愛人・鋭子

著者: 豊田行二

本販売日:1986/10/23

本定価:535円(税込)

ISBN:978-4-8296-0087-0

背徳の魔性と独身OLにはない

しっとりとした潤いのある色香を放ち、

部長の腕の中で肉悦に浸る鋭子。

1DKのマンションで週に2度の密会……

OL、部長の愛人、人妻──

3つの顔をもつ鋭子は29歳!

登場人物

えいこ(29歳)人妻

みき(29歳)人妻

みほ(25歳)人妻

みゆき(22歳)人妻

けいこ(24歳)OL

本編の一部を立読み

スリップをはぎとると、一糸まとわぬ人妻の肌が現われた。

しみひとつない、なめらかな白い肌だった。子供をひとり産んだにしては、体の線は崩れていない。胸はみごとに発達していた。

弾力に富んだ乳房は、つかむ指をはね返さんばかりだったし、大き目の乳輪は、その部分が立体的に浮き上がり、女の生命力を誇示していた。

乳首は大きすぎもしなければ小さすぎもしなかった。垣見が唇でついばむと、乳首は固く尖り、舌が周囲を散歩すると、鋭子は押し殺した声を漏らした。

女の茂みはあるべき部分に、こんもりと盛り上がっていた。シルエットは逆三角形だが、三つの辺は直線ではなく、わずかに外側に向かってまるいふくらみを帯びていた。親しみのもてる茂みの形だった。

垣見は指で、その内側を探索した。内側は熱く濡れそぼっていた。

指先が小さく尖った芯芽をとらえると、人妻の唇を喘ぎ声がついて出た。

太腿から腰のあたりにかけて、力がみなぎる。垣見は唇を胸に這わせながら、指では休みなく芯芽をせめた。

周囲を円を描くように撫で、その円を次第にせばめ、最後は芯芽の頂点だけで円を描く。鋭子は太腿を痙攣させ、左手の甲で口をおさえ、必死に声を出すまいとした。しかし、その意志に反して、腹の底からしぼり出すような声が漏れる。

鋭子は、右手を伸ばしてジュニアを探り当てた。人妻らしい巧みな愛撫で出動をうながす。

垣見は鋭子の体を開き、両足の間に位置した。鋭子の手が、ジュニアを目的地へ導く。

垣見が腰を落とすと、ジュニアは女芯にすべり込むようにおさまった。

鋭子が小さく叫ぶ。女の力がジュニアを強く包んだ。力に強弱のリズムが加えられる。垣見は動きを開始した。

鋭子の耳元に唇を寄せて、女芯のとらえ方の素晴らしさをほめる。

「あなたも素晴らしいわ、部長さん」

喘ぎながら鋭子も垣見を賞賛した。長さも太さも素晴らしい、と言う。

「男の人って、みんな同じかと思っていたら、随分サイズが違うのね」

そう言う。

「前戯だって、まるで違っていたわ。入念なのね。部長さんって」

喋ることで、鋭子は感じ方を自分で昂めているようだった。夫は愛撫も性急だし、行為の時間も短い、と鋭子は言った。

「部長さんを知るまでは、夫で満足していたのよ。こんなものなのだろう、って。でも、部長さんを知ったら、不満だらけになりそうだわ。どうしよう……」

額に縦皺を刻み、泣き出しそうな声を出す。

「僕の愛人にならないか。そうすれば、君が望むだけ、可愛がってやるよ」

垣見は、鋭子の耳元で囁く。

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