11/07 電子版発売

実母【妄愛】

著者: 桜庭春一郎

本販売日:2025/10/23

電子版配信日:2025/11/07

本定価:935円(税込)

電子版定価:935円(税込)

ISBN:978-4-8296-4832-2

「母さん恥ずかしがらないで。もっと声出して」
正常位で交尾したまま、志津の身体を抱きしめる。
謎の霧に包まれた山荘に閉じ込められた母と息子。
脱出する方法はただひとつ、絶頂を感じること。
恐る恐る互いの秘所を愛撫し合っていた母子は、
禁断の一線を越え、獣のように肉交に溺れ……

目次

第一章 閉ざされた別荘 霧の中から出られない母子

第二章 捨てた理性 美母と息子が越えた禁断の一線

第三章 禁忌風呂 お母さんのソープ嬢プレイ

第四章 加速する過ち 濃厚な交わりで深まる絆

第五章 お尻の穴まで 淫母が我が子に求めた肛交

第六章 霧が晴れた日 母さんは僕のかわいい奥さん

エピローグ 母さんの妊娠

本編の一部を立読み

第一章 閉ざされた別荘 霧の中から出られない母子

 一体自分たちは、これからどうなってしまうのか。少年、御坂晶は本気でそんなことを思っていた。横を歩く母、志津も同じようだ。
 深い霧で一メートル先もろくに見えない中、田舎道をひたすら歩く。相変わらずスマホは圏外のままだ。今どき珍しい。幸いにして、コンパスアプリがインストールしてあった。スマホがオフラインでも使用可能な優れものだ。
 事故など緊急時のために、地図をダッシュボードに入れておいたのも正解だった。合わせて、なんとか大まかな現在地と方角だけはわかる。
(ともあれ……この霧じゃなあ……。道も……まっすぐじゃないし……)
 晶は、自分と母が正しい方向へ進んでいるのか、まるで自信がなかった。人間の直進性などあてにならない。いつの間にか明後日の方向に向かっていることも、ひどい場合になると、同じ場所を回ってしまう可能性さえある。
 さして人里から遠くない砂漠や山林で遭難が起きてしまうのは、そのためだ。なにか明確な目印がないと、人間は迷ってしまうものなのだ。
 まして眼の前は、ほとんど視界が利かない乳白色の闇だ。もし道の先が崖になっていたら、絶対に落ちる自信がある。
「どうする、母さん。少し休む……?」
 少年は母を気遣う。舗装されていない道を歩き始めてから、そろそろ一時間が経過している。
 幸い志津が履いているのは、運転用のスニーカーだ。歩きづらいということはなさそうだ。彼女は健康のために、ウォーキングも日常的にしている。
 が、それでも心配だ。無理をして足にまめができたり、捻挫でもしようものなら目も当てられない。
「大丈夫よ晶。もう少し歩いてみましょう」
 母は努めて明るい笑顔で応答する。止まるわけにはいかない。一刻も早く、この霧から脱出しなければ、と言外ににじませて。
「わかった。無理しないで。疲れたら遠慮なく言ってね母さん」
 晶も、無理にでも微笑む。憂鬱な顔をしても、いいことはひとつもない。歩いた先に人家。そうでなくとも緊急電話くらいはある。そうでも信じなければやっていられない。
(まったく……なんでこんなことになってんだ……? 僕らは……ドライブをしてただけじゃないか……。なぜ……)
 少年はそこら辺の樹木を殴りつけたい気分だった。
 今日はなんてこともない、普通の休日のはずだった。母とふたり自家用車でドライブ。ついでにコースの途中にある蕎麦屋に寄る。田舎蕎麦の喉越しと、椎茸由来の出汁つゆの香りと味に舌鼓を打つ。そして、暗くなる前に帰宅。
 そのはずだった。そのはずだったのだ。が、なぜか自分たち母子は遭難している。道中突然車が故障し、どうやってもエンジンがかからなくなった。
 そして、悪いことは重なる。どういうわけか、スマホは圏外。近くに電話もない。周囲には濃霧が立ちこめ、車もまるで通らない。
 しばらくは、ハザードランプをつけたまま他の車が通りかかるのを待った。が、どういうことか、まるで誰も通らない。
 自家用車には、長時間の運転に備えいくつものペットボトルや菓子、非常食の類いは積まれていた。が、孤立無援の状況をやり過ごせるものではない。
 母と話し合った結果、とにかく人家がある方向へと歩くことに決めたのだ。たとえ、前方がまるで見えない濃霧の中だとしても。
 ドライブ先での軽いトレッキングを見越して、トランクに積んであったバックパック。それに、必要なものを詰め込んだ。とにかく外部と連絡が取れるまで、最低限の飢えと渇きを癒やすために。
(どうしたらいいんだ……? もし……このまま……人がいるところにたどりつけなかったら……?)
 足が疲れ始めると、晶はどうしてもネガティブな思考をしてしまう。相変わらず、スマホは圏外。予備バッテリーは持っているが、いずれ尽きる。母とふたりで力尽き倒れ伏して……。そんな悲痛な未来を想像してしまう。
 が……まさにそのときだった。
「ああ……見て母さん……。あれ……家じゃないか……?」
 霧でろくに視界が利かない中、ぼんやりとだが見える。檜造りの建物、誰かの別荘と思える建物が。
「ええ……? ほんと……ほんとだわ……。幻じゃ……ないわよね……?」
 志津は、己の眼を疑う。切迫した状況では、人は容易に幻覚を見る。特に深い霧の中では、見えてはいけないものが見えてしまうこともある。
 若いころ登山を趣味としていた経験からわかる。濃霧や霞の中、そこにないものを見てしまったことは一度ならずある。
 が、近づくにつれて木造の建物がはっきりと見えてくる。これは幻ではない。間違いなく、それは自分たちの眼の前に存在する。
(た……助かった……。外部と連絡取れる手段あるよな……? そうでなくても……雨風は防げるし……水と食料も……。あるよな……?)
 晶は眼の前の希望にすがりつこうとするが、それも儚い。
 取りあえずは、その木造の別荘は幻ではない。確かにそこに存在している。が、それだけでは問題は解決しない。既に遺棄されている廃墟であったなら? 中になにもなかったら? 雨漏りしていたら? 
 自分たちの現状は少しもよくならない。霧の中でふたり立ち往生だ。その先は……考えたくもない。
「ごめんください。どなたか居ませんか? 僕たち、道に迷ったんです」
 ともあれ、とにかくドアの呼び鈴を鳴らしてみる。アナログで前時代的な、ブロンズ製のベルだ。透き通った金属音が響く。腹に力を入れて大きな声で中に向けて呼びかける。
「ごめんください。電話を貸して頂けませんか? お願いします」
 志津も息子に倣い、中に向けて声をかける。今はとにかくそうするしかない。現状自分たちのあては、この別荘だけなのだ。
 別荘の周囲は、それなりに手入れがされている。普通なら雑草に覆われていそうな庭は、きれいに刈り込まれている。外壁やガラスも磨かれている。一見して、今人が住んでいるように見えるのだ。が……。
「ダメか……留守みたいだね……。まあ……静かだし予想はついたけど……」
「困ったわね……。この霧じゃ……他をあたるわけにも……」
 母子は途方に暮れる。呼べど叫べど応答はまったくない。
 周囲が暗くなり始めている。時計を見れば、後一時間もすれば日が暮れる。まずいことだった。この濃霧の上に夜になれば、それこそ本当になにも見えなくなってしまう。温度も下がっている。
 あいかわらず、自分たちのスマホはつながらないままだ。救助を呼ぶあては今のところない。このまま日が落ちたら万事休すだ。
(泥棒みたいで気分が悪いけど……。勝手に入らせてもらうか……)
 晶は罪を犯す腹を括る。人様の家に無断で入る覚悟を決めてしまう。やることは浅ましいが、この際他に手はない。
「母さん……申し訳ないけど勝手に入らせてもらおう」
「そうね……。他にどうにもならないわね……」
 息子と母は諦め気味に顔を見合わせる。これから空き巣に入るのだ。気分がいい道理がない。が、そうでなければ自分たちは命の危険さえある。
「ガラス割るか……? でも……この立派なガラス……簡単には割れそうにないしな……」
 晶は、別荘のガラスを軽く叩いてみる。
 かなり高級かつ分厚い強化ガラスだ。窓枠も一見木製に見えたが、金属だ。スチールかジュラルミンにウッドパネルを貼り付けたものだ。ハンマーや斧の類いはもちろん、ライフル弾でも防ぎ切りそうだ。
 とてもじゃないが、自分たちの力で壊せるものではない。周囲には、破壊に使えそうな鈍器の類いもない。
 誤解されがちだが、ガラスが人間の打撃や銃弾で容易に粉々になるのはフィクション。映画やマンガの中だけのことだ。ガラスを丈夫にする技術は日進月歩。合わせガラスや、積層コーティング、ポリアミド系のマテリアルを用いる、エトセトラ。頑丈に作る手段はいろいろある。
 とても破れるものではない。
「待って晶……どこかに合鍵があるかも……。探しましょう?」
 志津が代替案を申し出る。力業ではどうにもならないと理解した。別の可能性に賭けるしかない。そして、その考えは吉と出た。
 あちこち探し回った結果、合鍵が見つかった。郵便受けの天井に、強力磁石で貼り付けてあった。なかなかうまい隠し方だ。
「失礼しますよ……。勝手に入ってごめんなさい……」
 玄関の鍵を開け、別荘に入る。檜のいい香りが鼻を突く。中は意外なほどきれいだった。床にはチリひとつ落ちていない。まるで、現在進行形で人が居住しているように。

 御坂晶は、十代後半の少年。百七十センチ、六十五キロ。細マッチョでギリシャ彫刻のような体型を持つ。母親似の容貌は細面で、中性的なイケメンと言える。いわゆるジェンダーレス男子だ。
 一方の美母、御坂志津は三十七歳。百六十八センチの長身。焦げ茶髪ロングワンレングス。切れ長の双眸、いつも上がった口角、そして卵型のフェイスラインを持つ、年齢を感じさせない美人だ。やや太めだがスケベボディ。男であれば、誰もが振り返って見るいい女だ。息子の美形は母ゆずりと言える。
 そして、他でもない。母子の美貌が、この後の倒錯した禁断の展開へとつながっていくのである。

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