溺れ母【禁愛】

著者: 村崎忍

本販売日:2025/06/10

電子版配信日:2025/06/20

本定価:1,606円(税込)

電子版定価:1,606円(税込)

ISBN:978-4-8296-7948-7

「今夜からママがあなたの恋人。ぜんぶ受けとめてあげる」
息子が大人になる瞬間を他の女に渡したくない!
罪の意識に怯えながらも身体を許してしまう熟母たち。
36歳と37歳、秘めた欲望に溺れる危険な交尾生活!
母子小説の本格派・村崎忍、文庫X初登場!

目次

『溺れ母【禁愛】』


序章  初めて母に女を感じた夜

第一章 再会した叔母の悪戯

第二章 獣の姿で身悶える二十七歳

第三章 息子を取り戻すために…

第四章 いきすぎた母性

第五章 背徳的すぎる3P寝室

終章  終わらない溺愛生活


『淫ら母【受胎】』


序章  引き取られた少年

第一章 新しい母は三十七歳の美熟女

第二章 禁断の一線を踏み越えた淫母

第三章 家族がいる家の中での秘戯

第四章 姉に命じられた「淫らな家事」

第五章 隣家の未亡人に教えられたこと

第六章 まろやかな美臀に流し込んで

第七章 少年を迎えた女たちの楽園

終章  受胎の朝

本編の一部を立読み

溺れ母【禁愛】



序章 初めて母に女を感じた夜


 ゆっくりと近づいてきた自動車の気配が、玄関先あたりで停まった。顔をあげて窓を見やると、レースカーテン越しにハザードランプの明滅が見てとれる。成瀬亮は参考書を閉じ、机上の時計を一瞥した。すでに零時半をまわっている。
(いつもより、ちょっと遅いな……)
 二階の自室を出て、足早に階段を降りる。玄関のドアを開けたときには、走り去っていくタクシーの後ろ姿が見えた。下車した人影は門柱に寄りかかったきり、一向に動こうとしない。出迎えに行くと、夜気にまぎれてアルコールの臭いが漂っていた。
「──母さん、大丈夫?」
「ぅん? あぁ……亮、ただいま……」
 項垂れていた奈津子が、端整な細面をほころばせた。前髪を残して後方へまとめあげられた黒髪が、軒明かりに照り映える。華やかな紫のテーラードスーツも、母が身につけると菖蒲のような淑やかさを醸すのが不思議だった。
「お疲れさま。さぁ、つかまって」
 傍らに付き添って、玄関のなかへ連れ帰る。式台に座らせると、奈津子はあお向けに寝転びながら、下肢を横倒しにした。よじれた肢体が衣服を巻きこみ、三十六歳の熟れた肉付きを浮き彫りにする。
 インナーのシャツが、はちきれそうな胸のふくらみ。タイトなスカート内でひしめく豊穣な尻たぶ。思わず目を奪われた亮は、頭を軽く振った。
「ねぇ、起きてる?」
 呼びかけても、小さな呻き声しかかえってこない。あきらめて足もとに屈みこみ、黒いストッキングに装われた細い足首をすくいあげた。パンプスを脱がせると、薄布が二重縫合されている爪先部分に目が向いてしまう。可憐な足の指にペディキュアが塗られていないのを見ると、ほっと安堵がよぎった。
 もう一度、起きるように呼びかけてみたが、なんの反応もかえってこない。母の上体を抱え起こし、片腕を持ちあげてジャケットの腋下に頭をくぐらせた。甘く蒸れた吐息や胸もとの香水、そして芳しい女の体臭が、かわるがわる鼻腔へ流れこんでくる。
「とにかく、部屋へ行こうね。こんなとこで寝たら、風邪ひくから」
 肩を貸して立ちあがらせ、廊下を進む。一歩ごとに奈津子がふらつき、たわわな豊胸が亮の横顔に押しつけられた。ぐんと張りだした腰のあたりを支えようとすると、むっちりした柔らかさに指先が沈みこんでしまう。
(うぅ──こんなの、どこにも手の置きどころがない)
 あでやかな肉感から意識をそらしても、火照った女の体温までは防ぎようがない。容赦なく浸透してくる生々しい温もりが、少年の健全な肉体を紅潮させる。
 どうにか寝室まで運びこみ、ベッドに座らせた。室内灯をつけ、化粧台からクレンジングシートを取りだして、そっと母の傍らに置く。ジャケットを脱いだ奈津子が、スカートのホックをはずして一息ついた。
「ありがとう……ねぇ、悪いけど、お水を持ってきてくれない?」
「うん、わかった。そのまま寝たら、駄目だからね」
 台所に行き、ちらりと俯く。スウェットズボンの股間は、まだ隆起をおさめていない。Tシャツの腋が湿り、くせのない黒髪が額に貼りついていた。自分にあきれて首を振りつつ、ダイニングチェアに座って昂りが鎮まるのを待つ。
(母さん……こんなに酔って帰ってくるなんて、何年ぶりだろう)
 奈津子は会員制の高級クラブで、ホステスとして働いている。昼間にも臨時のパートを入れ、女手一つで糊口を凌いできた。どんなに辛そうなときでも、息子の前では愚痴の一つもこぼしたことがない。ただの一言さえ、こぼしてはくれなかった。
 溜め息をついて水を汲み、深呼吸をして母のところへ戻る。寝室に入ろうとした寸前、思わずコップを落としそうになった。
(あ──)
 入り口に背を向けた奈津子が、ちょうどネグリジェを身にまとうところだった。白磁のような背肌を、ピンクの裳裾がふわりと舞い落ちる。吸い寄せられた視線が、腰を巡る黒い細帯と、まろやかな白臀の連なりに釘付けになった。
 丸裸も同然の尻たぶに、鼓動が跳ねあがる。目を凝らしたときには、ゆったりした厚手の生地に膝下まで覆われ、双臀のふくらみしか見て取れなかった。
(今のって──Tバック? どうして母さんが、そんなキワどいのを……)
 今まで知らなかった母親の一面に、動悸がおさまらない。頬を赤くして惚けていると、鼈甲の髪留めをはずした奈津子が、艶やかな黒髪を背中へ流して振りかえった。棒立ちになっている亮へ、不思議そうに酔眼を向ける。
「あぁ、ありがとう……どうしたの、亮? なんだか、お顔が真っ赤よ」
「な、なんでもないよ。それより水、そこへ置いていくから」
 やや前屈みになって、母の傍らを通り過ぎる。床だけを見据えていたが、脱ぎ捨てられたストッキングに直面し、コップの中身が派手に揺らぐ。サイドテーブルまで届けたおり、いきなり背後から両肩をつかまれた。
「あれぇ……なぁに? この子ったら、もしかして照れてるの?」
 生白い両腕が首に絡みついてきたかと思うと、柔らかななにかが背中に触れた。一カ所ではない。右と左に、分かれて二点。横並びの肉感が、たぷんと重みを波打たせてまとわりつく。肩胛骨のあたりから、カアッと昂揚がひろがった。
「べ、べつに、照れてなんかいないってば」
 異を唱えるが、まともに聞き入れてもらえない。首を巻いた両手が胸もとへぶらさがり、ローズカラーに彩られた指先を組み合わせた。奈津子がふらつくたびに胸肉が揺らぎ、しこりのような一対の突起がツツッと亮の背中を這いずる。
(これって、まさか──)
 うろたえて泳いだ視線が、ベッドに脱ぎ捨てられた衣服にとまる。スリップの上に、黒いブラジャーが置いてあった。まるで御椀のように深くて大きなカップが、背中に押しつけられている豊かなふくらみと合致する。
「母さんの知らないうちに、どんどん大人になっていっちゃうのね……」
 耳もとに吹きかけられる寂しげな溜め息と、あたりに漂う雅やかな芳香が艶かしい。豊胸の頂きが弾力を帯びて尖ってきたのが、薄いTシャツ越しに感じとれた。鎮まりかけていた股間がふくれあがり、首筋から後頭部までが熱くなってくる。
「だ、大丈夫だよ。これからも、ずっと一緒にいるから」
 なだめながら抱擁を解かせ、奈津子をベッドに座らせた。じゃれて酔いがまわったらしく、亮がジャケットを片付けているうちに横たわってしまう。
「ねぇ、亮は覚えてる? 小学校の三年生頃まで、ここで一緒に寝ていたこと」
 のぼせた顔で亮はうなずく。一人っ子なので、二階で眠るのが怖かった。怖いテレビ番組を観た後などは、小学校の高学年になってからでも同衾してもらったことがある。当時からベッドは買い換えられることなく、未だにセミダブルのままだった。
「久しぶりに一緒に寝ていく?」
 たおやかに目を細めて、奈津子が微笑む。深い意味はないとわかっているのに、心拍が弾んだ。きっと一睡もできないに違いない。
「もう子供じゃないよ」
「子供よ。いつまでも、子供なの。だから……どこにも行っちゃ、駄目なのよ……」
 口調がたどたどしくなり、睫毛の長い目蓋が閉じられる。化粧を落としても肌つやは瑞々しく、水商売など似合わない貞淑な素顔だった。
 優美な弧を描く柳眉の下には、温厚な二重の目もと。繊細な鼻梁の下では、潤沢な紅唇の合間に、真珠色の皓歯が輝いている。
「うん、大丈夫。どこにも行かないよ……」
 囁きかけたおり、はだけたネグリジェの襟もとが目に入った。所狭しとひしめく白いふくらみや、ぷくりと木綿生地を突きあげる二つの突端を見ていると、なまめかしい感触が背肌によみがえり、腰のあたりがざわついてくる。
 さらに視線を下降させれば、ネグリジェの褄がまくれあがり、むっちりと重なり合う太ももが剥きだしになっていた。静脈の透ける生白い肌に見惚れていると、めくれかけた裳裾の翳りへと視線が引きこまれそうになる。
(この奥に、さっきの下着が……あぁ、駄目だ。こんなことばかり考えてちゃ……)
 一思いに布団をかけて艶姿を覆い隠したが、劣情までは断ちきれなかった。後ろめたくなって項垂れたおり、床に落ちている黒い布塊に気がつく。胸の奥で、かすかな火種が熾った。母の寝顔を見つめ、そっと電灯を消す。
(ごめん。後でかえすから……)
 自室に帰ると、すぐさまズボンのポケットをさぐって取りだした。ごわごわした布塊がふくらみ、細長くしなびた先端が掌からこぼれ落ちる。爪先から太もも、そして熟れた臀部までを包みこんでいたのだと思えば、抜け殻のようなストッキングにさえ胸がときめいた。
 棚に飾ってある写真立てを取り寄せ、ベッドに腰かける。小学校の入学式に、桜のもとで母と手をつないで撮った写真だった。脱ぎたてのストッキングに名残を求め、臭いの残っていそうな足先へ鼻を埋める。
 なにも嗅ぎ取れなかったため、二重縫合で黒色が濃くなった胴部に関心を移す。股間のところには、秘処をかたどるような檸檬型の縫い目があった。成熟の下肢を思いだしながら、顔を近づけて深々と息を吸ってみる。
 薔薇を思わせる人工の香りのなかに、洗練されていないよどんだ臭気があった。頭で理解するよりも先に、むくっと若気が反応する。
(これって、母さんのアソコの──どうして、こんな甘ったるい匂いが……)
 乾きかけの唾液のような臭いも混じって、お世辞にも芳香とは言えないのに、なぜか嗅ぎ痴れずにはいられない。香水でごまかさねばならないような艶臭を、息子さえも惑わせてしまう女の淫香を、優しい母親が太ももの奥まりから漂わせている。
 まだ見たことのない臭気の根源を想うと、もやもやと脳裡が霞んできた。ズボンもろともトランクスを脱ぎおろし、反りかえった猛りを握りしめる。ゆっくり包皮をせりあげて剥きおろすだけで、早くも鈴口から透明蜜が滲みでてきた。
「はぁ、気持ちいい……この匂い、たまらないよ」
 ストッキングを顔にあてがい、無我夢中で手淫に耽る。鼓動を乱しているのが罪悪感なのか、興奮なのかわからない。相手は血のつながった肉親なのに、自分を産んで育ててくれた母親なのに、どんな美女を思い浮かべるより色欲がたぎってしまう。
「母さんのことは、昔から好きだったけど……こんな気分は……」
 性感が高揚するにつれ、恋焦がれるような心情まで強くなる。写真立ての慈愛に満ちた笑顔を見つめながら、先ほどの悩ましい艶姿を思いだした。
 慰めているのに、じれったい。早く、勢いよく、たくさん吐きだしたい欲求が、陰嚢のなかで渦を巻く。煮えたぎる衝動がなにを意味するのかも考えず、烈しく擦り立てた。ストッキングを手放し、枕もとのティッシュボックスから何枚も引き抜く。
(アァッ、ごめんなさい……ごめんなさい)
 謝りながらも手がとまらない。目をつむり、あてがったティッシュペーパーのなかに激情をほとばしらせた。切っ先から吐きだすたびに喜悦が睾丸まで跳ねかえり、腹筋が震えて腰が引けてしまう。
 放出が終わっても、脳天が痺れていた。息を喘がせながら、潤んだ瞳で写真立てを見つめる。甘美な余韻に誘われるように、尿道のなかを残滓が流れでてきた。
「ドロドロに濃いのが、こんなに……」
 付け根がひりつくほど多量に出したのに、鎮火した実感がない。重く湿ったティッシュペーパーを屑カゴに捨て、ストッキングを顔にあてがう。淫香にたぶらかされ、たちまち芯がみなぎってきた。こみあげる甘く切ない慕情が、やましさを薄れさせる。
「あぁ、どうしよう。母さんでなら、何度だってイケそう……」
 深みに嵌まりそうな危険を覚えながらも、許されない感情だとわかっていながらも、やめられない。蒼い若気は実母に魅せられ、すっかり生殖の機能を猛らせていた。

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