本販売日:1995/05/23
電子版配信日:2010/06/11
本定価:535円(税込)
電子版定価:660円(税込)
ISBN:978-4-8296-0621-6
息子の前で白い柔肌に映える黒い下着を脱ぐ。
母から手渡された黒下着に顔を埋めて匂いに酔う
母として女として、羞恥の極にありながら、
仁美の裸身は火照り、濡れ、牝香を発散していく。
ブラもパンティもガーターもすべて黒が好きな母と子。
倒錯の夜を彩るベールが落ちると、二人は狂った獣に……
まりこ(34歳)実母
あけみ 年上女(若)
きょうこ 実母
ひとみ(36歳)実母
本編の一部を立読み
「お母さん!?……」
母の下着写真を見ながら、とびきり濃厚な匂いの染みついた黒いパンティに鼻を埋めて、これからオナニーしようとしていた時だった。いきなり部屋に入ってきた仁美に動転して、純平はベッドの上で跳ね起きた。写真と下着を焦り狂って布団の下に押しこむ。
「な、なんだよ。ノックもしないで、人の部屋に……あんまり遅いから、先に寝るところだったのに……」
言いながら顔をあげて母を見た。純平は驚きのあまり、目を見開き、言葉を失った。
あろうことか、目の前の母は、無言のままその場で着ているものを脱ぎはじめているではないか。
顔を伏せ、ニットのワンピースを両肩から落とし、両腕を抜いて胸を露わにし、両手で押しさげていく。まるで薄い皮から剥きでるように、身体にぴっちりとはりついたようなワンピースから白い肌がのぞき、黒いブラジャーに包まれた乳房が、黒いガーターベルトと黒いパンティに飾られた下腹部が露わになっていく。
押し黙ったまま、腰のあたりで丸まったワンピースを、黒いストッキングに包まれた脚の上を滑らせ、前かがみになって両脚から抜き取る。黒いブラジャーのなかでたわわに実った乳房が、宙吊りのブランコのように揺れるのが見えて、純平は思わず何度も息を呑み、生唾を呑みこむ。
「お、お母さん……」
純平の声がかすれた。夢を見ているとしか思えなかった。
布地を切りつめられるだけ切りつめた、小さな小さな黒い総レースのブラジャーとパンティに、熟しきったゴージャスな肉体。透けるように白い肌が艶めかしいばかりに映え、ガーターベルトに吊された黒いストッキングに包まれた長くしなやかな脚は、煽情的なまでに妖艶だ。黒い下着と白い女体の織りなす妖しい美しさは、幻想の世界のものとしか思えない。
「純平、私をよく見て……」
あわてて目をそらそうとする純平に向かって、仁美が初めて口を開いた。
「純平、お母さんが欲しい?」
「えっ!?」
しばし純平の心臓がとまった。
「お母さんが欲しかったら、欲しいって言いなさい」
仁美は純平の目を見据え、きっぱりとした口調で言った。
「……ほ、欲しいよ。お母さんが、欲しいよ!」
まるで誘導尋問に誘われるかのように、純平は叫んで答える。
「もう嘘はつかないって、約束してくれる?」
「!?……う、うん。ごめんなさい。嘘ついたりして、ごめんなさい」
自分でも驚くほど素直に、純平は謝っていた。すべて知られてしまっていると思えば、かえってほっとして、気が安らいだ。
「じゃあ、いらっしゃい」
仁美は両腕を前に差しだし、微笑んだ。うれしかった。素直に謝ってくれた純平が、正直に求めてくれた我が子が、いたいけなく感じられてならなかった。
「うん!」
純平はベッドから飛びだし、体ごと突進して、母の身体にしがみつくように抱きついていった。
「お母さん……」
身体中からたちこめる甘い体臭に吸い寄せられ、純平は無我夢中で母の首筋に、胸に、鼻を擦りつけていく。
「あーっ、いい匂いだ……なんていい匂いなんだよ」
「そんなに、お母さんの匂いが好きなの?」
シャワーも浴びていない、一日中の汗の匂いをたたえた肌に、鼻を埋めこまんばかりに押しつけられて嗅ぎまわされながら、仁美は得も言われぬ陶酔に浸っていた。恥ずかしいはずの汗の匂いも、今は決して恥ずかしくなかった。純平がこれほどまでに好いて、これほどまでに夢中で嗅ぎまわす自分の肌の匂いが、うれしく愛おしくさえ感じられ、嗅がれるほどに艶めいた気分になっていくのだ。
「好きだ! お母さんの匂い、大好きだよ!」
純平の鼻は乳房の谷間に押し入り、肉の間にこもって温もり湿った、ひときわ甘い汗の匂いを必死に吸いこむ。
「ふふふ、おバカさんね……」