいないようだが。
 ぼーっとその姿を眺めていると、彼女が片方の眉だけを上げた。なにやら不敵な表情だ。
 あれは「がんばってね」……いや、あの顔は「がんばれよ?」だろうか。
 これから勝負でも仕掛けてきそうなアヤに、俺は吹き出しそうになってしまった。

 彼女の挑発的な表情のとおり、現場は戦場だった。
 指示されるままに式場内を歩き回り、披露宴会場でテーブルやイスをセッティングし、中庭にもテーブルを運び出す。想像以上の肉体労働だった。
 そうこうしているうちに、最初の式の来賓たちがやってくる。スタッフは人手が少なく基本的にはてんやわんやで、アヤとも何度かすれ違ったものの話しかける余裕などなかった。
 彼女と一緒に結婚式を眺めるのもいいなんて思っていたが、俺たちのような新米は基本的には会場のセッティングや披露宴の給仕が主な仕事なので、そんなロマンチックなひとときもない。
 運搬作業をし、会場内で来賓をテーブルに案内したり、飲み物を注いだりしているうちに午前も午後も過ぎていった。
 やっと一息つけたのは、二組目の中庭での立食パーティーだ。ウェディングドレス姿の花嫁とタキシードを着た花婿の周りに、大勢が集まっている。記念撮影が始まり、新郎新婦が恥ずかしそうに手の甲をカメラに向ける。
 そんな幸せそうな光景を、俺たちスタッフは離れて待機しながら眺めていた。もう少ししたら三組目の披露宴が始まるので、それまで束の間の休息だ。
 中庭を見回すと、少し離れたところにアヤがいた。彼女も新郎新婦に視線を送っている。仕事中なのでいつもより澄まし顔だが、口元はほころび、やんわりと目端を下げていた。
 その嬉しそうな顔をずっと眺めていたいが、ここは俺もアヤと同じものを見ることにする。
 すると秋の乾いた空気を通して、彼女の温かい気持ちが伝わってきた。
 肌寒い中庭にいるのに体の芯がポカポカする。
 不思議と、心の底から新郎新婦を祝福したくなってくる。
(おめでとう。幸せに)
 ふと俺の心と、アヤの心の声が重なった気がした。

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