『趣味改変アプリ』で女の子にエロい趣味を持たせたら一体全体どうなるの? という実験をしてみた話【合本版】

著者: 催眠電波

電子版配信日:2023/08/25

電子版定価:2,200円(税込)

シチュエーション

──【趣味:佐藤啓介の命令に従うこと】──

義妹の佐藤涼音、後輩の柊木由衣、天才少女・雪代凛、
芸能人同級生・高坂朱音、お嬢様生徒会長・一条院麗華……
女の子たちの趣味をアプリで改変! 感情を操作し、五感を支配して、
エッチな実験をいろいろしてみた結果、一体全体どうなるの?
1~3巻のノンクレジットイラストも完全収録、お買い得の合本版!

目次

『趣味改変アプリ』で女の子にエロい趣味を持たせたら一体全体どうなるの? という実験をしてみた話 1



第一話 義妹の趣味を改変してみた

第二話 改変対象者を拡大させてみた

第三話 柊木由衣1

第四話 アプリの効果を考えてみた

第五話 部室でイケないことをしてみた

第六話 雪代凛1

第七話 高坂朱音1

第八話 趣味を追加してみた

第九話 趣味が追加された奴らを観察してみた

第十話 五感に紐づく趣味を全員につけてみた

第十一話 お隣さん家に引っ越しの手伝いをしに行ってみた

第十二話 雪代凛2

第十三話 佐藤涼音1

第十四話 高坂朱音2

第十五話 放送室でイケないことをしてみた

第十六話 高坂朱音3

番外編 before 学校のみんなの趣味を改変してみた



『趣味改変アプリ』で女の子にエロい趣味を持たせたら一体全体どうなるの? という実験をしてみた話 2


第一話 お隣さん家に再度お邪魔してみた

第二話 佐藤涼音2

第三話 公園に行って昔のことを思い出してみた

第四話 柊木由衣2

第五話 義妹とデートの約束をしてみた

第六話 佐藤涼音3

第七話 元アイドルを自宅に招いてみた

第八話 義妹と一緒にお風呂に入ってみた~事前~

第九話 佐藤涼音4

第十話 義妹に襲われてみた

第十一話 義妹と一緒にお風呂に入ってみた~事後~

第十二話 雪代凛3

番外編 before2 みんなの趣味を改変して愛とは何か確かめてみた



『趣味改変アプリ』で女の子にエロい趣味を持たせたら一体全体どうなるの? という実験をしてみた話 3


第一話 義妹と朝を迎えてみた

第二話 一条院麗華1

第三話 生徒会長に趣味を追加してみた

第四話 生徒会室

第五話 一条院麗華2

第六話 生徒会室

第七話 車中でお嬢様に襲われてみた

第八話 一条院麗華3

第九話 お嬢様の行く末を見守ってみた

第十話 お嬢様の求めるものを与えてみた

第十一話 一条院麗華4

番外編 before3 承認欲求とは何かお嬢様と一緒に確かめてみた

登場人物

すずね 義妹

ゆい 女子学生

りん 女子学生

あかね 女優・アイドル

れいな 令嬢

本編の一部を立読み

第一話 義妹の趣味を改変してみた



「――うわっ、あーあ、買ったばかりなのに……」
 うっかり手を滑らせて道端に落としてしまった先週買ったばかりのスマホを見て、俺は思わずそうボヤいてしまう。
 まったくもってついていない。自身の不注意とはいえ、やるせなさに深いため息を吐いた。
 ……液晶割れていないといいけど。そう思いつつ落としたスマホを拾うと、あることに気づく。
 目に入ってきたのは、画面いっぱいに映る虹色の渦巻き模様。
 壊れたかと落胆しつつとりあえず、電源ボタンを長押しして再起動すると、メーカのロゴが映った。どうやら壊れていないらしい。
 安堵して、タッチパネル機能が死んだなどで操作性に問題が出てないかホーム画面をフリックしようとして――
「――ん?」
 ホーム画面に見覚えのないアプリが入っていることに気づいた。少なくともさっきまでは入っていなかったのは間違いない。
 だって、落とす直前に俺はホーム画面のアイコン整理をしていたのだから。
 ……なんだこれ? 怪訝に思いつつも特に考えなしで、そのアプリのアイコンをタップする。
『趣味改変アプリ』
 開いたアプリの上部にはそう書かれていた。
 そして、画面の真ん中に意味ありげに表示された赤い点。この赤い点はなんなのかと悩んでいると、赤い点が増える。
 ふと、前方に気配を感じたので、前を見ると男が近づいているのが見えた。
 直感に近かったのかもしれない。その赤い点の不思議な動きを見ていると、もしかしたらと思ってしまった。
 確かめるために、アプリとその男を交互に見続ける時間が増えるたびに、俺はその思いを深くする。
 ――人と赤い点が連動している。
 そのまま通り過ぎていった男を横目で確認しながら、俺はアプリ上で赤い点が画面外に消えていくのを見ていた。
 つまりは、この真ん中の赤い点は俺なわけだ。そう思って、真ん中の赤い点を特に考えなしで押してみる。
 すると赤い点の横に、『名前:佐藤啓介 趣味:ゲーム』と、表示された。
 ……合っている。確かに俺の趣味はゲームだし、名前も間違っていない。
 他にないかと思って、表示された文字列をタップすると『趣味を改変しますか?』というポップアップが出てきた。
 ポップアップに表示された文字と、その下に表示された『はい』と『いいえ』の文字を見て俺は一瞬躊躇する。
 表示された文字を見つめること二、三秒。まぁ、しかしここまで来たならと、俺は『はい』をタップした。
「……なんだよ」
 タップした瞬間に出てきた文字は『自分自身の改変はできません』という警告文だった。
 どこか残念な気持ちになりながらアプリを閉じる。
 ……ま、弄るにしても、もっと落ち着いたところでやるか。そう思って、とりあえず、ズボンの後ろのポケットにスマホを突っ込んで帰宅するのであった。

 ――家でスマホを弄って分かったことは一つ、赤い点の探知範囲はおよそ十五メートルということだった。
 スマホの画面に表示されている二個の赤い点。真ん中の赤い点から少し離れている赤い点をタップすると、『名前:佐藤涼音 趣味:読書』と、表示される。
 その赤い点の位置的には、ちょうど俺の隣の部屋。つまりは、妹の部屋で間違いない。
 赤い点を見ていると、たった今、隣の部屋で妹がベッドから机に向かって移動したことが分かった。
 改めてすごいなと思う。このアプリは少なくとも部屋を挟んでも人の認識ができることになる。
 どんな超技術が使われているんだよって感じだ。
 人の認識もそうだが、人物のデータに関してもどこで拾ってきているのかわけが分からない。
 データが合っているのかというのはあるが、自分の情報は合っているし、少なくとも妹も名前は合っている。
 だとすると、妹の趣味も合っていると考えるのが妥当ではないだろうか。
 改めて画面を見る。
 佐藤涼音。俺の三歳下の義理の妹だが、正直、趣味が読書であるということも分からなかった。
 去年、俺が高校一年生のときに、親父が再婚したことで名目上の妹となった涼音だが、一年経った今でも他人のままだった。
 出会った当初の印象は今でも覚えている。
 肩までで切りそろえられた黒絹のような黒髪。長いまつ毛をアクセントに加えたアーモンドのような大きな目に桜色の唇。
 儚さを孕んだ華奢な身体に、まるで日に当たったことがないのではないのかというほど綺麗な白い肌。
 芸能人なんて目じゃない、文句なしの美少女がそこにはいた。
 出会った当初は、こんな美少女が俺の妹にと喜んだのだが、それはすぐに幻想にすぎないことを思い知らされた。
 出会ってから今まで、会話らしい会話すらしたことがない。それどころか、挨拶しようものなら絶対零度の視線を俺に向けてくる始末だ。
 だから、涼音は同じ家に住むだけの他人。涼音自体もそう思っていることだろう。
 ……しかし、読書ね。
 思い浮かべるのは、物静かでどこか達観したような目をいつもしている涼音の姿。それは確かに涼音の雰囲気に似合っているように思った。
 で、これが改変できるわけか? そう思って、涼音の文字列をタップすると、『趣味を改変しますか?』の文字列がすぐに出る。
 俺はそのまま『はい』をタップした。
 すると画面に、『趣味一:読書 趣味二: 趣味三: 趣味四: 趣味五: 』と、表示される文字列。横にフリックすると、趣味五以降も趣味六、趣味七と、その後も無限にあるのではないかというぐらいには表示が続いた。
 どうやら、趣味の入力枠的には数えきれないほどあるらしい。とりあえず、一番最初の画面に戻って『読書』の文字列をタップすると、編集を示すテキストバーが表示された。
 恐らくこのまま削除をすれば読書の文字列が消えると思われるが、さすがにこのアプリが本物だったら可哀想か。そう思い、俺は何も入っていない『趣味二』の方をタップした。
 タップしたと同時に、空のテキストボックスにテキストバーだけが点滅して表示される。
 さて、どうするか。少し考えて、この家に来てから居間で涼音がテレビを見ている姿を見たことがなかったことから、俺はそこに『テレビ鑑賞』とだけ入れて、右下に表示されていた『OK』のボタンをタップ。すると、特に変わった様子もなく、『名前:佐藤涼音 趣味:読書 テレビ鑑賞』と、画面に表示された。
 ……これで改変されたのかね? 疑念を浮かべつつも涼音を示す赤い点を見ていると、その赤い点が移動していくのが分かる。
 まさかと思いつつ見ていると、その赤い点が突如消えた。位置的に言うと一階に降りる階段がある部分になる。
 ……これは一階の居間に行ったか? そう思って、なるべく音を立てないように部屋を出て、居間に向かったのだった。

 廊下から居間に続く扉をわずかに開く。そこから見えた光景に俺はわずかに目を見開いた。……どうやら、あのアプリは本物だったようだ。
 扉の隙間の先、そこにはテレビを見ている涼音がいた。
「…………」
 俺はそのまま扉を開くと無言で居間の中に入り、涼音から距離を取りながらテレビが鑑賞できる位置へと移動する。
「…………」
 そんな俺を、涼音は一瞥もせずにジッとテレビを見続けていた。その顔は大して興味なさそうに見えるが、正直涼音の笑った顔なんて見たことがない俺には判別がつかない。
 趣味っていうのは、要は能動的にやるものなので大概は好きだからやっているはずだ。ということは、今この瞬間、涼音はテレビが好きということになるのだろうか。
 ま、分からん。考えても出ない問題に匙を投げて、素直に聞くことにする。
「……涼音ってテレビ見るの好きだっけ?」
 そう言った俺に、涼音が目だけをこちらに向けてきた。相変わらずの絶対零度の視線。凍えそうだ。
「…………」
 時間にして数秒。俺を視線で凍らせた後、俺の質問には答えずに涼音は視線を元に戻し、テレビ鑑賞を続ける。
 相変わらず、好きでテレビを見ているようには見えない。ま、涼音に無視されること自体はいつものことなので慣れている。
 しかし、これでは結局、分からない。
 卵が先か鶏が先かみたいな話になるが、涼音はテレビが好きだからテレビ鑑賞をしているのか、それとも、アプリで指定されているから、好きではないけど趣味だからとテレビ鑑賞をしているのだろうか。
 果たして、好きではないものが趣味として成り立つのか? 好きではないけど見る。それは趣味になる前の段階のような気がするが。
 うーん、分からん。今現在、涼音の感情がどうなっているのかがまったく分からん。俺は趣味のゲームと同じように、ゲーム感覚でこのアプリを解き明かしたくなっていた。
 ここは分かりやすくなるように、嫌いなものが対象の趣味にしてみるべきか。
 しかし、涼音が嫌いなものってなんだ? 俺は涼音のことを何も知らない。分かるのは俺が嫌いなんだろうということだけ――、……なるほど、俺を対象にすればいいのか。
 俺を無視してテレビを見続ける涼音を、チラチラと横目に見ながら考える。さて、どんな趣味にするか。分かりやすく好き嫌いの感情に結びつくもの。しかも物ではなく、この場合、俺ってことは人に起因するものになる。
 人が何を根拠にして他人を好きになるのかなんていうと簡単だろう。原始的かつ一番単純なもので、すぐあげられるものがある。
 性欲。要は子孫繁栄のためのもの。
 家族愛やら好きにも色々とあると思うが、そんな複雑怪奇なものより好きという感情を単純に考えると性欲に根差したものが一番理解が早い。ふむ、と一人納得して、俺は持ってきたスマホを手に取り、『趣味改変アプリ』を開いた。
 そして、スマホ上で涼音であろう赤い点をタップして、趣味改変画面を出す。続けて、『趣味二:テレビ鑑賞』となっている部分をタップして、『趣味二:佐藤啓介を想ってオナニーすること』と改変した。
 ここまであからさまなら効果が出そうではあるが、さて、どうなるか。すると、改変して間もなく、涼音は何事もなかったようにテレビを消し、俺を一瞥、自分の部屋へと戻っていった。
 ……視線自体は絶対零度のままだったな。
 なるほど、ということは趣味は感情に起因しないのか? ま、しばらくそのままにして実験を繰り返してみようか。

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