不貞快楽 人妻教師が中年教師に寝取られる話

著者: 石川檸檬

電子版配信日:2024/12/27

電子版定価:880円(税込)

「不倫セックス大好きな若妻教師、立花咲姫は、
大好物の猪坂主任の極太×××でイカせてもらいます!」
速度を増す抽送にあわせ、射精をせがむように柔腰をくねらせる咲姫。
死ぬほど嫌いな同僚教師の肉棒なのに、空き教室でハメ倒され、
聖なる学び舎で幾度となく繰り返してしまうドスケベ絶頂。
禁じられた快楽を貪る女教師に、愛する夫との仲を引き裂く最終調教が……

目次

序章  人妻女教師・立花咲姫


第一章 大嫌いな同僚中年教師に何度も種付け射精されて


第二章 教え子がそばにいる空き教室で言い訳のできない快楽を感じて


第三章 教卓の上に押し倒されて快楽に溺れたドスケベ絶頂を繰り返して


第四章 メガネと結婚指輪だけの生まれたままの姿で他人棒を欲しがって


第五章 夫を裏切ってする不貞セックスで背徳の沼に堕ちていって


第六章 スワッピングという悪魔の果実で禁断の一線を越えて


第七章 身も心も堕ちて完全に寝取られ女の本能で満足してしまって

本編の一部を立読み

序章 人妻女教師・立花咲姫



「ナオくん、待たせてごめんねー」
 入浴を済ませた立花咲姫(たちばなさき)は、バスタオル一枚だけを身体に巻いてやってきた。
 職場などでかけているメガネはしていない。
「ううん」
「仕事が忙しいのに、おねだりしたことも改めて謝るわ」
「そんなっ……咲姫さんから誘わせてごめん……ぼくもちょうどしたかったんだ……夫婦なのに、もう半月も性交渉はなかったし」
 夫婦の寝室のベッドに腰掛けていた夫は、済まなそうに妻の顔を見る。
「こら、いつまでも妻にさん付けするのは、感心しないぞ~」
 大学出たて、社会人なりたての二十二歳は、制服を着れば高校生でも通じるくらいに、初々しくて穏やかな面差しだった。
 ほっそりした頬を膨らませる仕草で、ますます子どもめいている。
「それに……」
 続けようとした言葉は、寸前で呑み込んだ。
(セックスしたかったなんてウソよ……本当にそうなら、待っている間に興奮しているはずだもの)
 先に入浴を済ませ、いつでも始められるように裸で待っていてくれた伴侶の男性自身は、力も性欲も少しも帯びていない。
「ごめん。ぼくの方が年下だからつい……」
 指摘しても、付き合ってくれる夫の気持ちを踏みにじるだけだ。
 気を取り直す作り笑いをする。
「ほんの半年違いじゃないの」
 胸元で押さえていたバスタオルの裾から手を放す。
(夫が乗り気じゃないなら、誘った妻が頑張らなくちゃね)
 脇腹のすぐそばで肘を曲げ、細面の横で軽く握り拳を作る。
 バスタオルが寝室の絨毯に落ちて広がるのと、夫が喉を鳴らしたのは同時だった。
「咲姫さん……今夜もキレイだよ……」
 染み一つなく、湯上がり卵肌で白く輝く全裸の女体に目を奪われながら、心ここにあらずという様子で言ってくる。
「さん付けの件は夫として落第点だけどー……」
 胴体はシャープでクビレもあり、群を抜いて細いのに、胸とお尻はセクシービデオ女優顔負けの量感を誇る妻は、得意げに微笑する。
「カラダを率直に褒めるところは合格よ、ウフ」
 腰まで届く長い髪はしっとりと潤っていて、先端からは小さい水滴がときおり落ちる。
(大きいオッパイを強調する恥ずかしいポーズだけど……勇気を出してやってよかった)
 夫の目は、ハリが強くてスイカみたいな形を取る爆乳に釘付けになっている。
「これからこのカラダと、夫婦セックスしましょうねー」
 キビキビと横を向く。腰に手を当て、お尻を突き出してみせる。
 勢いで豊胸は揺れ、小幅に波打った。胸に負けないくらいに大きい安産型で逆ハートの軌跡を描く巨尻も、同じタイミングで波紋を広げる。
「う……うん……」
 妻は生返事する夫の目から視線を外した。
(えー……とぉ……)
 大人の女性としては小柄な自分よりもさらに少し背は低く、贅肉のない身体を目線で這う。華奢であまり厚くない胸板から、ゆるんでいないが筋肉で膨れあがってもいないお腹周りを視線で撫でて、控えめに盛りあがる下腹へ降りる。
(大学を卒業した後に会社勤めを始めて二ヶ月になっても、可愛いカラダだなぁ……あ、でも)
 恐る恐る、男性の印に目をやって胸中でガッツポーズをとった。
(やった……これから交わるわたしのカラダを見ただけで、しっかり勃起してくれたよー)
 成人男性としてはやや小ぶりなものの、華奢な体付きにしては逞しい男性器は、斜めに屹立している。
(し始めたばかりの仕事で疲れもストレスもあるだろうに、ここまで元気になってくれてすごく嬉しいなぁ)
 自分が伴侶と決め、またそのように自分を選んでくれた愛する男性にとはいえ、大胆に誘惑した恥ずかしさや嫌われる不安は吹き飛んでいた。
 胸の奥は悦びで脈打ち、体温は淫らにあがっていく。
「じゃぁ、ゴムをつけてあげるね」
「そんな、ぼくが自分で……」
「いいから。妻に任せて頂戴……ん」
 ゆっくり歩いて、夫のすぐ横手からベッドにあがる。気をつけても勝手に揺れる胸をシーツに向かって伸ばす。鴇色の太めの乳首は、振幅に合わせて前後する。
 どうしても胸をユサユサさせてしまうだけでなく、大事な人へお尻を突き出す四つん這いで、枕元の小箱へ近づいた。
「うわぁ……咲姫さんの下半身が……」
 お尻を向けた膝立ち姿に、夫の目は吸い寄せられた。
 成人男性の顔よりも大きい尻タブが、これ見よがしに揺れるのも、肉がミッシリ詰まった太腿が振幅するのも、健康的な色香に満ちている。
(あ……つい……こんなポーズまで見せるつもりはなかったのに……)
 夫の感嘆の声と目線を浴びて初めて、自分の度を超えたはしたなさに気づいた。
 愛する夫の前で無防備になりすぎているという後悔が、胸を軽く突く。
(ん……すごい目で見られてるのがハッキリ分かるわ……恥ずかしいけれど、喜んでもらえているのなら……)
 胸の奥が妖しく沸き立つ。
 心を許している異性にはしたない姿を見せて興奮される悦びで、胎内も淫らに熱を持つ。
 女性自身がかすかに落ち着かなくなってきたのを自覚しつつ、小箱からコンドームの箱と性感ローションのボトルを取り出したら、胸を揺らして方向転換する。
「お待たせ」
 頬を赤らめたまま、座っても頭の位置が自分の首くらいの夫の隣に腰掛ける。
「い、いや……先に入浴を済ませたぼくが用意しておくべきだったのに、ごめんね」
「こら、どこに謝ってるの。ちゃんと相手の目を見てしなさい」
 声を発するだけでも、柔らかく揺れる爆乳に目を移した夫を、冗談めかしてたしなめる。
「あわわ……改めてごめん」
「よろしい。素直なナオくんは大好きよ」
 ボトルを置いて、箱の中からパウチをひとつ摘まみあげる。深爪している細い指で中身を片側に寄せたら、別の手の指で千切り、しっとり濡れたスキンを引き出す。
「はい、ご褒美よ……んっ」
 精液が溜まる部分を指の腹で押さえつつ、勃起して剥き出しの亀頭のてっぺんに当てた。
「ああ……咲姫さんの白魚のような指が……ゴムをつけるためにぼくのにっ」
 ベッドのフチに腰掛けたまま、足を広げてあえぐ。
 他の男は見られない、抜群の妻ボディの生まれたままの姿を時間をかけて見ただけで、硬く屹立した男根は、嬉しそうに弾む。
「夫婦なのに避妊するなんてなにごとかーって、怒るならともかく、いつもこんなことに大喜びするだなんて」
 これから迎え入れる男性自身を見つめつつ、平素よりも厚くなっている先っぽの形に沿って指腹を這わせ、ピンク色のゴムを被せていく。
「大好きな咲姫さんが、こんなに恥ずかしい世話を焼いてくれるのだもの……くぅぅ」
 長く生える陰毛の一本一本を空いている指で丁寧にどけたうえで、根元まで装着させてくれた妻に向かって嘆息する。
「ふたりとも新社会人で、子づくりや子育てをするのは難しいから避妊しているけれど……本番のときはどうなっちゃうのかしら……フフ」
 夫が自分へ欲情してくれているのを実感して、口元が淫蕩にほころぶ。
(学生結婚するまでに言い寄られて付き合った男子たちと比べたら……少しだけ小ぶりだけど……わたしを誰よりも欲しがってくれるのよね)
 スキンを着けてあげるために触れた手指には、男らしい熱感と存在感が残っていた。市販品で一番薄いゴムを纏い、生白くて薄ピンク色になっている夫棒を見ているだけで、湿った呼気がこぼれる。
「これで準備は半分終わり。もう半分に入るよ」
「う、うん……」
 両足を広げ、肉棒を斜めに立たせながら返事をする。
「いつものようにじっとしていてね……えい」
 封を切ったコンドームのパウチをベッド脇のゴミ箱に落とし、たくさんの気泡を内包するボトルのキャップを開けた。
 首元の高さに持ってきた容器を傾けて、腰の高さで受け皿にしている手のひらにたっぷり垂らす。見た目も粘り気も水飴じみているローションは、太い糸を伸ばし、途切れることなく溜まる。
「いくよぉ、ナオくぅん」
 溢れたらボトルを置いて、両手をすり合わせた。中身がさらにこぼれないように注意しつつ、ぬかるみを歩くみたいな音をたてて手のひらに馴染ませる。
 聞くだけで興奮を煽るニチャニチャという水音は、夫婦の寝室に響く。
 夫は赤面して、ローションで濡れて絡み合う妻の両手を見つめている。
「コレでたっぷり濡れてね……えいっ」
 頃合いを見て、両手を伸ばした。白魚のような十指と薄い手のひらで、屹立する男性自身を包みこむ。
「あぁっ……キレイな両手でぼくのをまるごとくるんでる……っ」
 密着サンドイッチされた肉棒は、ビクンビクンと跳ねる。
「ゴムにも潤滑油がついてるけど、もっとヌルヌルにするねー、んっ」
 横に身を乗り出して両手をゆっくり這わせる。
 指を閉じた片手で軽く握り、竿の上から下までを扱く。逆の手は手のひらで亀頭を覆い、右へ左へスクリューした。
 弱すぎず強すぎもしないタッチで揉みくちゃにされる夫棒は、みるみるローションまみれになって、妖しい光沢の塊と化す。
「うあっ……咲姫さんの手がぼくのをメチャメチャにして……くうぅっ」
 両手を動かすのに合わせて上半身を上下させ、爆乳をゆっさゆっさと揺らし、手淫めいたことをする妻の手の中で、分身は切迫した痙攣を起こす。
「あ、まだ出しちゃダメっ」
 爆発の予感に、慌てて両手を放した。
「はあ……はあ……だ、大丈夫……ちょっと落ち着けば……はふぅ……」
 息を荒らげ、歯を食いしばって伝える。
 直後に思い切り突っ張った夫棒だが、白濁液は溢れなかった。
 先走り汁は出ていそうだが、スキンの先端は見て分かるくらいに膨れてはいない。
(なんだかんだ言っても、久しぶりだものね……若いのだし、性的な刺激に脆くても不思議じゃないかー)
 夫が耐えてくれたのに胸を撫で下ろして、自分の準備に取りかかる。
「ちょっとだけ待っててね……んっ……」
 ボトルを持ってベッドにあがる。恥ずかしいものの、手早さを重視して四つん這いで枕元へ移動したら、仰向けになった。
「わたしの準備の残りも、すぐに終わるわ……んぅぅ……」
 大きく脚を広げて、エム字を描く。
 ハイジーナ、ヌード、パイパンなどと呼ばれる状態にしている女性自身の少し上で、口を開けたボトルを傾けた。
「咲姫さん……ごくっ……」
 正常位で繋がれる位置まで移動した夫は、またも喉を鳴らした。
 豊かに膨らむアーモンド型の陰部が、ぬるい液体が当たる刺激でヒクヒク振幅しつつ、自分の陰茎が纏うのと同じローションで覆われていくのを見つめる。
 妻の頬は猛烈に熱くなった。
(ストレスのせいか、教職に就いてからずっと不感症気味だから、スるときは効率重視でローションを使っているけれど……慣れない恥ずかしさだよぉ)
 バニラアイスにチョコレートソースをかけるときみたいに、ボトルを持つ手を動かして、肉アーモンドの周囲までグチョ濡れにする。
(でも……結構……興奮するかも……別の男には絶対イヤだけど……他人の知らない姿を旦那様に見てもらうのは嬉しい……はあぁ……)
 ふと見れば、いつでも合体できるように膝立ちになっている伴侶の夫棒は、先ほどまでよりも十度は角度をあげている。
(最初は乗り気じゃなかったのに……わたしの色々なはしたない姿を見れば見るほど欲しがってくれてるわ……あぁ)
 持っていた手の指で、本体にくっついているキャップを締めてからボトルを放り投げた。
 胸の奥も熱くなったのに任せて、招く声を発する。
「きて……あなただけの妻を可愛がって……ん……っ」
 太い縦線を描いて閉じたまま妖しく照り光る陰唇の左右に指を置いたら、ゆっくり引っ張る。
 層を作って周囲に溜まっていた粘液は、ノロノロと肌をすべり、鮮紅色の膣前庭になだれこむ。下部にある窪み状の膣穴にも入っていった。
「ここよ……分かるでしょ」
「も、もちろん……今日が初めてじゃないもの……んッ」
 やりやすい位置まで近づくと、片手で軽く持つ竿の先端を当てた。
「いくよ……」
 目を見て断ると、妻は目を潤ませて頷く。
 厚ぼったい大陰唇を目一杯広げたまま中指を長く伸ばして、妻穴を示した。
「咲姫……さんっ」
 伴侶だけに許される場所の入り口へ、夫棒を挿入した。
「はぁっ……ナオくんのが……入ってきてるぅ」
 ローションが入り込んでぬめりを帯びている肉穴は粘着音を響かせて、愛する男性の性器で広がる。
「さ、咲姫さんのナカへ……お邪魔してるよ……くぅぅ」
 仰向けになっても山じみている双乳の横に手をつく。
 前のめりの体勢になって、合体前には引いていた腰をゆっくり突き出す。
「ああっ……狭い……締まりも……強い……ぃ」
 キツく閉ざされている膣ヒダの洞穴を進む。歯を食いしばって汗まで噴かせながら結合を深め、ほどなく根元まで埋めこむ。
「はああ……ぜんぶ……入ったよ……はあぁぁ」
 夫が一息つくのに合わせて、妻も溜息をこぼす。
「えぇ……んんぅ……分かるわ……ナオくん……いいえ、あなたぁ」
 愛する男性とひとつになった喜びで胸は沸く。
(この瞬間はいつ感じても素敵だわ……)
 最愛の男根の形に変わっている膣の中程までは、多幸感で満ちている。
「動くよ……いいよね……ッ」
 いつになく乱暴な声音で訊いてくる。
(大人しくて優しい旦那様が……性欲で我を忘れかけてる……ひとつになるといつもだけれど、妻として誇らしいわ)
 目と目を合わせて首を縦に振ると、待ってましたとばかりに腰を使いだした。
「咲姫さん、素敵だよ、咲姫さんッ」
 肉の薄い股間を、見た目以上に皮下脂肪たっぷりで柔らかい妻の股間に懸命にぶつける。
 陰茎と女性器にたっぷり塗ったローションのお陰で、摩擦はスムーズだ。
 学生結婚する直前までは童貞だったものの、容姿端麗なことから経験豊富な妻のレッスンの効果で、危なげはない。ほどほどに抜いては貫くピストンで、妻の若い媚肉を味わっている。
(熱烈に求めてくれてる……ああ……興奮するっ)
 愛欲は伝播し、妻のカラダにも火が点く。
 肉体ごとぶつかってくるピストンの衝撃で、柔肌が刹那的に波打つのにもほのかな性感が走る。
(んんっ……胸も感じちゃう……ぅ)
 仰向けになっても丸みを保つ爆乳にも甘いパルスは生じる。
 そのとき、夫は声をあげた。
「出すよッ」
「え……っ」
 始まって間もないだけに、戸惑いの声が出てしまう。
(久しぶりだから仕方ないわよね……)
 気を取り直して、迎合の笑みを浮かべた。
「いいわよ、このままナカで出して、あなた」
 細い首に両手を回して、優しく引いた。
「うん、いくよ……咲姫さんッ」
 少しずつ背中にずらして抱き寄せるのに逆らわず、抱きついてきた。
 夫の薄い胸板と触れ合う豊満な乳房は、少しずつ押しつぶされる。
(んふ……愛する夫と抱き合いながらセックスするのは格別だわ)
 性器を受け入れているとき以上の多幸感に包まれて、衝動のままに夫を抱きしめ直した。
「もう出るよ……いま出るよ……ッ」
 妻が両手を背中に巻き付けるのと同じく、夫も妻の背中に両手を回して抱き返してから、腰を揺すり立てる。
(オチン×ンがすごくビクビクしてる……本当に射精寸前なのだわ)
 挿入したときよりも肥大しているのは、経験豊富な膣で感じ取れた。
 それでも夫棒は、最奥に届かない。だいぶ手前を突きまわしている。
(長さは足りていないけれど……とても熱くて硬いわ……アソコが痺れて気持ちいい……はああぁ)
 伴侶と心も身体も重ねている実感で、心地よく意識が遠のく。
「はあ、はあ、咲姫さん、ぼくの射精を受け止めてッ」
 平素からは想像できない荒々しい口調とともに、深々と貫く。
 力一杯股間を押しつけ、切羽詰まった痙攣を起こしては突っ張っていた分身を限界まで突き入れたうえで、ゴム内で精液を吐く。
「はああぁっ……あなたの精液……わたしのナカで出てるわ……っ」
 抱きつくというよりはしがみついて吐精する夫に応えて、妻も抱きしめ直す。
 小柄な夫と、彼より少し背の高い妻は一塊になり、喜びに打ち震えた。
(愛する男性が……わたしと抱き合って……ゴムで遮られているけれど……胎内に大事な精子を出してくれている……あぁ……)
 性感の痙攣を起こすだけで動かず、じっとしているだけでも、射精は間隔を置いて続く。
(こんなに嬉しいことはないわ……はああぁ……)
 長い睫毛は落ち、満ち足りた笑みが浮かぶ。
 意識は胎内に集中した。
 愛する男性の性器が暴れ、溜め込んだ熱い樹液を何度も噴出させるのを感じ取る。手前でスキンが膨れ、その熱と粘度が伝わるにつれて、最奥は情動を伴って脈打つ。
「元々狭くて締め付けの強い咲姫さんの膣が、くうぅッ、ぼくが射精する度にキュンキュン締まるから、何回も出ちゃうよっ」
「あん、まだ出してくれたのね、あぁっ、好きなだけ出して、あなた」
 十分ほどそうしてから夫は、汗ばんだカラダを離した。起きあがって腰を引くと、そのまま妻の横で仰向けになる。
「はあ……はあ……咲姫さん、よかったよ……ごめん……睡魔が……」
 済まなそうに途中まで言って、寝息を立てる。
 妻は乱れた髪をかきあげつつ、カラダを起こした。
 夫ほどではないが汗をかいており、白い室内灯を浴びて淡く光っている。
「ゆっくり眠ってね、あなた……ちゅっ」
 口元を近づけ、爆乳を紡錘形に変えて、頬にキスする。
 それから、ついたままの避妊具へ身を乗り出した。両手の指のかすかに突き出る爪で口を摘まんで、じりじり抜く。完全に外したら、夫棒の形に伸びた本体を目の前に持ってきた。
(普段よりは多いけれど……この人と出会う前に付き合った男子たちよりも……やっぱり少ない……かも)
 胸中で呟いて、頭を振った。
(いやだ、わたしったらなにを考えているのよ……仕事で大変なときなのに、あんなに夢中になって、抱いてもらえたじゃないの)
 双乳を揺らして枕元を向き、濡れちり紙を数枚手にした。体勢を戻すと、粘液で濡れた夫棒を心を込めて清拭する。
(すぐに寝てしまうくらい射精したから……ゴムを着けたりローションを塗ったりしたときと違って……どんどん小さくなってる……)
 一旦やめて、サイズダウンが止まってから改めて拭きにかかる。
(久しぶりでも、一回が限度なのかぁ……)
 自分の感想にハッとして頭を振る。
(だからなんだというのよ……悪いことではないでしょ、咲姫)
 自分で自分をたしなめたら清拭を続け、ほどなく済ませた。
 使用済みのスキンと濡れちり紙をゴミ箱へ落とし、夫婦のベッドを簡単に直してから、並んで同じ掛け布団をかける。
「お休み、あなた。我が儘を聞いてくれてありがとう……ちゅ」
 おやすみのキスをしたら、枕元のリモコンで室内灯を消した。
 そうして目を閉じるものの、なかなか寝付けない。
(いやだ……カラダから熱が引かないわ……胸とアソコがいやらしく疼きもして……さっきからわたしは、どうしたというの……)
 今度はベッドの中で頭を振った。
(愛し合う旦那様に可愛がってもらって、最高に気持ちよかったじゃないの……お陰で仕事のストレスは解消されたわ……そうでしょ、咲姫……ねぇ)
 自分に言い聞かせるが、火照りも疼きもなくならない。
 結局、一睡もできずに朝を迎えた。それでも妻としてソツなく夫を送り出したうえで、勤務先の学校に出勤するのであった。

第一章 大嫌いな同僚中年教師に何度も種付け射精されて





「……という具合なの。分かってくれたかな~」
 放課後の職員室にまで授業の質問に来た数人の男子へ、咲姫は柔和に微笑みかける。
「えぇと……分かったような……分からないような」
「すんません先生」
「おれらバカっすから」
「空き教室ででも、じっくり教えてもらえますか」
 空色のサマーセーターでも隠しきれない豊満な胸元や、黒のタイトミニから伸びるムッチリした黒のニーハイストッキングを盗み見しつつ、思春期の青年らは応える。
「ごめんねー。仕事が立て込んでて、これ以上は難しいのよぉ。だから、ハイこれ」
 整理整頓されていて、天板には必要最低限のものしかない机の引き出しを開ける。
 薬指の結婚指輪を金色に光らせて取り出したプリントを、おもむろに渡した。
「こんなこともあろうかと、わたしが手作りしたレジュメよ。これがあれば、いつでもどこでもひとりででも、頑張れるわ」
 男子たちは顔を見合わせた。
「苦手を克服したい勉強家クンたちだから、質問に来たのよね」
 座った目つきでニッコリ笑って見せる。
「も、もちろんっスよ」
「いやぁ、嬉しいなぁ」
 教え子達は揃って愛想笑いをした。
「週明けに小テストを、あなたたちだけするわ。もしも点数が悪かったら、親御さんと相談しなくちゃねー」
 二十二歳の新人とは思えない迫力を醸し出し、ますます口角をあげる担任に、男子たちの顔は引きつった。
 彼らは適当に辞去を告げ、とぼとぼと退室する。
「色々と目覚める時期だから仕方ない面はあるけど、忙しいときはねぇ」
 他の教師が思い思いに作業をしたり、同じように生徒の質問を受けたりしている中で嘆息する。
 ふと、自分の胸に触れた。
(あの人が喜んでくれるのはいいけど……他の男にいやらしい目で見られて……教え子すらヘンな気持ちにさせるから、エッチなカラダなのは悩ましいよぉ)
 ニットだけでなく、インナーのタンクトップとブラジャーが間にあるというのに、軽く触れただけでも量感は伝わる。
(お尻も含めて、ここまで大きいと重くて動きにくいわ、肩が凝りやすいわで、本人としてはうっとうしいんだけどなぁ)
 胸中で独白していると、昨夜のことが浮かんだ。近頃、夜に眠れないことがままある。だいぶ溜まったストレスの解消のために、思い切って夫を誘惑したのだが、期待したほどの効果は得られなかった。
(しかも最近は、学生だけでなく教員まで……あー、まったくも~)
 考えても仕方がないと、軽く頭を振る。
 気を取り直してデスクワークに戻るやいなや、新しい声がした。
「毎日、誰かしら学生が質問に来ますね。立花先生の熱意の賜ですな」
 横に立つなり、馴れ馴れしく肩に手を置いたのは体育担当の学年主任である、猪坂泰男(いのさかやすお)だった。
 常にブランドもののジャージを身につけている四十八歳は、かなり若々しく、三十代半ばに見える。
 ジムで鍛えるだけでなく、持ち前の栄養学の知識で健康を維持向上させるのも秘訣だが、オトコの機能を常に使って鍛えているのも肝要だとは、勤め始めの頃の歓迎会で、聞いてもいないのに聞かされた事柄だ。
(うわ……一難去ってまた一難かぁ……しかもこの学園で一番の災厄だよぉ)
 胸中で舌を出すがおくびにも出さない。デスクとセットのオフィスチェアを引いて向き合うことで、なにげなく手を振り払う。
「なにかご用でしょうか、主任」
 不埒な態度を隠しきれない生徒に接するときも出さない、事務的な声で訊ねる。
「立花先生は、新人とは思えないくらいに教職をこなしてらっしゃいますが。息抜きも大事ですよ。でないと、思わぬミスも……どうです今晩」
 お銚子で飲酒する仕草をして見せる。
(学生以上にいやらしい目で見てくるわ、さっきみたいにやたら触れてくるわ、ほとんど毎日こんな誘いをしてくるわで、ほんと参るよ)
 胸の内ほど冷たくはない微笑を浮かべる。
「仕事ぶりは主任が褒めてくださったとおりです。ご心配には及ばないのでは……それに、息抜きは夫としています。お手を煩わせるまでもありませんよ」
 手ぐしするフリをして、結婚指輪を見せつける。
「む、眩しいっ」
 目をすがめた体育教師はよろめいた。
「なっ」
 バランスを崩した中年は、あろうことか両手で双乳にのしかかる。
「おっと、失礼。結婚指輪に目元が照らされましてね」
 謝罪する間も手は離さない。それどころか、指を曲げてきた。
 鍛え込まれた男の指は、厚い生地を物ともせずに二十二歳の若妻教師の双乳に食い込む。
「きゃっ……こ、このぉッ」
 言葉は神妙だが、顔は誤解しようがないレベルでニヤけている。
 演技だと断定した刹那、身体は動いていた。
 椅子に座ったまま床を蹴って、背後へ移動する。
 隙間ができるや立ちあがりつつ、不埒者の両手を纏めて捻りあげた。
「なんという早わざっ、あいたた、立花先生、落ち着いて、事故ですよッ」
「この大嘘つきッ、今のは絶対にワザじゃないのっ」
 まなじりをつりあげ、頭から湯気を出して言い放つ。
「なにをなさいますの、立花先生」
 静かだが気品がある声が割って入った。
「ここは職員室です。乱暴狼藉を働くところではありませんわ。さぁ、猪坂主任を解放してください」
 隣の席の先輩女教師は、銀縁メガネの奥から強い視線を投げかける。
「う……はい……」
 格闘技の心得があり、大学生まで心身を鍛えていた咲姫だったが、すっかり気圧されてしまった。
 手から力が抜けると、不埒者は自分で抜け出す。すかさず、助け船を出した女教師の背後へ回る。
「偶然、目にしましたが。猪坂先生の弁明は事実でしてよ。指輪の光が反射した結果なのだから、むしろ責任はあなたにあるのではなくて」
「そんなぁ……」
 伝え聞いた話では、いいところのご令嬢という年上女教師は、主任の猪坂よりも威厳を放っている。
 新人の意識もあるので、強く出られると弱かった。
「職務ではないことをなさるお暇がおありなら、一昨日までの校内研修のレポートを、すぐにご提出くださるかしら」
「え……っ」
 予想外の内容に凍り付くが、すぐに反論した。
「待ってください。あれは週明けじゃないですか」
 新卒の教師は、先輩教師の授業を見学するという校内研修をしなければならない。そのときのレポートを書いて提出するのも一環なのだが、聞いていた締め切りと違うのはなぜなのか。
 返事をしたのは、まだいた学年主任だった。
「いいえ、伝言を頼まれた私は確かに、水曜日までとお伝えしましたぞ」
「主任……ッ」
 思わず歯を噛み縛った。
 確かに、頼まれたと言って期日を伝えてきたのは猪坂だ。
 けれど間違いなく、締め切りは週明けの月曜日と言われた。
「おやおや。どうやらご主人との息抜きでは、不足のようですな。こんなにもつまらないミスをされるなど、優秀な先生らしくない」
「く……ッ」
「やはり今晩、オトナの息抜きをしようではありませんか。教員同士なら、会社員のご主人とではストレス解消の度合いも変わるはずですよ」
「し、しかし……」
「猪坂主任のおっしゃるとおりですわ」
 レポートの提出を迫った先輩女教師が合いの手を入れてきた。
「現に、ケアレスミスをなさったではありませんか。次は大きなミスを犯してしまうかもしれません。教え子を巻き込むものだったらどうしますの」
「うぅ……」
「身勝手な思い込みで、あろうことか無実の主任に乱暴を働くなどということも、致命的な失態を犯す予兆としかいいようがありませんことよ」
「はい……」
 学年主任の伝達ミスを訴えても、キャリアの差で向こうが有利に決まっている。録音データなどの証拠もないのだ。
 まして今は別件ではあるが、猪坂が被害者で自分は加害者という構図が、女先輩の脳裏にできあがってしまっている。旗色は最悪だ。
(偶然にしてはデキすぎてるわ……この男は、わたしをハメたのよ……まさかここまで最低だったなんて……ッ)
 内心で歯がみしていると、女先輩は提案してきた。
「職場の上司とはいえ、既婚者が独身男性とふたりきりでアフターを過ごすのに抵抗はあるでしょう。わたくしも同席します。ご安心なさい」
 これまでの鋭い表情が、一瞬で柔らかくなった。
 間違いを許さないと言わんばかりの強い口調も、慈しみに満ちたものに変わっている。
「う……はい……」
 それでも了承しかねた。
 悪くないが、人妻なのを承知しているくせに、どさくさ紛れに触れてきたり、学生よりもいやらしい目でカラダを見たり、異様に一緒に街へ繰りだそうとする中年と、というのにはやはり抵抗がある。
「まだ気が進まないのでしたら、校内研修を再度受けてもらいますわ。もちろん、レポートもそれ用のを改めて作ってもらいましてよ」
「そんなぁ……」
 まだ提出していないとはいえ、約七割はできている。それを破棄して、同等以上の手間と労力をかけることになるのはゾッとしない。授業、校内分掌、部活動の顧問になるよう要請を受けてもいる。やることは山ほどあるのだ。
「立花先生のためなのですよ……もしも、息抜きに応じてくださるのであれば、レポートは週明けまで待ちましてよ。リフレッシュして頑張って」
「わかり……ました……勤務時間外に先輩方のお時間をいただいて……申し訳ありません……」
 搾り出す声で承諾すると、学年主任は花が咲いたみたいに笑った。
「いえいえ、新進気鋭の先生のためならなんでもありませんよ」
 機嫌よくニヤニヤする中年は、こうも言った。
「事情と帰りが遅くなることをご主人に伝えるのをお忘れなく。心配させるといけませんからねぇ。なにしろ、大変な愛妻家でいらっしゃるようですから」
「……はい」
 暗い面持ちで返事をするが、内心では舌を出していた。
(他に同席者がいても、あなたとなんか長居するものですか。義理を果たす最小限度の滞在時間だけなんだから。絶対にすぐに帰ってみせるわ)
 愛する夫の笑顔を思い浮かべ、一秒でも早く家で再会したいと念じた。
(もうバリバリ警戒するんだから……ふたりでいるときは常に録音装置を働かせて、妙な真似をしたら、ぶっ飛ばしてやるわ……ッ)
 今でこそ人畜無害な女教師をしているが、学生時代は格闘技でならしていたのだ。
(腕っ節にはまだまだ自信があるわ……いくら鍛えているからと言って、四十八歳のひとりやふたり、どうってことないんだからねッ)
 悪徳教師と女先輩に愛想笑いをしつつ、胸中で闘志を燃えあがらせた。

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