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- 【年上】(トシウエ)
- まず注意してほしいのは、あらゆる世代、年代において、「年上」と言える対象は存在するということである。
ただし、同じ年の差でも「32歳の男性&47歳の女性」の場合と、「17歳の男性&32歳の女性」という場合では、まったく雰囲気が異なる。淫靡感、背徳感などを考えた上で、官能小説家は、年の差を設定しているのである。
弓月誠は『年上初体験【僕と未亡人】』でデビューして以来、一貫して年上を描き続けていることで知られている。弓月誠曰く、「二回り離れるのはやりすぎ、一回りでは足りない、二回り『近く』離れているのがツボ」らしい。たかが年の差といっても、奥が深い。
- 【土手】(ドテ)
- 医学用語ではmons pubis(モンス・ピュービス)と言い、いわゆる陰阜(いんぶ)、恥丘(ちきゅう)のこと。
もっとわかりやすくいえば、裸身を正面から見て陰毛が見えているあたり、三角地帯、デルタ、などと書くこともある。また、性器そのものをさすこともあるので、かなりいい加減といえばいい加減。
「土手高の女は味がいい」などとよく言われ、小説のなかでも男たちが猥談をしているシーンで登場するが、真偽のほどは定かではない。
土手に関連して「肉土手(にくどて)」という言葉もある。これも土手をさらにリアリティがあり、かついやらしく表現するものではあるが、肉土手は陰阜ではなく、性器の周囲の肉、大陰唇、外陰唇が肉厚でぼってりしていることを言う、という作家もいる。
そういった説を唱える作家はそこまで性器描写にこだわっているわけだから、一字一句、読み落とし、確認し落とし、感じ落としのないよう、注意して読んでもらいたい。
フランス書院の誘惑小説と言われるジャンルにおいては、年上の女性と初体験に挑む少年が、あまりの興奮に挿入する前に射精してしまうことがままある。そんな時でも年上の女性は決して叱責することなく、逆に元気の良さと想いの強さに感動すらしてくれることもある。