理性崩壊

「俺の奴隷になる決心がついたら、キスをねだれ」
（キス……奴隷が、御主人様に甘えるキス……して欲しい……）
　もうまともな理性は彩奈の中にはどこにも残っていなかった。
　ただただ、肉欲の赴くまま。御主人様になった義弟の首に手を回し、愛しい男にするようにキスをねだる。
「御主人様ぁ……彩奈を、ずっと離さないで……ずっと可愛がってください……」
　大好き。最後にそう言って男の分厚い唇に可憐な唇を重ねる。すぐに舌同士を絡ませ合う淫らな接吻に移行し、上の口も下の唇も男にふさがれる愉悦に耽溺する。
「あぁ。今日から彩奈は俺の奴隷妻だ。どんな命令にも従ってもらうぜ。わかったら舌を出せ」
　もちろん、目の前の逞しい男の所有物になる決意を新たにした彩奈は、抗うことなく舌を出す。そこに向けて、和志が唾を垂らしてくる。
（欲しい……御主人様の唾、飲みたい……）
　汚辱を感じないわけではない。
　だが、その嫌悪感すらもマゾヒスティックな悦びに変換することを覚えた未亡人は、穢らわしい液体を舌で受け止め、嬉々として飲み込む。
　男の唾液が触れた食道や胃が汚辱感で発熱し、どこまででも身体を淫らに燃え上がらせる。
　そんな彩奈の様子を見て悦に入った男はさらに要求をエスカレートさせ、腋の下を露出させて舐めろと言ってきた。その、ツーンと臭う場所に口を付ける汚辱にクラクラするくらい興奮し、脇毛の生えた部分を舐め清める。
「良くできたな。ご褒美に、今日も寝かせてやらないからな」
　挿入したまま押し倒され、組み伏せられた恰好で激しく子宮口を穿たれる。男の腕の中という、今や世界中で一番安心できる場所で彩奈は快楽に悶え、耽溺した。
「イグぅ……イッちゃうのぉぉ……」
　御主人様はまだ射精する気配がないのに、彩奈はもう限界を迎えた。
「勝手にイクなんて許さないぞ。謝って詫びろっ！」
「あぁぁぁ……ご、ごめんなさい……ごめんなさいぃぃ……」
　そんな風に謝罪の言葉を述べるたび、どんどん被虐的な官能が高まっていき、何度も彩奈は絶頂を迎えた。その緊縮に耐え、和志は彩奈の子宮口をぶち破るように激しくピストンを見舞う。
　彩奈が絶頂するたびに垂らされた唾を飲み込ませられ、彩奈は悦びに全身を何度も痙攣させて快感を貪る。
「出すぞ。今日からは避妊しないからな！」
「あぁぁぁ……またイク、イクぅぅぅっ……ごめんなさいぃぃ……」
（赤ちゃん、できちゃう……妊娠させられちゃう……）
　避妊してもらえないことすらも被虐の悦びに変え、身体の奥で射精される感触を受け止めながら彩奈は意識を飛ばして絶頂を貪った。