彼女とのデートのレストランで、アンティーク食器を壊してしまった僕。
弁償代わりに若いオーナー神崎へ――最愛の恋人・陽葵ちゃんを貸すことに。
ワインを飲み、おしゃべりしながら、胸やお尻を触られたと言うけれど、
本当に、それだけで済んだのだろうか? もしかして彼女はもう……。
疑惑と嫉妬に溺れる恋人たち、そして手玉に取られる陽葵の身体。
こばやJ書き下ろし、堕ちる女と奪われる男、黒い情念のNTR。
(文庫換算195ページ)
目次
プロローグ 僕の失敗
第一話 悪魔の屋敷へ
第二話 恋人たちの抵抗
第三話 恥辱の着せ替え人形
第四話 三回犯されて
第五話 堕ちる。
最終話 私の選択
エピローグ 今日も新たな
陽葵 その他
本編の一部を立読み
言葉が出ない。なんて言葉を返したらいいのか分からない。分からない分からない。
目の前で犯されてしまっている陽葵ちゃんの気持ちが分からない。なんでそんなにうれしそうなんだよ。なんで神崎さんを喜ばせるような声を出すんだよ……。助けを呼んでよ……。僕の名前を呼んでよ……! 僕を、見てくれよ……っっ!
「あーあー、思ったより早く壊れちまった。興醒めだよ、ったく」
「秀哉、さん……秀哉さん秀哉さん……っ! 止めないで! まだ、ちゃんとお別れをできてない……っっ!!」
「分かってるよ。ちゃーんと、陽葵ちゃんの気持ちも汲み取るさ。元、彼氏くんと違ってね」
願っても願っても、陽葵ちゃんは僕の名前を呼んでくれない。
「秀哉さんの意地悪……んぅぅ、ちゅぷ、くちゅ……んっふふふ……」
こっちすら見てくれない。妖艶な笑みを浮かべながら、イケメンの口を貪る美女。僕の大好きな人。キスをしたいのに届かない虚しさ。ぴちゃぴちゃと響く水音、確かなキスの音。けれど、その音は自分の口からは発せられてない。自分以外の男の元に、淫らな音が宿っている。
「ひな……た、ちゃん……」
前のめり。アソコから飛び散る愛液に気にも留めず、椅子を引きずるようにして前のめりになる。
「ひなた、ちゃ……っ!!」
「ぁぁぁ……! 見られてる、見られちゃってる……っっ!!」
「ははっ! また一段と締まっちゃって!!! いいの? このままだと、正太郎くんが大変なことになっちゃうよ?」
「いいの……これで、いいの……っっ! もう、決めたことだからぁぁ……っっ!!」
「それなら、遠慮なくっっっ!!!」
「ん゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!」
近づくほどに、乱れていく恋人。いや、もはやすでに恋人なんかじゃないのだろう。さっきから愛液の勢いが増してきている。口の中に、塩辛い飛沫。ごくりと飲み込んでみると、頭がぼんやりしてくるのが分かる。
ぼんやりして、思考が鈍ってきて……もっと、塩っ気を求めてしまう……。
「ぅお……ぅぉっっ……い゛ぐ……い゛ぐい゛ぐい゛ぐ……っっっ!!!!!!」
乱れ狂う彼女の様子に、だんだん気にも留めなくなってしまう自分がいる。もっと……もっともっと……彼女の塩っ気を……。
壊れていく。自分の価値観が壊れていく。乱れ狂わされた恋人の愛液が僕を壊してくる。拒めない。拒めるはずもない。
受け入れたい。彼女のことを受け入れたい。どんな酷いことになっても受け入れてみせたい。
「ほら、イケっ! ちゃんとお別れするんだろ!?」
「正太郎く――っっ! ごめなさ――んんんんんっっっっっっ!!!!!!!」
ごめんなさい。そう聞こえそうになった刹那、ちょろりと口の中に特上の塩っ気が流れ込んできた。
「ほら、もっとだよ。もっとちゃんと、お別れをしないと!!」
「……ぁ、ぁぁ……ぁぁぁ~~~~~っっっっっ!!」
流れ込んでくる。僕の口に、陽葵ちゃんの塩っ気の放流がされていく。
放尿。まごうことなき盛大な放尿。お別れの放尿、か。はは、はははは……。はははははは!!!!!
あぁ、最高のお別れだ……。最後に、陽葵ちゃんを感じながら……最後を味わえたんだから……。