【内奥】(ナイオウ)
女性器の内部奥深く隠れたところで、つまり膣口(ちっこう)から子宮壁(しきゅうへき)に至る総称である。
「膣奥(ちつおう)」「肉奥(にくおう)」「膣道(ちつどう)」「肉孔(にくあな)」「秘奥(ひおう)」などと表記することもある。
それにしても、女性器の細部にいたるまで、よくこれだけいろいろな用語を考えるものだと感心させられます。

【肉棒】(ニクボウ)
肉の棒、まさしく男性器、ペニスのことである。
まだ当局の取り締まりが大変厳しかった時代、ペニスなどと書こうものなら、即発禁。そこで作家たちはいろいろな単語を考えた。
そんななか、もっともわかりやすくて支持され、今や日本を代表する男性器用語となったのです。
ちなみにフランス書院文庫で表記される男性器用語を列挙すると、
肉茎(にくけい)、肉塊(にくかい)、肉棹(にくざお)、ファロス、男根(だんこん)、淫棒(いんぼう)、如意棒(にょいぼう)、火かき棒(ひかきぼう)、剛直(ごうちょく)、硬直(こうちょく)、勃起(ぼっき)、強張り(こわばり)、魔羅(まら)、息子(むすこ)、ペニス、チ× ポ……。
まだまだあるが、とにかく作家たちに拍手!
【女体盛り】(ニョタイモリ)
女性の裸身に刺身などの食べ物を盛り付けること。
海外では、刺身ではなくキャヴィアを盛り、口で舐めとっていくなど、各国の風土を反映した特産物が使用される。「ありあまる富により、腐敗し、堕落してしまった魂」の隠喩として用いられることも多い。
ちなみに、正座した女性の下腹と太腿の間に酒を注いで飲むことを、陰毛が海藻のようにゆらゆら揺れるので、「わかめ酒」という。一般常識として覚えておきたい。

【濡れる】(ヌレル)
濡れること。
雨に濡れる、水に濡れる、そんな解説は野暮以外の何ものでもない。フランス書院文庫で「濡れる」といえば女性器に尽きるのだ。
しっぽりと、ねっとりと、ネッチャリと、ビチャビチャに、ビショビショに、ベショベショに、ニチャップチュッと……表現はその時その時の作家の感性によるが、とにかく女陰はよく濡れるのである。
濡れて女は恥ずかしがり、男は濡らしてやったと悦ぶのだ。
もちろん男だって前触れの液で濡れるのだが、濡れ方に擬音までつけて表現はしない。濡れて悦ばれるのは女陰の特権!
ちなみに尿の場合は漏れるというほうが多い。

【粘膜】(ネンマク)
粘液で湿り気を帯びた、柔らかい膜状の組織のことで、女性器、口腔(こうこう)の両方に使う。
しっとりと濡れた割れ目全体、膣の中も粘膜と称する作家がいれば、綺羅光のようにディープキスをさせるのが好きな作家は、男が舌だけで女の口腔を刺激し感じさせることもあり、その際、口の中を粘膜と呼んでいる。
いずれにしろ、ネンマクという響きに猥褻なイメージを駆り立てられるのか、作家たちが言葉に困った時、粘膜はかなり頻繁に登場する傾向にある。

【仰け反る・のけ反る】(ノケゾル)
女が感じたとき、その感じ方の激しさを表わすために使われることがもっとも多い。
他には「海老反る(えびぞる)」、「弓反る(ゆみぞる)」などもあるが、圧倒的にのけ反るが主流だ。
目を潤ませ、唇からはひっきりなしに甘い嗚咽、そしてキュイーンキュイーンとのけ反る女体……。
男なら誰しも夢見心地になる一瞬だ。