娘の代わりにしてあげる 艶めかしすぎる彼女の母

著者: 紫倉瑶

本販売日:2023/11/22

電子版配信日:2023/12/01

本定価:825円(税込)

電子版定価:880円(税込)

ISBN:978-4-8296-4695-3

「あの子達に言わないって約束、できる?」
Iカップを見せつけ、硬直を包みこむシルクの指。
彼女の母・怜花がほどこす、とろける手しごき。
生で注ぎ込み、密会を重ね、獣のように貪る快楽。
姦係に気付いた女子大生の姉・雫が波乱の嵐を……
美しすぎる彼母と彼姉──一生忘れられない姦淫の季節。

目次

第一章 ─青い季節─

    彼女の母が美しすぎて


第二章 ─繋がらない電話─

    堕ちて、溺れて


第三章 ─危険な火遊び─

    日曜日の学舎で


第四章 ─共有する秘密─

    彼女の姉・雫


第五章 ─夏の最果て─

    三人だけの思い出


終章  ─Far From Over─

    淫らな未来へ

登場人物

れいか

しずく(19歳)女子大生

なつみ

本編の一部を立読み


第一章 ─青い季節─
    彼女の母が美しすぎて



「いらっしゃい、翔くん」
 三好家の玄関にあがると、怜花の温かい声に迎え入れられる。
「菜摘ならもうすぐ帰ると思うから、寛いでてね」
 怜花は──現代文の三好先生は──高校生の時から高嶺の花だった。そして卒業した今では、恋人の母親でもある。
 高校三年生になった三好家の次女、菜摘と交際をスタートした時から、「三好先生」は「怜花さん」に、「藤村くん」は「翔くん」になったのだ。
 健康的な丸みを帯びた頬に、少しだけ垂れた大きな目。まっすぐで小さな鼻、柔らかい微笑みをたたえている口角、先端だけ緩くウェーブのかかったセミロングヘア……優しげな美貌は男女問わず人気だったが、男子達にとってはもう一つ、強く惹かれるポイントがあった。
 それは──
「はい、どうぞ。冷たいお茶で良かったかな」
「あ、ありがとうございます……っ!」
 恋人である菜摘の母親にもかかわらず思わず目がいってしまう、肉感的なバスト。巨乳という言葉では生ぬるい豊満な双果実が、美人女教師の胸には実っていた。今も部屋着を下から押し上げており、ウエストの生地が余るほど。具体的なサイズは想像もつかない。
 とても二児の母とは思えない、若々しく完璧なプロポーション。
 翔が通っていた私立小此木高校は民度が高かった。可憐な怜花には「いじってはいけない」空気があったものの、やはりそこは思春期の男子。本人へのセクハラまではいかずとも、常に話題には挙がっていた。怜花もボディラインが出ない服を選んでいたので、一部の男子達はカップサイズの予想に花を咲かせていた。もっとも、予想したところで答え合わせなどできるはずもないのだが。
「あ、翔じゃん。来てたんだ」
 背中にベースの入ったハードケースを背負い、長女の雫がリビングに降りてきた。手には小さな銀色のキャリーバッグ。
「こないだの期末、社会学1のノートありがと。徹夜で詰め込んで、なんとか六割はとれたと思う!」
 雫とは、高校三年間のクラスから大学の学部まで同じの腐れ縁。見た目も良く裏表がない性格の彼女は友人関係も広く、今も昔もいわゆるスクールカースト上位の存在だった。
「あれ、一人暮らし始めたんじゃなかったっけ?」
「もうすぐね。月末に引っ越す予定……とはいっても、二駅くらいしか変わらないけど。ちょくちょく帰ってこられるし」
「それなら実家から通えばいいような。家賃が浮く分、お金も貯まるし……」
「いいの。一人暮らしをする、っていうのが大事なんだから」
 えっへん、と腰に手を当てて胸を張る雫。
 ストレートパーマのかかった液体のように滑らかなロングヘアをポニーテールでまとめており、高校生の頃よりも快活な可愛らしさに磨きがかかっている。胸のサイズも知り合いの中では大きい方で、母親譲りなのかもしれない。色々な意味で、妹の菜摘とは対照的だ。
「ところでその格好、どこか行くの?」
「ん。今日からバンドの合宿練なんだ。それよりさ──」
 母が離れていることを確認し、雫は小声で翔に尋ねた。
「翔……どう、最近?」
「何が?」
「ナツと」
「どうって、普通だけど」
「……もうしたの?」
「何を?」
「……ばか」
 一瞬の間をおいて、翔は質問の意図を理解する。恋人の姉を前に、背中がじわりと熱くなった。
「あ。いや、まだ……だけど」
「じゃ、この夏?」
「そんなの……分からないよ」
「どうして? 大学生と女子高校生でも、純愛だしママ公認だから平気だよ」
 雫の言葉は、真面目なのかふざけているのか分からない。そもそも、実の妹とのセックス事情を聞くというのはどうなんだろうか。
「どうしてって言われても。ほら、菜摘のペースとかもあるし」
「それじゃ……翔、まだ童貞なんだ?」
 そう言う雫は、きっと経験豊富なのだろう。本人に聞くまでもなく容易に想像がつく。根は真面目なので派手に遊ぶタイプではないが、高校の時から男子に言い寄られるのが日常だった。大学生ともなれば、より盛んなはずだ。
「じゃあさ……あたしで練習しちゃう?」
 爆弾発言に、お茶を吹き出しそうになる。そんなこと、できるはずがない。昔から、雫はこうして翔をからかってくるのだ。
「……ったく、失礼な反応だなぁ。そうだ、そんな翔にプレゼント」
「……え?」
 にやにやしながら、雫はポケットから一枚の紙切れを取り出した。トランプほどの大きさのよれた厚紙で、何やら手書きの文字が書いてある。
「なんだこれ。『ママが一日なんでもお願いを聞く券』……?」
 クレヨンで書かれた文字は、汚いというよりも子どもの字。
「そ。可愛いでしょ。引っ越しの準備してたら机の引き出しから出てきてさ。翔にあげる」
「いや、別に要らないんだけど……それに、なんで怜花さんが言うことを聞くんだよ。普通は子どもから『肩たたき券』とか渡すもんじゃないの」
 大方、都合のいい理由でもつけた幼少期の雫が自作し、怜花に押しつけようとしたのだろう。
「細かいことはいいの。何、本当になんか貰えるんじゃないかって期待した?」
 いたずら成功と言わんばかりに笑う雫を横目に、ひとまず『ママが一日なんでもお願いを聞く券』を財布の中にしまう。怜花に使うことなど万に一つもあり得ないが、捨てるのも悪いと思ったからだ。
「じゃああたし、もういくね。意気地なしは妹から寝取っちゃうぞ」
 冗談めかした笑顔で手を振って、雫は合宿へと出かけていった。

 それからほどなくして、図書館から菜摘が帰ってきた。
 白い花柄のワンピースが、清楚な雰囲気によく似合っていた。怜花や雫と違いスタイルは控えめだが、小動物的な可愛らしさがある。小此木高校の生徒会では専ら癒やし枠として扱われていた。
「翔さん、待たせちゃってごめんね」
「全然いいよ。菜摘の方こそ期末の勉強お疲れ様。明日で終わりだっけ」
 大学一年生の翔と高校三年生の菜摘。
 翔の卒業式で菜摘から告白したのが交際のきっかけだ。弓道部の菜摘は生徒会にも所属しており、会計として直属の先輩にあたるのが翔だったのだ。
 あまり熱烈なアプローチも無かった菜摘からの告白には驚いた翔だったが、恋人がいなかったのもあり素直にOKした。付き合っていく中でもっと好きになっていけばいい……そう思った。
「うん。でも明日はリーディング英語と現代文だけだから、ほぼ今日で終わり」
「っ、こほん……大して勉強する科目でもない現代文おばさんは、どこかに出かけてこようかしらね」
 麦茶のおかわりを注ぎながら、怜花が娘の発言を茶化す。気をつかってか、そのまま彼女は二階へ上がっていった。
 怜花は翔と雫の学年を卒業させ、今年は担任を持っていない。同じ高校に通う菜摘を教えているのは別の先生だ。
「えっと。まずは午前中の空いてるうちに映画を観て、それから……」
 翔が三好家に来た理由は、明後日のデートについて相談するため。スマホでもいいのだが、せっかくだからと言われお言葉に甘えることにした。
 ふと、雫の質問が脳裏をよぎる。
 ──『じゃ、この夏?』
 この夏、恋人と……菜摘と一線を超えるのだろうか。
 もうすぐ付き合って半年だが、そういった雰囲気になったことは一度もない。
 彼氏である翔の方から誘われるのを待っているというよりも、性的なことを意識すらしていないようにも見えた。ちょっとした下ネタのやりとりすら皆無で、スタンスを伺うことも難しい。
「あ、でも夕ご飯は早めにしないと……」
「え、夜なんかあるの?」
「ごめんね。言い忘れてたんだけど、夜はお泊まり会があるの。クラスメイトの仲いい子と四人で。だから、六時くらいには……」
「そう……なんだ。オッケー、分かった」
 雫のからかいに乗せられる必要はない。焦らず、菜摘のペースに合わせてやっていけばいい。
 翔は二階につながる階段に目をやり、怜花が入れてくれた麦茶を飲み干した。


『大丈夫? 今日のことなら気にしないでね』
 菜摘からのメッセージにも返信する気力がなく、枕元に置いたスポーツドリンクを口にして喉を潤す。
(ごめん、菜摘……)
 重い夏風邪でデートをキャンセルすることになるとは思ってもみなかった。八月になれば、菜摘はすぐに弓道部の夏合宿に行ってしまう。次にちゃんと時間を取って会えるのは先になるかもしれない。
 もう七月も下旬、外は真夏日が続いているというのに、身体の芯から凍えるような震えに襲われていた。長袖の部屋着に靴下まで履き、翔は掛け布団にくるまっていた。体温計の表示は、何度測っても三十九度を下回らない。
 窓からの日差しも傾き始めた頃。インターホンが響き、部屋の壁に設置されたモニターが光った。
 何も頼んだ覚えはない。実家からの荷物だろうか。居留守も考えたが、受け取らないと後が面倒だ。そう思いなんとかベッドから出ると、モニターに映っていたのは思いもよらない人の姿だった。
(え、どうして怜花さんが……?)
 高熱のせいで見間違えたのかと思ったが、白黒の小さなディスプレイの女性はたしかに怜花だった。少しだけ身体が楽になった気がした。
 インターホンを介さず、玄関のドアを開ける。そこには本物の怜花が落ち着かない様子で立っていた。青いストレートスカートに白いブラウスが涼し気だが、今の翔には怜花のファッションに目をやる余裕は無かった。
「怜花、さん……なんで……?」
「菜摘から夏風邪だって聞いたの。だから念のため様子を見に……って、翔くん……顔、真っ赤よ……大丈夫?」
 顔が熱い。
「大丈、夫……です」
 立っているだけで重力を何倍にも感じる。翔は答えることもままならず、ぼんやりとした意識のまま怜花の大きな胸にもたれかかってしまった。
「あ、ちょっ……え、すごい熱」
 どさくさに紛れて胸に触れようという下心は、欠片もなかった。それは怜花にも伝わったのか、ただただ心配される。怜花の身体に寄りかかるように、翔はその場に倒れ込んだ。

 気がつけば部屋の窓にはカーテンが掛けられていた。手元のスマホを見ると、夜の八時。あの後すぐ、怜花は近くの薬局とコンビニで解熱剤やゼリー飲料などを買い込んできた。薬を飲んでから二時間ほど眠っていたらしく、悪寒は消えていた。
「あら、起きた?」
 柔らかい声が耳に届く。寝返りをうつと、怜花がそばに寄ってきた。普段の自分の部屋には存在しない、甘い匂い。
「顔色は良くなったわね。でも……汗びっしょりよ」
 すぐに濡れたタオルを手に戻ってくる怜花。
「少し動けるかな。起き上がれそう?」
 促されるままに上体を起こすと、汗をかいたシャツを脱いだ。怜花の前で上裸になる羞恥心よりも、彼女の献身的なケアに身を委ねたい気持ちが勝った。
(気持ちいい……)
 少し冷えたタオルが、細い手に乗って肌の上を滑る。パジャマに着替えて汗を拭き終えるのとほぼ同時に、翔の胃がぐぅぅ、と間の抜けた音を立てた。
「ふふっ……食欲、出てきたかな? ちょっと待ってて。台所、軽く使わせてもらうわね」
 三十分も経たないうちに、ローテーブルの上には夕飯が並んでいた。
 レトルトのお粥に味噌と鰹出汁や豆腐を加えた冷や汁、焼いたサラダチキンを乗せてアボカドを添えたサラダ、デザートにはカスタードプリンまで。コンビニで買えるものに怜花さんが手を加えたアレンジメニューは、どれも翔の空腹と心を満たした。
「……ごちそうさまでした。すごく美味しかったです」
「ありがと。お粗末様でした」
「ありがとうございます。こんなに……何から何まで」
「すごく心配したわ。夏風邪とは聞いてたけど……ここまでだなんて、玄関で倒れちゃった時は、救急車呼ぼうかと思ったのよ?」
「薬を買ってきてもらったおかげ……いえ、怜花さんの看病のおかげで、だいぶ良くなってきました」
「早いね。若いんだ」
「……若い、です。怜花さんだって」
 おどけた反応が来るかと思ったが、怜花は顔を赤らめて視線を逸らせた。気まずい沈黙が訪れないように、翔は話題を変える。
「なんか怜花さんが僕の家にいるの、不思議な気分です。うちに先生がいる、みたいで……」
 怜花は微笑んで首を横に振った。
「ううん……今はもう先生じゃなくて菜摘の母親、だから。菜摘のこと、いつもありがとう。今日はデートの予定だったんでしょ。残念だったわね」
 と、翔の胸元でピピピッと電子音が鳴った。体温計にすかさず手を伸ばし、翔よりも先に怜花は表示されたデジタル数字を眺めた。
「薬も飲んでまだ三十八度四分……かなり高いわね」
 彼女の言うとおり、いくぶん楽になったとはいえ二種類の解熱剤を飲み水分をとってなお高熱だった。
 と、怜花の口から思いがけない言葉が発せられた。
「……泊まっていこうかしら、今夜」
「……えっ?」
 昼のインターホンではないが、今度こそ高熱で聞き間違えたのかと思った。
「いえ、さすがに……そんな。だって、家には……」
 言いかけて気づく。恋人の菜摘はお泊まり会、姉の雫はバンドの合宿だ。怜花が家に帰らなくても、誰にも知られない。
「明日は日曜日でしょ。だって、まだ熱は高いし……それに、夜中にまた悪化したらと思うと心配なの。今ごろ病院に運ばれて入院してたかもしれないのよ?」
 この人が……一晩、自分の家に泊まる。
 怜花を見る。体調が快復してきたのもあり、改めて彼女のボディラインを追う余裕が出てきた。スカートがぴったり張りついた腰回りから、大きくせり出した胸に至る曲線。白いサマーブラウスの生地は薄く、黒いブラのレースが透けている。
「もちろん翔くんが迷惑じゃなければ……だけど」
 怜花は恋人である菜摘の母親、そして高校時代の先生だ。決して変な目で見てはいけないと思いながらも、鼓動は自然と高鳴っていく。
「……部屋着くらい、貸せます」
 数秒間の沈黙の後、翔は顔を真っ赤にして言った。
 高熱のせいだけではなかった。

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