尽くしてあげます 義母、友人のママと姉

著者: 村崎忍

本販売日:2023/09/22

電子版配信日:2023/10/06

本定価:825円(税込)

電子版定価:880円(税込)

ISBN:978-4-8296-4683-0

「もっと奥に入れて、イクときは中で出して」
甘い声に導かれ子宮に浴びせる熱い白濁。
祐が憧れ溺れたのは、亡き友人の美母・郁美。
罪悪感を覚えつつ貪ってしまう快楽の果実。
友人の姉・早紀は心優しい少年にほだされ、
跡継ぎを求められる義母・彩華は危険な企みを……

目次

序章 秘めた想い  春の陽射しに唆されて

一章 38歳の未亡人 亡き友人の美母と

二章 甘いご褒美  友人の姉の身体

三章 危険な関係  義母の膣中に何度も

四章 蜜月旅行   禁断の贈りもの

終章 新しい日々  もっと甘えて

本編の一部を立読み


 うららかな春の陽射しが、芝庭に降りそそぐ。脚立に登った原田祐は屋根の軒端につかまりつつ、もう片方の手を雨樋へ伸ばした。
 竪樋へと雨水が流れ落ちる集水器を手探りし、枯葉をつまみあげる。
「やっぱりだ。かなり詰まってたよ。これが雨漏りの原因かな」
 ゴミを取り除いてしまってから、足もとを顧みて右手を差しだす。傍らで作業を見守っていた妙齢の女性が、ジョウロを掲げて手渡してくれた。
「大丈夫? 落ちないように気をつけてね」
 細面の凜々しい美貌が、眉宇を曇らせる。間宮早紀は二十五歳。三年前に他界した親友の姉だった。
「うん。気をつけるよ」
 笑顔で頷きかえした祐は、ふと瞬きをとめる。リブカットソーを隆起させた双乳の連なりや、襟ぐりに覗いた深い谷間を一望できたからだ。
 慌てて視線を逸らし、ジョウロを頭上へもたげて雨樋に水を流しこむ。
「どうかな? 下から水が流れでてくれば、もう大丈夫だろうけれど」
「ちょっと待って……あ、出てきたわ」
 家屋の壁伝いに設置された竪樋の下端から、ゴボッと音を立てて泥水と枯葉が勢いよく流れだしてきた。
 空になったジョウロを携え、祐は脚立から地面に降りる。早紀と一緒にゴミの後始末をしていたおり、庭に面した縁側から呼びかけられた。
「ありがとうね。そろそろ、お昼にしましょうか」
 レースのカーテンを開け放ち、間宮郁美がにこやかな笑顔を覗かせた。目尻をさげた優しげな麗容が、十八歳の少年をときめかせる。
「さっきから、いい匂いが漂ってきてたのでお腹が鳴りそうでした」
「ふふ。いつも、たくさん食べてくれるから作り甲斐があるわ」
 傍らにいる早紀の視線には気づかず、祐は鼻の下を伸ばして頭を掻いた。物置に脚立を片付け、縁側で靴を脱いでリビングにあがる。
 手を洗ってからキッチンへ赴くと、香辛料の芳香で本当に腹が鳴った。
「あらあら、大変。すぐ用意するから座って」
 郁美が皿を手に取り、鮮やかな黄色の炊き込みご飯を装う。挽肉をふんだんに用いたキーマカレーを上にかけ、温泉卵まで載せてくれた。
 早紀が席に着いた頃にはスープも用意され、三人での昼食がはじまる。
「いただきます……あ──このご飯さっぱりして、濃いカレーと合いますね」
「よかったわ。サフランの香りが苦手って人もいるから」
 エビや貝柱が和えられたサラダも、郁美が小皿に取りわけてくれる。シニョンにまとめた優雅な黒髪や、張りと潤いのある肌が若々しい。
 くっきりと濃い眉も、秀麗な顔立ちをたおやかに仕立てていた。
(あいかわらず若いなぁ。これで三十八歳だなんて)
 母と娘の年齢があまり離れていないのは、早紀が再婚相手の連れ子だからだ。再婚した夫も事故で亡くしたうえに、三年前には実の息子まで失った郁美の心情は察するに余りあった。
 義理であっても娘がいてくれたことが、せめてもの救いだと祐は実感する。
「あの──おかわり、よろしいですか?」
 空にした皿を差しだすと、郁美が快く頷いて盛りつけてくれた。オニオンスープを啜っていた早紀が、思いだしたように話題を転じる。
「先日、お義母さんを街で見かけたわよ。すっごく綺麗な人ね」
「あぁ、うん……第一印象は冷ややかそうで近寄りがたかったんだけど……」
 原田家に後妻が嫁いできたのは、今年の春先になる。これまで祐は通いの家政婦に面倒を見てもらってきたが、大学受験を控えた今年になって大きな環境の変化に見舞われることになった。
「料理も家事もそつがないし、僕にも気さくに話しかけてくれるよ」
「へぇ……華やかな見かけによらず家庭的なのね」
 早紀が感嘆したのを機に、話題は今週の出来事などの雑談へと移った。賑やかな昼食を満喫して祐が席を立ったのは、午後一時過ぎだった。
「私もちょっとコンビニへいってくるわ。食べ過ぎたから散歩をかねて」
 郁美に告げて、早紀までもが一緒に間宮家を出た。路地を折れれば五分足らずで祐の自宅だが、話があるからと遠まわりさせられる。
 早紀から用件を切りだされたのは、神社の前を歩いていたおりだった。
「もうすぐ母の日よね」
「そうだね。今年も郁美さんへ、なにか花でも贈ろうと思っているけど」
 郁美の実子である間宮翔太が他界した三年前から、母の日には祐がプレゼントを届けることにしていた。
 あたりを見まわした早紀が、隣に肩を並べて声をひそめる。
「来年は進学でどうなるかわからないんだから、確実に会えるうちに特別なプレゼントを贈りたいと思わない?」
「どういうこと? 僕と早紀姉ちゃんと共同で、なにか買うとか?」
 早紀が溜め息をつき、やれやれとばかりに肩をすくめた。片腕を伸ばして祐の首を引き寄せるなり、小声で耳打ちする。
「そうじゃなくて。告白しちゃいなさいって言ってるのよ」
「え──」
 二の句が継げずに隣を振り向けば、ショートヘアーが様になる小ぶりな美貌と間近で向かいあうことになる。
「とっくに知ってたわよ。うちのママのこと、昔から好きだったでしょ」
 はぐらかすこともできずに祐が耳まで真っ赤にすると、早紀が白い歯を覗かせて笑った。肩組を解いてから、神妙な顔つきになって溜め息をつく。
「祐が足繁く通ってくれたお陰で、一昨年や去年に比べれば元気にはなったけどね。だからこそ来年、あんたが進学した後が心配なの」
「……うん。そこは僕も、気にはなってはいるけど……」
 我が子に先立たれた郁美は、それまで手がけていた雑貨カフェの経営も早紀に委ねてオーナーへと退いてしまった。
 夫の遺産であるマンションの家賃収入だけで生計が立つこともあり、ほとんど外出もせずに長らく塞ぎこむ時期さえあった。
「娘としては母親に女として、もう一花咲かせて欲しいの……つまり私の言いたいこと、わかるでしょ?」
「え──無理だよ。僕なんか男として見てもらえる訳ないじゃないか」
 祐は尻込みする一方で、浮き立つ気持ちも抑えきれなかった。淡い下心を見抜かれたのか、早紀から後押しされる。
「そんなことないわ。うちのママは祐のことが可愛くて仕方ない感じだもの。来春から寂しくなるかもしれないと思えば、女心も揺れ動くかもよ」
(そういうものなのかな……)
 これまでに郁美を思い浮かべて、自分を慰めた回数は数えきれない。早紀が重ね重ねに、今こそが千載一遇にして最大のチャンスだと力説した。
「もし、上手く親密な関係まで結んでくれたなら……成功報酬として、私からもご褒美をあげようかと考えているんだけどな」
 甘く囁かれたので隣を見やると、早紀が美貌を歪めて目もとを引き攣らせていた。それがウインクのつもりなのだと気づき、祐は慌てて首を横に振る。
「いや──それは別にいらないけれど……」
「なによ、皆まで聞かずに……まあ、ママのことだけでも考えておいてね」
 四つ辻まできたところで言い置き、早紀はコンビニエンスストアのある幹線道路方面へと歩み去っていく。
「まったく……早紀姉ちゃんも彼氏がいないから、適当なことばかり言って」
 本人の前では言えない愚痴をこぼし、祐は家路をたどった。

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