翠桜皇国の仙術使い

【学園魔獣編】4 お嬢様部隊と最高のハーレムエッチを永遠に続けていいですか?

電子版配信日:2024/04/26

電子版定価:770円(税込)

魔獣テロが一段落し、Eランク国家術士の俺にも平和が訪れた。
でも、仙導師の扉を開ける条件は「愛のある中出しセックス」だから、
真咲あまね&九条院かぐや&生良宮みつばとお風呂でいちゃいちゃし、
九条院しずく&伊智倉めぐみとお仕事着(戦闘スーツ)でケダモノエッチ!
俺は五人のお嬢様部隊を守るため、白濁を注ぎつくして、みんなを愛しつくす!
大人気ノクターンファンタジー、大量書き下ろし収録の最終巻!

目次

1 西の都の姫君! 奈梨宮まいや

2 翠桜皇国の今! 移り変わる術士界隈

3 中等部組との夕食! 解明されぬ仙術

4 あまみつ部屋で過ごす夜! の、お風呂

5 はしゃぐ天使たち! セクシー水着で

6 三人とお風呂で! エッチな尻並べ

7 ひと息タイム! 仙導師の記録

8 再開! 歩きながら愛して

9 風呂上がりからの! ベッドの上で

10 あまねの出番! 深い絶頂

11 今度はかぐやと! お嬢様の奥に

12 みつばのターン! 濃厚な時間

13 しずくとめぐみ! 公共の場で

14 新たな辞令! 戻った日常……?

本編の一部を立読み


1 西の都の姫君! 奈梨宮まいや


 奈梨宮《なりみや》まいや。翠桜皇国において五つある皇族家系、その一つである奈梨宮家の姫である。
 奈梨宮家は西の紅麗京《こうれいきょう》に唯一居を構える家としても知られていた。
「………………」
 奈梨宮まいやは情報端末を確認していた。皇都琴桜京から送られてきた資料が添付されており、その中身に目を通しているのだ。
 先日、皇都の大武館で起こった未曾有の魔獣テロ事件。奈梨宮まいや自身、それに巻き込まれた。
 幸い命に別状はなかったが、まったくの無傷とも言い難い。あの日以来、奈梨宮まいやは毎晩のように思い出す光景があった。
(昂劫《こうごう》……和重《かずしげ》、か。調べてもやはり凡愚としか言えん魔力値に、家自体も大した実績はない……。歴史はあれど、研鑽を怠った典型的な没落家系と言える……)
 本来であれば、皇族たる自分が気にかける……いや。そもそも名を覚えることすらない男だ。
 だが今のまいやにとって、昂劫和重という存在はどうしても意識せざるを得なかった。
(なぜあの男はわたしの歌現聖天《かげんせいてん》術を使用できた……? 歌現聖天術は奈梨宮家の血筋のみに伝わる特殊術式、昂劫家たるあの男が使えるはずがない……)
 しかし事実として、昂劫は使用していた。しかもありえないくらいに高レベルに。
 歴代の奈梨宮家の者で、昂劫と同レベルに歌現聖天術を使用できる者はただの一人として存在しないだろう。
 なにせ一人一種類のはずの武具を、昂劫は一人で複数種類発現させてみせたのだ。しかも種類だけでなく、数も複数発現させた。
 加えてそれらの武具は、まったく触れずして敵に向かって飛んでいったのだ。
 自分に同じことができるかと問われれば否である。どう頑張っても一つの武器しか発現できないし、飛ばすような使い方なんてイメージしたことすらない。
(しかし実際に試してみたら、飛ばすこと自体はできた……)
 奈梨宮まいやもあれからあらためて、閃刺万雷槍《せんしばんらいそう》を発現させてみた。そして投擲の要領で投げてみると、かなりの魔力を消耗するものの、雷の如く閃光となって飛ばすことができたのだ。
 ただしそういう使い方ができるようになったのも、そこそこの修練を積んでからである。
 またこれまでそうした飛ばし方はできなかった。伝承にも残っていない使い方だ。
 おそらく一度、昂劫がそのように使っているのを見ていたおかげで、自分も似たような扱い方ができるようになったのだろうと考えている。
(どうして閃刺万雷槍にあのような使い道があると知っていた……? そういえばあの時、気になることを言っていたな……)
『これより御身に預けられた術を、返していただきたく思います』
 昂劫和重はこう言っていた。そしてその直後……。
「………………」
 とにかくそれから、あの男はまるで長年使い込んできた術かのように、歌現聖天術を使って見せた。
 そしてその圧倒的な制圧力をもって、混迷の大武館を治めてみせたのだ。
(御身に預けられた……? どういう意味だ? まるで元は自分の術だと言っているようではないか)
 これはいくらなんでも不可解だ。歌現聖天術が昂劫家由来だという伝承はなにもない。……いや。
(そもそも皇族家系に伝わる特殊術式は、誰がいつ生み出したものなのか。それを知る者は誰もいない。そして昂劫家と言えば、始まりの術士と言われる家系だ……)
 皇族と昂劫家。翠桜皇国建国期に、今では語られていない繋がりがあった可能性は否定できない。
(……昔のことは誰にもわからん。しかし今の昂劫家に目を見張る点がないのも事実。そして昂劫和重という男についても……。いかん、やはりここに行きあたる)
 凡愚であるはずの男が、ありえない実力を示してみせた。
 いくら考えても、思考はまた最初に戻ってくる。奈梨宮まいやはあらためて情報端末に記された資料に目を通す。
(昂劫和重……現在は魔獣課の隊長として、学生たちを率いている……か)
 いろいろ追及したい点は多い。しかしここで出張ってきたのが生良宮《きらみや》家の当主、生良宮慈壮だった。
 そして奈梨宮まいやという女性は、皇族としての気位が非常に高い人物である。
 要するに負けず嫌いであり、立ちふさがる障害があれば強い対抗意識が湧いてくる性分なのだ。
(生良宮家は昂劫のなにかを知っていて、その上でこちらにすべてのカードをオープンする気はない……あるいは交渉で切ろうとしてきている。……いいわ。そうくるのなら……こちらもあの男を表舞台に引き上げるための手を打つまで)
 なにせあの男によって、自分はその価値を大きくキズつけられたのだから。この事実は昂劫和重というカードを伏せておきたい生良宮に対して、大きな武器になる。
 奈梨宮まいやはただ一人の男に触れられてしまった唇を、わずかに笑みの形に浮かべた。


2 翠桜皇国の今! 移り変わる術士界隈


 しずく、めぐみとのデートを終えて二日後。魔獣課での活動がすこし難しい状況になってしまっていた。
 俺はオフィスで、あまねとかぐや、それにみつばとテーブルを囲いながら会話をしている。
「どうぞ、旦那さま」
「おお、ありがとう」
 みつばに淹れてもらったコーヒーに口をつける。うん、うまい……。
「しかし四大術士家系を含めた会合や打ち合わせが、連日行われる……ねぇ……」
「そうなの。お姉ちゃんはお父さんの補佐に出向くから、しばらくこっちには来られないと思う」
「めぐみさんも同様のようですわね」
 そう。しずくとめぐみの二人が、短い間ではあるが魔獣課に出勤することが難しくなったのだ。理由はもちろん、この間起こった大事件になる。
 蒼月会の起こした、前代未聞の魔獣を使用したテロ。これにより皇国のメンツはおおいに潰されたわけだが、騒動の中で四大術士家系である狩来志家の当主が亡くなった。
 衝条室長にもすこし話を聞いたのだが、どうやらその影響はかなり広がっているらしい。
 具体的に言うと、まず今後の魔獣テロに備えた警備体制の構築。合わせて犯罪術士に対する取り締まり法の改訂。
 他にも減った術士の補充、それに伴う人員異動。当然だが予算にも影響が出てくる。噂では魔王領均衡に配置されているSランク術士も、数名ばかし皇都に回されるとか。
 そうした術士界隈の大きな動きに必ず関わってくるのが、皇族や四大術士家系だ。とくに四大術士家系は人事権に関する影響力も大きい。
 そういう権力が欲しい家系からすれば、どうにかして上にあがりたいと思うだろうし。そうした術士家系によって、より高度な術が開発されていくわけだ。
 しかし今、その一角である狩来志家は、四大術士家系から外れることが決まっているのだとか。これもこれでまた大きな話になる。
 当然、入れ替わりで上がってくる家はどこかと気にする者もいるだろう。中には三大術士家系でいきたいと考える勢力も出てくる。
 そうした者たちが方々に働きかけ、術士界における政局をコントロールしようと動きだすのだ。
「まぁこれだけ大きな騒ぎがあったんじゃな……。皇国としては、五大国の中で犯罪術士にテロを起こされ、それなりに被害も出たことでプライドも傷つけられただろうし」
「中にはあまり関係のよろしくない国もありますからね。今回の騒ぎをネガティブキャンペーンに繋げて、皇国の術士は国際的に見てレベルが低いと話を広めることもあるかもしれません」
 そりゃ大変だ。まぁEランク術士である俺は、グローバルな視点で見た翠桜皇国の評価とかそこまで気にはしていないが。
 しかし国際的に皇国のプレゼンスを高めていくことを真剣に考えている者が多いのも事実だ。皇族や四大術士家系はその筆頭だろうし、そうした努力は決して否定できない。
 現に国際的な立場と地位が高いからこそ、国益にも繋がるし、国として強い発言力を持つこともできる。
「とにかくしばらくうちの魔獣課はお休みだな」
「ん。時間に余裕ができた」
「お兄ちゃん、お仕事休めるね!」
「いや……それなりに会議とかあるからな?」
 実際の活動はいつもどおり才葉にカバーしてもらうとして、俺は隊長職を解かれたわけではない。定期的な会議もあるし、それに向けた資料作成なんかもしなくてはならないのだ。
 それにかぐやたちもこれでお休みというわけではない。この期間で体術も含めた訓練を課そうと考えている。それに才葉から、また共同訓練のお誘いもきているし。
「しかし四大術士家系の一角が入れ替わるかもしれないのか……。狩来志家はしばらく浮上できないだろうな……」
「……もともと最近の狩来志家は、魔力の強さ以外でとくに目を見張る点はなかった。時間の問題だったと思う」
 あまねがやや厳しい評価を行う。だがかぐやもみつばも、あまねの意見には同意を示していた。
「そうだねー。派閥家系の開発した術式を、狩来志家のものだと吸い上げていたという話もあったしー」
「当主も、術士というよりは政治家的な動きのうまい方……という印象ですわね」
「そうなの!?」
 考えてみれば、ここにいるみんなは全員、術士界ではトップに君臨しているような家の生まれだ。政治的な影響力をほとんどもたない下位家系よりも、そのあたりの事情に精通しているんだろう。
 狩来志家が没落するということは、それまで狩来志家を支えていた派閥家系にも影響が出る。たとえば機根本の家なんかもそうだ。ああ、あいつもこの間のテロで死んだんだったか。
 たぶん昂劫家みたいに、術士界隈でなんの影響力も持てない下位家系が、これからたくさん現れるんじゃないかな。
「でもたとえ当主が生き残っていたとしても、やはり四大術士家系の一角を名乗ることは難しかったと思いますわ」
「ああ……まぁ堂馬の件もあるからなぁ……」
 これも衝条室長から聞いたのだが、堂馬はあの日、大武館の会場警備の仕事を請け負っていた。そして堂馬にその仕事を回すように手配したのは、親父である狩来志家の当主。狩来志章都だったらしい。
 自分の息子に仕事を回す……この程度であれば、まぁ政治家でもよくやっていることだ。第三者視点から見ると「やってんねぇ!」という印象しかないが、法的には問題ないのだろう。
 だが今回は、それが未曾有の魔獣テロ事件へと繋がったのだ。仮に狩来志章都が生きていても、やはり責任追及からは逃れられなかっただろう。
「そういやフォルカーナ騒動の時、狩来志章都の息子が意識不明の重体で見つかったんだったか。その子も意識が戻っても、大変だろうな……」
「ああ~……。そういえばいたね!」
 かぐや……由良坂学園でも会話をしたことがあると言っていたのに……。いま言われて思い出したかのような反応だな……。
 まぁあまりいい感情を抱いていなかったみたいだし。とくに興味がなかったのだろう。
「ま、今日は魔獣課再開までどう活動していくか、その目線合わせをして終わりにするか」
「はーい」
「わかりましたわ」
「……ん」
 しずくとめぐみからも連絡はきたが、親の補佐としていつまで働くかは未定らしい。ただそれほど長期にはならないとのことだった。
(要するに短期間……およそ一週間から二週間くらいを目途に、予定を立てられればいいんだよな……)
 かぐやとあまねの特訓は決定事項だ。才葉のチームと協業するのもわるくないだろう。
 三人からいくつかの意見をもらい、おおよその話がまとまったところで、夕食にちょうどいい時間になっていた。
「もうこんな時間か……。今日はこのくらいにしておこうか」
「ん。それじゃ、隊長の話を聞きたい」
「……ん? 俺の?」
 あまねは普段と変わらぬ無表情ながらも、どこか熱い視線を俺に向けてきている。
「仙導師。その力のことをくわしく教えてほしい」
「またか……。もう結構話したんじゃないか?」
「まだ足りない。あの時の隊長の仙術……今もはっきりと思い出せる。もっともっと話を聞きたい」
 あの日、あまねたちはもちろん仙導師の力を振るう俺を見ていた。
 今日まで五人にはだいたいの話はしたのだが、術に強い関心のあるあまねは、会うたびにあの時の話をくわしく聞きたいとねだってくるのだ。
 それ自体はべつに構わない。だがいかんせん、まだ俺自身がよくわかっていないというのもあるんだよなぁ……。
「ふふ。あまねは旦那さまの仙術の魅力に心を奪われたみたいですわね」
「ん。やっぱり隊長の術は不思議がいっぱい」
「でもわたしもわかるなぁ~。お兄ちゃんの術、使えるなら使ってみたいもん!」
 やっぱりみんな、根は術士なのだろう。理解の外にある術に触れれば、それがどういう性質のものなのか把握したい、学びたいという意欲と関心が強い。
「ふふ。でしたら夕食をご一緒しながら、また旦那さまに話を聞かせていただくのはいかがでしょうか」
「ん。賛成。かぐやは?」
「わたしもいいよ~! あ、それじゃあ今日は泊めてもらってもいい? 家に迎えはいらないって連絡しとくね!」

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