淫習に捧げられる美母

著者: 翅田大介

電子版配信日:2022/11/18

電子版定価:990円(税込)

シチュエーション

夫を、父を亡くした小鳥遊翔子と修一は、亡夫の故郷『狗守村』を訪れる。
村で待っていたのは『狗賓様』と崇められる美少年と――淫靡な因習。
『狗妾』として一夜嫁に選ばれた美母を、凶悪な雄渾で貫く狗神の子・崇史。
『狗賓祭り』――それは美母を悪魔少年が孕ませる寝取られの奇祭だったのだ。
母から一匹の雌に変貌する翔子……悲劇を目撃する息子の哀しみと興奮……。
翅田大介入魂書き下ろし、情愛渦巻くNTR本格伝奇長編、ここに開幕!
(文庫換算460ページ)

●もくじ
プロローグ 狗守村
第一章 狗賓様
第二章 狗妾
第三章 狗返り
第四章 母性
第五章 変貌
第六章 目撃
最終章 狗孕み

登場人物

翔子(34歳)その他

本編の一部を立読み

(母さん……)
「だからね……許してね、修くん? 修くんは私の愛する息子よ。それは変わることはない……だから許して? 私が崇史くんを母親として愛するのを許して……ね?」
 視線を戻した母の顔は、これまで以上に別の誰かの顔に見えた。
 悩ましく歪んだ喘ぎ顔も、法悦に昇天した蕩け顔も、修一が今まで見たことのない母の顔だった。
 だが、今の彼女の顔は……。
「ありがとう、母さんっ」
「あああっ♥」
 崇史の腰振りが再開されると、翔子の母の顔はあっさり崩壊した。そんな母性《もの》は仮面とでも言うかのように脱げ落ちて、肉悦を味わう牝の歓びが顔を出す。
「翔子さんは、僕の母さんになってくれたんだよ、修一っ!」
「ああっ♥ そう、そうよ……私はタカくんのママになったの……っ♥」
 ……翔子は気付いているのだろうか。
 崇史の母親になると口にしながら、その息子と子作りをするという歪さを。
 あるいは近親相姦という禁忌の行いすらが、今の彼女には堪らない快感となっているのか。
「それに、僕の恋人にもっ!」
「んん~~ッッ♥ 崇史の恋人になる……崇史が私を愛するように、私も崇史を愛するわ……♥」
 崇史の腰振りに合わせ、自らも尻を振る翔子。
「そして、僕のお嫁さんにもね。翔子は、僕の妻だ!」
「ああっ♥ そう、そうです……翔子はあなたの妻……夫に永遠の愛を誓いますぅ……♥」
 快楽に染まって蕩けたメス顔。瞳にはハートマークが浮かぶのが視えるほど。
 もはや彼女のどこを探しても、修一が見知った母の面影は見当たらなかった。母親代わりと言いながら、肝心の母性らしきものは見つからない。
 いや……母性という言葉は、崇史との行為に淫するための方便だったのではあるまいか。
「出して……タカくんのおち×ぽ汁、ママの子袋にびゅーびゅーしてぇ……♥ 崇史のち×ぽ汁出されてイキたい……あなたの赤ちゃん孕みたいのっ♥」
 堕ちたい……。
 堕ちたい……。
 もっと堕ちたい……。
 これ以外何も考えられなくなるくらいに……。
 これ以外何もいらなくなるくらいに……。
 取り返しがつかなくなるほどの深みに、身も心も堕ちてしまいたい……。
 堕ちることを願いながら、堕ちるための正当な理由を探し続けた女が導き出した、屁理屈にもなっていない自己暗示。それが『母親になってあげる』という言葉だったのではないか。
「さぁ、翔子……修一に見られながら受精するんだ!」
「あああ……見てて……見ててね、修くん? 母さん、危険日だから……赤ちゃん孕める日だから……この人の濃厚精液で受精アクメする母さんをしっかり見守って……っ♥」
 もっとも、今の翔子には自分の歪さも、狡さも、忌まわしさも頭にないだろう。
 ここにいるのは、媚に染まり、淫に堕ちきった女の末路。
 屈強な肉棒に酔い、つむじから爪先までどっぷり快楽に浸かるのを選んだ母の残骸。
 精を欲しがって舌をだらんと垂らした、淫乱という言葉を体現した一匹の牝狗がいるばかりだ。

続きを読む

電子版の購入

定価:990円(税込)

以下の書店でもお買い求めいただけます

電子版の購入

定価:990円(税込)

以下の書店でもお買い求めいただけます

本の購入

以下の書店でもお買い求めいただけます