07/25 電子版発売

許嫁になったダウナーギャルが毎週ヤられにくる話2

著者: 月見ハク

電子版配信日:2025/07/25

電子版定価:880円(税込)

顔の良すぎるダウナーギャル・佐原美玖は俺の許嫁。
子作りセックスのため、家に通ってくれる日々で、
徐々に俺にデレ始めている美玖を何度もイかせて通い合っていく心。
そんな中ついに二人で帰省し、振り袖姿の美玖と迎えた結納式。
実家の猫が幼い頃の記憶を呼び起こし、二人の絆に更なる変化が?
ズレた心が惹かれ合う最高のイチャエロラノベ! 全編書き下ろし! 

目次


一話 ダウナーギャルにお礼をしてもらった

二話 待ち望んだ訪問 ~五度目の生ハメセックス

三話 ダウナーギャルをイき狂わせた

四話 突然のしらせ

五話 ダウナーギャルと田舎に帰省した

六話 交わる記憶

七話 息をひそめて求め合う二人 ~六度目の種付けセックス

八話 ダウナーギャルと初めてデートした


本編の一部を立読み


一話 ダウナーギャルにお礼をしてもらった



 冷めたホットティーの香りがリビングに漂っている。
 築10年のマンション、五階角部屋1LDK。独り身の俺が住むマイホームは今、甘い花蜜のような匂いで満たされていた。
 ちょっと高めの紅茶の香りだけではない。隣に座る女の子から放たれる、フェロモンとしか言いようのない匂いが俺の心臓をドクドクと高鳴らせる。
「……おじさん、この問題も見てもらっていいすか?」
「あ、ああ、積分法だねっ」
 教科書を差し出され、意識を鼻腔から脳へと切り替える。
 ふんわりとした陽光に包まれた土曜の昼下がり。俺は今、制服姿の美少女に勉強を教えていた。
 ソファーではなくカーペットの上に並んで座り、ローテーブルの上には数学の教科書や参考書が広げられている。
 教科書に視線を落とすと、彼女もわずかに体を寄せてきた。数センチ近づいただけで柔らかい二の腕が当たり、ローテーブルの上で肘と肘がくっつく。
 彼女のサラサラした髪が揺れ、甘い香りが濃くなる。つい一カ月ほど前までアラサー童貞だった俺には強すぎる刺激だ。
(う……美玖が可愛すぎて問題に集中できない)
 佐原(さはら)美玖(みく)。
 彼女は家庭教師の生徒とかではない。家同士が決めた、許嫁だ。
 ちらりと視界の端で美玖を盗み見る。
 セミロングの薄い茶髪は毛先がゆるくうねっていて、顔立ちはモデルのように整っている。化粧をしていないのに、まるで雑誌やテレビから飛び出してきたみたいな美貌だ。
 ほんのり気の強そうな目尻は、安易に男を寄せ付けない雰囲気を醸し出している。無表情なのにどこか気だるげな、いわゆるダウナーギャルというやつだ。
(やっぱ顔小さいなぁ……)
 無愛想とミステリアスの中間のような存在感は、街ですれ違っても声は掛けられないものの、ずっと目で追ってしまいたくなる魅力を孕んでいる。
 そして極めつけは、近くにいるだけでドキドキしてしまうほどの色香だ。
 細身の体に似合わない豊満なバストのせいもあるだろう。彼女いわくGカップという巨乳が、今にもローテーブルの上にたぷんと乗っかりそうだ。
 おまけに白いブラウスはボタンが二つ外れていて、豊満な谷間をのぞかせている。ブラウスよりも白い乳房は、直にさわると手が吸い付いてしまうほど柔らかくて、それでいて指を押し返すような弾力もある。男の理想を詰め込んで膨らませたようなおっぱいだ。
 昨日何度も揉んだからか、今も手のひらにその触感が残っている。
 正直、勉強を見始めてからの小一時間、俺は勃起しっぱなしだ。
「……難しいっすか?」
 鈴を転がしたような、それでいて低音の響きもある独特な美声が、耳をくすぐる。その声色に申し訳なさがにじんでいて、俺は慌てて首を振った。
「い、いやごめんっ、美玖の横顔がっ」
「……横顔?」
「可愛くて、つい……ごめん」
 三十路のおっさんに覗き見されていたなんて、今どきの若い女の子なら鳥肌ものだろう。しかし美玖は「そっすか」と小さくつぶやいただけで、特段興味もなさそうに教科書へ顔を戻した。
 いや、よく見ると彼女の視線が俺の胸元あたりを向いている。すん、すんと匂いを嗅いでいるようだ。
 その仕草があまりに可愛くて、思わず抱き締めそうになる。だが今は勉強の時間だ。煩悩に任せて押し倒すなんて、若いチャラ男のすることだ。俺は三十路、アラサー、つまり大人。
「せ、積分は計算ミスしやすいんだよね。でもミスするところってだいたい決まってるから、そこに注意すれば大丈夫だよ」
 平静を装い、問題の適切な解き方を教えていく。説明をしながら赤いボールペンでポイントを書いていくと、彼女がそれをじいっと目で追う。
 ギャルの風貌に見合わず──なんて言ったら怒られそうだが、美玖は意外にも勉学に対して真面目だ。
 ──親に心配かけたくないんで。
 勉強を教え始めたとき彼女はそう言っていた。
 美玖は父親のいない母子家庭で育ったらしい。俺と許嫁になったのも、女手一つで育ててくれた母親に楽をさせたいという思いもあるのだろう。
 そう考えると少し悲しくなるが、数年前に両親を亡くした俺にとっては、彼女のそういうところもひっくるめて好感しかない。
「じゃあ、この点に注意して次の問題を解いてみて」
「……ん」
 美玖がすらすらと問題を解いていく。彼女は飲み込みも早いようだ。
「すごいね、もう完璧だよ」
「……おじさんが、教え方うまいんす」
「そ、そうかなっ。いやずっとSEやってるとさ、クライアントとか引き継ぎの人に分かりやすく仕様とか伝えなきゃいけなくて、自然と上手になったっていうか……はは」
 いかん。美玖に褒められてつい調子に乗ってしまった。
 おっさんの自慢話など聞くに堪えないだろうに……彼女は「そーなんすね」とふんわり口角を上げた。馬鹿にしているのではなく、素直に感心しているという感じだ。ほとんど無表情ながらそれがしっかり伝わってくる。
(くそっ、可愛すぎる……!)
 女の子に、それも美少女ギャルにこんな態度を取られたのは初めてだ。免疫がなさすぎてどういう顔をしていいのか分からない。どんな反応をしてもキモくなってしまいそうだ。
「あ、暑くなってきたねっ、窓開けるよ!」
 変な汗でTシャツがビショビショになる前に、俺は立ち上がった。今日の気温は21度らしいが体感では30度以上はある。
 リビングの全面窓を半分ほど開けると、すうっと春の爽やかな風が流れ込んできてカーテンを揺らした。
 気づかれないよう深呼吸をして心拍を整える。
 窓ガラスに、座ったままの美玖が映りこんでいた。ガラスの反射越しに彼女を見つめる。
 ──あなたに許嫁ができたのよ。
 一カ月ほど前、田舎の叔母さんから突然言われたときのことを思い出す。
 顔合わせで初めて美玖に会ったときは本当に驚いた。なのに俺ときたらその日に家へ連れ込んで中出しセックスをして……。以来、彼女は毎週金曜日、種付けされにここへやって来る。
 およそ若い女の子の行動とは思えないのだが、こうして勉強を教えたり制服姿を見たりしていると彼女は学生なのだと実感する。そんな子に好き勝手中出ししているのだと思うと、興奮と背徳感でムラムラしてしまう。
 だが、今日は土曜日だ。
 特にルールを決めたわけではないが、なんとなく金曜日以外に手を出してはいけない気がしているのだ。
 というか、今日は金曜じゃないんで、なんて断られたらしばらく立ち直れない。
「……」
 窓に映る俺は、どこからどう見ても冴えないおっさんだ。第三者が指摘しなくても、俺と美玖とでは不釣り合いなのが一目で分かる。
(ほんと、なんでこんな俺の許嫁になってくれたんだろうな)
 俺の人生最大のミステリーだ。だが不思議と、近いうちに理由が明かされるような予感もしていた。
 ふと、美玖がこっちを見ているのに気づく。
 その視線は窓の外というより、俺の背中に向けられていた。
 くすぐったい視線に思わず背すじを伸ばしていると、彼女の口がうすく開く。
「そろそろ、帰るんで」

 スタスタと廊下を歩く美玖を追う。
 昨晩一緒にローションを洗い合った風呂場の前を通り過ぎ、玄関へと向かう。
 彼女は立ったまま前屈をすると足元の靴をそろえた。
(体、柔らか……)
 スカートから伸びる、黒っぽいストッキングに包まれた太ももに目が釘付けになる。昨日のセックスで破いてしまったので、今穿いているのは替えの新品だ。
 靴のつま先をトントンと鳴らしてから、美玖が無表情で振り返った。
「勉強、教えてくれて……ありがと」
「ああうん、明後日のテスト頑張ってね!」
「いえ、ゴールデンウィーク挟むんで、テストは水曜っす」
「あ、そうなんだ、そっかゴールデンウィークか」
「今気づいたんすか?」
「あーそうだね、在宅で仕事してると季節とか月日の感覚がどうも曖昧で」
「……忙しいんだ」
 美玖は考え事をするように目を伏せると、少ししてから長いまつ毛を開いた。
「おじさん、何かほしいものあります? 今からちょっと買い物に行くんで、そのついでに」
「えっと、ほしいもの?」
「……勉強教えてくれた、お礼っていうか」
「それってプレゼントってこと……!?」
「まあ……そっすね。なにがいいすか?」
 彼女はおもむろにスマホを取り出し、画面に指を置いた。俺のリクエストをメモするつもりなのだろう。
 たかが勉強を教えたくらいで律儀な子だ。でも美玖が俺にプレゼントをくれるというならぜひ頂きたい。何を貰っても生涯で一番喜ぶ自信がある。おっさんはチョロいのだ。
(でもプレゼント……プレゼントかぁ)
 ほしい気持ちはありつつも、なんとなく貸し借りみたいになるのも嫌だなと思った。
 美玖は俺にとって大切な許嫁だ。見返りがほしくて勉強を見たわけではない。というか俺に対して遠慮してほしくない。なんならうちに来たときや俺といるときは、我が物顔でわがままを言ってほしいくらいだ。
 だけど何もいらないなんて言ったら、せっかくの彼女の厚意を無下にすることになる。だったら──。
「プレゼントって、今もらえたりできる?」
「今っすか?」
「そう今」
「……上げられるもの、あるかな」
 美玖がバッグを開き、中を吟味し始める。
「いや物じゃなくて、行為っていうか……っ」
「……マッサージ、とかなら」
「え、マッサージ?」
 俺の中で完全にエロと直結しているそのワードに、股間がぐぐっと硬くなる。
「よくお母さ……親に、やってるんで。肩揉むくらいっすけど」
 いやらしい発想しかできなかった自分が恥ずかしい。俺が今そういう想像をしたことは絶対伝わっているだろう。なのに顔色一つ変えない美玖が、相変わらず謎だ。
 彼女は俺に対して一度も嫌悪感を示したことがない。そして俺の頼みも、ほとんど断らない。ならば。
「マッサージも、めちゃめちゃ魅力的なんだけど……そのっ、できればキス、したいな~なんて」
 自分の口調のキモさに鳥肌が立ちそうになる。でも美玖はやっぱり表情を変えない。
「……それ、お返しになるの?」
「なるよ! 美玖さんとキスできたらすごく嬉しいっ!」
 勢い込むと、彼女は怪訝そうに眉間にシワを作り、やがて俺の胸元をじっと見つめた。
「ならまあ、いいっすけど……」
 ほんのり瞳を揺らす美玖にドキリとする。心臓がありえないほど早鐘を打ち始めた。
 キスなんてこれまでセックスの最中にたくさんしてきたっていうのに、セックスの熱に浮かされていないときのキスがこんなに恥ずかしいなんて……知らなかった。
「じゃ、じゃあ、するね」
「……目、閉じたほうがいいっすか」
「あ、うん」
「じゃ……どうぞ」
 彼女がすっとまぶたを閉じる。
(これが、美玖のキス待ちの顔)
 想像以上の可憐さにクラクラしてしまう。気の強そうなダウナーギャルが、俺の前で無防備になっているという破壊力がやばい。元から綺麗な顔が今は数倍増しに見える。
 まるでじっとご褒美を待つ少女のような表情に、愛おしさがこみ上げてきた。
「ン……」
 吸い込まれるように唇を重ねると、彼女の喉奥から可愛い音が聞こえた。
 探るように柔らかい感触を押してみる。しっとりとした唇が、吐息とともにうすく開いた。
「ん……ぁ、ンッ……」
 歯列のあいだから小さい舌先が伸びてきて、俺の舌先と触れ合う。そこで初めてチュとキスの音がした。
「んっ、ぇ……ぁ、あっ……ぁッ」
 おっかなびっくりと舌先の接着面が増えていく。互いの顔がより近づき、舌が根元のほうまで絡まる。くちゅくちゅと唾液のかき混ざる音が脳内を満たし、静かな玄関に反響する。
 セックスのときの非日常的なキスとは違う。お互い服を着ていて、ここは玄関先で、美玖は制服姿でこのあと予定もあって──そんな日常の中でとんでもなくエロいキスをしているのだ。頭が沸騰するような高揚感で、ぼうっとしてくる。
(気持ちいい……やめたくない)
 いつしか俺は彼女を抱き寄せていた。豊満な胸を体の前面で味わい、硬直した股間を彼女のお腹あたりに押し付ける。
「ん、ちゅ……んっんッ……はぁっ、ぁっ……」
 息継ぎのタイミングで唇が離れる。鼻先が触れ合う距離で見る美玖の顔は、ほんのり赤が差していて、続きをしてもかまわないと言っているようだった。

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