本販売日:2024/08/23
電子版配信日:2024/09/06
本定価:924円(税込)
電子版定価:990円(税込)
ISBN:978-4-8296-4747-9
(ああっ悔しい、でも従わないと女子野球部が……)
可憐な女陰を貫かれる激痛と悔しさであふれる涙。
女子野球部を存続させるため、可愛い部員を守るため、
凛々しく初々しい身体をケダモノの群れに捧げる千夏。
イラマ地獄、輪姦調教、アナル破瓜……肉悦に染まる青春。
eブックスで大好評の暴虐小説、新章追加の完全版!
第一章 調教合宿
第二章 脱出不可の檻
第三章 疑似恋人
第四章 肉宴披露
第五章 淫欲支配
第六章 快楽堕落
追章 とある野球部の、とある少年の、とある一日
本編の一部を立読み
第一章 調教合宿
「ちょっと男子! これはいったい、どういうことよ!」
怒気を孕んだ声が響き、部室の安っぽい扉が開け放たれた。室内にいた男子野球部数名は、着替え途中の手を止め、来訪者にギョッとする。
「お、おい、仲野ッ……お、お前、何入ってきて……!」
「え、えっ……ちょ、ちょっと……今俺、パンツ一枚なんだけどっ」
女子の登場に部員たちは慌ててズボンを引きあげ、あるいは体操着に袖を通す。その中で抗議の声をあげたのは、部長の新嶋櫂だった。
「おい、ふざけんなよクソ女。ノックぐらいしやがれっての」
「うるさいクソ男! 見たわよ、この予定表! 夏休みのグラウンド割り当て、八割が男子じゃない! これじゃ女子野球部は満足に練習できないっての!」
千夏は机に紙を叩きつける。夏季休暇中における校内設備の割り当て表だ。新嶋はプリントを一瞥すると、「ふん」と鼻を鳴らした。
「野球ごっこしてるお前らより、真剣に野球をやってる俺らが優先されるのは当たり前だろうが。妥当な割り当てだと思うぜ?」
「どこが! こんな偏りのあるスケジュール、絶対に認めないから!」
「文句なら生徒会に言えよ。ちゃんと承認のハンコ押してあるだろ?」
新嶋は勝ち誇った笑みを浮かべ、プリントを指先でトントンと叩く。痛いところを突かれるも、引き下がる千夏ではない。
「何かしたんでしょ。気の弱い榎並会長を脅したとか。姑息な手段を使ったに違いないわ。じゃないとこんなの、不公平すぎる」
「言いがかりはやめろって。部員の数が四倍以上違うんだぞ。それにお前らは何の実績もねえし、出場できる大会だってないだろ?」
「あるっての! ただ出場人数が足りなかっただけで……ら、来年からは出るの! だいたい、実績がないのは一緒でしょ! 雑魚野球部!」
「ッ──んだとクソ女! もう一回言ってみろ!」
新嶋は顔を赤く染め、近くのバットを握る。他の部員が慌てた様子で立ちあがるも、千夏は物怖じしない。寧ろ両手を広げて挑発する始末だ。
「いいわよ、殴りなさいよ。あんたも野球部も傷害罪で終わりね。二割どころか十割女子野球部がグラウンドを使えてラッキーだわ。ほら、早くやりなさいよ、意気地なし! 野球部のくせに、バットの使い方が判んないの?」
「こ、この野郎ッ……」
「お、おい……櫂、もうやめとけって」
「そうだって……こんなことしなくてもさ……俺たちにはよ……」
部員がこそこそと耳打ちする。新嶋は上下する肩を落ち着かせるように、たっぷりと時間を掛けて深呼吸したあとで、バットを下ろす。
「そうだな……へへ……バットで殴るなんてことはしねえよ。だけどな、練習場所の割り当てを譲る気はねえ。──いや、寧ろ八割じゃ嫌だね。十割だ。俺たちがずっと使わせてもらう」
「は、はあッ? 何言ってんの! どこで練習しろってんのよ!」
「お前たちが練習する必要はねえよ。野球辞めて、マネージャーになれ。大好きなボールとバットは毎日触らせてやるからよ……へへ、なあ皆?」
新嶋の発言に言葉を失う。陰湿な笑みを浮かべる男たちを前に、千夏は反射的に後退りする。
(なに、言ってんのよ……あ、暑さで、おかしくなったわけ……?)
室内の空気が変質するのを感じていた。粘ついた視線を浴びた女体が鳥肌を奔らせる。生理的な嫌悪感に耐えられない。
「きょ……今日は帰るわ。だけど諦めたわけじゃないから。こんな馬鹿みたいな割り当て、あたしたちは誰一人納得できないし、するつもりもないから」
「へいへい。ま、精々頑張りな。くく……」
この短いやり取りの間にどんな心境の変化があったのか、当初のように反発してはこなかった。その反応に気色の悪さを抱きつつも、千夏は女子野球部の部室に戻る。制汗剤の匂いが漂う部室で、部員たちが談笑を交わしていた。
「お、帰ってきたね部長。男子たち、どんな感じだった?」
整った切れ長の瞳を細め、副部長の椎名廸子が悪戯っぽく笑う。クールで中性的な雰囲気を感じさせる廸子は、同性からも人気の高い、皆が憧れる存在だ。
「そんなこと言って、あたしの顔見て結果は判ってるんでしょ」
「そりゃ、生徒会長のサインがあるから、どうしようもないわな」
「判ってるなら行く前に止めてよね。単細胞どもにバカにされたじゃない」
「止めたって行ったくせに。それに単細胞なのは千夏も一緒でしょ」
「はあッ? あたしが単細胞なワケないでしょ! ねえ、皆?」
「副部長に一票」「右に同じくー」「どう考えても部長は単細胞でーす」
着替えを済ませた部員たちが廸子に同意する。「わ、私は多細胞だと思ってますっ」と味方してくれたのは、後輩の小雪だ。
名は体を表すと言うやつか、色素の薄い肌は雪のように美しく、小柄な身体は庇護欲を駆りたてる愛らしさがあった。
「ありがと。小雪だけがあたしの味方だよ。まあ、多細胞がフォローになってるかは怪しいけれど……っと、そうだ! それはともかく──万丈先生!」
「ほへっ……」
置物のように硬直していた老教師──万丈が、千夏の声を受けてビクッと肩を震わせる。老教師は眠たげな眼を教え子に向けた。
「寝てる場合じゃないですよ、万丈先生ッ! グラウンドの割り当て! あれ、どうなってるんですか! 五割は使えるようにって申請したのに!」
「まあまあ、落ち着きなって。万丈先生は悪くないんだから」
「そんな悠長なこと言ってる場合ッ? 廸子は誰の味方なの!」
「少なくとも万丈先生は敵じゃないでしょ」
正論を吐かれて千夏は言葉を詰まらせる。勢い任せの千夏を窘めるのは、いつも廸子の役目だ。千夏は自分を落ち着かせようと深呼吸して、椅子に座る。万丈が口をもごもごと動かしたのは、丁度そのときだ。
「仲野さん、今年の夏休み、合宿することにしたけえの」
「……へ?」
突然の言葉に千夏はポカンと口を開く。合宿。夏休み。聞こえてきた単語たちが脳裏をぐるぐると回った。
「合宿って……あの合宿? 皆で泊まって、練習できるってことですか?」
「ああ、ああ。そう、そう」
万丈は舟を漕ぐように首を縦に振った。
「野球場に近い旅館に泊まって、練習する。それでどうやね?」
「よかったじゃん、千夏。全部の問題が解決したね」
春風を感じそうなほど涼し気な笑顔を浮かべて、廸子がさらりと言う。他の部員もまた、ニヤニヤと口元を緩めていた。
「ちょっと……皆知ってたのッ? 先に言ってよ! あのクズどもに会いに行かなくてもよかったじゃん!」
「だって千夏って一度こうって決めたらテコでも動かないでしょ。だから何言っても聞かないかなって。それに文句言うなら小雪ちゃんにも言ってよね」
「えっ? わ、私も今、初めて聞いたんですけど……」
「なにーッ? 小雪まであたしを騙したのね?」
「え、えっ? 千夏さん、本当に私は知らなくて……!」
「うるさーい! 問答無用! 部長に嘘を吐く悪い子にはおしおきだッ!」
「ひゃあッ……あ、あっ、ちょっと部長! ひぅっ、あ、あっ、あははっ! そ、それだめですっ……んふっ、ふふ……ッ、あはっ、あはははっ!」
小雪の小さな身体を捕まえ、脇腹をくすぐる。少女は清涼感のある匂いを散らし、可愛らしく身悶えした。癖のない柔らかな髪が腕に触れるたび、千夏までくすぐられているような気分になる。それが今は、実に心地が好かった。
(ざまあみろ馬鹿男子ども! 夏休み、最高に充実させてやるんだから!)
小雪を抱き締め、その場でくるくると回る。部員たちに苦笑されているが、内側から溢れる喜びに蓋をするなんて、器用な真似はできなくて。
「やったね小雪! 合宿だよ、合宿! 野球漬けの夏にしよう!」
まさかこの夏合宿が全て仕組まれていたなんて。
そのときの千夏には、知る由もないことだった。