戦いの女神の申し子・スカーレットは
大国に囚われ、剣闘士奴隷に堕とされ
ていた……哀れな戦姫を祖国へ届ける
ため、配達人グスタフが挑む決死の逃
避行! 高嶺の華が捧げるバージン!
身分を偽っての娼婦奉仕! 胸で唇で
お尻で──いつしか戦姫は恋ドレイへ。
「お願い、私を幸せな未来に運んで!」
本編の一部を立読み
☆戦姫を娼婦のように☆
グスタフは、スカーレットを突きあげながら、廊下で起こる物音を聞いていた。
たくさんの足音に剣鞘の鳴る音、マダムのおろおろした声と、ゲストチェックを告げる役人の声、投宿客の迷惑そうな声が重なる。
――スカーレットを探しに来たんだな。
興奮にヒートアップしていた脳裏が、一気に冷静になった。
スカーレットのペンダントトップを背中に回す。そして、奥をえぐるように突きあげて、彼女に悲鳴をあげさせた。
「あぁっ、か、感じるっ、いいっ、いいのぉっ」
ドアが開き、ベルヌーブの鷲の紋章の鎧を着た兵が声をあげた。
「ゲストチェックである。十七歳ぐらいの貴族の姫を探している」
バスルームで、商売女を背後から貫いているグスタフを見て、兵は顔をしかめた。
「どうされたんですか?」
グスタフは照れくさそうな様子を装って聞いた。
「戦姫スカーレットが逃げた」
「ああ、あの、女剣闘士ですか?」
「そうだ。念のために聞く。その女は誰か?」
スカーレットがはっと緊張した。自分を捜しに来ていることに気がついたのだろう。
「見てのとおり娼婦ですよ」
「顔を見せろ」
「へえ」
グスタフは、スカーレットの髪をつかんで引っ張りあげ、廊下の兵に顔が見えるようにした。
ひどい行為だが、娼婦だと思わせるにはこうするしかない。
もう片方の手をお湯の中に入れ、指先で秘芽をつまみ、丸めるようにいじる。
スカーレットは身体をガクガクと震わせた。口の端から涎が垂れたらしい。湯面に水滴がしたたった。
「あぁっ、だ、だめぇっ、いいのぉっ」
グスタフの位置からでは彼女の表情は見えないが、涎をたらし、瞳をとろんと曇らせて、唇を半開きにしてあえいでいる様子は、商売女にしか見えないはずだ。
「兵隊さん。もうよろしいでしょう。貴族のお姫様は、こんな労働者階級の男に身体を許して、あんあん悶えたりしませんよ」
マダムがおろおろと近衛兵に言い、ドアを締めた。
「すみません。お客さん。ごゆっくり……ああっ、もうっ、こんなこと、客が逃げるじゃないかっ。ウチはB&Bホテルなんだ。客に静かに休んでもらうのがウリなのにっ」
足音が遠ざかっていく。グスタフは、安堵のため息をついた。