孤閨の時間を過ごす美しすぎる母・千恵子。
少年の日、亡き父との情交を見て以来、少年は、
千恵子への禁断の思慕を捨てたことはなかった……
性の衝動に突き動かされるように二人は一線を越える。
背徳の行為と知りながら恋人のように交わる母と子。
許されることのない倒錯の純愛劇が幕を開ける……
ちえこ(32歳)実母
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「……お、お母さん……」
母の腕が首に巻きつき、母の頭が胸に押しつけられ、熱くほてった太腿がむきだしの腿にからみつき……文昭の全身に母の全身がすがりついているのだ。そして……いつの間にかブリーフの中のものが、まぎれもなく勃起してしまっていたのだ。心臓が早鐘を打ち、喉がつまった。
「こわいの、あたし……」
千恵子の唇がそう呟きながら首筋から顎へ這いあがり、文昭の唇を探り求めた。唇がかすかに触れた瞬間、千恵子はおおいかぶさるようにして、文昭の唇に自分の唇を思いきり押しつけていった。あっという間に押し開かれ、千恵子の舌がかられるように文昭の舌にからまりつく。
文昭の胸の上に乳房がつぶれ、腰骨に下腹がこすりつけられ、勃起が腿に押しつぶされた。
「こわいの……抱いて……思いきり抱きしめて……」
文昭の唇に必死に吸いつきながら、とぎれとぎれに、うなされたように千恵子がいう。文昭はいわれた通り、母の背を両腕いっぱいに抱きしめた。
何が何だかわからなかった。しかし母の必死さ、おびえだけは痛いほどわかった。文昭はそんな母を愛おしさをこめて抱きしめ、唇を吸いかえしていた。だが……頭の片隅には、勃起が下半身のおぞましい反応のことが、こびりついてはなれない。
思わず腰を逃がそうとすれば、母の脚が追い、執拗にからまりついてくる。母の内腿の熱くなめらかな肌が、素足に吸いつくようにからみつき、勃起がいやが上にもきばりきる。
風が、雨が、雨戸をぶち破らんばかりに叩きつけるたびに、おおいかぶさった母の裸体が、ピクッピクッとふるえて、ひときわ必死にすがりついてくるのがはっきり感じられた。
千恵子は、がむしゃらにすがりつき、がむしゃらに唇を求めた。身体と体にほんの少しでも隙間ができるのを恐れるかのように……。
何も見えない闇の中で、聞いたことのないような恐ろしげな猛り狂った暴風雨のうなりに押しつぶされそうな闇の中で、皮膚の感覚以外に文昭を求める術はない。身体と体をすり寄せ、押しつけあう以外に文昭を感じられる術はないのだ。全身に、それこそ髪の毛先から足の爪先にまで文昭を感じたかった。ほとんどはだけてしまったバスローブも、薄いナイロンのパンティさえもが、じれったい。
千恵子は、片腕を文昭の首に力いっぱい巻きつけ、唇を唇に押しつけたまま、もう片方の手でヒモをほどき、バスローブをほてった身体からはぎとり、そして……下腹をかろうじておおっていた小さな布地をも、もどかしげに押しさげ両脚から抜きとっていった。
千恵子は、全裸の身体を、戦慄にとぎすまされた裸身を、文昭の全身におおいかぶせ、あらん限りの力で押しつけ、こすりつけた。
大地がうなり、ミシッミシッと木立の折れる音が闇を震撼させる。張りつめた全裸の肌には、文昭の熱い肌をさえぎるTシャツとブリーフが、いたたまれないまでにもどかしかった。
文昭の背にまわった千恵子の手は、爪を立てんばかりにTシャツをめくりあげ、返す手でブリーフのゴムをつかんでいた。
「あっ……お母さん……」
舌を差し入れられた不自由な文昭の口が、もがくように抗った。
「……いいの……わかっているの……いいの……おねがい……」