金髪碧眼、白い肌が眩しい清楚なブロンド留学生・ジェシカが、
俺の家でいきなりホームステイすることに!?
同棲生活で次第に意識し始める思春期の二人に、何も起きないはずもなく……
お互い初めてのエッチなのに、心と身体の相性がバッチリだった俺たちは、
チアガール衣装で、祭りの夜に浴衣姿で、友達と行った市民プールで、
いつでもどこでもハメあってイキまくる、イチャラブ交尾する関係に!
黄金の黒山羊の人気WEB小説、全編加筆&書き下ろしで電子書籍化!
1 ジェシカとの初体験
2 ジェシカと待ちきれない放課後
3 ジェシカと野球応援とチアガール衣装
4 ジェシカと夏祭りと浴衣
5 ジェシカとプールと水着
本編の一部を立読み
1 ジェシカとの初体験
「お父さんがアメリカに赴任してたときのお友達のお子さんがね、今度日本に来ることになったの。それで泊まれる場所を探してて――うちに泊まってもらうことになったから」
それが、ジェシカをホームステイさせるときに母が道夫にした説明だった。道夫の父は海外を飛び回る仕事をしていて、家には滅多に帰ってこない。その父は、ときたまこうして妙な案件を家庭に持ち込む癖があった。
「――ったく。父さんも相変わらずだなあ」
だから道夫はあまり驚かなかった。朝食の席で味噌汁をすすりながらそう言った。
「わかったよ母さん。どうせもう決まったことなんでしょ?」
「ごめんね。それで、その子は明日から日本に来るらしいから。母さんお仕事があるし、道夫が空港まで迎えに行ってくれる?」
「えっ、明日!? いくらなんでも急すぎないか」
「私もそう思ったけど、お父さんっていつもそういう感じでしょ?」
「まあ文句言ったって無駄か……。わかったよ」
道夫が頷くと、母はごめんねと言った。
「それで、その子の名前はなんていうの?」
「ジェシカさんだって。ジェシカ・フォスターさん」
「へえ……ジェシカか。なんか女の子みたいな名前だね」
「だって女の子だもん」
「そっか。――えっ?」
「だってジェシカちゃんは女の子だもん」
「ちょっ、まっ! 女の子をうちに泊めるの!? それは――」
「え? なにかダメかしら」
「あ、いや、そんなことないけど……」
道夫が驚いたのは無理もないだろう。
彼はれっきとした男子校生で、思春期真っ盛りだ。そんな時期にアメリカ人の――女子が家に泊まりにくると聞いて、平静でいられるはずがない。
彼はしどろもどろになって、母に尋ねた。
「そ、そのジェシカさんっていつまでうちに泊まるの? 海外旅行なら一週間くらい?」
「ううん、お父さんは12か月くらいだって」
「それって丸一年じゃんか! そんなに長いのかよ!」
道夫が叫ぶと、母はきょとんと首を傾げた。
そんなのを引き受ける父も父だが、母は母で呑気な人だと道夫は思った。しかし彼らが引き受けてしまった以上、自分が反対して話を白紙に戻す余地などない。何よりそのジェシカさんに対して気の毒だと思い、「仕方ないか……」とつぶやいたのだった。
§
「ここがジェシカさんの部屋だよ。え~っと、自分の部屋だと思ってくつろいでください」
英語の成績に自信のない道夫は、できるだけゆっくりとした簡単な日本語で喋っていた。だが果たしてアメリカ人の彼女に「くつろぐ」という単語が理解できるのか。そう思って一瞬口が止まった。しかし代わりの単語も咄嗟に思い浮かばなかったので、そのまま言い切った。――すると目の前の金髪の美少女は、物語のお姫様のような笑顔を浮かべてこう言った。
「ありがとうございますミチオさん。色々お気遣いいただいてすみません」
「は、はい」
「わざわざ空港まで迎えに来てくださったり、ミチオさんは親切な人なんですね。そういう方とお知り合いになれて、私、とても嬉しいです」
「そんな言われるほどじゃ――……ええっと、いや、はい、ありがとうございます」
ジェシカの口が紡ぐのは、そこらの日本人よりよっぽど丁寧な日本語だ。
ジェシカに会う前、アメリカ人の少女がホームステイに来ると知った道夫が思い浮かべていたのは、何かのドラマで見たような、活発で明るいチアリーダーでもやっていそうな女子の姿だった。そういう女子には、フットボールチームに所属しているガタイのいい白人か黒人くらいしか釣り合わないだろう。どちらかといえばナードに属する自分が上手く接することができるか不安だった。
しかし空港で会ったジェシカは、金髪碧眼で抜けるような白い肌をしているところまでは道夫の想像通りだったが、ロングの白いワンピースが似合う落ち着いた知的な雰囲気の少女だった。
(いやまあそりゃそうか。アメリカ人にだって色んな人がいるよな。勝手なイメージを押し付けたりしたらいけないよな。――てか日本語マジで上手だよなジェシカさん! 俺の姉ちゃんより上手なんじゃないか?)
ジェシカの部屋は道夫の隣だ。道夫の姉が大学進学で家を出たため、ベッドなどの家具一式が揃った部屋が一部屋余っていた。ジェシカはドアを開けた道夫の隣を通り抜け、部屋の中に入った。そこで彼女のブロンドヘアから、とんでもなく良い香りが漂った。
「うお……っ」
道夫の心臓がドキッと跳ね、思わず口から謎の声が漏れた。
カチューシャで留めたジェシカの髪はあまりにもサラサラで、大げさではなくこの世のモノではないように思えた。道夫の目から十数センチほど先を通った肌も本当に白く、大理石のようにすべすべできめ細やかに見えた。
(こ、これから一年、この子と同じ家で暮らすのか?)
そのことを頭の中で再確認すると、ドキドキと胸が弾んで止まらない。一方でジェシカは、道夫に背を向けて部屋の中を興味津々と眺めていた。
(落ち着け。落ち着けよ。彼女は単に、こっちに日本の勉強に来ただけだぞ。なんでこんな手汗ヤバいんだよ。……あれ? そういやジェシカさんの学校ってどうするんだ? もしかして俺と同じ学校に通うのか? マジか……)
道夫のその予想は当たり、翌日からジェシカは道夫が通う学園の生徒となった。そういう手続きに関しては、道夫の父がちゃっかり済ませていたらしい。
ぴしっと寸分の隙なく制服を身に着けた金髪女子が、「これからよろしくお願いします」と日本的にお辞儀をしたとき、道夫のクラスメイトたちは酷くどよめいた。しかもそのどよめきは、朝のホームルームが終わっても一時間目のあいだじゅう続いた。前触れなくこれだけの美人が――しかも金髪の外国人がクラスに加わればそうなるだろうと、なぜかいたたまれない申し訳ない思いとともに道夫も思った。
そして一時間目終わりの休憩時間、ジェシカはクラスメイトに取り囲まれていた。
「ジェシカちゃんジェシカちゃん。ジェシカちゃんって何か向こうでスポーツとかやってたの?」
「ええっと、チアリーディングをしています」
「うおおおおっ! そんなんあるんだ! やっぱりイメージ通りじゃん」
昨日から今日まで、自分からジェシカにほとんど何も質問できていなかった道夫は、窓際の席に座ったまま耳をそばだて、ジェシカの答えを聞いていた。
(あ、あの印象でチアリーダーなんだ……)
「あ、でも季節によっては他の競技にも参加します。バスケットボールとか、ラクロスとか……」
「うおおお、めっちゃアクティブ……」
(中学が卓球部で、いまは運動すらまともにやってない俺とは違うな……)
ジェシカは既にクラスの中心になっている。それに引き換え自分はどうだろう。と少しだけ惨めな気持ちになったが、そこまで深刻にとらえたわけではない。
「道夫くん、いくら可愛いからってジェシカちゃんに手ぇ出したらダメだよ~?」
「しないよそんなこと……」
「いや~、こんな漫画みたいなことって実際あるんだねぇ~」
道夫は道夫で、女子からそういうからかいを受ける程度には、ほどほどにクラスで上手くやっていたからだ。
ただ男子たちの中には、「道夫なら度胸もねぇし安心だろ」「ジェシカちゃんがこっちにいるあいだに、絶対俺がモノにしてみせるわ」などと不穏なことを囁き合う者もいて、クラスの一角に穏やかならぬ気配が漂っていたのも事実だった。
ともかくとして、ジェシカを家に迎えた道夫の新生活は、こうして始まったのだった。
§
「ミチオさん、ごはんのお代わりは要りますか?」
「あ、うん。――ていうか自分でやるから大丈夫だよ、ジェシカ。君は座ってて」
「え、でも……私はこの家にお世話になっている立場ですから」
「そ、そんなシュンとするなって。わかった、じゃあお願いできるかな?」
「はいっ!」
道夫が茶碗を差し出すと、向かいに座る制服エプロン姿のジェシカが嬉々としてご飯をよそい始める。月日が経つのは早いもので、ジェシカがホームステイにやってきてからあっという間に二か月近くが過ぎた。彼女の存在は、まるで初めからこの家にいたかのように馴染んでいた。
(ジェシカの髪、今日も綺麗だな……)
明るい朝の空気の中では、彼女の金糸の髪はさらに美しく輝いて見える。彼女のリクエストで「ジェシカさん」から「ジェシカ」と呼び捨てするようになっても、道夫が時おりジェシカに見惚れてしまうことは変わりなかった。
学園内ではジェシカにアタックする男子も多い。彼女が誰かと付き合い始めるのではないか、道夫は相変わらず、毎日気が気ではなかった。
「はい、どうぞミチオさん」
「ありがとう。――ず、ずいぶん大盛りだね」
「たくさん食べてください。ミチオさんは育ちざかりなんですから」
ジェシカの道夫に対するその言葉は、いったいどういう目線によるものなのか。彼女は自分のことをどう思っているのだろう。道夫にとってこの二か月というのは、ジェシカのことばかりを考えて過ごす日々だった。
ちなみに道夫の母は今日はいない。道夫の父が、いま仕事で行っているオーストラリアからポーランドに向かう際に名古屋を経由すると聞いて、いそいそと会いに行った。たぶん最低二、三日は名古屋のホテルで夫婦水入らずで過ごすのだろう。道夫の姉曰く、あの夫婦はいまでも新婚アツアツ状態だから、そういうときはホテルの部屋から一歩も出ずに二十四時間ヤリまくっているのだそうだ。
(うわっ、想像しそうになった)
つい親のセックス風景を思い浮かべそうになった道夫は、首を振ってそのイメージを頭から追い払った。
「……? ミチオさん?」
「なんでもない、大丈夫だよ。――ジェシカが作ってくれた朝食、めっちゃ美味しいよ」
「ふふっ、ミチオのお口にあったなら良かったです」
そんなこんなの事情があって、今朝の二人は彼らだけで食事をしていた。この一軒家にいるのは二人だけだ。
テーブルを挟んだ差し向かい状態で、道夫とジェシカは箸を動かしていた。
ジェシカの箸遣いはとても綺麗だ。繊細な指の先を器用に動かし、箸で摘まんだおかずを口に運んでいく。座り姿も、ぴしっと伸びた背筋のシルエットが実に美しい。
炊いた米に味噌汁に焼き鮭におひたしと漬け物という、この純和風の朝食を一から仕立てたのはジェシカである。さっきまで彼女はこの制服エプロン姿でキッチンに立ち、左手を猫の手の形にしてトントンと包丁を鳴らしていた。
平均的な日本の女子と比べると明らかに腰が高く脚の長い彼女の後ろ姿。サラサラとしたストレートの金髪は背中の半ばくらいまで伸びていて、初日に道夫が感じたのと同じ良い匂いを放っていた。
全体的に清らかな透明感のある空気をまとったジェシカであるが、バストとヒップはしっかりと発達して制服の上着とスカートの生地を少し窮屈そうに持ち上げている。色々な部活に顔を出して汗を流しているだけあって、スカートの下から伸びた太ももやふくらはぎは、しなやかな筋肉がついていてとても健康的だった。
道夫は平然と食事をしているようで、実は悶々としていた。
自分の中で彼女の存在が日増しに大きくなっていくのがわかる。彼女がこの家に来る前にどうやって過ごしていたのか思い出すのが難しいほどに。しかし自分は、そんな大切な友人である彼女のことを、時に邪な目で見てしまう。風呂に入っている彼女の裸を想像して膨らませた股間を、思いっきりしごきたくなる衝動に駆られることがある。
(でもダメだ、そんなこと。ジェシカは俺のこと信頼してくれてるんだから――!)
ただでさえ一つ屋根の下に女子がいてオナニーし辛くなっているというのに、思春期の少年は妙なプライドと義侠心のようなもののせいで性欲の発散を極限まで我慢していた。そのせいかもしれない。最近の道夫の目には、ジェシカに声を掛ける男子たちが、全員性欲目的でジェシカを道夫からかっさらおうとしているヤリチンチャラ男に見えるのだ。
もちろん全員がそうではないのだが――。実際、女子のあいだではヤリチンとして有名な先輩男子が、ジェシカに付き合わないかと言ったという噂もあった。
その先輩男子のスカしたイケメン顔を殴りつけてやりたいと思っている自分に気付いたとき、道夫はハッとしてしまった。
(何か俺、どんどん攻撃的になってないか? 別にジェシカは俺の恋人でもなんでもないのに、なんの権利で独占欲なんて発揮してるんだよ。……こんなんじゃジェシカに幻滅されちまう。もっとちゃんとしなきゃ)
そんな彼の悩みをよそに、ジェシカは普段通り振る舞っているように見えた。今日からしばらく道夫と二人きりという状況にも、特別何かを感じている様子ではない。ただ甲斐甲斐しく彼の朝食の世話を焼いていた。
朝食を終えた二人は並んで家を出た。近所の住民はともかく、駅や電車の中では、彼女の容姿は人目を集めた。ホームで脂ぎった中年サラリーマンがジロジロ彼女を眺めて来たり、混み合う車両内でジェシカにスマホのカメラのレンズを――しかもかなりきわどいアングルで向けようとしてくる者がいるたびに、道夫はさりげなく彼女の盾になった。
やがて電車が大きなカーブに差し掛かり、車両が大きく揺れた。
「アっ!?」
ジェシカはまだ日本の満員電車に慣れていない。道夫と共に立っていた彼女は、バランスを崩してドアにぶつかりそうになったが、それを道夫の片手が肩を掴んで支えた。
「大丈夫?」
「ハ、はい……」
「もうちょい端に寄ろう」
「…………」
ジェシカの身体は、ドアと道夫の身体に挟まれるような格好になった。
(……ジェシカうつむいちゃったけど、足でもひねったかな。……ていうか、髪からめっちゃいい匂いする……。ああ、くそっ。変なこと考えるな!)
道夫は邪念を頭から追い払おうとしたが、この状況下ではどうしても密着するのは避けられない。彼はジェシカに小声で言い訳した。
「ご、ごめん。なんか後ろの人がぐいぐい押してきて。窮屈かもだけど我慢して」
「わ、私は平気です。……平気です」
「えっ」
ジェシカの手が、道夫の制服の胸元をきゅっと掴んだ。
「ジェシカ?」
「…………」
彼女は返事をしなかった。
しかしその耳の頭が、ほんのり朱色に染まっていた。