「なぜ、どうして、いや、だめーっ!」
幸せな結婚を間近にして
抗いきれない愉悦と憎しみと
恥辱を噛みしめる女秘書・早希子
16年前の暗い過去が、いま熟肉に甦り、
思いもしない背徳の相姦が展開する!
さきこ(32歳)秘書
みちこ 女子学生
本編の一部を立読み
舌先が移動した。膣口を覆う下唇の裾を、軽く、浅く舐めていく。陰毛がチョロチョロと短く生えているだけに、奇妙な摩擦感が、早希子を急速に狂わせようとする。
あのときのようになりたくない!……彼女は、最初に犯されたときの強烈な性感を思い出し、あわててあの鮮烈極まりない印象を打ち消した。
信哉の目は、早希子の蠢く花弁に向けられていた。重なり合ったそこの隙間から、いつのまにか、ねっとりした汁が滲み出している。指で花弁を開いてやると、奥から、ツーッと淫液が流れる。それを、不意にペロリと舐めた。
「いいッ!」
言ってしまったあとで、早希子は羞恥と快感のせいで顔を真っ赤に染めた。先程までの自信がぐらついてくる。このときとばかりに、舌が淫裂の奥に伸びた。
陰唇が、ペロリと外にまくれ上がり、周りの襞を舌がチロチロと刺激する。指先で突起を擦ると、ひと皮むけたようにググッと外にせり出してくる。
一挙に、早希子は快楽の世界へのめり込んでいくしかなかった。もはや自分でコントロールすることは、まったく不可能である。体が宙に浮き、意識が今にも遠のいてしまいそうだ。それなのに、ただ快感だけははっきりしている。
「うううッ……ちょっと……あーん、あなた、駄目よ……そんなこと……いけないわ、いやよッ、いや……やめてッ!」
うわごとのように、言葉が次から次へと出るが、実際のところ彼女自身、何を言ってるのか、さっぱりわからない。だが何か言っていないと不安なのだ。
「いやならこんなに濡れるもんか。気持ちよくってしようがないくせに……」
ぬらついた顔を股間から上げて、信哉が憎たらしく言う。
「よして……よしてよッ……」
「いいや、よさないね……どうしてもって言うなら、ぬるぬるをストップしてごらんよ」
またしても憎たらしく言ってのけ、ピタリと茂みに顔を埋める。
突起から粘膜、果ては膣口の奥深くにまで舌が這い回るものだから、五体が弾けそうな快感で、ついつい早希子は我を忘れそうになってしまう。もうどんな手段を使っても、自分の快感源から、信哉の顔を、舌を、指を、すべてを引き剥がすことは困難な状況に追い込まれていた。
早希子の感じやすい粘膜の奥からは熱くなった快液が、男性の射精にも似た噴出を繰り返す。彼女は、それほどよくなっていた。先刻までの固い決意はもろくも崩れ去り、今は、快楽の世界に身を任せて、ただ荒い息を吐き、胸を弾ませ、腰を軋ませるしかない。その反面、羞恥と屈辱、そして絶望感が彼女を責めたてる。