麗人姦落

著者: 千草忠夫

本販売日:1989/03/23

本定価:535円(税込)

ISBN:978-4-8296-0242-3

シチュエーション

地方旧家の令嬢だった月子が堕ちた

暗黒の世界は、女体改造の性奴市場。

剃毛の後に控える浣腸、肛姦、縄責め……

豊饒な裸身に加えられる弄虐は、

身は堕ちても心だけは堕ちないと

誓った月子を、徐々に蝕んでいく。

登場人物

つきこ(26歳)令嬢

うめこ その他

くみこ 女子学生

みえこ(22歳)姉

あやこ(27歳)人妻

本編の一部を立読み

「こら、じっとしとらな、大事なところに刃が当たるやないけ」

女のナルシシズムが月子から動きを奪った。

硬直したままカチカチ歯を鳴らし嫌悪の眉をひそめつつ天を仰ぐように顔をのけぞらせた。

柔らかな肌から翳りをひとすじひとすじそぎ落とされてゆく感触が、無残な音となって月子のわななきおびえる胸をさらにさいなんだ。さっき涙の陰から見た周囲の女たちの視線がさらに胸をすくませる。

「もうだめなんだわ……」

ゾリッ、ゾリッ、と動きまわる剃刀の感触に月子は無意識の悲鳴を絞り出しながら、一歩一歩奈落へ向かって歩まされてゆく自分を意識しないわけにはゆかなかった。

小平の手が微妙な部分にかかって、動きが繊細になった。逆毛ひとすじ残すまいとするような刃の動きを与える。月子の泣き声が肺腑を絞るようなものに変わった。

「なんや、シッポリ濡らしてからに」

小平のからかいに、月子の涕泣がピクッとおびえる。

「おら、おら、動いたらあかんがな、下手すると可愛いおマメをそぎ落としてしまうで」

小平は額を汗に光らせて、おおいに楽しんでいる。

そして手渡された蒸しタオルで黒いもののまじった石けんを拭い落とすと、満足げに唸ってためつすがめつした。

「どや、坂上はん。色が淡いから、まるで赤ん坊みたいで、イケまっしゃろ」

ツルリと青坊主を撫で上げて、坂上を振り返った。

「綺麗な線をしていますな、この年の女にしては全く崩れがなくて」

「そうや、ちょっと心配がないでもなかったんやが」

小平が線をなぞると、月子は噛みしめていた嗚咽をたまらず爆発させた。

「みんな、見てやれや」

小平が月子の前から立ち上がった。

「これで月子もお前たちの仲間や。みんな拍手で迎えてやってくれ」

ドッと拍手が起こった。志摩の鞭で泣き顔を晒されていた月子の美貌が、その拍手に打ちのめされたようにみじめに歪む。剃りたての丘がわずかな外気の揺れにもヒクヒク反応して、その哀れさが惻々と胸にしみる。

が、月子の地獄の苦悩はそれで終わったわけではなかった。そんな苦悩の表情こそ彼女の買い主を最も欲情させるもので、従ってその欲情を満たす道具として月子は、さらに屈辱を強いられねばならないのだ。

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